自由人の発信 おっさんの中国一人旅から国内旅。

写真付きで日記や趣味を書くならgooブログ

中国一人旅総括 中華人民共和国での医療事情

2017-02-07 10:09:34 | 旅行記

 

中国地方都市ではまだクリニック的個人病院や私立病院を見受けられません(日本の街中での医院、クリニック看板の林立はない)。大都市でも大学の付属病院的な物や軍関係が大半のようです。ただ歯医者さんは街中で “オ、歯医者?”と言った感覚で、ただ看板は“牙科”ですが。

中国病院数 2012年 23,170ヶ所(公立13,384ヶ所、私立9,786ヶ所)、 基礎医療衛生センター912,620ヶ所(同年日本 病院8,565ヶ所、一般診療所100,152ヶ所)。

基礎医療衛生センター(基層共産党委員会社区、村単位)には医師?が1名以上配置とのことですが、医療の信頼性は薄く、大病院への集中となっています。医療施設はまだ共産党管理下から抜け出ていません、農民は都市での医療施設を利用するには莫大な医療費負担が要求されます。これも自力更生の後遺症か!

ただ日本での歯医者さんで、個室でなく仕切り越しでの治療に、欧米の歯医者さんはあきれていたとの話ですが。

烏鎮 湖北省当陽 狭西省綏徳 

河南省鄭州大学第二付属医院  西海省格楽木

蘇州・・・(小児)病院 北京日壇・・・小児研究所  玄関垂れ幕に “非保険者は先に・・・”と。

先日孫(2歳前)がクリニック医から肺炎の気もあるので、市立病院を紹介され、細菌検査の為5日入院(母親付添い)、費用負担は子供の病院食負担のみ。

同じく就学前の女子孫は、ホルモンバランス障害を疑われ、大学病院紹介で日帰り検査、MR検査までして費用負担なし。就学前の子供の医療費は免費だと、豊かだからとかの問題とは違うと思います。

 

中華人民共和国国務院報道弁公室 白書 2004年9月北京週報日本語版

社会保障は現代国家の最も重要な社会経済制度の一つである。経済発展レベルに適応する社会保障システムを確立、整備することは、経済と社会の協調的発展の必然的な要求であり、また社会の安定と国の長い将来にわたる安定の重要な保証である。

中国は世界最大の発展途上国であり、人口が多く、経済発展の起点が低く、地区間と都市・農村間の発展がアンバランスであり、そのため、社会保障システムを整備するのは困難に満ちた重い任務である。

中国政府は自国の国情から出発し、あくまで人を本として、社会保障システムの確立と整備を高度に重視し、それに大いに力を入れている。「中華人民共和国憲法」は、国は経済発展レベルに適応する社会保障制度を確立し、健全にすると明確に規定している。中国政府は経済発展人民生活向上と社会保障実現の基本的前提としている。

医療保険制度

1998年に「都市部従業員の基本的医療保険制度設立に関する決定」を公布し、全国で都市部従業員の基本的医療保険制度改革を推し進めた。2003年末現在、全国の基本的医療保険参加者数は1億902万人に達し、そのうち、従業員は7975万人、停年退職者は2927万人である。

都市部の流動就労者も基本的医療保険に参加することができる。基本的医療保険の資金源は主に雇用部門と個人が共に納付する医療保険料であり、雇用部門の納付比率は従業員賃金総額の6%前後で、個人の納付比率は本人の賃金の2%であり、停年退職者は納付しない。個人の納付した分は全部個人口座に入れ、部門の納めた分は30%前後の比率で個人口座に入れ、残りの70%前後は統一プール基金を設立する。

外来診察の小口の医療費用は主として個人口座で支払う。入院の大口の医療費用は主として統一プール基金で支払う。統一プール基金は明確な最低支給基準と最高支給限度額があり、最低支給基準は原則的には当地従業員の年平均賃金の10%前後で、最高支給限度額は当地従業員の年平均賃金の4倍前後である。最低支給基準以上、最高支給限度額以下の医療費用は、主として統一プール基金から支払い、個人も一定額を負担する。停年退職者個人の医薬費負担比率は在職従業員よりいくらか低い。

