故郷へ恩返し

故郷を離れて早40年。私は、故郷に何かの恩返しをしたい。

ジョブ型とメンバーシップ型

2017-09-18 08:06:12 | プロジェクトエンジニアー

奥多摩の名もない滝を描きました。
ことりと音がしたように思いました。
静かな山の中のこと。


今日のテーマは、「ジョブ型とメンバーシップ型」です。
ジョブ型は、仕事が決まっていて、その仕事をするために雇用契約を結ぶ。
メンバーシップ型は、仕事は決まっていないが、会社と雇用契約を結ぶ。

外資系の会社で多忙を極め、秘書に書類の作成を依頼したことがありました。
秘書は、派遣社員でした。
会社との契約事項に入っていないから手伝えないと断られました。
忙しい時は、皆で手伝うと言う環境で育ちました。
驚きました。確かに契約事項に入っている仕事はよくできました。

私は、プロジェクトエンジニアーです。
メンバーシップ型(技術系)で、入社しました。
最初から、プロジェクトエンジニアーはやれませんでした。
プロジェクトマネージャーは怖くて、夢のまた夢でした。
設計、サービス、開発、営業と何でもやって来ました。
おおよそは、食品系のプロジェクトに関わってきました。
液体(薬品、化粧品、飲料、燃料)、固体(穀物、化学薬品、鉱物、食品)、
粉体(粉、粉砕、搬送)、気体(ガス、反応、凍結)と様々な分野の仕事に
携わってきました。
都度、先輩からまた顧客から教わって業務をこなしてきました。

何回も転職したので、終身雇用ではありません。
プロジェクトは、FS(経済的にもうかるか)から
引き渡し後のサービス(社員教育)までをカバーしました。

建築、電気、空調、システム、労務管理と多岐に渡るコンサルタントも業務の一つでした。
専門的にできたのなら、スーパーマンです。
全てにおいて、かじった程度の専門性で良かった。
所謂、チームをつなぐのが仕事でした。
勘所が求められていました。

とてもジョブ型とはいえません。
ヨーロッパ(特にドイツ)では、マイスター制度(ジョブ型)があっって、
どこの会社に行っても、その業務に支払われる対価はほとんど一緒でした。
その分野でのスキルを極めることで、給料は上がっていきます。
また、スキルを求められヘッドハンティングされたりしていました。
格差(年齢、男女、経験)はないと言っても良い。
求められる仕事がこなせればよいことになります。
同じ仕事をし続けるので、スキルは上がります。
私の仕事ではないと、会社が倒産しそうでも拒絶できます。
中企業、大企業での話です。

中小企業では、考えられないことです。
会社があって、生活があります。
経理から営業まで一人何役もしなければなりません。
主婦の仕事も同様です。
これは、枠(会社、家庭)があるメンバーシップ型です。

技術が進んで、コンピューターが替わりをするようになると、
ジョブ型の人は無職になります。
メンバーシップ型は、他の部署に移ることになります。
いろんな部署を転々としながら、係長、課長、部長と限られた人が昇進していきます。
その人の能力は、ある会社の中でしか評価されません。
メンバーシップ型は、転職すると、また一から出直しです。
中高年のリストラが良い例です。

ジョブ型の場合、どちらの仕事かなと判断に迷うこと(内容、場面)があります。
どちらも自分の仕事じゃないと言います。
新しい分野の仕事に取り組むときに、おこりやすいと言えます。
チーム(会社)の中がギスギスして、楽しくありません。
グレーゾーンを埋める組織が成長できるでしょう。
自分の仕事との関わりが見え、お互いに分かり合えるからです。

若い人は、ジョブ型を好むでしょう。
年齢に関係が無いからです。
年配の人は、メンバーシップ型が良いでしょう。
仕事をしなくても給料がいただけるからです。

会社に体力(厚生、教育が無くなってきた)がなくなってきた現在では、
だんだんとジョブ型(即戦力を求めて)に移行すると思われます。
寮完備とかいかにも良い環境を整えていると宣伝する企業は、
いまや3K(きつい、きたない、危険)の職場が多いように思いますが、
いかがでしょう。

メンバーシップ型は、出身大学や派閥(社内報)を大事にして来ました。
あいつぐ合併劇で、失われて行く悪しき慣例となるでしょう。

高校の統廃合がテーマの教育現場でのこと。
私は、高校を盛り立て存続させる仕事に就こうとしました。
雇い主は、偏差値をあげてよい大学に卒業生を送り込みたかったようです。
旬の内は利用されて、やがて捨てられるエリートの末路について話しました。
世間の価値に合致する物差しをもち、
オリジナリティーの価値の物差しを持ち合わせない人が、エリート集団です。
この場合のエリートとは、良い大学を出て、良い会社に入る
メンバーシップ型を志向する集団です。
そんな教育をして、半分(定員に満たない)になったコップを
嘆くことはやめませんか。
コップに半分もいる学生のことを考えませんか。
私と雇い主が分かり合えることはありませんでした。

要は、仕事ができる人にお金を払う。
仕事をしない人の給料は、一生懸命やる人にばらまく。
サービス残業を良しとする企業には、本当に働いている人を見抜けないし、
一部の社員が疲労困憊しているのを知ることもできないでしょう。
いつか、働くのが楽しい職場が多くなることを願います。
また、そのことを唱え続けていきたいと思います。

あっちの水 甘いとこがれ 闇のなか

2017年9月18日
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