中小企業の「うつ病」対策ー人、資金、時間、情報に余裕がない

企業の労働安全衛生、特にメンタルヘルス問題に取り組んでいます。
拙著「中小企業のうつ病対策」をお読みください。

大人の発達障害(2)

2015年10月28日 | 情報

いわゆる従来型のうつ病は、企業の対応策が功を奏してきた結果、だいぶ改善がすすんでいるようです。
これに代わって、いわゆる若年型のうつ病や、発達障害が、
企業のメンタルヘルス対策における課題になってきているようです。

大人の発達障害(2)
患者同士で学ぶ会話力

「日光の観光を楽しんだが、翌週には豪雨で氾濫した」「地元のお祭りに参加して、花火大会や盆踊りをみた」
東京都新宿区の晴和病院で9月中旬、20~40歳代の男女6人が、それぞれ近況を1分間ずつ語り始めた。
これは、同病院が大人の発達障害の患者を対象に、2年前から行っているデイケアだ。
通常の社会生活では、対人関係を構築する上で当たり前のように行っていることも、
発達障害の患者にとっては対応が難しく、生きづらさを抱えてしまうことが珍しくない。
デイケアでは、あいさつ、自分の事を相手に伝える、不安や怒りの感情のコントロール、
相手への気遣いなどの内容を実習形式で学ぶ。臨床心理士や看護師などが加わり、月に2回、1年間続ける。
この日のテーマは「会話を続ける」。はい、いいえで答えられる質問ではなく、
相手の話を引き出し、広がりを持たせる「開かれた質問」の使い方や、
自分の情報をお互いに交換しあうことで関係を深める「自己開示」のスキルを学んだ。
今年7月から同病院のデイケアに参加している都内の男性会社員(43)は2013年6月、同病院でうつ病と診断された。
職場の人間関係が原因で、抗うつ薬の治療を続けていたが、良くなったり悪くなったりを繰り返した。
主治医は、男性の日頃の様子から、発達障害を疑った。
今年5月に心理検査を受け、アスペルガー症候群と診断された。
いくつかの仕事を同時にすると混乱しやすく、こだわりが強い。人とのコミュニケーションにも問題があるという。
男性は学生の頃から、話が細かいとよく言われていたが、自分の個性の一つと思っていた。
物事を曖昧にしておくことに我慢できず、職場で上司と対立したことが、うつ病発症のきっかけだった。
男性は「他の参加者と交流しながら自分を見つめ直し、職場での対人関係に生かしていきたい」と話す。
同病院や昭和大烏山病院、愛知県立城山病院など計7医療機関でデイケアの効果を検証したところ、
人とのコミュニケーションの能力などを示す指標が改善していた。
晴和病院のデイケアを担当する臨床心理士の反町絵美さんは「デイケアで、表現力や表情も豊かになる患者も多い。
同じ障害を持ち、同じような失敗や苦しさを経験した患者同士が出会い、ともに学ぶ場を作ることが大切です」と話す。

 


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