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20年前の上海と習近平の改革開放。

2018-11-20 14:41:10 | おっさんの中国一人旅終了?に伴って、もっと日本を旅します。

20年前の上海や近辺の様子。

毛沢東の破壊から大きく舵をきって、兎も角お金が無い事には食べる物にも事欠くことが解った中国共産党。

鄧小平が「韬光养晦」の名の下 改革開放を唱えます。自由主義国(民主国家?資本主義国家でしょう)は経済のグローバル化を唱えそれに乗り(利用しただけ)、結果世界中からお金を注ぎ、見たことも無いモンスターを育て上げたのが今の中国共産党。そんなつもりは無かった?豊かに成れば民主化される?なんて自己弁護の時ではありません。

そんな中国にお金が集まり始めた時の上海の一部様子です。前出の仕事?ですが・・・。

上海花園酒店近くでの朝市、9時頃までの時間限定でしたが活気を感じたものです。今は無理でしょう。。

   

公園では 

上海閘北?サアお寺も改革開放(我要銭!来了!)、今は立派なお寺になって、多くの善男善女がお参りしてる事でしょう。

   小さな水晶の仏さん、ネタです。

何処のお寺だったか?改革開放先取りしていました。  

上海駅の近くの玉仏禅寺の当時特別参観秘仏?  

上海からかなりの寧波沖普陀山だと・・・(通訳や案内人いると印象が薄い)。  

20年前、別に仕事?があったし、ブログの予定もなかったのでこの程度。

さて今 まるでトランプに対抗する自由貿易の騎手さながら!の習近平、でも現実足もとの中国を考えると「お前が言うか!」と言った感じですが・・・。

時期を射たコメントです。

ダイヤモンドオンライン 2018.11.20 加藤嘉一 「中国民主化研究」揺れる巨人は何処へ

中国の「改革開放40周年」がどう見ても現実と乖離している理由

中国国際輸入博覧会に出席した習近平国家主席の基調講演

「中国国際輸入博覧会の開催は、中国が新たな段階におけるハイレベルな対外開放という重大な政策を推し進めようとしていること、中国が主導的に世界に対して市場開放をするという重大な措置を取ろうとしていることの表れである」

 11月5日、上海で開催された中国国際輸入博覧会に出席し基調講演を発表した習近平国家主席がこのように主張した。

習近平自身が2017年5月にその開催を公表した同博覧会は172の国家、地域、国際組織からの参加があり、3600社以上の企業が出展し、同博覧会を通じた成約見込み額は578億3000万ドルに上ったという。

習近平にとっては今年最後の“主場外交”(主要国際会議の自国開催)となった。4月のボーアオフォーラム(海南省ボーアオ)、6月の上海協力機構サミット(山東省青島)、9月の中国・アフリカ協力フォーラム(北京)を含め、習近平は今年自国開催した“四大主場外交”すべてに出席し、基調講演を発表しつつ、中国発の統治理念、解決策、イニシアチブ、メカニズムなどの提起を通じて国際社会における存在感と影響力を向上させるべく奔走した。

筆者から見て、主場外交は国際社会で“お友達ネットワーク”を拡大しながら中国の政治体制、イデオロギー、核心的利益を死守することをもくろむ“習近平外交”の主軸を担ってきた。

どれだけの国家の政府首脳や企業家が参加し、中国発の産物に同意するかという点は、習近平が“中華民族の偉大なる復興”と定義されるチャイナドリームを実現する上で重要な尺度となる。

言い換えれば、中国共産党の正統性を維持し、強化していく上で必要な過程・分野だと党指導部は認識している。だからこそ習近平自らが現場へ赴き主催するのであろう。

基調講演において習近平は「主導的に輸入を拡大していく」「これからの15年で中国が輸入する商品とサービスはそれぞれ30兆ドル、10兆ドルを超えるだろう」「外国企業の投資に関するネガティブリストを簡素化し、投資制限を減らし、投資の自由化水準を向上させる」「外資企業の合法的な権益を守り、特にその知的財産権を侵犯する行為があれば法に基づいて断固として処罰を与える」などと主張した。

