絵のタイトルは、唐柿。
私達は熟したのを食べました。
乳のような汁で、唇を傷めました。
この辺りでは、青い実を砂糖煮でいただきます。
今日のタイトルは、「傷跡」です。
2017年11月30日投稿記事「しこり」に触発されて、
似たようなテーマで書き続けています。
戦争の傷跡は、何世代にも渡り連鎖される。
その傷跡を掘り起こし、精神的に克服するのは容易なことではない。
表に出てくる話は氷塊したように伝えられるが、
多くは未だに闇であると想像される。
(記事「しこり」から抜粋)
かつて勤めていた会社に、指を落とした同僚がいました。
欠損した指に包帯を巻いていました。
親しくなった頃、「包帯をとったらどうか」と話しました。
翌日から、彼は包帯を外しました。
包帯をしていると、誰からもどうしたのかと聞かれます。
都度、応えるのもしんどかったと思いました。
その後、聞かれることは無くなったそうです。
傷跡を隠す気持ちはよく解ります。
墓場まで持っていこうという気持ちも理解できる。
一生隠せないこともある。
歳をとることで、「うそをつく」ことをやめようと思うようになりました。
嘘の上塗りができなくなったからです。
誰にどんな嘘をついたか覚えられなくなるのです。
なら、正直に生きていくしかないと思う。
正直に書こうとブログを書いています。
その気持ちがあっても、正直には書けぬものです。
嘘だけは書かぬようにしよう。
いっそのこと、嘘で固めてしまうか。
そして忘れる。
傷跡をなめる時がくる。
「かさぶたをとるか」と誘惑にかられる。
かさぶたをとったら、新たな傷ができた。
戦後長い時を経て、日系の方達の父親捜しが始まった。
憎いけど、自分が現在あるのは、父親がいるからと探した。
やむなく引き上げた日本兵も自分が残した家族を探していた。と知った。
その中のある日系オランダ人女性が言われた言葉が、印象に残った。
「憎しみを、次の世代に残さないために」
(記事「しこり」から抜粋)
次の世代に残さぬために、色んな史実(中には、永年のマル秘事項)が
公表されます。
また、家族の真実が亡くなる前の口から吐き出されます。
辛い真実です。
果物は、こすれた傷を糖分を注いで治そうとします。
樹木は、持っている栄養のすべてをつぎ込んで、
裂けた枝を修復しようとします。
だから、傷ある(鳥が突いた、風でこすれた)果物は、美味しい。
裂けた枝は、節となり樹木をさらに強くする。
枯れすすき 焼き払われし 灰に芽が
2018年9月5日
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