故郷へ恩返し

故郷を離れて早40年。私は、故郷に何かの恩返しをしたい。

どこまでがきれい

2023-07-30 00:11:11 | よもやま話

絵のタイトルは、「洗い清めて」です。
彼女と初めてのデートで国分寺跡の湧水を訪ねた。
水はきれいに決まっている。


今日のタイトルは、「どこまでがきれい」です。
都下昭島に住んでいるころのことです。
夏が盛りになるにつれ、水道水のカルキ臭が気になり始めました。
市内に住む同僚に確認しました。
彼のうちでは、臭いはしない、美味しいよと言われました。
我が家は浄水場に近く、彼のうちは街はずれでした。

多摩川上流にコーヒー用の湧水を取りに行っていました。
途中にあるキャンプ場はごみが散乱していました。
ここはだめだと、さらに上流に行きポリタンクに取水しました。
ある日、さらに上はどうなってるのと、車で林道を上がりました。
ぽつんとテントが一張り川沿いに見えました。
それ以来、コーヒーの水は水道水にしました。

島の水は、日中はお湯です。
皆が使いだす夕方になり、やっと普通の水温になります。
海辺の衆は、山水を山の衆から分けてもらえませんでした。
海辺の友達のうちに遊びに行き、飲料用の井戸水を飲みました。
塩味(えんみ)が残っていました。

青年海外協力隊に参加した先輩に聞きました。
東南アジアの村では、水瓶(みずがめ)を一回たたいてから柄杓で掬うと聞きました。
ぼうふらがびっくりして沈んだところを取水するそうです。

かみさんが料理をする。
異物を舌で感じて取り出します。
それで、なんでもない。

汚いものが見えなくなりました。
悪口以外は聞こえなくなりました。
左を見て、右を見て、もう一度左は視ません。
「どっちが早いかの」と老人が島の道を渡ります。
間に合わないときは、睨んで車を止められます。
歩く時もけっして後ろは確認しません。
方向指示器なしでギュンと枯葉マークが曲がります。
皆がわかっています。

やーれ、馬鹿が蜜柑の苗をまた植えたと
80歳のばあさんが、90過ぎの爺さんをなじります。
夫婦喧嘩は、近所に筒抜けです。
近所が100m先だから、気になりません。

どこまでがきれい。
それは、生きてるものが判断する。

2023年7月30日
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする