国分寺はけの道
起きたばかりです。
顔を洗いたい。
手にいくつも貼った絆創膏を濡らしたくない。
蛇口に顔を突っ込みました。
あとはタオルで拭いて一丁上がりです。
さっぱりしました。
プロジェクトをやっていると、抜け落ちや検討不足があります。
そんな時こそ力が試されるのです。
経験を積めば積むほど、気づくのが早くなります。
構想段階、基本設計までに気づくのがベストです。
つまり、見積もり依頼前です。
今日のテーマは、「解決する力」です。
転職の決め手は、キャリアーです。
キャリアーとは、困難と思える仕事をどんな方法で解決したかです。
ある時は、現場に貼り付いて職人の動きを見ています。
常雇(一日働いていくら)か請負(仕事一切の完成まで責任を負う)か見るのです。
常雇では、仕事が空いた(手待ち)の時に追加(実際に施工)仕事を依頼します。
請負では、何かの仕事をしなくても良い(内容変更)ことと追加仕事を天秤にかけます。
つまり、人工数であったり工事内容を変更することでまず利益を出すのです。
最初から仕込んでなければなりません。
このような解決方法はかなり高等戦術になります。
ある時、賦金(建築会社から協力金を要求される)を要求されました。
相手の要求は、請負金額の1%です。
断っても良いのです。現場で初めて言われることです。
私は、相手の顔を立てます。
その前にやることがあります。
例えば、建築会社の不得意な部分(プロセスに合った工夫、ユーティリティーなど)を
見抜くのです。繰り返し無償のアドバイスをするのです。全体最適のためです。
そうすると、私達の時間が取れる夕方になると、
建築会社の下請けの会社の監督が訪ねてきます。
惜しみなく協力します。新しい方法をアドバイスします。門前市のように盛況です。
相手の監督は知らん顔です。ここまで意識付けをして、賦金の交渉に入ります。
約1/10になります。断られたら、協力をやめるぞと脅しが効いているのです。
またある時、上司が決めた金額でプロジェクトに入ったことがありました。
最初から、1億円の赤字(請負金額ー発注金額=赤字)でした。
間に合う内に、何とかしなければなりません。
プロジェクトを引き継ぐや建築の分厚い見積書と毎日にらめっこです。
基本設計図面との格闘です。
発注会社と発注金額の交渉をします。また、追加金額は出さないと宣言します。
一方、基本設計を書いた設計事務所(客先の設計事務所、中立的な立場)と交渉します。
見積もり時に示された図面(基本構想図面)と、
請負後に出された図面(基本設計図面)の比較をした結果を報告します。
あれもこれもあったら良いと追加されるのが常です。
これでは違うと、我々の客先の先生(一級建築士)を担ぎ出し交渉します。
あの手この手で、鉄骨トン数を減らすのです。必要ない設備を削って行くのです。
同じような仕上がりで工法を変更(安くなるよう)するのです。
鬼のような交渉をするのです。
一週間に一回、客先を交えて打ち合わせがあります。
昼も夜も、建築事務所の設計士と一緒です。もちろん支払はこちらでします。
あとは、現場を見るのです。
建築会社(建築、設備、一次側電気)が工程を詰められるような努力を惜しまないのです。
最後に案の定、法外な追加金額が出てきました。認めないと鍵を渡さないと言っていました。
ここで、金額(赤字)を決定した上司の登場です。こちらも逃がしません。
深夜までの交渉は決裂でした。やくざな会社でした。
今後、当社は、あなたの会社(建築会社)には一切発注しない。
と上司は言いました。相手は、会社のトップに相談し折れてきました。
追加金額は、一切払わないことはしませんでした。
折れて来た見返りの金額は査定して、協力しました。
一億円の赤字は解消し、いくらか浮いていました。
解決する力は、頭が切れるということではありません。
相手があることです。相手の立場を尊重しながら交渉しなければなりません。
自分だけが有利になる交渉は上手く行かないのです。
それには、惜しみない努力が要求されます。
ここしかないのです。工夫(知恵の汗)しかないのです。
最善ではないけれど最良にするのが我々の勤めです。
人間だから、気づかないことはあります。
一回も失敗しない。一回も悪い金は受け取らない。
こうして生きてきました。仕事のうえでのことです。
プライベートは、散々でした。
亡きかみさんにも苦労をかけました。
仕事馬鹿のバランスは取れているのです。
よもぎ草 新芽の頃は てんぷらで
2015年8月19日
(書いた後の感想)
若い人に望むこと。
失敗を恐れないことです。
むやみに冒険することではありません。
石橋をたたきながら、果敢に渡ることを言います。
準備もさることながら、問題に向かうことです。
孤独感にさいなまれることもあるでしょう。
闇夜であろうと、手探りであろうと生きていることを楽しむことです。
多くの先輩が、私の前を歩いてくれました。
今度は自分が歩く番だと思うときが来ます。
躊躇なく先頭を歩いてください。
外野がとやかく言っても、プレイヤーはあなたです。
私達は密かに見守っています。
外野の草をとりながら。
起きたばかりです。
顔を洗いたい。
