中小企業の「うつ病」対策ー人、資金、時間、情報に余裕がない

企業の労働安全衛生、特にメンタルヘルス問題に取り組んでいます。
拙著「中小企業のうつ病対策」をお読みください。

産後うつ パパも注意

2024年06月25日 | 情報
産後うつ パパも注意…育児と仕事 板挟み 発症リスク 女性と同水準
2024/06/18 読売

育児参加する男性が増える中、「父親の産後うつ」が注目されている。
女性だけが発症すると思われがちだが、男性にも同程度のリスクがあるとの調査結果もある。
育児と仕事の板挟みになって変調をきたす人が多く、専門家は働き方改革の促進や支援の必要性を訴えている。(野口恵里花)

急に不安が…
東京都墨田区の自営業、平松勇一さん(37)は2018年2月、妻(37)との間に男女の双子が生まれた。
映像製作会社に転職したばかりで忙しく、「育児は妻に任せよう」と思っていた。
だが、すぐにその考えが甘いことに気付く。3時間おきの授乳が必要で、夫婦とも睡眠は4時間ほどになった。
「妻一人では、とても無理だ」。2か月後、育児休業を取得した。
初めて見せる笑顔、はいはい、つかまり立ち――。
子どもが成長する姿を見られる日々は、楽しかった。
異変が生じたのは妻がパートとして働き始め、自分も復職が近づいた頃だった。
妻が出勤した後、一人で子どもの世話をしていると、急に不安が募った。
「目を離したら、転んで頭を打って死んでしまうかもしれない」。
落ち着いて食事をしたり、トイレに行ったりできなくなった。
ある時、泣いている娘をあやしながら、うつろな目で窓の外を見つめる姿に気付いた妻から、心療内科の受診を勧められた。
医師からは「うつの症状がみられる」と言われ、投薬治療を受けた。
平松さんは「今振り返ると、『早く復帰しないと』『子どものために稼がなければ』という重圧があった。
ただ、うつの自覚はなく、妻が気付いてくれなければ、もっと悪化していたかもしれない」と話す。

弱音吐けず
産後うつは女性の場合、ホルモンバランスの急激な変化や育児での孤立などが要因とされる。
男性は、生活の大きな変化に加え、仕事と育児の両立などで心身の負担が増すことなどが原因として挙げられている。
国立成育医療研究センター研究所(東京)が20年、1歳未満の子どもがいる3514世帯を対象に行った分析調査では、
うつの可能性が高いと判断された男性は11%で、女性の10・8%と変わらなかった。
夫婦ともに該当した世帯は118(3・4%)に上った。
これらの世帯では男性が長時間労働、女性は睡眠不足(1日6時間未満)に陥っている例が多かった。
調査を担当した竹原健二・政策科学研究部長(44)によると、
妻が出産や育児に追われている中、つらくても弱音を吐きにくい夫が目立ったという。
竹原部長は「長時間労働で男性のストレスは増し、育児を一人で担う母親の負担も増加する。
育児に対する職場の理解を広げ、時短勤務やリモートワークなどの働き方改革を推進することが重要だ」と指摘する。

自治体健診 男性は対象外…メンタル面支援 不十分 特化型外来開設
男性の2022年度の育休取得率は17・1%で、5年前の3倍超になった。
政府は「25年度までに50%」の目標を掲げているが、女性に比べて男性のメンタル面の支援は十分ではない。
女性には、産後に行われる自治体の健康診査でメンタルチェックが行われる。
出産直後には、病院やホテルなどで心身を休める「産後ケア」事業の実施が市区町村の努力義務となっている。
いずれも男性は原則として対象外だ。
信州大病院(長野県)は今年1月、父親の産後うつに特化した外来を開設した。
妊産婦の心の不調を診ていた村上寛医師(39)が、付き添う夫の中に、うつの症状がある人がいることに気づいたためだった。
うつになりやすい男性は真面目で、仕事も育児も完璧にこなそうとする
不眠や食欲の減退、仕事に集中できないといった症状に悩まされることが多い。
村上医師は「一人で悩みを抱え込まないよう、自治体は父親同士が悩みを打ち明けられる場を設け、
医療機関によるメンタルチェックなどの支援を拡充すべきだ」と指摘する。
夫婦で事前にできることとして、子どもが生まれた後の生活を想像し、
働き方や育児の負担割合を話し合っておくことや、会話やLINEなど、
お互いに本音を言いやすい方法を伝えておくことを挙げている。
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