「金融業における開放を安定的に拡大し、サービス業の開放を持続的に推進させる」だけでなく、「外国の投資家が関心を持ち、国内市場における欠陥や需要が比較的大きい教育、医療といった分野でも外資の株式比率に関する制限を緩和していく」と具体的なメッセージも送っていた。

「開放」を52回も言及その背後の2つの要素

 習近平は約4700字の基調講演の中で「開放」の2文字に52回も言及した。異例にも映るこの数の背後には2つの要素が働いているように思える。

1つはトランプ政権に対する抵抗的意識である。

習近平は今月末にアルゼンチンで開催されるG20首脳サミット期間中にトランプ大統領と会談する見込みであり、貿易戦争がいまだ解決を見ていない状況下でも、来年1月1日に国交正常化40周年を迎える米中関係が全体的、政治的、決定的に悪化しないよう努めようとしている。

一方で、多国間主義や自由貿易体制を含めた戦後の秩序やルールの維持や発展に消極的な姿勢を崩さないトランプ政権の動向を、中国共産党指導部は依然として国際社会で影響力や存在感を向上させる戦略的契機だと考えているようである。この戦略的意図は本稿冒頭の文言を受けて、「これは中国が多国間貿易体制を支持し、自由貿易の発展を推進させるという一貫した立場を体現している。中国は開放型世界経済を建設し、経済グローバリゼーションの実質的行動を支持していく」という習近平の主張にも露呈されている。

2つに改革開放40周年という節目の時期である。

博覧会の基調講演では、習近平がこれまで随所で強調してきた「中国の開放の大門は閉まることはない、開ければ開けるほど大きくなる」というフレーズに言及した。

また、同博覧会閉幕から間もない11月13日、外遊で留守にしている李克強首相以外の5人の政治局常務委員、そして王岐山国家副主席を引き連れて北京国家博物館を訪れ、“偉大なる変革:改革開放40周年を祝う大型展覧”会を参観している。

その場で「共産党と一緒に中国の特色ある社会主義の道、改革開放の道を突き進む自信と決心を断固たるものにするのだ」と周囲、そして群衆に呼びかけた。

習近平という中国共産党の“核心”自らが直接的に関与している一連の表象を眺める限り、鄧小平が約40年前に国策として発動した改革開放が前進しており、中国はますます開放的な国家になり、国際社会・市場・世論との接触や融合が深まっていくように感じられる。

しかしながら、筆者は展望を楽観視していない。

それどころか過去にないほどに悲観的になっている。習近平が牽引する中国共産党がこの節目の時期に、一連の国家大事を通じて宣伝する「開放」は人類社会や国際社会が普遍的に認識してきたそれとは質的に異なるものである。

 そんな現状を検証すべく、2つの実例をケーススタディとして紹介したい。

出国を禁じられたシンクタンクの研究者

1つ目のケースである。

習近平が上海で中国国際輸入博覧会を主催した11月5日、米ハーバード大学フェアバンク中国研究センターは改革開放40周年を記念した学術イベントの開催を予定していた。中国で比較的リベラルなシンクタンクである「天則経済研究所」(Unirule Institute of Economics)との共催で、同シンクタンクに所属する、あるいは関わりのある中国を代表する社会科学学者らが渡米して米国側のカウンターパートと議論をする予定であった。

しかし、渡米予定だった研究者らは北京首都国際空港で当局により出国を禁じられた。同シンクタンクの盛洪(Sheng Hong)執行主任が香港紙『サウス・チャイナ・モーニング・ポスト』に語ったところによれば、「我々が『国家安全保障に危害を与えようとしているから出国を許可できない』とのことだった」という。

筆者から見て、中国のシンクタンクにとって中国研究の世界的権威であるフェアバンクセンターと「中国改革開放40周年」を記念する学術イベントを共催するというのは1つの快挙といえる。

中国の学術研究や米中交流にとっても栄誉なことであるように思える。しかし、「開放」を国内外の至るところで宣伝しながら、中国当局は自国の学者がハーバードで学術交流をすることを、公権力を使って阻止した。

