熟年の文化徒然雑記帳

徒然なるままに、クラシックや歌舞伎・文楽鑑賞、海外生活と旅、読書、生活随想、経済、経営、政治等々万の随想を書こうと思う。

式能チケット、歌舞伎:忠臣蔵、そして、国立能楽堂

2016年12月16日 | 今日の日記
   今日は、朝に11時開演の国立劇場歌舞伎「仮名手本忠臣蔵 第三部」を観て、夕刻、国立能楽堂に行って、狂言 胸突 野村 又三郎(和泉流) 、能  船弁慶 後之出留之伝 辰巳 満次郎(宝生流)を観る予定であった。
   問題は、来年2月の式能のチケットの販売が、10時からなのだが、早く家を出なければならないので、パソコンを叩いて、ぴあで予約ができない。
   電話などでは、10時の瞬間から繋がりぱなっしで、掛かる筈がない。
   仕方がないので、少し、早く家を出て、国立能楽堂のチケットオフィスに行って、直接買おうと考えた。

   10時10分くらいに着いたら、10数人列に並んでいる。
   本来、窓口は、2つ開いているのだが、不公平になってはいけないと言うことで、この日は、窓口は1つだけで、何時もになく、沢山のスタッフが並んで慎重に対処していた。
  私など、いい加減な所為もあって、数秒で席を選ぶのだが、ああでもない、こうでもない、と言った老人のチケット取得者が一人でもいると、中々、列が進まない。

   今回も、1・2部通しでチケットを買ったので、この通しだけしか見ていないのだが、公演会場である能楽堂に割り当てられたチケットは、正面12,000円と脇・中正面8,000円、それぞれ、10数枚ずつしかない。
   10時前にチケットオフィスに並んで通しチケットを買った人のすべてが、正面席を買っていたことが分かった。
   結局、私は、正面席は、後方か端しか残っていなかったので、不思議にも、まだ、誰も買っていない脇正面の前方のチケットを選んだ。

   帰ってから、ぴあの「式能」を見たら、2部のチケットが残っているだけで、通しと1部のチケットは、ソールドアウトになっていたので、能楽堂に行ってチケットを取得したのが正解であったのかも知れない。
   この2部だが、昨年も最後までチケットが残っていたのだが、今回は、能 金剛流「雪 雪踏拍子」 シテ 豊嶋三千春、狂言 大蔵流「左近三郎」シテ 山本東次郎、能 観世流「花筐」 シテ 観世銕之丞、狂言 和泉流「苞山伏」 シテ 野村万作、能 金春流「土蜘 シテ 櫻間金記 と言う凄い能楽師たちの舞台なのである。

   
   式能は、これで、5回くらいだと思うが、江戸時代の正式な形式に則って、翁を皮切りに、能5曲、狂言4曲が演じられていて、演者は、宗家か人間国宝と言った各流派のトップ能楽師が出演すると言う超豪華版である。
   私は、欧米に居た時に、随分、オペラなど鳴り物入りのフェスティバル公演など、素晴らしい観劇を経験しているが、この式能だけは、どこの舞台と比べても、絶対に引けを取らない素晴らしい舞台だと思っている。

   結局、チケットを取得したのは、10時35分で、それから、北参道から永田町にメトロで出て、国立劇場に着いたのは、11時15分。
   すでに、八段目 道行旅路の嫁入 は、富士をバックにした美しいシーンが終わって、舞台転換するところであった。

   今回の舞台では、九段目 山科閑居の場が、出色の出来であった。
   十段目 天川屋義平内の場は、期待したが、歌六の「天川屋義平は、男でござる」の名セリフと大見得の素晴らしさは、絶品であったが、その後、この義平を脅しあげた取り手が由良之助の家来たちで、義平の信義を確かめるための芝居であったと分かった後のしらじらしさ。
   殆ど上演されないと言うのも、このあたりの稚拙な肩透かしにあるのであろう。
   大詰めの十一段目は、観客が本来一番期待する舞台の筈だが、作品が悪いのかはわからないが、これ程、味気ない面白くもない舞台もなかろう。
   それ程、空席があるとは思わなかったが、やはり、国立劇場開場50周年記念と銘打った以上、空席があると困るのか、後半、ぴあでは、会員に対して、殆ど、上級席チケットをを半額で売っているのだが、同時に上演している小劇場の文楽「仮名手本忠臣蔵」が、開演前に完売したことを考えると、3か月連続と言うのが裏目に出たのであろうか。

   能楽堂の能「船弁慶」は、良かった。
   前シテが静御前で、後シテが平知盛の怨霊と言う面白い舞台だが、シテ辰巳満次郎は、優雅で艶やかな静と、勇壮な知盛を器用に演じ分けて、楽しませてくれた。
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