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熟年の文化徒然雑記帳

徒然なるままに、クラシックや歌舞伎・文楽鑑賞、海外生活と旅、読書、生活随想、経済、経営、政治等々万の随想を書こうと思う。

町内会の納涼祭の成功の秘密は

2010年08月09日 | 生活随想・趣味
   私の所属する町内会で、毎年、納涼祭が催されている。
   お神輿を担いだりする夏祭りでもなく盆踊りでもない簡素な納涼祭で、食べ物や飲料の店を出したり、福引や子供たちのゲームや花火などが主体の夕涼み会と言ったところだが、それなりに、町内会の存在感を示す恒例の行事なのである。
   500所帯以上の会員がいて、一戸建て主体の住宅街だが、各戸に配っている福引券の回収数が300を超えており、600人以上の老若男女が、そんなに広くもない町内会館の敷地広場に、集まって来てくれて、3時間くらいの間、飲んだり食べたりしながら楽しむと言う趣向である。

   ところで、問題は、町内会の役員が回って来て、今年は、私自身が、その行事の遂行責任者として働かなければならなかったと言うことである。
   会社組織での事業や催しなどの遂行については、かなり、経験と知識は有している心算だが、このようにインフォーマルな形のボランティア的な催しの経験はなく、それに、町内会の役員の大半が婦人たちである言う状況では、なかなか難しいのではないかと思った。

   しかし、結果的には、案ずるよりは生むが安しで、みんなの協力と努力で成功裏に終わったのでほっとしているところである。
   私の手元には、前回までの簡単な記録や資料は残っていたが、毎年輪番制で役員は変わるので、経験者はほとんどいないので見よう見まねの新企画である。
   食べ物は、老人会の方が、焼き鳥とおこわだったので、町内会は、フランクフルトと焼きトウモロコシと焼きそばで、すべて材料の調達から仕込み、焼き上げまで、町内会の役員のボランティアの手作り仕事で、それぞれ、売価100円をを目標に、出来るだけ質と量を確保することを考えての奮闘である。
   600人を超える人が集まり、昨年は、トウモロコシなど早々に売り切れたと言うことなので、それでは意味がないので、それぞれ、仕事量などを考えて、2倍以上の材料を準備することにした。
   ところが、同じ日に、駅前などほかの地区でも、盆踊りなど納涼祭が開かれるので、売れなくて残りはしないかと、心配もしなければならなかった。

   トウモロコシとフランクフルトと焼きそばだと言えば、食べるだけの人にとっては、非常に簡単な食べ物のように思えるのだが、家庭料理程度しか経験のない主婦たちが、一度に大量の食べ物を準備して人様にサーブするのを、いざ、一からやるとなると、材料の調達にしても、数日前から市場やスーパーを回って交渉し、調味料から細かい材料を筆頭に大変な項目にわたり、準備しておかなければならない。
   また、仕込みにしても、前日から十分な下ごしらえをしなければならないし、当日も、スタートすれば瞬時に列ができるので、相当リードタイムを取って、テントがあるとしても熱が籠るし、炎天下で奮闘せねばならない。
   何よりも、私が驚嘆したのは、それぞれ7~8人のグループなのだが、それまでほとんど接触のなかった主婦やおじさんたちが、それぞれの仕事を上手く分担して、その持ち場を守りながら臨機応変に協力しながら、一糸乱れず作業をこなして、私が言うのも何なんだが、その味の良さは玄人並みの出来上がりで大変な評判だったのである。
   私がお願いしたのは、十分に試食をしてでも、とにかく、満足の行く食べ物を作ってサーブして欲しいと言うことだけであったが。

   もう一つの町内会の売り場は、生ビール(300円)とソフトドリンク(すべて50円)で、生ビールは製氷を買って来たが、ドリンクの氷は、各役員が作って来た2Lのペットボトル氷。
   慣れない手つきで、3時間立ちっぱなしで二人の主婦が、生ビールを担当していたが、このビールのお蔭で賑わいが倍加して、集まってきた初老のおじさんたちが同窓会気分で、和気あいあいの俄かビアガーデンで、メートルが上がって至極ご機嫌であった。  

   そのほか、町内会の重要な仕事は、福引と子供たちのじゃんけん大会で、景品と賞品の選定と準備に多少の気を使うことである。
   じゃんけん大会は、これまで、町内にあるトヨタ、ニッサン、スバルの自動車販売店からグッズの提供を受けて、それを賞品にしていたのだが、どちらかと言えば男の子の喜ぶものばかりで、女の子を全く無視していたので、特別に、お母さんたちに頼んで、女の子のためのグッズを買って賞品に加えた。
   それから、福引の景品だが、同じ予算なら、そのジャンルの一番上等なものを買える品物にした。
   たとえば、洗剤なら、これまで、安くて量のあるものを選んでいたが、それでは、あなたのシャツを洗えば無茶苦茶になりますよ、と言われて、誰も喜ばないようなものを景品にしても仕方がないと思って、ジャンルを上げたのだが、わずかな予算アップでやれるのなら、貰って重宝するものの方が良い。

   金券を200円つけて納涼祭の招待状を各戸に配り、原価すれすれ、あるいは、それより少し高い程度で売っているので、当然、納涼祭の収支は、相当の持ち出しだが、町内が、このような催しで活気づき、人々の交流が深まりコミュニケーションが増して行くのなら、上出来だと思っている。
   日頃、めったに街頭で見られなくなった子供たちが、わんさと集まって来て、子供会主催の三角くじや金魚すくい、それに、じゃんけん大会や花火で、歓声を上げて楽しんでいるのである。
   老人会の焼き鳥やおこわは、商業ベースで売り出しており、そこで使われた金券は、すべて、町内会が引き取るので、結構、この催しが資金源になっているようである。
   しかし、いろいろな面で、子供会と老人会の協力とバックアップがあったればこそ、このように賑わいを見せることが出来たので、コミュニティでの良好な付き合いと共存共栄が如何に大切か、その有難さにも感じ入った次第である。

   ほかの町内会でも同じような催しをしているのだが、我々のやり方と違っていて、ほとんど、飲み物や食べ物の販売を業者に投げており、そのために、品物の価格が倍以上のようである。
   その方が、昔の和歌山の毒カレー事件のような心配はないのであろうが、私自身は、町内の人々が協力して、町内の人々が気楽に参加して楽しめる場を出来るだけ多く提供して、コミュニケーションの機会を作り出すことが大切だと思っている。
   今回の納涼祭の成功は、ハードルを一挙に上げたけれども、成功裏に終えることが出来たのは、役員の人々が、欲得損得抜きで、納涼祭の成功のためのみを考えて、意気に燃えて頑張ったことだと思っている。

   私自身は、統括責任者だったが、よく考えてみれば、何もしていないようなもので、納涼祭の最初から最後まで冷静緻密な企画運営で仕切ってくれた関口さんや役員の皆様のおかげで、無事に責任を果たせたのだと感謝をしている。
コメント (1)
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