研究者らが過激な学生を扇動しながら天安門広場で抗議活動をしようとしたわけでは決してない。ただ世界最高峰の学府に赴いて米中学術交流をしようとしただけである。

「開放」とは全く逆の事態が起きている現状を示す1つの状況証拠だといえる。フェアバンクセンターは公式サイトにて今回中国当局が取った措置に対して「失望」を示し、「米中間で緊張が高まっている状況下でこのような対話を行うのは本来重要な試みであった」との立場を表明している。

外国人学者の参加を許可しない当局

2つ目のケースである。

今年、中国国内の大学やシンクタンクでは改革開放40周年を記念する“学術イベント”が数多く開催されている。

例えば、中国人民大学マルクス主義学院と中共党史・党建研究院は8月末に「中国共産党と中国の道:中国改革開放40周年国際学術シンポジウム」を合同で開催した。同大の公式サイトのプレスリリースによれば、「中央統一戦線部、中国社会科学院、中央党史・文献研究院、中央党校、北京大学、中国人民大学、北京師範大学、復旦大学など国内外の高等教育機関80人強の学者が会議に参加した」とのことである。

このシンポジウムに参加するはずだった米国の中国問題専門家がいる。デービッド・シャンボージョージ・ワシントン大学教授である。同教授は日時が近づく中で会議の事務局から連絡を受け、「中央レベルの当局が外国人学者を招待し、参加させることを許可せず、会議参加者を国内学者だけに限るとメールしてきた」という。

シャンボー教授は筆者に続ける。

「これは本当の皮肉だ。このシンポジウムは中国の対外開放を記念するために行われるのに、外国人の参加が許可されないのである。この事態そのものが中国の現状を物語っており、それは習近平が鄧小平の改革開放を後退させようとしている現状を示している」

筆者も同感である。

先述したリリースにおいて、中国人民大学は今回のイベントを“国際学術シンポジウム”と名付けているが、実際に明記されているのは国内の機関だけである。シャンボー教授が指摘するように、改革開放を記念する“国際学術シンポジウム”とうたいながら、外国人学者の参加を、公権力を使って阻止するやり方は明らかに矛盾していると言わざるを得ない。

改革開放とは対米開放を意味する

2つのケースは表裏一体であるといえる。

筆者は本世紀初頭に北京大学国際関係学院で学んだが、同学院の先生たちから「中国にとって、改革開放とは対米開放を意味する。両者は表裏一体で、切り離せない関係にある」と教えていただいた。

改革開放を推し進めるプロセスとはまさに対米関係を経済貿易、学術、文化芸術、青少年、観光、科学技術といったあらゆる分野で多角的発展させる過程にほかならかったということだろう。

そうして40年が過ぎた今、「開放」を大々的に宣伝する中国当局は、中国人学者の米国学術機関での交流を、米国人学者の中国学術機関での交流を、公権力を使って阻止している。

筆者が知り、見る限り、上記2つのケースは氷山の一角であり、改革開放40周年に与える2018年を通じて、同様・同類の事態は至る現場で四六時中発生している。

これが“改革開放40周年”を照らす切実な現状である。

中国共産党が宣伝する「開放」に説得力があるとは思えない

そんな現状を目の前に、筆者には中国共産党が宣伝する「開放」の2文字に説得力があるとは到底思えない。

ただ、そこに対して価値判断を与えることはしない。感情的に反発しても意味はない。中国には中国の体制、イデオロギー、国情があるのだろう。

昨今、私たちが肝に銘じなければならないのは、中国共産党が認識、主張、実行する「改革」や「開放」と国際社会、特に西側世界が普遍的に認識、維持、普及してきたそれとは質的に異なるものであるという現実であり、この傾向や現象は習近平政権になって前代未聞なほどに顕著になってきているという現状にほかならない。

この前提に立って、中国といかにして付き合うかという問題を各業界・各人で考え、模索していかなければならないということである。

(国際コラムニスト 加藤嘉一)

アメリカの人達!トランプ君を何とかひっこめてくれと日々叫んでいますが、中国共産党を考えると「トランプ君!頑張って!」と心の中でエールを送ってる?

