大垣市の 親切ていねいな ふすまと内装工事のお店 【創業80余年 林文香堂】 三代目店主の前向きな日記 

明るく朗らかに、人に親切に、素直に、謙虚に、感謝して の五つの基本を胸に、日々の小さなよろこびを綴ります。

猫がひっかいても破れない障子

2015年01月21日 | ふすま・表具
ある建設会社の社長からケータイに電話をいただきました。
愛猫家で知られる社長です。

障子を張り替えてほしいとのことでした。しかも、

「猫がひっかいても破れん障子ってないんか~?」と。

カタログを持参してご説明と状況の確認をしました。

最終的に、ワーロンシート №52 無地 0.3mm厚 に決定しました。



ワーロンシートは和紙を塩ビ樹脂で両面からラミネートしたものです。

「強化障子紙」と一緒にされがちですが、「紙」ではありません。

社長にも以下のご説明をしました。

・一般的には0.2mmがよく使われますが、猫対策には0.3mmがよいでしょう。

・一般の障子紙と比べて高価です。

・塩ビシートなので糊ではくっつきません。専用両面テープで貼ります。

・次回の張り替えの剥がしのときはドライヤーで熱をかけながらゆっくり剥がします。
 そうすることにより木の桟の「ささくれ」を少なくすることができます。

・塩ビシートなので貼りあがった後、指先でつつくと太鼓みたいな音がします。

・雨水や結露により下から和紙の部分が水を吸い込んでシミになることがあります。

・塩ビは温度変化で伸縮を繰り返します。桟の細い摺り上げ障子は反る可能性大です。

ワーロンシートにはメリットもデメリットもあります。
その両方をお客様にきちんとお伝えすることはとても重要です。

今回は「破れんかったええんや。自分ちやで多少反ってもかめへん。どうせ閉めっぱなしや。」
と社長の同意をいただきましたので、さっそくお預かりし張り替えることとしました。

出来上がりの写真です。

シートは0.3mmの厚みがありますが見た目はまったく問題ありません。



専用両面テープは5mm巾なので桟からはみ出しません。
桟にも猫の爪の痕跡が・・・



ワーロンシートが縮むと摺り上げ障子は部屋内側に向かって弓なりに反ります。
今は伸縮がないので問題ない状態です。



今回は猫の爪対策がメインでしたので社長の了解をいただいて、あえて雪見障子に貼りました。
特例です。
一般住宅の場合、雪見障子にワーロンシート貼りは弊社としてはお断りしています。

ご了承くださいますようお願いします。


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