 

実態は相当かけ離れているようです。「中国 医療制度」yahoo検索ヒット抜粋

同じ頃, 『中新網』はまったく逆の結果を示しています。報道によれば, 医療保険に加入している人はわずか3%で、残り97%の人は完全な自己負担です。自己 負担額は3000億元に達しました。

政府予算における医療・公衆衛生関係費の比率は,改革・開放以降年毎に低下しています。この結果,国民医療費に占める国庫支出の割合は劇的に低下しています。

80年代初頭には、国民医療費の36%を政府がカバーし,国民負担の割合は23%にとどまっていました.しかし2000年には,政府負担は15%にまで低下し,逆に国民の個人負担割合が60%を越えるようになっています。しかもこれは,曲がりなりにも保険によりカバーされている都市住民の話で,農村ではもっとひどいことになっています。

医療費の高騰; 医療費は平均収入の伸びを上回る速さで高くなっており、食費と教育費に次ぐ出費になっている。

低所得層の問題; 低所得層において「入院すべきだが入院していない」人の割合は41%に達する。

2015年OECD /1000人 ベッド数4.2床。医師1.80人、看護師2.36人。看護師の数は日本の約1/10程度。 点滴や静脈注射などが主な看護業務となっています。外来受診者数及び入院患者数は、日本よりはるかに多いが,入院費が高いため平均在院日数は極めて短くなっています。(日本 ベット数13.7床 医師2.297人 看護師11.49人)

医師の数はそれなりですが、大多数は基礎医療衛生センターに配置され、そこでの医療施設等はいまだ前近代的(地方政府管轄)、私達が想像できる診療所・クリニックとはかけ離れています。

「要手術、送紅包。不送銭、不開刀(手術を受けたきゃ謝礼をよこせ、金をくれなきゃ手術はしない)

「葯房変商場、医生成奸商(薬局はマーケットに変わり、医者は悪徳商人になった)

「手術挂号、看病吃葯。先通関係、再塞紅包(手術の順番をとり、診察や投薬をしてもらうには、まずコネをつけて、それから謝礼を渡す)

職権を利用して不正蓄財をする職業だと、皮肉めいた表現をされるようになった(共産党の一部と認識する)。

 

医師の所得も決して多くはありません。医師の大半は大学病院や公立病院に所属し、国家公務員となり、月給はボーナスをふくめ1500~2000元といいます(日本円だと二、三万円くらい?)。これに対し、タクシー運転手の月給は5000~8000元,外国合弁企業は5000~15000元と遥かに高いのです。このことから若手医師を中心に病院をやめて、給料の高い製薬会社や外国に流れてしまうケースが増えてきています。

95年当時,病院全体でマイカーを持っていた人は4人,2001年には,各医局の半分以上の方が持っていました。マイカー通勤や,週末のドライブが当たり前、 医師の地位が高くなったか?、患者さんからの個人的なお礼がけっこうあるのか?。

 

医療費を先払いしないと手術しないという悪徳医師(普通の医師のはず・・・),逆に病院を医療ミスで訴えて医療費の支払いを免れようという不良患者も続出。

 

中国の人達が病院でまずやる事は診察券を受けるために並ぶ事。

昨年、有名な病院での有名な先生の診察券にダフ屋が並び、やって来た患者に何倍もで売りつけると、問題になった記事が載りました。逞しいと笑ってられません!