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15年前の泉州と先々週の泉州海洋汚染報道

2018-11-17 10:49:31 | おっさんの中国一人旅終了?に伴って、もっと日本を旅します。

先日BS街歩きで泉州が、15年前仕事?で訪れた時印象に残っている開元寺の五重の石塔が映りだされます。

15年前上海から福州に入り、車で泉州、恵安と言う所の石屋さんが仕事先(私の仕事はいわゆる太鼓持ち?)、アモイから帰国の旅でした。

仕事ですのでこのご馳走!もう少し味わっておくんだったな~。

泉州は南宋時一大貿易港、そして元代にはマルコポーロも絶賛“世界一”と称え、繁栄を極めた街です。

さて泉州の一コマ、宿は泉州旧市街中心地、泉州酒店。近くに古刹、開元寺があると言う事で、仕事前?の時間を作って一人迷い込みます。

沿道の小学校今日は開校記念行事?(通政小学と読めます)。

近くの市場の様子!15年前です、今の様子ではありません、くれぐれも誤解なきよう。

     

通りの露天商?

春巻きの皮?米粉の様でした。 お茶屋さん。

漢方薬屋さん? ある意味余裕があったのかな~・・。門前 市なすです。

そして辿り着いた開元寺。  

遠くからでも目印になっていた五重の石塔。  南宋時の物。

その早朝での寺域で一人女性が太極剣?を、集中してやっています。静かな迫力が!

邪魔しないように後ろから・・・。 

 

 

そして境内には子供も。 はつらつさを感じます、今は25歳か、どういう青年になっているのか・・・。

短い自由時間、戻ります。と 件の学校で記念式典が始まっています。    。皆さんどういった15年になったのか?

その一方では・・・、石屋さんで働いていた子供? 防塵マスクもかぶらず・・・、でも目は負けていませんでした。

翌日は厦门(アモイ)、ホテルは空港近くの悦華酒店、フロントの女の子 当時でも決して、むしろマニュアル無いだけのびのびとした応対。 

近くの工業団地内朝の様子。

そしてまたまた 早い時間をエスケープして厦门火車站へ。 

駅裏?市場の様子。  

そして仕事?で行った南普陀寺。    

今は観光スポットのコロール島を遠望します。 仕事?この後も帰るまで続きます。

もう一つの話題!その美しいアモイで今起こっている中国共産党体制の実態?転載です、不都合であればコメントでお知らせください、対応します。

日経ビジネスオンライン 2018年11月16日(金) 北村豊 中国キタムラレポート

中国の化学物質流出、漁業、製塩業に大打撃

風評被害で「売れない魚は他所で売れ」

福建省の東南沿海に位置する“泉州市”は、中国の“海上絲綢之路(海上シルクロード)”の起点であり、元朝時代の13世紀に中国を訪れた、『東方見聞録』で知られるヴェネツィア商人のマルコ・ポーロは、泉州の港を「世界一の大港」と称賛したと言われている。“泉港区”は泉州市の東北部にあり、湄洲湾(びしゅうわん)に面した天然の良港に恵まれていたが、最近は福建省の石油化学工業を牽引する石油化学地区として知られるようになっている。泉港区の面積は360km2であるから、東京23区の面積(621km2)の約58%に相当するが、そこには36万人の住民が暮らしている。

さて、2018年11月4日、その泉港区の“環境保護局”は、『東港石油化学の“碳九”流出事故の処置に関する状況通報』と題する文章を発表した。その内容は以下の通り。

【1】2018年11月4日午前1時14分、“福建東港石油化工実業有限公司”(以下「東港石化」)で“碳九”の船積みを行っていた“寧波市”の輸送船「天桐1号」と埠頭の接続ホースの連結部分で流出が発生し、流出した“碳九”の総量は6.97トンにも及んだ。通報を受けた後、我が区は直ちに突発性環境事故の対応策を発動し、現場の処置、群衆への対応、海洋の影響、事故の調査などを行うチームを組織し、迅速に応急措置作業を展開した。

