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熟年の文化徒然雑記帳

徒然なるままに、クラシックや歌舞伎・文楽鑑賞、海外生活と旅、読書、生活随想、経済、経営、政治等々万の随想を書こうと思う。

NHK交響楽団・・・ベートーヴェンの第3番2曲

2023年03月09日 | クラシック音楽・オペラ
   2023都民芸術フェスティバルのNHK交響楽団演奏会に出かけた。
   ずっと、昔に、定期会員として通っていたのだが、今は都響だけなので、久しぶりのN響である。
   プログラムは次のとおり、ピアノ協奏曲と交響曲第3番のベートーヴェンプロで、後続する都響が、第5番2曲だと言うから面白い。
   とにかく、あまりにもポピュラーすぎるベートーヴェンの2曲を、N響で聴けるのであるから、ファンにとっては期待のコンサートである。
出演
指揮 : 梅田俊明
ピアノ : 吉川隆弘
曲目
ベートーヴェン/ピアノ協奏曲 第3番 ハ短調 作品37
ベートーヴェン/交響曲 第3番 変ホ長調 作品55「英雄」

   ピアノ協奏曲は、第5番の「皇帝」を聴く機会が多くて、第3番は久しぶりである。
   N響の演奏も凄いのであろうが、この曲のピアノが、これほどまでに、ピュアーで美しかったのか、感動しながら聞き惚れてしまった。
   解説によると、ハ短調で、第1楽章は、堂々とした構えを持ち、どっしりとした安定感、第2楽章は、牧歌的な表情でメロディーが優しく奏でられ、その響きの移ろいには荘厳さ、第3楽章は、活気に満ちたフィナーレ、
   難しいことは分からないが、いつも、ぶっつけ本番で聴いていて、流れゆく曲に乗って感動を噛みしめている。この第3番は、聴き慣れているので、一層感興をそそる。

   ピアノが、こんなに美しく華麗で感動的なのは、ピアニスト 吉川隆弘が、イタリアで学び、ミラノスカラ座のバレエ公演のソロピアニストと言ったキャリアーが濃厚に影響しているのであろう。
   以前にシーズンメンバーチケットを持って通っていたロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団で、指揮者が、ベルナルト・ハイティンクから、イタリア人のリッカルド・シャイーに交代した時に、サウンドなど印象が変ったことを憶えている。同じベートヴェンのピアノ曲を弾いても、バックハウスやケンプと、マウリツィオ・ポリーニとは違って当然。
   オーストリアからブレンナー峠を越えてイタリアに入ると、一気に世界が変る、ゲーテが憧れた陽光燦々と照り輝く南の国、
   そんな風景を思い出しながら、2階席からピアニストの鍵盤を追っていた。
   
   ピアニストは、ミケランジェリに学んだポリーニに師事したと言う。完璧主義者で演奏会をキャンセルするのでコンサートの機会の少ないミケランジェリを、幸い、一度だけロイヤルフェスティバルホールで聴いた。ミケランジェリの影響がいかほどだったのか興味深い所だが、1995年になくなっており、もはや伝説上の物語であろうか。

   交響曲第3番の「英雄」だが、コンサートホールで聴いたのも、10回や20回ではきかないほどなので、いくら音楽音痴の私でもメロディを憶えている。
   重厚で芳醇なN響サウンドは、聴き慣れている都響サウンドとは、又、違った趣で、感動的。
   梅田俊明とN響のタッグは完璧で、素晴しい演奏であった。
コメント
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