診察料を払ってから、診察です。次に検査となると、検査料金を払ってから施術、手術もお金を払ってから、入院も保証金を払ってから、お薬もだと思います。お金で医療を受けられる範囲が決まると言う事か。。

中国のデパートでは買いたい品物が決まったら、その商品の番号札を売り場の店員さんにもらって、収銀台で支払済ませ領収書を持って再度品物を受け取りに行って、手に入れます。

 

中国に関心を持ち、一人旅の機会を得、多くの富裕でない中国の人々と接する事が出来ました。

そこにはある意味豊か?になってる私達(貧困と言えどもレベルが違うよう)とは違った、真摯で懸命な中国の人達がいます。

14億の人を抱えてると言う理由で今の共産党統治が正当化されていますが、25:50:25(人格無比な共産党員:時には皆の為に尽くすが、一方ではその立場を利用する、従属することで正当化する普通の共産党員:自己の保身と利益だけに関心を持つ人間的に許されない共産党員)の論理から導かれた結果と、人間本性の欲望を否定できない以上、早急に正義の確立を図らねば、想像できない中国が出て来そうで心配と言うより、腹立たしくなります。しかし同じことが私達の国でも起こっているような今日この頃、他所の国をとやかく言ってられないのかも・・・。

特にこの二年、私の中国には悲しく自問してしまいます、もうこの辺でいいのかと

でも広大な中国、好きです中国が。

中国4000年は私達の先輩でもあり、莫大な歴史、文化の宝庫、中華の夢などの標語で済ましてほしくない。やはり中国への関心は捨て去りがたい今です。

完。

追記; 

以前に建設された駅や地方駅はともかく、その一方で近年建設駅や新幹線絡みの駅の偉大?さ、大きさ!どういう意味か考えるのは私だけ?確かに春節時はこれだけの広さがいるのかも・・・。マ、イイカ!!

北京駅  上海駅 西安駅

北京西駅 杭州駅 南京南駅 成都駅 南昌駅 昆明駅 煙台駅 銀川駅 蘭州駅 鄭州東駅  荊州駅 邯鄲東駅 bang4bu4駅

大連駅 瀋陽駅 重慶駅 咸陽駅 yan3州駅 天水駅 宝鶏駅 gon3義駅 陽平関駅

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

中国一人旅総括 中華人民共和国経済体制について

2017-02-06 09:38:51 | 旅行記

社会主義市場経済とは市場経済(計画経済の破綻と放棄)をとおして社会主義を実現するとした改革開放後の中華人民共和国経済体制。

社会主義とは生産手段の社会的共有・管理によって平等な社会を実現しようとする思想・運動。

 

改革開放当初は「国退民進」の掛け声の基、多くの国有企業を民営化外国資本の導入(合弁企業)を通じた民間企業を育成郷鎮企業や個人企業の奨励等によって経済の立て直しを図った。

 

資本主義の本性(利潤を求める)として、後進国ながら組織化された多くの労働力、教育レベルの高さがありながら長い間の社会主義体制下の低い生活水準(低賃金)に対して、資本、生産手段(工場)の移動が行われる。

資本主義国家(民主主義国家?)はむしろその独裁性を利用し、政治体制を問うことなく世界の工場状態を出現させる。

経営側に共産党員幹部を迎えたり、共産党委員会を企業内に認めてウインウインの関係演出、そこには農民工を使った労働組合の無い労働者管理があった。工場内寄宿舎には8人10人部屋で、長時間労働を黙認する共産党公認の労働者搾取の実態。

 

“韜光養悔”

鄧小平の共産党内での指導用語、来るべき時まで我慢し力を蓄える。その時がやって来た今、習近平は“中国之夢”を唱え中華世界を宣言。

しかしGDP世界2位一人当たりでは2015年8,141ドル76位(日本32,479ドル26位)の現実、先進国(大国)と後進国の使い分け(ダブルスタンダート)で自己主張する中国共産党。さらに格差・偏在が一層の貧困層を生み出している。

共産主義専制国中国も、後進性から抜け出せば、自由世界に仲間入りすると手前解釈した自由主義国家(国民主権、三権分立、法治)は、いま変われないその中国とどう向き合うのか問われている。

 

