中小企業の「うつ病」対策ー人、資金、時間、情報に余裕がない

企業の労働安全衛生、特にメンタルヘルス問題に取り組んでいます。
拙著「中小企業のうつ病対策」をお読みください。

職場復帰支援⑨

2017年08月04日 | 情報

Q⑧:休職期間中の過ごし方について、何かアドバイスはありますか?
それとも、アドバイスしてもいいのでしょうか?

A⑧:精神科専門医のアドバイスによれば、うつ病発症直後の「急性期」には、処方されたくすりの服用と、
こころの平穏・休息により、症状を改善することが大切です。
ですから、会社からアドバイスできることは、主治医の指示に従って、症状を回復させてください、ということになります。
会社とのコミュニケーションは、殆どできない状況です。
休職者の病状によりますが、数週間から数か月を過ぎると、症状が安定から回復する「回復期」に入ります。
これも主治医の指示によって、休職に向けてのリハビリを行うことになります。

会社を休業して自宅で療養していると、本人が想像している以上に体力、気力が衰えています。
ただし、主治医の指示に従って進めてください。会社からの「指示・強制」は慎んでください。
治療は、あくまでも当事者の責任です。そして、治療は主治医の指示、アドバイスによって行うものです。
もし、会社の指示で行ったことが、症状の悪化に繋がるようなことがあれば、無用なトラブルの要因にもなるからです。
現状、会社が無用の介入をしたがる傾向がみられますので、あえて申し上げています。

リワークも復職のためのワンステップとして有効とされていますが、
「リワーク」を強制したり、「リワーク」を就業規則に規定するなどは、論外なのです。
メニューや事例を紹介すことは良いのですが、どうするかは、あくまでも当該休職者の考えが優先されます。
もし、休職者から会社側に質問があったり、支援を求められたら、
あくまでも参考情報であることを前提にして、アドバイスしてください。

従って、小職も、門外漢ですから、アドバイスはできません。
リワークひとつを取り上げても、主治医の指示で行うリワークが王道です。
主治医の指示で行うリワークの場合は、保険適用になる場合もありますが、
非適用の場合は相当な出費を覚悟しなければなりません。
そこで、もし自分で考えて、リワークを実施するならばが前提で、参考までの紹介です。
エビデンスはありませんが、以下は、拙著「中小企業の『うつ病』対策」からの引用です。
第1段階;自宅周辺で短時間の散歩、家事の手伝い、散髪、外食、PCの操作
第2段階;自宅周辺で1時間程度の散歩、図書館での読書、炊事・洗濯・アイロンかけ・掃除などの家事
第3段階;自転車・バス・電車を利用しての外出、食料品・日用品の買い物、ラジオ体操など軽度の運動
第4段階;家計簿の記帳、「生活記録表」(後述)の記入、ジョギング・水泳・ゴルフ練習、友人とのおしゃべり

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