【2】4日午後6時までに延べ100艘以上の船舶、延べ600人以上の人員を出動させ、かき集めた600袋近い“油毯(油吸着マット)”で“碳九”の吸着回収を行い、“碳九”の流出海域における“碳九”除去作業を基本的に完了させた。大気中の揮発性有機化合物(VOCs)濃度は午後6時には0.429mg/m3まで低下した(4.0mg/m3以下が安全値)。

【3】同時に、事故の調査作業を全面的に展開し、水質、海産物に対するサンプル測定を専門機関に委託し、各関係部門には各自の職能に応じて全力を尽くしてもらい、法規に照らして事故を穏便に処理することに専念した。

ところで、上記の状況報告の中で流出したとされた“碳九”とは何なのか。“碳九”とは、石油製品の一種である「C9芳香族炭化水素」(以下「C9」)の略称で、接着剤、印刷用インク、塗料などの原料として使われるものらしい。残念ながら門外漢の筆者にはよく分からないが、日刊紙「科技日報」が引用した“中国科学院福建物質構造研究所”研究員の“呉立新”の説明によれば、C9は人間が吸い込んでも中毒になることは少ないが、C9に汚染された動植物や海産物を食べると、中毒やがんを引き起こす危険性があるという。

上述の『状況通報』によれば、6.97トンものC9を泉州市と泉港区の当局は11月4日の午後6時までに吸着回収を基本的に完了させ、大気中のVOCs濃度も安全値を遥かに下回る0.429mg/m3まで低下させたという。しかし、600袋程度の油吸着マットでは、流出した6.97トンものC9を「除去作業を完了させた」と言い切れるほどに回収できるはずはないから、曖昧な「基本的に」を加えてごまかしたものと思われる。

52人が体調不良訴える

C9流出事故に関し中国メディアが報じた内容を取りまとめると以下の通り。

(1)東港石化による6.97トンのC9流出事故は、泉港区政府が事故の真相を発表するのを遅らせたために、何も知らない住民たちを混乱させた。海沿いの地域では鼻を刺す臭いが蔓延し、呼吸するのもやっとの状態だが、空気そのものが異臭を含むので逃げ場がなく、人々は心理的にまいっている。当初、泉港区の人々は流出したのは油類だと多少安易に考えていたが、11月8日になって初めてそれが油類ではなく、C9という化学物質だと知った。従い、多くの人々が海上に漂う汚染物を油類だと考えて素手で触っていたのだった。

(2)泉港区では11月8日までに合計52人が体調不良を訴えて“泉港区医院”で診断を受け、そのうち10人が入院して治療を受けることになった。このうちの1人は魚養殖の生け簀(いけす)から水中に転落した漁民だったが、その後体調不良で診察を受けたところ、両側肺炎と診断されて入院したのだった。但し、肺炎とC9流出の関連性は現状不明である。

(3)泉港区の漁民は魚の養殖で生活している。流出したC9が養殖用の生け簀へ流れ込んだことで、生け簀を浮かせるために使われている発泡スチロールが腐食して生け簀が沈み込む被害が発生した。被害を受けた生け簀は5000カ所以上に上り、C9の流入により多数の魚が死亡しただけでなく、養殖していた魚が生け簀から逃げ出し、甚大な経済的損害が発生している。なお、C9の流入事故後に生け簀に浮かんでいた魚の死骸を引き上げたところ、何と“無眼死魚(眼のない死んだ魚)”が多数見つかったという。それは漁民たちも今まで見たことのない恐ろしい光景で、C9による腐食で眼球が抜け落ちたものと考えられ、C9がいかに恐ろしい物質かを認識させるのに十分だった。

(4)C9流出はその特殊性から除去は難度が高く、泉港区環境保護局は流出したC9の除去を「完了した」と明言せず、「基本的に完了した」と述べるに留めた。11月8日に福建省“生態環境庁”は、東港石化が泉港区埠頭で積み込みを行っていた時に流出したのは工業用“裂解碳九(分解C9)”であったと発表したが、果たしてそれが本当に毒性の比較的小さい分解C9だったのか、あるいは毒性の高い“重整碳九(再生C9)”だったのかは確認されていない。