習近平政権になってむしろ「国進民退」、国内での独占、優位による利益の共産党への集中。中国共産党の下で国有企業をとおして、世界経済を米国と二分しようとする。

ため込んだ外貨準備高は2014年には4兆ドルに迫るほどで保有米国債と共に世界一になる。

豊富な外貨で国有企業を中心に海外企業の買収やAIIBによる後進国への進出を図っている。

そこには中国共産党の世界コントロール(国連でのイニシアチブ、国際世論形成)下で中国統一(台湾併合、南シナ海九段線の領土化、尖閣領有、パミール区域の領有)を実行することによる中国統治の自己正当化。

しかし共産党支配の国有企業や共産党影響下の中国企業の展開には多くの問題(近隣諸国との安全保障問題や実効性問題)が発生するが、現在まだ見ぬ中国マネーに翻弄される国々が見られるだけ。。

ビジネス案件が政治案件に転嫁されている例、中米ニカラグア運河計画(第2のパナマ運河)、インドネシアの高速鉄道計画、ギリシャピレウス港買収、スリランカハンバンボタ港権益、オーストラリアダーウイン港租借)等。

この状況下では中国経済は自由主義国での資本主義経済とは異質であり、この先の中国経済将来を経済的に予測する事は間違い、共産党なら”考慮すべき。

 

今日2月11日朝日電子版記事での北京総局長のレポートを紹介します。

過去数年間にわたる遼寧省の経済統計での捏造報道について、新省長は「役人が出世のために数字を改ざんしていた」と弁明した。

共産党のある幹部 「過ちをきちんと正すことができるのが、我党の優れた面である」。

このトカゲのしっぽ切りで「ハイ、これでこの件は終わり!」他の統計数字は正確!

何のことはない、責任者として処罰されたのは、江沢民派の追い落としの補強材料として使っただけ(人民日報を使って)。皆さんは冷めて、一顧だにしません、気が引けるので・・・。

中国共産党による、中国共産党の為の、中国共産党の国、中華人民共和国。しかし14億の中国の人で、共産党員関係者は4億?10億の人達は・・・。

 

さらには10年ごとの共産党指導部の交代ごとの権力闘争に巻き込まれる。

江沢民の上海グループ、胡錦濤の共青団、熙来の大連グループ等癒着と共倒れでは健全な経済活動は望めないし、企業は共産党の事情に左右されざるを得ない。

 

中国への企業進出“行くのは簡単だが、出るのは大変”、すなわち撤収する時は合弁相手に資本は買値でたたかれ、従業員の解雇は高額な退職金相当が政府、共産党から要求、指導される。

しかし世界から流入しているお金(貿易代金)世界一の人口を抱える社会主義中国は、資本主義国家・企業にとって非常に魅力ある市場。

その市場は共産党の庭で商売させて頂いている感覚の範囲内。そこでは共産党の国内事情によって、ある時急に退場をうき付けられる。過って明清時代の朝貢貿易感覚から抜け出せない。

 

信頼関係のない社会での民間企業は“親方総取り”従業員へのリターンは無い、故に従業員は転職によりスキルアップ、ベースアップを選択するか、そこでのノウハウで独立志向する。中国での起業家数の多さの素因。

2017年1月8日pm9:15分 NHKスペシャルは『巨龍 中国14億の消費革命~ネット通販 若者の夢と挫折~』

経済成長が鈍化した中国で、新たな成長の起爆剤と注目されているのがネット通販。2015年の販売額は約60兆円と、アメリカを抜き世界一の通販大国になった。そして特徴的なのは、通販に対する中国政府の動だ。民間企業と協力して。国土のすみずみに4万ものネット通販サービスのサービス拠点を計画。高齢者や農民に肥料や農具などをネットで購入させ消費革命を起こそうとしている。

番組では中国で急増するネットショップ村に密着。年間670億を売り上げるネットショップ村にやってくる若者と起業を通し、中国の変貌を浮き彫りにする。

流通の未発達ゆえ(時間をかけて構築する間に政策が変わる)、広い中国では製品の展開が出来ず、需要と供給の不適合がこのネットショップによって一気に移行しようとしている、消費革命?。固定電話の未発達から携帯社会への移行と同じ構図か。