手にいくつも貼った絆創膏を濡らしたくない。
蛇口に顔を突っ込みました。
あとはタオルで拭いて一丁上がりです。
さっぱりしました。
プロジェクトをやっていると、抜け落ちや検討不足があります。
そんな時こそ力が試されるのです。
経験を積めば積むほど、気づくのが早くなります。
構想段階、基本設計までに気づくのがベストです。
つまり、見積もり依頼前です。
今日のテーマは、「解決する力」です。
転職の決め手は、キャリアーです。
キャリアーとは、困難と思える仕事をどんな方法で解決したかです。
ある時は、現場に貼り付いて職人の動きを見ています。
常雇(一日働いていくら)か請負(仕事一切の完成まで責任を負う)か見るのです。
常雇では、仕事が空いた(手待ち)の時に追加(実際に施工)仕事を依頼します。
請負では、何かの仕事をしなくても良い(内容変更)ことと追加仕事を天秤にかけます。
つまり、人工数であったり工事内容を変更することでまず利益を出すのです。
最初から仕込んでなければなりません。
このような解決方法はかなり高等戦術になります。
ある時、賦金(建築会社から協力金を要求される)を要求されました。
相手の要求は、請負金額の1%です。
断っても良いのです。現場で初めて言われることです。
私は、相手の顔を立てます。
その前にやることがあります。
例えば、建築会社の不得意な部分(プロセスに合った工夫、ユーティリティーなど)を
見抜くのです。繰り返し無償のアドバイスをするのです。全体最適のためです。
そうすると、私達の時間が取れる夕方になると、
建築会社の下請けの会社の監督が訪ねてきます。
惜しみなく協力します。新しい方法をアドバイスします。門前市のように盛況です。
相手の監督は知らん顔です。ここまで意識付けをして、賦金の交渉に入ります。
約1/10になります。断られたら、協力をやめるぞと脅しが効いているのです。
またある時、上司が決めた金額でプロジェクトに入ったことがありました。
最初から、1億円の赤字(請負金額ー発注金額=赤字)でした。
間に合う内に、何とかしなければなりません。
プロジェクトを引き継ぐや建築の分厚い見積書と毎日にらめっこです。
基本設計図面との格闘です。
発注会社と発注金額の交渉をします。また、追加金額は出さないと宣言します。
一方、基本設計を書いた設計事務所(客先の設計事務所、中立的な立場)と交渉します。
見積もり時に示された図面(基本構想図面)と、
請負後に出された図面(基本設計図面)の比較をした結果を報告します。
あれもこれもあったら良いと追加されるのが常です。
これでは違うと、我々の客先の先生(一級建築士)を担ぎ出し交渉します。
あの手この手で、鉄骨トン数を減らすのです。必要ない設備を削って行くのです。
同じような仕上がりで工法を変更(安くなるよう)するのです。
鬼のような交渉をするのです。
一週間に一回、客先を交えて打ち合わせがあります。
昼も夜も、建築事務所の設計士と一緒です。もちろん支払はこちらでします。
あとは、現場を見るのです。
建築会社(建築、設備、一次側電気)が工程を詰められるような努力を惜しまないのです。
最後に案の定、法外な追加金額が出てきました。認めないと鍵を渡さないと言っていました。
ここで、金額(赤字)を決定した上司の登場です。こちらも逃がしません。
深夜までの交渉は決裂でした。やくざな会社でした。
今後、当社は、あなたの会社(建築会社)には一切発注しない。
と上司は言いました。相手は、会社のトップに相談し折れてきました。
追加金額は、一切払わないことはしませんでした。
折れて来た見返りの金額は査定して、協力しました。
一億円の赤字は解消し、いくらか浮いていました。
解決する力は、頭が切れるということではありません。
相手があることです。相手の立場を尊重しながら交渉しなければなりません。
自分だけが有利になる交渉は上手く行かないのです。
それには、惜しみない努力が要求されます。
ここしかないのです。工夫(知恵の汗)しかないのです。
最善ではないけれど最良にするのが我々の勤めです。
人間だから、気づかないことはあります。
一回も失敗しない。一回も悪い金は受け取らない。
こうして生きてきました。仕事のうえでのことです。
プライベートは、散々でした。
亡きかみさんにも苦労をかけました。
仕事馬鹿のバランスは取れているのです。
よもぎ草 新芽の頃は てんぷらで
2015年8月19日
(書いた後の感想)
若い人に望むこと。
失敗を恐れないことです。
むやみに冒険することではありません。
石橋をたたきながら、果敢に渡ることを言います。
準備もさることながら、問題に向かうことです。
孤独感にさいなまれることもあるでしょう。
闇夜であろうと、手探りであろうと生きていることを楽しむことです。
多くの先輩が、私の前を歩いてくれました。
今度は自分が歩く番だと思うときが来ます。
躊躇なく先頭を歩いてください。
外野がとやかく言っても、プレイヤーはあなたです。
私達は密かに見守っています。
外野の草をとりながら。
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