日本橋高島屋で、中島千波展をやっていたので、夕方遅く出かけた。
「花の千波」と呼ばれている有名な日本画家であることは知っていたが、それ以上の知識はなく、殆ど先入観なくぶっつけ本番で絵画を鑑賞した。
チケットのデザインには、「老樹三面藪椿」が使われていた。
4面の屏風の右端に、大地にしっかり立った老樹の巨大な根が描かれて、4面に力強く張った枝に真っ赤なヤブツバキが描かれている。
この絵のあるコーナーには、他に、白牡丹、富貴華宴、竹林図等があったが、面白かったのは、竹林図で、左右には勢い良く衝き立った竹が林立しており、真ん中に皮を被ったたけのこを数本描き、上部に日輪の景をおわん型に明るく描いている。
中島画伯の絵は、色彩が明るくピュアーで、スケールの大きい絵であるが、爽やかであると思った。
彩色されていない人間の絵でも、目だけは色がついており、これ等の花の絵も、花の顔となるポイントには、鮮やかな色彩が施されている。
例えば、白ボタンの場合は、蘂の底は緑で、紫色の蘂の柱の上に、真っ赤なめしべと黄色いおしべが鮮やかに描かれていて、見る者の目を引き付ける。
これ等の絵の横に、風神と雷神のユーモラスな、しかし、迫力のある襖絵が展示されているが、何となく、西村公朝師の彫刻するモダンな仏像に相通ずるような雰囲気を感じて興味深かった。
花の絵で感激したのは、やはり、巨大な4面の襖に描いた桜の巨木の絵で、4点並んでいて、その中でも、醍醐の三宝院の枝垂桜の華麗な絵の前では、長い間たたずんでいた。
金地のバックに大きく枝を張った枝垂桜の花びらを一枚一枚丁寧に描いており、花びらが光り輝いている。
この醍醐には、学生時代から何度も訪れていて、桜の華麗さを良く知っているが、改めて、その美しさを実感させられた感じである。
このように、巨大なたった一本の花木を、豪快華麗に、そして、極めて繊細に描くのは、日本画の特色であろうか。
随分、世界のあっちこっちの美術館を歩いているが、ついど同じ感じの西洋画を見たことはない。
他に面白い花の絵は、小品だが、花とおもちゃをコンビに描いた絵で、色彩が実に美しい。
おもちゃと言っても、木製の素朴な鳥などの木彫りに彩色した郷土玩具なのだが、いやに郷愁を誘い懐かしい感じがして見ていた。
もっとも、この中島千波の世界展は、花だけではなく、冒頭は、人間の絵からシュールレアリズムの絵などから始まっていて、ジャンルは非常に広い。
私の愛読書の宮尾本平家物語の表紙絵も中島千波の絵である。
興味を感じたのは、中島画伯が、セザンヌの絵の模写を沢山描いていることで、サントバクトワール山の大きな絵が、富士山と黄山を描いた迫力のある絵の隣に展示されていたことである。
余談だが、中島千波美術館が、信州の小布施にあるらしい。
この小布施には、あのユニークでアイデア・レイディのセーラ・マリ・カミングスが居る。
彼女のバイタリティと凄いイノベイティブな事業意欲に感心しながら、2回も講演会に足を運び、清野由美著「セーラが町にやってきた」にサインまで貰って話をした。
一度行きたいと思っているので、その時、中島千波美術館を訪ねてみようと考えている。
「花の千波」と呼ばれている有名な日本画家であることは知っていたが、それ以上の知識はなく、殆ど先入観なくぶっつけ本番で絵画を鑑賞した。
チケットのデザインには、「老樹三面藪椿」が使われていた。
4面の屏風の右端に、大地にしっかり立った老樹の巨大な根が描かれて、4面に力強く張った枝に真っ赤なヤブツバキが描かれている。
この絵のあるコーナーには、他に、白牡丹、富貴華宴、竹林図等があったが、面白かったのは、竹林図で、左右には勢い良く衝き立った竹が林立しており、真ん中に皮を被ったたけのこを数本描き、上部に日輪の景をおわん型に明るく描いている。
中島画伯の絵は、色彩が明るくピュアーで、スケールの大きい絵であるが、爽やかであると思った。
彩色されていない人間の絵でも、目だけは色がついており、これ等の花の絵も、花の顔となるポイントには、鮮やかな色彩が施されている。
例えば、白ボタンの場合は、蘂の底は緑で、紫色の蘂の柱の上に、真っ赤なめしべと黄色いおしべが鮮やかに描かれていて、見る者の目を引き付ける。
これ等の絵の横に、風神と雷神のユーモラスな、しかし、迫力のある襖絵が展示されているが、何となく、西村公朝師の彫刻するモダンな仏像に相通ずるような雰囲気を感じて興味深かった。
花の絵で感激したのは、やはり、巨大な4面の襖に描いた桜の巨木の絵で、4点並んでいて、その中でも、醍醐の三宝院の枝垂桜の華麗な絵の前では、長い間たたずんでいた。
金地のバックに大きく枝を張った枝垂桜の花びらを一枚一枚丁寧に描いており、花びらが光り輝いている。
この醍醐には、学生時代から何度も訪れていて、桜の華麗さを良く知っているが、改めて、その美しさを実感させられた感じである。
このように、巨大なたった一本の花木を、豪快華麗に、そして、極めて繊細に描くのは、日本画の特色であろうか。
随分、世界のあっちこっちの美術館を歩いているが、ついど同じ感じの西洋画を見たことはない。
他に面白い花の絵は、小品だが、花とおもちゃをコンビに描いた絵で、色彩が実に美しい。
おもちゃと言っても、木製の素朴な鳥などの木彫りに彩色した郷土玩具なのだが、いやに郷愁を誘い懐かしい感じがして見ていた。
もっとも、この中島千波の世界展は、花だけではなく、冒頭は、人間の絵からシュールレアリズムの絵などから始まっていて、ジャンルは非常に広い。
私の愛読書の宮尾本平家物語の表紙絵も中島千波の絵である。
興味を感じたのは、中島画伯が、セザンヌの絵の模写を沢山描いていることで、サントバクトワール山の大きな絵が、富士山と黄山を描いた迫力のある絵の隣に展示されていたことである。
余談だが、中島千波美術館が、信州の小布施にあるらしい。
この小布施には、あのユニークでアイデア・レイディのセーラ・マリ・カミングスが居る。
彼女のバイタリティと凄いイノベイティブな事業意欲に感心しながら、2回も講演会に足を運び、清野由美著「セーラが町にやってきた」にサインまで貰って話をした。
一度行きたいと思っているので、その時、中島千波美術館を訪ねてみようと考えている。