しかし与信の無い社会で、商道徳の欠如商品の瑕疵未整備のままの流通、等の問題を考えると、ここでも“この道はいつか来た道”の危惧を抱いてしまう。共産党の旗が降られました、あらゆる所(共産党地方政府)で、他人より早く、明日は解らない社会での競争の開始、一方では既存店の崩壊、地域の崩壊が始まって、ハイそれまででしょう。

爆買い、不動産バブル、株バブル、今度のネットバブル。共産党の右往左往と間隙を縫ってなんでも利用する共産党下部組織、そんな中で中で逞しく泳いで行く中国の人にエールです。

 

社会での労働力は農民工に頼っているのに、都市住民の偏見には根強い物があり、経済の健全な発展を阻害している。

都市再開発等では塀で囲まれた用地内で、作業員(農民工)は隔離状態に置かれて作業従事している(都市住民は建設作業等のキツイ、キケン、キタナイ等3K職業には従事しない)。

その意味で現況の二重戸籍制度都市住民から支持されている。都市住民による富の分配は進まない、そして体制内分断。そこには多数派の異常なまでの富への欲求と執着

 

アメリカの景気回復と金融政策の変更に伴う資本の逃避、元安傾向にもかかわらず、海外企業買収や海外投資を格差解消より優先させるのはなぜか?。そこに共産党の生き残りファクターがあるとは思えない。元のドル化と投資に伴う資産の隠匿、逃避?、元安後は国内資産化で水ぶくれ?。

結果この2年かで、資本・資産の流出や元の買い支えに一兆ドル近い外貨準備高の減少として中国経済に現実化している。

 

中国経済の破綻を回避するには、社会主義市場経済なる造語の幻想で資本主義を利用し続ける事の破綻でしかない世界経済は共産党中国を利用してきたツケを支払わされる、未曾有の混乱となって。

中国共産党の退場中国民主国家の誕生(国民主権、三権分立、法治)にかかっているのだが、4億の既得権益層には無理な相談なのだろう。

 

共産党中国経済の直面している課題

地方政府による効率を無視した不動産投資と開発の債務化、地方債務

地方国有企業のゾンビ化と隠れ債務の肥大化。

効率を無視した鉄道固定資産投資(新幹線建設)による債務の拡大。

漢族資本による資源開発と民族対立

債務解消の為の株式バブル演出の後遺症

信頼性のない国内金融の脆弱性による理財商品の破綻

共産党体制下での観光産業の育成(テーマパーク)と地方政府の債務の拡大。

急激な賃金上昇による企業、工場の海外移転、新常態という業態転換の成否

 

参考案件;北狭西省石炭開発、神木‐朔県間の電化単線(神. 朔線)の建設(軌道、 路盤、橋梁、トンネル、駅、変電所、通信・. 信号等の整備)が行われた。

 

 

税制

20年ほど前の話、「何かやるにはお金が要る、中国では税金は如何してるのか?」「中国の人は税金なんて知りません、払った事がないです。」

共産主義社会では国民は皆私達で言う公務員、ノルマを提供して衣食住の分配を受ける。1949年以来改革開放までの30年近く続き、その政権は今もって継続しています

以前にはカンパ的な徴収も行われてきたが、現在では、税制そのものは整っているが、納税意識は低く、信頼性が無い。

自治意識がないし、自治がなされていない中では、税金は共産党への上納金とみなされるし、共産党自体がその感覚で徴収する。

地方徴収の税ではその徴取主体と分配で不明朗さがぬぐえず、また都市開発での土地の貸与収入が別会計で扱われるので、共産党のポケット的腐敗の基となっている。

全てが共産党の恣意統治ゆえの結果

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

中国一人旅総括 中華人民共和国での環境問題と宗教。

2017-02-03 10:39:32 | 旅行記

大気汚染・水質汚染・土壌汚染の実態

大気汚染

過って中国共産党は国防上内陸部へ重化学工業を分散配置した。以後その地方の産業として雇用、生産(GDPの大部分)を担う。

地方政府、共産党員の成績として生産優先、環境は配慮されなかった(環境は成績点数にない)。数十年前からの設備老朽化と増産の結果(廉価な国内炭の大増産)、大気汚染問題が常態化

