絵のタイトルは、「命の水」です。
瀬戸内の島では、いつも水不足でした。
我田引水で命を落としたものもいました。
干上がる夏にも余る水を確保したいと、命がけで横穴を掘りました。
短編小説「さなさん」で書きたかったことの一つです。
部屋干しの生乾きの臭いが嫌でした。
さあ乾けと今日から快晴の外に干しました。
今日のタイトルは、「注文生産のリスク」です。
商品を熟知しているし、お店を信用しているから迷いはないと注文します。
一週間分を通販(例えばコープなど)で注文します。
注文した通りの品が期日通りに届きます。
問題はここから、注文した時の気分や天候と届いたときのギャップまでは判断できませんでした。
これは、注文した側のリスク(一週間後の不満)となります。
会社帰りにスーパーマーケットに寄って買い物をした。
結局、安いものばかりを買ってしまった。
計画していた料理ではなくなった。
食事前の空腹時だったので、つい買いすぎた。
商品を目の前にして買ったけど、この体たらく(無計画)です。
カフェは、注文生産のメニューです。
生産リードタイムが長いパン(4時間)は、見込み生産です。
注文を聞いてから作る(お好み焼きやピザ)ので、焼きあがるまで30分ほどかかります。
事前に、電話で注文される方もおられます。
30分の間には、電話がかかってきたり、他の気がかりを済ませていると1時間が過ぎてしまった。
予測できない事柄に注文生産はリスク(弱い)を伴います。
作る側にもあります。
基本的には注文生産です。
得意先から緊急の注文が入ってきた。担当の営業マンは応えようとします。
やりくり(生産調整)が始まり、計画が崩れてしまう。
これでは、示しがつかない。
コンビニは、前日11時が注文の締め切りです。
リードタイムが長い(冷凍生地を使用し包装・仕分け・出荷まで8時間)分、
一便は(注文当日18時に出荷)見込み生産が大半となる。
見込生産のリスク(安全を見て作りすぎ)を避けるために、
一便を二回生産(二回目は、不足分のみ)とする。
生産指示書を短時間(15分)で、現場に送るなどシステム開発に奔走する。
また、生産指示書通りに出来上がるよう、生産機器の安定化(複数ライン化、機器の精度など)を計る。
半自動ラインのスタッフの過不足のない供給など、シミュレーションが欠かせない。
もっとひどいのは、試作品の賞味テストです。
食品会社には、一代で築いてカリスマとなった人がいる。そして、取り巻きがいる。
賞味テストに出席して了承を出すのは、カリスマであり取り巻きです。
老人が多い。医者から塩分の摂りすぎ、中性脂肪に気をつけるよう指示されています。
顧客は若者中心です。テイストに対するギャップが大きすぎる。
注文生産以前の問題です。
カフェでは、晩春(春キャベツは高く、経済的に合わない)と夏にキャベツが不足していました。
自家栽培で乗り切ろうと、種まきを2週間ずつずらして対応しました。
ビアガーデンには合わないと、ピザとお好み焼きをメニューから外しました。
2週間のビアガーデン期間中、キャベツは腐ってしまいました。
カフェを始めた頃、メディア(新聞、テレビ、SNS)で予想を超えるお客さんが来られました。
温かいコーヒーは冷めてしまいました。お好み焼きは、毎回出来栄えが変わりました。
注文に対応できないのでした。3か月で、当初の客数が、1/3に減りました。
メディアへの露出は控え、口コミと地元を大切にするよう方向転換しました。
注文に対応できない悪例となりました。
行列ができる店を、テレビなどでよく見ます。
せっかくの食べたいが、時間不足となりあきらめざるを得ない事態になります。
事前にスマホなどで注文を聞き、食べたい店で食べたいものを時間通りに弁当にしてもらう。
弁当を預かり手渡すことを思いついた人は、成功を収めています。
時間通りに働くことを目指した食堂は、100食売り切れとしました。
最大注文は、百食です。時短の労働で、スタッフは喜んでいると聞きました。
この辺りの売れるラーメン店は、ほとんどがその方針です。
麺打ちの対応がネックだったのです。
注文生産にリスクは伴います。
それでも、カフェはその方針を変えない。
予約も注文の一つです。
注文に柔軟に答える。次なるテーマは、注文の創出です。
店側だけの理由は通らない。それは、顧客一人の満足を追う姿勢に反するからです。
買いたいと 売りたいつなぐ 招き猫
2019年7月25日