中小企業の「うつ病」対策ー人、資金、時間、情報に余裕がない

企業の労働安全衛生、特にメンタルヘルス問題に取り組んでいます。
拙著「中小企業のうつ病対策」をお読みください。

統合失調症の減薬推進

2013年10月03日 | 情報
とても期待がもてる記事です。
精神疾患でも多分薬害であろうと思われる患者が、少なからず存在するのは事実です。

厚労省班 指針公開へ 副作用を軽減

統合失調症の患者に強い副作用をもたらす抗精神病薬について、複数・大量に処方する
「多剤大量処方」を改めるため、厚生労働省研究班は10月、初の「減薬指針」を公開する。
抗精神病薬は、海外では1種類だけを使い、効果がなければ別の薬に変える単剤処方が原則だが、
日本では1種類で効果が不十分とみると、別の薬を加える多剤大量処方が広く行われてきた。
指針ができることで、過剰な薬物使用が減ることが期待される。
統合失調症は幻聴や妄想に苦しむ病気で、国内の患者数は約70万人。症状を抑える抗精神病薬は量が増えると
手足の震えや意欲低下など様々な副作用が表れ、不整脈で突然死する恐れもある。
欧米では副作用を考慮して、最適量を使う研究が重ねられてきたが、日本では薬で行動を鎮めることが重視され、
漫然と多剤大量処方が続いてきた。薬の副作用でかえって症状が悪化する例もあり、一部の医師や患者、家族からも
「薬漬けではないか」と強い批判の声が上がっていた。
こうした中、国立病院機構・鳥取医療センターの助川鶴平副院長らが、効果を維持しつつ薬の量を
ゆっくり減らす減薬法を考え出した。同研究班の藤田保健衛生大精神科の岩田仲生教授らが、
この方法の安全性を評価するため、患者163人を減薬群と減薬しない群にわけて最長9か月追跡し、
減薬しても症状が悪化しないことを確認した。
指針は岩田教授らの調査に基づき、抗精神病薬の種類ごとに、安全に減らせる薬の量を一覧で示す。
例えば「リスパダール」は1日最大0.5ミリグラム、「ドグマチール」は同50ミリグラムの減薬を1週間ごと、
段階的に続けていく。国立精神・神経医療研究センターのホームページで公開される。

1種類で治療 海外では主流
統合失調症の治療で使われる抗精神病薬は、適切に使えば、幻聴や妄想を減らせるが、量や種類が増えると副作用ばかりが強まる。
そのため欧米やアジアの主要国では、70~90%前後の患者が1種類を使って治療している。
しかし、日本の状況は異なる。国立精神・神経医療研究センターが今年まとめた処方状況調査では、
精神科医療機関で3種類以上の抗精神病薬が処方された患者の割合は、入院42%、外来19%にのぼった。
過剰処方は10年以上前から問題視されてきたが「薬を減らすと症状が悪化する」と懸念する医師が多く、減薬は進まなかった。
症状の悪化は急激な減薬で起きる。今回の指針は、徐々に薬を減らすことで、減薬経験のない精神科医でも
安全に取り組めるようになっている。
患者や家族にとっても指針を基に主治医に減薬を相談するなど、幅広い活用が期待される。(医療部 佐藤光展)
(2013年9月29日 読売)
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 心の病…被災自治体職員 | トップ | この場を借りて、回答します »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

情報」カテゴリの最新記事