中国が短期間で世界の工場を勝ち取った代償、社会主義市場経済効率の帰結

20年ほど前上海郊外石炭火力発電所の脱硫装置について問い合わせに接するが、立ち消えした。

中央政府は生産効率の悪い設備のスクラップアンドビルドを指導している一方、地方経済の崩壊・雇用不安からの、社会不安を危惧して問題はなかなか解決されない。

さらに都市部の拡大に伴い、そのエネルギーとして中国で生産される石炭の使用、また交通・流通手段として自動車の増大が拍車をかけている。

 

特に河北・北京ではその地形と冬場の気候が影響して甚大な健康問題になっている。

昨年の中国行、千歳空港での搭乗手続きで、前の中国の人に「北海道の食べ物は美味しかったですか?」、返事は「・・・、でも空気は美味しかった!」。

北京ではPM2.5が300以上3日間継続予報で赤色警報、学校の休校、市内通行車両ナンバーの偶数、奇数番号規制等を実施。最近数年間、冬季には2,3度発令される。

 

中国(日本) PM2.5環境基準2016.1.1適用 年平均35(15)μg/㎥ 日平均75(35)μg/㎥

2013年国務院「大気汚染防止行動計画についての通知」、5年後北京市では60μg/㎥に抑制する計画策定。

2017・2・4・am8:00現在418μg/㎥(米国大使館発表)、北京市規定“危険”。

どうすればいいの?中国共産党のためにはまだしばらく我慢でしょう。皆公平、平等だから・・・。

 

中国ドキメンタリー 柴静「穹天之下」(ユーチューブ日本語版有り) 但し共産党の本気度宣伝との見方もあるが、現況と人々の今は読み取れる。

中国PM2.5の今 http://aqicn.org/city/beijing/jp/

2016・10・10(月)pm2:00北京駅東2環の渋滞

2010年北京市郊外の閉鎖された?製鉄所溶鉱炉 しかし河北省全体では設備は増強。

内陸部張家口製鉄所  大同郊外製鉄所 邯鄲郊外火力発電所 

2015年安陽市内の火力発電所  

2016年三国志定軍山麓の製鉄所  咸陽市火力発電所 石炭運搬車両の列

市内食堂の練炭火口 オレンジ警報では使用禁止になります。

 

水質汚染

中国大陸は大きく見ると14億人口の大半が居住する華北、華中は大平原的に高低差がない故にこの地方には古来内陸運河交通が発達し、隋の煬帝による京杭運河は有名。

その運河沿い、河川沿いには過って設けられていた旧来の産業や新たに改革開放後の外資導入による新規産業の誘致、開設による未処理排水の為(国際競争力維持の為、地元政府の黙認)、汚染は流下することなく広範囲に蓄積される。

さらには、工業用水、農業用水、都市の生活用水需要の為河川流量の急激な減少(黄河の断流問題)、結果河川の自浄能力の消滅が重なる。

工場排水、生活排水の処理設備はできてもその稼働、維持メンテナンス社会契約となっていなため(排出者、監視者が同じ共産党)機能していない状態である(見ていない所や夜間ではその稼働を平気で停止させるイタチゴッコを呈している)。

南水北調 

中国華北地方の水不足の為、華南揚子江流域から給水すべく(古くは毛沢東の思いつき発言)、現在実行されている計画(2002・12~)が“南水北調”と言われるプロジェクトです。

3本の流系(東線、中央線、西線)で計画され、現在東線、中央線は稼働状態となっているが、なぜだか共産党のプロパガンダに上って来ない。

 

