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熟年の文化徒然雑記帳

徒然なるままに、クラシックや歌舞伎・文楽鑑賞、海外生活と旅、読書、生活随想、経済、経営、政治等々万の随想を書こうと思う。

読書の楽しみ、本に関する思いあれこれ

2005年08月24日 | 書評(ブックレビュー)・読書
   子供の頃から本を読むことが好きで、ずっと、読書癖が続いている。本は、自分で書店に行って買う習慣が付いているので、人から借りたり、推薦されて読むことは殆どない。
   図書館を利用することも、まずない。関心のある方面の本なら、私の蔵書の方が充実していると思っている。
   今でも、暇が在れば、神田神保町や都心の書店を歩いている。

   海外に長かったので、帰国の度毎に、沢山の本を買い込んで持ち帰ったが、英語の本は、必要なモノは別として、留学時代以外は、あまり読まなかった。
   経済や経営関係は、今でも、原書を直接読む方が分かり良いし間違いがないと思っているが、時間的に多少苦痛なので、疑問や問題にぶち当たった時に、参照することにしている。
   以前は、洋書を買う時には、バーンズ・ノーブルから、ネットで買っていたが、アマゾンが直接日本法人から売り出したので、この方が、郵送の手間が格段に減って、その上、安くなり、重宝している。

   最近、欧米の書店に出かけたが、変わっていない。
   ロンドンの王室御用達ハッチャードも10年前と変わったのはコンピューター管理が進んだことと、最新刊本のサイン本が多くなった事位で、書棚も何も殆ど変わっていない。
   ボストンのバーンズ・ノーブルも、検索用のコンピューターが多数設置されていたが、書棚は同じで、探したくても、本が限定されていて面白くなかった。
   
   ハーバード大学や我が母校ペンシルヴァニア大学の書店も、テキスト類は豊かだが、街の書店と似たり寄ったりであった。
   日本の大学内の書店も最近では生協直営ではなく、書店にアウトソーシングしているので、全く代わり映えがしない。東大の書店も、面白くはないが、探したい専門書が可なり豊かなので、これはこれで良い。
   学生の頃は、米国でも日本ででも、何時も大学書店に通い続けていると、それなりに、利用方法があって、生活に馴染むのであろうが、現在では、専門書等は、直接注文するか、ネット・ブック・ショップを利用する他ないのかも知れない。

   外国では、最新刊の本が、CDでもそうだが、2~3割のディスカウントで販売促進されているが、売れなければ、大幅値下げで叩き売られている。
   日本の場合は、再販売制度で、本の値引きは禁止されているようだが、良書の出版を保護・確保する為だとか言われている。
   しかし、それだけの値打ちがない本が、高い定価で売られているので、過半数の新刊書が倉庫に帰って裁断機にかかって償却されてしまっている、勿体無い話である。
   欧米の制度がダメで、悪書が多いかと言うと、遥かに高度な良書が多く出版されていて、むしろ欧米の方が本の質が高い。
   私は、良書の出版を保障できる制度が確立できれば、それに越したことはないが、出版に関しては、完全に自由化してみるのも道ではないかと思っている。
   良書の出版を確保するのは、出版関係者ではなく、国の責務であり国の仕事であると思っている。
   要するに、本を買うか買わないかは、その本が常時とは言わなくても手元に置いておく必要がある本なのかどうか、自分の手元に置いて愛蔵したい本なのかどうか、コレクターの需要に応えた本なのかどうか、魅力的なフルホン市場があるのかどうか、等々限られていて、これを満足させてくれるような対応をしない限り本は売れない。

   本の文化を守るためには、読者の質を上げる以外にないと思っている。
   都心で電車に乗ると、若い女性が熱心に読んでいるのは、殆ど日経新聞である。同じ電車で、大またを開いてシルバーシートでコミック雑誌を読んでいるのは、必ず、若い男性である。
   神田神保町の古書店には、びっくるするような数多くの風俗系の雑誌や写真本が売られているのをご存知であろうか。
   一方、本に目を擦り付けるようにして、専門書を読んでいる老人が居る。
   兎に角、巾が広いが、こんなにTV等映像メディアの影響が強くなると、本文化が廃れて行く。
   ところで、私の場合、素晴らしい本に出会うのは、決まって神田神保町の古書店である。良書が、表舞台で探せない、表舞台には出られない、悲しいがそれが現実である。

   ところで、私の場合もそうだが、本の愛好家で一番困るのは、蔵書が増えた時の本の扱い方。足の踏み場もないほど本があるのに、そして、自分の人生の残り時間を考えても到底読めない位の本があるのに、それでも、イソイソト書店に出かけて買い込んでくる。一種の病気である。
   
   
   ブックオフに持ち込めば、どんな本でも最も最良な状態でも定価の10%だとか。何か馬鹿にされた様な気がしたので、市立の図書館に電話して「寄付したいのですが、活用してくれませんか。」と言ったら、使い古しの本を定期的に処分するので、それと一緒に並べて市民に自由に持ち帰ってもらいましょう、と言う。
   当然、当方は図書館の備え付けの本より立派な本を寄付しようと思っていたので、担当者の無神経さに嫌気がさして止めてしまった。
   ペンシルバニア大学には素晴らしい大図書館があったが、日本の蔵書も可なりあった。船便で送ろうかと思っている。
   
   余談だが、今レンタル倉庫が流行っている様だが、レンタル書庫の商売も流行るのではないであろうか。それに、庭に置ける簡易書庫、出来れば、一坪か二坪程度で良いから読書イスが置けるもの、誰か開発してくれないかと思っている。
コメント
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