塩を買い漁った泉州市民

事故発生から5日が経過した11月9日になると、多くの泉州市民がスーパーマーケットや百貨店に殺到して塩を買い漁った。それというのは、C9の流出事故が発生した泉港区は福建省の主要な製塩基地であるからだった。少なからぬ人々がSNSの“微博(マイクロブログ)”や“微信(WeChat)”にスーパーマーケットで人々が塩を争奪する写真を掲載して、「今販売している泉港区産の塩は何も問題はないが、今後に販売される泉港区産の塩にはC9が含まれるから危険だ。従って、今のうちに泉港区産の塩を買い溜めしておくに越したことはない」と書き込みを行ったのだった。こうした書き込みを読んだ人々が塩を買いにスーパーマーケットや百貨店へ走るから、865万人の人口を擁する泉州市では多くの食品商店の棚から塩が消えたという。

話は泉州市だけに止まらず、泉港区産の塩が全国各地へ送られて販売されていることから、お節介な人は、ネット上にC9流出事故後に生産される泉港区産の塩だけでなく、福建省産の塩は購入しない方が良いと人々に警鐘を鳴らした。こうなると、泉港区産の養殖魚だけでなく、泉港区産の塩も今後の販売には支障を来し、漁民や製塩業者は大きな打撃を受ける可能性が大きい。

11月9日、泉州市政府は問題海域におけるC9除去作業は依然として継続していると発表した。また、これに呼応するように、あるネットユーザーは、「泉州市当局は、空気の質が良好であるという情景を作り出そうと、多数の学生が身体の不調を訴えているにもかかわらず、学校に休校することを許さず、学生にマスクをして通学するように要求している。一部の親は子供の身体を心配して学校を休ませようとしているが、学校側は子供を通学させないと、学習の進度に支障が生じると脅しをかけている」とネット上に書き込んだ。

一方、メディアが報じたところによれば、流出事故が発生した東港石化の埠頭には3万トンクラスと2000トンクラスの船舶が停泊できるバースが存在し、後者のバースは2011年から使用を開始した。しかし、福建当局が2016年に発表した環境アセスメントの資料には当該バースは未完成となっていて、正式な認可を受けぬままに建設を先行させたとして強制的に運用を停止するように命令が出ていたのである。そうした違法なバース内でC9の流出事故は発生したのであった。

 それでは、どうして東港石化は正式な許可を取得しないまま当該バースの使用に踏み切ることができたのか。あるネットユーザーが調査した結果では、東港石化の株を40%も所有している大株主は“福建省石油化学工業有限公司”であり、同公司は“福建省国有資産監督管理委員会”が株式を所有する国有企業であるという。要するに、東港石化は福建省政府が所有する企業であり、国家の認可など二の次で勝手に2000トンクラスの船舶が停泊できるバースを建設して、運用を開始したもので、その無認可のバースでC9の流出事故を引き起こしたということなのである。

“泉港区廣播電視台(泉港区テレビ局)”は11月6日に、「11月5日の泉港区の海水水質観測点における石油類の含有量および科学的酸素要求量は共に海水の水質基準に符合している」との『処置状況通報』を発表したが、地元住民は流出物を含んだ海水がすでに村落の周辺にまで拡散していると反発を示した。また、11月8日には、“泉州市環境保護局”が『環境空気質量通報』を発表して、「泉港区都市部にある空気自動観測ステーションが示す各種の測定結果はすでに正常な数値に回復し、さらなる改善を続けている」と報じたが、同日の夜も住民たちはどんな所へも入り込む異臭に苦しみ、眠ることすら困難だったのである。

流出したC9は懸命の除去作業が続けられているにもかかわらず、C9の汚染は引き潮になると海底に沈み、上げ潮になると水面に浮かび上がる状況で、海が以前の状況に戻るには相当時間がかかる可能性が高い。漁民たちは長年かけて築き上げて来た魚やエビの養殖が大きな損害を受けただけでなく、C9による汚染が除去されない限り、風評被害により水産物の販売に支障を来すとして、損害の補償と生活の保障を要求している。

