釣り道具を処分しようと、
「釣り道具買います」へ電話することにした。
しかし肝心の道具が、押し入れの奥に入って居り、
取りだすのに、すごく手間がかかりそう。
釣り道具を捨てる覚悟が出来て、
思いだすことは多い。
「釣りはフナに始まりフナに終わる」と言うが、
これは川魚のこと。竿に伝わる感触の手応えが豪快で、
一度この醍醐味に取り付かれると忘れられない。
一方で海の魚はなんて言うのだろうと思ったら、
「ハゼに始まりハゼに終わる」と言うと友人が話していた。
「ハゼは川魚では?」と言ったら、
川ハゼが海へ出て、卵を産みその卵の周りで卵を守る。
そのハゼ釣りが、なかなか釣るのに苦労する。
それがハゼ釣りの終わりの方のだいご味という。
それで終わりの方のハゼ釣りに出かけた。
小さな船に乗って海に出るのだ。
釣り客はおよそ10人くらい。
中に結構年配と思しきオジサンが、
自前の古びた竹竿と魚篭を自転車につんでやって来た。
舟が少し沖に出て、「ハイ、始めましょう」と
船頭さんの掛け声で、皆さん竿を一斉に垂れる。
そうこうして、およそ4時間くらいで白波が立ってきたからと、
竿を収めて船が帰港の途に着く。
その間に、本日の釣果の話で盛り上がるのであるが、
一番は、古竹竿で自転車のオジサンが44匹で最高。
ボクはたった4匹。
悔しいことこの上ない。
帰ってハゼ釣りの極意書を図書館で借りて読む。
産卵のため、やや深い海底にいるハゼ釣りは、
「落ちハゼ」あるいは「けたハゼ」と言って難しい、
と書いてある。
悔しいが「けたハゼ釣り」は寒いことだし、諦めた。