東線は揚子江下流揚州地点から、京杭運河ルート、河道、湖を利用しながらポンプ設備にてリフトアップ(累計65m)、山東半島西部で黄河をサイフォンにて横断、天津まで1156km。途中山東省では山東半島先端までの分岐ルートも持つ。

しかし途中、汚染河川の准河や他の河川が運河、湖に流れ込んでおり、一期工事が2014年完成したにもかかわらず、水質問題とポンプ運転維持費に拠る料金負担から、現在ではニュースからも消えているので稼働状態が判らない(共産党の正当性が問われる)。まだ未確認。

   

中央線は河南・湖北省境の漢水丹江口ダムから北京まで標高差100m延長1432kmを幅200mの水路で導水する工事。2014年12月12日第一期通水、通水時報道されましたが、ここもその後の共産党プロパガンダは聞こえてきません、しかし年間22.2億トン(河南省8.7、河北省8.4、北京市3.8、天津市1.3)給水したと伝えています。

水路をオーバーブリッジで越える既設水路や河川  アンダーパスで交差  黄河をサイフォンで交差  

河北省易水交差点付近の中央線の様子     

水路と交差する河川の今後発生する想定外洪水によっては、洪水被害が拡大される恐れがあるかと。

去年河北省邢台で夜間豪雨時ダム放水によって洪水被害発生との報道では一瞬この水路を思いましたが、10月の旅では鄭州手前の水路に水が入っていたので違っていたようです。

水路はグーグル地図写真で確認できます。

西線はチベット高原での計画の為現在は計画のみ。

 閑話休題;トイレ問題

現在もまだ改善されない“ニーハオトイレ”と汚水処理。中国ではいまだにトイレの改善?が進まず、公衆トイレでは開放型トイレが基本です。  汚物の処理は水洗ですがその処理のインフラ整備はこれから?の様です。

杭州の大学では分流式で集められた汚水は構内の貯水槽で貯められ沈殿物をバキューム車で処理場?へ搬出していましたし、周りの水路では一年に一度?ヘドロさらいをしていました。

中国ではトイレでは使用した紙は汚物と一緒に流せないのは、使用紙の質の問題と汚水の流速勾配が取れていないため汚水管の閉塞問題からだと思います。

 

土壌汚染

農薬・肥料の残留汚染もあるがここでは産業廃棄物での汚染について。

改革開放後日本を含め世界の先進国は中国共産党勧誘と資本主義経済の原理から、経済後進性から抜け出せない中国へ資本の移動を行う。

その市場経済活動の結果発生した産業廃棄物は処理システムもできていない国土を汚染してしまう。

 

地下水の過剰取水による河川からの汚染の浸透工場排水の浸透は見えない汚染の為、複雑となり、その解決の糸口さえ見つからない。

その汚染が限られた地域での発生の為、地元政府の封じ込もあり、まだ大きな問題にはなっていないが今後発生してくる問題と思われる。地方共産党幹部は担当地域の騒乱(中国では群体性事件?)発生を厳しく追及、罰せられます(上位者まで落馬、権力闘争に利用される)。

共産党統治優先(問題化させない)、利益配分の継続(既得権益の維持)の打破しか解決されない。

レアアース汚染

カドミュウム汚染

 

宗教について

共産主義理論からは宗教は否定されています。よって共産党員には信教は認められていないし禁止されている。

憲法上は1982年公民の信教の自由を明記する。しかしその内容は国家(共産党)の宗教活動認証範囲規定内での自由である。

現状は法輪功問題や地方政府でのキリスト教会破却等の問題が発生している。一方で共産党はバチカンとの和解等偉大な中華として世界認証を得ようとしている。

仏教寺院や中国古来の宗教道観では地方政府と一体でむしろ観光施設として活用している。本来の信教はアングラ化の傾向が進行している。

現在中国共産党が信教について敏感なのは、多くの社会問題や公正な法治が望めない現状を人々がアンダーグラウンドでの宗教活動と結びつく事を恐れるから。

中国で渡されたパンフ  無事に活動を続けられることを願います。

次は経済体制。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする