故郷へ恩返し

故郷を離れて早40年。私は、故郷に何かの恩返しをしたい。

6次産業化にかわるもの

2016-07-24 05:06:16 | プロジェクトエンジニアー

野菜といっても、良いものはなかなか採れません。
4月に来て、荒れ地を耕した土地に植えたものです。
早いもので、もう収穫の時期になったのかという感じです。

鍬をふるっても、山の下草を刈ってもすぐに疲れてしまいます。
野菜を植えれば、ちゃんと育っているか気になります。
荒れ放題だった山の下草を刈れば少し見映えがよくなりました。
もっと良くなるかもと欲が出てきます。
気持ちに身体がついていかないことの繰り返しです。

地域おこしに来た人も、受け入れ側もさまざまです。
都会でちゃんとした仕事に就けない人も含まれています。
志を持ってやっている人もいます。
地域おこし隊員の給料も経費も国(総務省)の負担です。
受入側にしても、タダの人(補助金)を使わなきゃ損だという方もいらっしゃいます。

地域おこしの仕事が、青年海外協力隊(JICA)のように認知され、
キャリアとして誰もが認めてくれるまでには時間がかかりそうです。
若い人たちは、教育も受けていないし経験もありませんから、行き当たりばったりです。
受け入れ側もビジョンがなく、とりあえず地域の手伝いをしてくれと言われることが多いようです。
日本が抱える人口減少高齢化問題が著しい地方です。地方は、都会より先に取り組んでいます。
いろんな理由で地域だけでは回らなくなった暮らし(経済、サービス)を、
枠組みを広げることで、回るようにする仕組みや考え方が求められています。
今までは、都会から地方へトレンドや生き方が、情報(良いもの)として流れていました。
新しい考え方や生き方を、今度は地方から発信する時代になって来るんじゃないかと考えています。

確かに、地方で働く人の給料は低いようです。
しかし、ベーシックな経費(流通、移動に必要な経費、住まい、食べ物)は、
都会に較べればタダ同然です。
そこでバランスが取れているのか、地方の人は暮らしに困ってはいないように見えます。
しかし、少子高齢化によるダメージの広がりと打撃は、地方が圧倒的に早くひどいと思われます。

今日のテーマは、「6次産業化にかわるもの」です。
市場に出せないもの(B級品)の商品化(サンプルづくり)をしてくれないかと、
農家の方から頼まれました。
農家の方は、御主人を亡くされて一人で広い農園を守っています。
手が行き届かず、良い商品づくりが間に合いません。
大きくなったB級品を捨てざるを得ないようでした。
その捨てるB級品の商品化です。
2日間のうちに、10種類(サンプル)を作りました。

ここからが問題です。
6次産業化(原料→加工→販売)するには、いろんな工夫と資金が必要です。
投資した資金を回収しようとすると、大量につくることになります。
大量生産ゆえに、完成した特産品はどこにもあるような(保存料入り)ものに
なってしまいます。
加工するには、加工場(大きな会社)に頼むか、
忙しい合間をみて慣れない努力をするしかないようです。
特産品は高くなる分だけ、品質的にも優れていなければなりません。
販売も流通業者に間に入ってもらわなければなりません。
ほとんどの特産品が、補助金切れと共に消えて行きます。
特産品づくり(6次産業化)のハードルを低くするためには
どうしたらよいかと考えました。

市場に出ないもの(B級品、伝統料理)はこのように美味しいと
一流の人(シェフ、地域の料理人)が調理したものを食べてもらう機会を作ります。
美味しいと感じ、また食べてみたいと思われる方に、
原料(B級品、素材)をレシピー(料理方法)付きで売ったら
良いのではないかと考えました。
ソフトを併せれば、原料を格安で売ることができます。
加工場も必要ないし、ネットでつながっている欲しい人(料理を食べた人、消費者)に、
新鮮な商品(原料+料理法)を余っている(供給できる能力)分だけ売ることができます。

地方には、B級品や素材が溢れています。

私達は、ネットで情報発信するとき、「伝えたいこと」(イベント、観光、特産品など)を
主眼に置きます。
ネットにアクセスする人は、「自分のためになること」を期待して開きます。
楽しいこと、癒されること、得することがネットで欲しい情報です。
ここにギャップがあります。

「美味しいもの」は特産品(完成品)でなくても良いと考えます。
まずは、美味しい体験が必要です。
体験をもう一度したいと、リピーターが増えていきます。
地方での体験が、こんなにも楽しいことだったのかと気づき、
体験したあと(稲の苗を植えれば、ちゃんと育っているかなど)のことが気になり始めます。
これはもうリピーターの心理です。

ネットで疑似体験することも良いでしょう。
楽しかったことが、人生に影響を与えたことが残ります。
本物に接してみたいと思うようになるかもしれません。

「6次産業化」を考えてみました。
原料を作る、自分で加工する、自分で売ることがいかにハードであるか。
加工業者は、最低ロットを言われます。
生産ラインを活用するには、1トンの原料がなければならない。
1トンの原料を加工した商品を売りさばくには時間が必要です。
その間、原料(一時期に採れる)を保管(冷蔵庫、冷凍庫)しなければならない。
流通で売るためには、瓶詰、缶詰、袋詰めやラベル貼りをしなければならない。
保存料も必要です。
売れなかったらどうしよう。
六次産業化は、リスクが高い。それでも特産品を作らなければならない。
サンプルづくりをしながら思ったことです。

「6次産業化にかわるもの」を考えています。

「6次産業化」は、情報発信する側が勝手に思いこんでいる従来手法の延長線上にある
考え方ではないだろうか。
情報の受け手側は、そんなことを望んでいないかもしれない。
それなのに、一方的に情報(商品)を売らんとするのは、無理があるかもしれない。
地域おこしをしようとする人は、情報の発信者であり、受け手です。

ここにも、「営業は聞く6分、話す4分」が生きてきます。
聞くこと(受け手側の心理)に重きを置いて、今後とも取り組んでいきたいと考えます。
妻からヒントをもらいました。良くできた妻です。早く帰っておいで。

なにか変 いつか来た道 また帰る

2016年7月24日

2015年12月26日投稿記事「6次産業化」を参照ください。
牡蠣の6次産業化に関する記事です。

2016年2月29日投稿記事「6次産業化(Part2)」を参照ください。
あの店員さんからものを買いたいと思われると書いた記事です。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 昔は泣かせたな | トップ | 癒す »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

プロジェクトエンジニアー」カテゴリの最新記事