中小企業の「うつ病」対策ー人、資金、時間、情報に余裕がない

企業の労働安全衛生、特にメンタルヘルス問題に取り組んでいます。
拙著「中小企業のうつ病対策」をお読みください。

残業170時間、労災認定

2017年08月23日 | 情報

これぞ、「紺屋の白袴」。
精神科領域の専門医がいる(多分)病院にもかかわらず、勤務医の「気分障害発症」を気がつかない、のですね。
ただし、小職としては、いずれのマスコミ報道も「長時間労働」にしか注目していないのが、気になります。

30代医師が過労自殺=残業170時間、労災認定-東京
17.8.9 時事通信

東京都内の総合病院で勤務していた30代の男性医師が自殺したのは、月170時間を超える長時間労働が原因として、
品川労働基準監督署が労災認定していたことが9日、分かった。
認定は7月31日付。遺族代理人の弁護士が厚生労働省で記者会見し、明らかにした。
代理人の川人博弁護士によると、男性は2010年4月に医師免許を取得し、13年4月から総合病院の産婦人科で勤務。
分娩(ぶんべん)や手術などを担当し、月に4回程度の当直勤務もあった。
15年4月以降は抑うつ症状が表れ、同7月に都内で自殺した。

労基署は、死亡する直前の1カ月間の時間外労働は約173時間に上り、男性は長時間労働が原因で気分障害を発症したと認定
代理人がカルテなどを調べたところ、死亡前の6カ月間で休日は5日しかなく、残業時間が208時間を超えた月もあった。
川人弁護士は「働き方改革で医師は5年間、長時間労働規制の対象外とされているが、
除外は極めて危険で撤回すべきだ」と指摘している。 
男性の両親は同弁護士を通じ、「息子は激務に懸命の思いで向き合い、
責任を果たそうとした過程で破綻を来したものと思われます。医師も人間で労働者でもあり、
労働環境が整備されなければこのような不幸は繰り返されると思います」とコメントした。

研修医自殺、労災認定…1か月の残業173時間
2017年08月10日 読売

東京都内の公的医療機関が運営する総合病院に勤務し、2015年7月に自殺した30歳代の男性研修医について、
品川労働基準監督署が、自殺は長時間労働で精神障害を発症したのが原因だとして労災認定していたことがわかった。
遺族の代理人弁護士が9日、記者会見して明らかにした。
代理人弁護士によると、男性は13年4月から産婦人科医として勤務していたが、緊急の出産や当直勤務などが重なり、
長時間労働や休日出勤が常態化。15年7月12日、都内で自殺しているのが見つかった。
電子カルテの操作履歴などから、死亡前1か月の残業時間は約173時間だったとして、遺族が昨年5月に労災申請。
品川労基署も遺族の主張をほぼ認め、長時間労働が強い心理的負荷になり、精神障害を発症したと判断。
今年7月31日に労災認定した。
勤務先の病院との労使協定の上限は、3か月で120時間だったが、順守されていなかった。
残業代の未払いもあり、遺族に一部が支払われたという。
勤務先の病院は「事実関係を把握しておらず、コメントできない」としている。

研修医自殺、労災認定 時間外労働173時間 産婦人科勤務
2017年8月10日 朝日

東京都内の公的医療機関の産婦人科に勤務していた30代の男性研修医が2015年7月に自殺したのは
長時間労働が原因だったとして、先月、労災認定されていたことが分かった。
遺族の代理人弁護士が9日、記者会見して明らかにした。
男性は13年4月からこの医療機関に研修医として勤務し、
産婦人科で分娩(ぶんべん)や手術などの業務を担当していたが、15年7月12日に自殺。
遺族が労働基準監督署に労災申請していた。
労基署は、男性が自殺前に精神障害を発症し、それまでの1カ月間の時間外労働が173時間4分だったと認定。
極度の長時間労働による心理的負担が自殺の原因だったとして労災を認めた。認定は今年7月31日付。
代理人の集計では、自殺前6カ月間の男性の時間外労働は毎月140時間を超えており、
最も多い月(15年2月12日~3月13日)は208時間52分にのぼった。この6カ月間で休日は5日しかなかった。
男性は医療機関の近くの寮に住み、帰宅後や休日も呼び出されることが多かったという。
研修医を巡っては、新潟市民病院の女性研修医(当時37)が16年1月に自殺したのは
極度の長時間労働によるうつ病発症が原因だったとして、今年5月に労災認定されている。

産婦人科で研修医自殺、学会が労働環境改善求める緊急声明
8/15 読売

東京都内の病院の産婦人科で研修中だった30歳代男性医師が2015年7月に自殺し、
労災認定されたことを受け、日本産科婦人科学会などは、産婦人科勤務医の労働環境改善を求める緊急声明を公表した。
お産を扱う地域の基幹病院に重点的に産婦人科医を集約し、当直などの負担を軽減する同学会の取り組みを推進すると表明。
各病院管理者に勤務実態の把握や労働環境改善などを求めている。
男性医師は緊急の出産や当直勤務が重なり、長時間労働や休日出勤が常態化して精神障害になったことが
自殺の原因と判断された。

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