原発の本当の怖さを知っているのは、
世界人類の内 日本人ぐらいといって差し支えない。
ちょっとしたことにも過剰と思えるくらい反応する。
終戦時10歳のボクは原爆の恐ろしさを良く知っている。
成長するに及んで就職すると、
被爆者で顔に僅かなケロイドのある人と一緒に仕事をしたこともある。
その人は、今では放射線などない世界であるのに、いつも放射線に脅えていた。
何時、命を失うか恐れていた。
そのため、岩波新書の「プルトニュームの恐怖」という本を読んだこともある。
原子力の恐ろしさをボクは良く知っている。
ついこの間、「萩津和野、広島を訪ねる」ツアーで、
広島の原爆ドームや資料館を見学した。
あまりに熱が入って、集合時間に遅れてしまったくらいだ。
原子力の恐ろしさをボクは良く知っている。
どのくらい恐ろしいかと言えば、原子力を人間が制御できないでいることだ。
放射能を安全に制御できれば、これほど便利なものは無い。
ノーベルが発明したダイナマイトもそうだ。
正しく使えば人類の発展にこれだけ貢献するものは無い。
誤ればどれだけ沢山の人類を滅亡に追いやるか解らない。
けれども人類は、まだ原子力を制御できないでいる。
つまり、人間は原子力を安全に使用することが出来ないでいる。
スリーマイル島での原子力事故では、メルトダウンした原子力が溶けて、
高熱になり溶けて流れ出した。
このままでは、地球に穴をあけ続けて、地球を通り抜け、
反対側にある中国に吹き出すかもしれない。
それをチャイニーズ・シンドロームと言った。
しかし、実際には地球を通り抜けることはなく、
また、アメリカの地球の反対側は中国ではないが、
原子力の恐ろしさを語ったものである。
今福島の原発はこのメルトダウンが起きているかもしれない。
覘くことが出来ず遠隔操作が出来るカメラを入れて見ているが、
全貌は分からないでいる。
恐ろしいことだ。
福島の原発が早く無事収束することを心から願っているが、
原子力発電所に近い住民が故郷に帰ることが出来るのは、
今生まれたばかりの子供が平均寿命を全うする年頃になっても、
帰れるかどうかわからない。