熟年の文化徒然雑記帳

徒然なるままに、クラシックや歌舞伎・文楽鑑賞、海外生活と旅、読書、生活随想、経済、経営、政治等々万の随想を書こうと思う。

国立能楽堂・能「二人静」から湘南シネマ「パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊」

2017年07月08日 | 今日の日記
   今日は、朝鎌倉を出て、昼の国立能楽堂での
   普及公演、
   解説・能楽あんない 音阿弥、天下無双のマエストロ 松岡心平
   狂言 入間川 茂山千五郎(大蔵流)
   能 二人静 梅若万三郎(観世流)
   を鑑賞した。
   その後、北参道ー横浜ー辻堂ルートで、109シネマズ湘南に行って、「パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊」を見た。

   途中、少し時間があったので、辻堂のブックオフで小一時間暇つぶしをした。
   古書店は、神保町通いを続けてきたのだが、行きつけの書店がどんどん潰れて面白くなくなってきており、それなりのブックオフの店舗に行けば、古い本を含めて、大型書店よりも、結構、本が揃っている場合があって、それに、時には、新しい新本が30%オフくらいで買えるので、時々、これを利用している。
   今回買ったのは、読みそびれていたフリーク・ヴァーミューレンの「ヤバい経営学」。

   能楽堂での普及公演は、冒頭30分間、専門家の能・狂言や上演プログラムの解説など興味深い話が聞けるセッションがあるので、私の様な初歩ファンには好都合である。
   音阿弥については、今の観世流の直流なのであり、偉大な功績を残して将軍に認められているので、松岡教授の「天下無双のマエストロ」と言う高名についてはよく分かるのだが、先年、上演された梅原猛の創作能「世阿弥」では、世阿弥が元雅を後継者とすべく、執拗に音阿弥を拒否していたような趣があったので、多少、その印象が頭に残っていて複雑な気持ちである。

   狂言は、襲名なった千五郎が、芸と舞台が一気に大きくなった感じがして、堂々たる偉丈夫で貫禄のある大名役を演じていて感服して見入っていた。
   ベテラン狂言師の七五三の真面目でコミカルな雰囲気を醸し出した芸の奥深さ巧みさも凄いが、このおじの七五三を食っている感じさえする。
   この狂言は、何でも反対のことを言う入間言葉を巧みに織り込んだ掛け合いが面白いのだが、太郎冠者を演じる茂山茂も上手く、大蔵流の京都茂山家の芸の確かさを示していた。

   観世流の能「二人静」は、これまで、鑑賞してきた「二人静」の舞台とは、変わっていて興味深かった。
   後場で、同じ衣装を着けた、本物の静の霊(シテ)と霊が乗り移った菜摘女と言う二人の静が、相舞すると言う華麗な見せ場を備えた舞台が見ものであったのだが、このバージョンでも、舞台での相舞は、ツレ静の霊が、一ノ松の床几にかけて、シテ菜摘女一人が序ノ舞を舞うのを見ていて、最後キリだけ相舞すると言う「立出ノ一声」のケースもある。
   しかし、今回は、ツレ静の霊(梅若紀彰)は、前場で、菜摘女に僧への回向を頼むだけで橋掛かりに登場して、そのまま、消えて行き、後場は、一切、シテの菜摘女(梅若万三郎)だけの登場で、二人静の相舞シーンなどはない。
   私は、この三種類のバージョンを見ているので、興味を感じて観ていたが、こうなると、「二人静」の意味が希薄になる。

   さて、映画「パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊」だが、特に、見たくて行ったわけではなく、一寸、気分を変えたくて、久しぶりに映画館へ行ったのである。
   これまでのシリーズは、孫と一緒に通っていたので、適当に雰囲気は分かっており、当時の海賊とは違っているものの、英国海軍が登場したり、植民都市の港町の模様などが出てくるので、興味を感じて見ている。

   以前に、ピーター・T・リーソンの「海賊の経済学」をブックレビューしたのだが、私にとっての海賊は、フック船長の雰囲気ではなく、あくまで、ナイトの称号を得た海賊の頭目ドレイクのような悪人か偉人か分からないような歴史で暗躍した人物である。
   私掠船(privateer)などと言う、政府から敵国の船を攻撃しその船や積み荷を奪う許可、すなわち、私掠免許を得た個人の船が、正に、ドレイクなどの船なのだが、このあたりの大航海時代以降の歴史は、非常に面白くて、如何に、力をつけ始めたヨーロッパの列強が、世界制覇への歩を歩み始めたのか、その一端が垣間見えて興味深いのである。
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