熟年の文化徒然雑記帳

徒然なるままに、クラシックや歌舞伎・文楽鑑賞、海外生活と旅、読書、生活随想、経済、経営、政治等々万の随想を書こうと思う。

国立劇場2月文楽チケット争奪戦

2023年01月12日 | 生活随想・趣味
   久しぶりに、国立劇場の2月文楽公演のチケットを購入するために、国立劇場チケットセンターのHPを開いた。
   コロナ以前には、頻繁にこのページから古典芸能のチケットを取得していたのだが、コロナ以降、一気に劇場へは足が遠のいて、偶にしかお世話にならなくなってしまった。
   あぜくら会の会員なので、一般予約より1日先行予約が可能で、今日の10時にインターネットのチケット販売開始なのである。
   ところが、もう既に、10分以上も前から、ページを開こうとしても、
   「只今、大変混み合っております。申し訳御座いませんが、しばらく経ってから接続し直してください。」の表示ばかりで、当然、10時になっても、オープンできない。
   パソコンのキーを叩けど叩けど、この表示ばかりで埓が開かない。
   こんなことは、能狂言の特別な公演や小三治の落語公演などでも経験していて珍しいことではないのだが、ファンにとっては正に神経戦である。

   15分ほど経って、偶々、ページが開いたので、どうにか、まずまずの席を確保できたので、良かったのだが、その後、他にも用事があったので、ページを開こうとしたら、30分経っても同じ状態であった。
   しかし、後で調べてみると、結構チケットが残っていて、要するに、良い席というか好みの席の争奪戦であって、観れれば良いと言うのなら焦る必要はないのである。

   文楽は、頑なにも大坂ベースを維持している貴重な上方の古典芸能ではあるが、関西より関東の方が愛好者が多くて、チケットの取得が大変なのだが、本拠地大阪の国立文楽劇場での公演の方が意欲的な舞台が多いので、以前には、良く京都や奈良へのセンチメンタルジャーニーを兼ねて出かけていた。しかし、歳の所為もあって、もうその意欲も余裕もなくなってしまった。

   さて、2月の文楽公演は、「近松名作集」で、
   第一部 心中天網島
   第二部 国性爺合戦
   第三部 女殺油地獄
   近松ファンの私には、魅力的な演目で、いつもなら、朝から晩まで1日中劇場に入り浸って文楽を楽しむのだが、今回は、第一部 心中天網島だけにした。
   勘十郎の「女殺油地獄」を再び観たいと思ったのだが、何故か、「国性爺合戦 」にはそれ程興味を感じておらず、観れば長くなるし、飛ばせば夜まで待てないので止めたのである。

   近松の心中ものの舞台では、「心中天網島」は、「曽根崎心中」や「冥途の飛脚」と比べて、上演されることが少ないように思う。
   文楽の「心中天網島」や、改訂版の二代目吉田玉男襲名披露公演で演じられた「天網島時雨炬燵」、それに、歌舞伎の舞台などの観劇記を書いているが、ヒロインが小春と女房おさんが登場する悲劇で、今回も3時間40分の長丁場の舞台である。
   住太夫が、「近松は字余り字足らずで、私きらいでんねん。近松、おもろまっか。」と言っていたので、床本は分からないが、近松門左衛門のオリジナル浄瑠璃「紙屋治兵衛 きいの国や小はる 心中天の網島」を読み返してみたのだが、会話部分はそうでもないが、やはり、結構難しくて、リズム感などつかみ得ない。ただ、文楽の舞台が殆ど近松本に近いので何となく安心した。それに比べると、「天網島時雨炬燵」は大分創作がかっている。
   シェイクスピア時代のイギリスでは、速記ライターが芝居を写し取り、別の劇場で即刻舞台に掛けたと言うから、バリエーションがあって当然だったのであろう。

   今回の文楽は、
   大和屋の段を、咲太夫、燕三、
   紙屋治兵衛を玉男、小春を清十郎、おさんを和生、粉屋孫右衛門を玉也と言った素晴しいキャスティングであり、楽しみである。
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