駄楽器駄日記(ドラム、パーカッション)

ロッキンローラーの打楽器日記

リンゴ・シャッフル

2024年01月27日 | ブログでレッスン

1月27日(土)
今日は久々に真面目なドラムの話。
このところ、ドラム教室ではシャッフルのリズムパターンなどをレッスンしています。たまたま同じ時期に中学男子、成年男性のお二人の生徒さんがカリキュラムの流れでシャッフルを練習をすることになったんだけど、思いのほか苦労されていてぬるっと通り過ぎることができなくなった。二人ともこれまでのスクエアな8ビートや16ビートの跳ねる感じは上手に演奏できていたのに、シャッフルは慣れてないのかぎこちない。
それで、シャッフルとはなんだろうか、オレはどうだったのかなと改めて考えてみると、自分はシャッフルというリズムに苦労した覚えはなくて、ドラムを始めたばかりでヘタクソな高校生の頃からただ単に「跳ねるやつ」として認識して練習していたと思う。そして経験を積むうちに、跳ねるのは「3連符の中抜き」と「16分音符が裏に来る」パターンがあると理論的じゃなく感覚で覚えてきた。
正直、理論的な知識はなくても、感覚だけで「跳ねないやつ」と「跳ねるやつ」を叩き分けられたらそれでいいんだが、やっぱりそれは経験の上で体で覚えるもので、やったことのない生徒さんにはどえらい難しいリズムなんだろうなと思った。

実はオレの体の半分はリンゴ・スターでできている。(ウソ)。でもシャッフルビートを考えた時に、どうしても欠かせないのはビートルズにおける跳ねる曲だ。自分はめちゃくちゃ遅掛けのビーオタで、50代になって初めてビートルのコピーバンドを始めて、これまで10数年リンゴ・スターのドラミングを真剣に追いかけてきた。それで知ったのは「リンゴ・スターのシャッフルはエグイ!」ってこと。そりゃ天才ですからねえ。
想像ですが、若い頃のリンゴさんは感覚で叩いていて、理論で跳ねる跳ねないを叩き分けていたわけじゃない気がするんですね。だからこそ真似るのが難しい。
初期のリンゴさんのドラミングは、ドンパパドンパというオールドロックンロールのパターンが多くて、シンプルそのものだがそれがまたどがっちょいい。「I Wanna Be Your Man(彼氏になりたい)」などはかなり高速テンポで突っ走っているので、跳ねていないのに跳ねているように感じる。これがリンゴ・グルーヴなんですな。しかも同じパターンでハイハットを3連符中抜きでシャッフルのリズムを叩くと、「All My Loving」のようなポールの4つ打ちのランニングベースをぐっと押し上げるシャッフルになる。どちらも芸術的なドラミングです。これは初心者ドラマーは是非コピーして練習してほしい。絶対上手くなるはずなので。
さらに「Long Tall Sally」では、3連符のオカズを駆使して奇跡の名演奏をしていて、オレはこのシャッフルロックンロールは世界最高の至宝だと思っている。この曲は原曲のようなスクエア8ビートでは叩きたくない。この完コピでしか叩きたくないと思っている。自分の生徒さんにもこの曲の完コピをしてもらいたいと思うんだが、押し付けるとビーハラなので強制だけはやめておくけど。。。
そういえば、かなり以前のやりとりで「Help!」がシャッフルだと言われた方がいますが、跳ねてはいません。これもリンゴグルーヴのマジックで跳ねるように感じるだけです。まあ、聴いた人がそう感じたのならそれでかまいませんが。音楽はどう聴いても自由ですからね。

 

 

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