耳袋秘帖シリーズの王子狐火殺人事件(風野 真知雄/文春文庫)を読んだ。
だいわ文庫から文春文庫に移ってから、根岸肥前守の部下だった栗田と坂巻が出てこないのが気になっていた。
代わりに宮尾と椀田という部下が出ていたので、現実の大人の事情というやつかとも思っていたのだが違ったみたい。
このシリーズは怪異譚の影に人の思惑が絡んでおり、その解釈が面白く、作者の仮説にいつも感心している。
今回は狐の嫁入りに関することが事件解決のキーとなるのだが、ちと哀しく切ない幕切れでありました。
それにしても「花嫁さんになるのが夢」なんて、現実ではとんと聞かなくなったことであるなぁ。
花婿さんに・・・が増えてたりしてね。