故郷へ恩返し

故郷を離れて早40年。私は、故郷に何かの恩返しをしたい。

もらうことより、できること

2019-08-27 09:20:05 | プロジェクトエンジニアー

絵のタイトルは、「棘もいぼいぼも味」です。
ここで一句。
B級品 香りはいつも 一級品


夏休みも終わりのころ、小学生と中学生から連絡がきた。
小学生は、カフェのことをパンフレットに載せたい。
中学生は、特産品を作るヒントを得るためにカフェでパンづくりを経験したい。
我カフェは、若年層と縁がなかった。
やはり、スタッフと同じような年齢層に利用されることが多いのです。

小学生は、私の顔を恐る恐る見ながらインタビューに入った。
妻が、こんな顔をしているけど怖くはないわよとフォローしてくれる。
子供相手に、「見込み生産」だの「注文生産」だのと話し始める。
分かりやすく説明するのだけど、自宅の店を手伝う子には伝わるもサラリーマンの子には少し難しい。

今日のタイトルは、「もらうことより、できること」です。
旅に行くと、「こんなによいことがあった」と思い出にする。
次の旅でも偶然のよいことを期待する。
私達は、知らずに「もらい慣れ」していることに気づいていない。
気づかぬ誰かの努力で、偶然のごとく恩恵に預かる。
緑を維持するのは、並大抵の努力では叶わない。
そんなことも知らずに、自然はよいと思わず息を吸い込んでしまう。

私にも子供がいます。
下になる子ほど写真の数が少なくなっていきます。
しかし、上の子は下の子に嫉妬するのか、自分は可愛がってもらわなかったと不満をもらす。
初めての子に新米の両親はどれだけ心血をそそいだか知らぬはわが子です。
増えるほど、愛情は分散される。

地域でも初めてのお客さんを迎えるのは、「よく来てくれた」と歓迎ムードです。
二回目はというと、初めての時程ではない。
俺は歓迎されていないのかと誤解をする。
迎える側もいろいろな事情がある。
普通でいいんじゃないと気にかけません。
仲間と思ってもらえているのに気づかない。
「もらうこと」に慣れると、次はさらなる満足を期待する。
ギャップが不満の種になる。

視点を変える。
どこでも経済が優先です。
あなたは、どれだけ自分のお金を使ったか。
感動するのも、「できること」の原点です。
「もらうこと」より、「できること」は何かと探す。
観光地やキャンプ場で、ごみを捨てることも自重するでしょう。
努力の緑の上に美味しいものができることを知るならば、少し多めに土産にするかもしれない。
日焼けのしわにも感謝の言葉で接するでしょう。
都会と違って便利じゃないから嫌いだと感じる。
その土地の人は、便利なことさえ知らない。
わが身に起こっていることこそ、普通の生業です。
理解することも、「できること」の一つです。
固定観念に縛られると、さらなる感動の襞に触れることが遠のいていく。

年老いた両親が施設に入る。
生きていてくれるだけで嬉しいと言ってくれる息子に涙を流す。
こんな姿になって子供に迷惑をかけてしまうと、両親は胸をかきむしっているのです。
あと何年生きられるかと80歳の人が言う。
生れてすぐの赤んぼさえ、あと何年生きられるか。
無常です。

「できること」を探すことで、満足が少しずつ増えていく。
「もらうこと」ばかり探していると、不満が増えていく。
そんなことを考えています。

雨蛙 光求める 虫に窓

2019年8月27日
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