1989.6.4

6月4日(火)
今日は中国の忌たる記念日だそうだ。30年前の天安門事件はもちろん覚えている。
TVでは、この事件にはいつでも戦車の前で立ち開る青年と前進することを躊躇する戦車が右往左往するという画像が象徴的に流されていたが、あの青年はその後轢き殺されたんだよというイメージが暗に漂っていた。
TVのニュースで、来日していた中国人に「天安門事件を知っていますか」とインタビューすると、十中八九「知らない」といって逃げるように去っていった。たぶん、言論統制が厳しくてたとえ外国でも迂闊なことを話したら、後が怖くて知らないふりをしているのかなと思っていた。
しかし、今夜のNHK中国支局からのTV中継で、NHKの番組がオンタイムで流れているモニターが、この話題になった途端にぷっつりと切断されて真っ黒になったのを見て、あの観光客の中国人も本当に何も知らされないでいたんだと実感した。

そんな報道も言論も自由の全くない国が、経済繁栄するわけがないと高を括っていたのが30年前だ。
しかし、結論は現状を見てのとおり我が国を遠く引き離して米国を脅かす勢いだ。
そこのギャップについて、いろいろな識者が解説していたりするけれど、そこはどうもピンと来なかった。