さんぽで出会う花鳥風月

ひでじいの四季の写真

チャミノガ

2018-06-05 22:16:31 | 昆虫

*2018年6月5日撮影

 今日も良い天気でしたが、気温は30℃を超え、真夏日になってしまいました。

 会津の鶴ヶ城公園にはマサキの生垣がたくさんあるのですが、その一部にミノムシがたくさん発生しています。
 ミノムシというのは体に蓑のようなものをまとって、木にぶらさがっているお馴染みの虫です。
 近年めっきり減ってしまってあまり見かけないという声もあります。

 ミノムシという虫がいるわけではなくて、蓑をまとう虫を総称してミノムシと言います。
 たくさん種類があるそうですが、とりあえずオオミノガという蛾かチャノミガという蛾のどちらかであることが多いようです。
 この写真のミノムシは、蓑が枝を並べて筒状にしていることから、チャミノガであろうと思います。
 チャミノガとは「茶の木につく蓑を作る蛾」というわけです。
 チャミノガは茶だけでなくてたくさんの木にとりつきます。

 写真が小さいのでよく見えないかもしれませんが、蓑の上の方の先端に爪のような足が出ています。
 蓑から幼虫が顔を出して、マサキの葉を食べているのです。
 葉には大きく食べられたあとができています。





*2018年6月5日撮影

 蓑から幼虫が体を出しているところ。
 足を上にして逆さになっているので、右側が頭です。
 体の下半分は見えませんが、思ったより大きな虫が入っているようです。

 幼虫はこれから夏になると蛹化し、成虫へと脱皮します。
 雄の成虫は黒っぽい蛾になりますが、雌は成虫になっても芋虫状のままで、蓑の中で暮らします。
 雌は蓑の中へ産卵し、孵化した幼虫は新たな場所へと散らばっていきます。
 そして冬を越すために自分の蓑をつくり、そのなかで翌春までを過ごします。
 春になると旺盛な食欲で葉を食べ続けるので、その食害でしばしば駆除の対象になります。





*2018年6月5日撮影

 もういちど、チャミノガの蓑の姿です。
 この写真も、蓑の先端に幼虫が顔を出しています。
 爪状の足が見えると思います。

 蓑状の住処を自分で作ってその中で生きるという形にどうやって到達したのか、などと考え始めるときりがありません。
 命の不思議にはほんとうに限りがないですね。