11月7日に漁民の代表が彼らの居住する鎮の政府に対してC9流出による損害補償の要求を提起したところ、鎮政府は「風評被害で水産物が地元で売れないというなら、別の地方へ運んで売れば良いのだから、もっと頭を使え。そうだ、別の地方へ運んで売れば、死ぬのは赤の他人だから問題ない」という暴論を吐いたという。

「短時間接触なら影響は大きくない」

11月10日、福建省生態環境庁と泉州市政府は“中国科学院”、“国家海洋局”などの専門家を招聘して、C9流出事故の調査報告会を開催した。中国メディアが報じた報告会で発表された内容は以下の通り。

【1】人体に対する傷害については、今回流出したのが工業用の分解C9であることから、人体の皮膚、眼や呼吸器に対して刺激性を有する。もし長期的あるいは反復的に皮膚接触があると、接触部位は赤くなったり、腫れ上がったりする。蒸気を吸い込むと、気道や肺部に不快感を引き起こし、程度は異なるがせきや頭痛、吐き気などの反応を伴う。但し、短時間の接触であれば、人体に対する影響は大きくない。

【2】生態環境に対する影響については、状況通報が示したように、事故発生後の大気環境鑑測と評価状況は均しく正常な指標の範囲内である。大衆が提起した周辺地域での異臭問題は、専門家によれば、生け簀の発泡スチロールや岩礁、海岸にこびり付いた少量の油汚染が、太陽の照射温度が上昇すると揮発して、軽度の異臭を発生させたものである。

【3】修復については、専門家は海面に残留している油汚染を除去し、重点的にC9で汚染された生け簀を新しいものに交換して油汚染の付着を防止して二次汚染から免れ、適当な時期に魚の増殖や放流などの措置を採り、漁業資源の改善を行う。

補償については語られず

予想通りというか、何と言えばよいか、言葉が浮かばないが、上記の報告内容は全く内容のないものであった。これではC9の流出によって被害を受けた泉港区の住民、特に漁民たちにとっては、何の役にもたたないし、慰めにもならない。彼らにとって重要なことは、C9流出によって被った損害の補償であるはずだが、報告会では補償については何一つ語られることなく、無視されたのである。本当にこのまま無視し続けるとすれば、被害者たちは損失を補償されぬまま泣き寝入りすることになるが、果たしてどうなるのか。

中国には2017年6月27日に第二次修正が行われた『水質汚染防止法』があり、第4章「水汚染防止措置」の第5節には「船舶水汚染防止」という項目がある。しかし、第5節の内容を見ると、第59条に「油類あるいは有毒貨物を積載して輸送する船舶は、流出や浸透の防止策を採り、貨物が水中に落ちて水汚染を発生させるのを防止せねばならない」とあるだけで、それ以上の具体的内容は明記されていないように思われる。筆者は中国法の専門家でも研究者でもないので、これ以上のコメントは控えることにする。

中国では重大な水質汚染事故が全国各地で発生しており、上述したC9流出事故は数多発生している事故の中の一つに過ぎない。しかし、上述したように、水質汚染事故が発生した地域の地元政府は、事故の隠蔽と矮小化に精力を費やすのが常で、被害を受けた地元住民の側に立って損害の補償や生活の保障を優先的に考えることはないように思える。その典型的な例が、上述した鎮政府が漁民代表に語った暴言である。すなわち、東港⽯化の背後に国有企業の福建省石油化学工業有限公司がいることを知る鎮政府にとっては、漁民に対する損害補償をいかに減化するかが腕の見せ所であり、彼らの業績につながるのである。たとえ、水質汚染が発生しても、汚染は軽度であり、速やかに正常値に戻るのが、中国の公式なのである。

私見;事かように、今の中国、共産党の為の中国、ひいてはヒエラルキー頂点の習近平の為の中国。決して中国の人皆が納得して共産党に託してるのではありませんが、現実は中国の人達はそこから逃れられません。でもマグマは静かに沸騰しているのでは・・・。

又、共産党自身(習近平自身)、そのことを感じてる?(監視社会の昂進、治安要員の新設、増員)。

そのお隣を理解?してわれわれ一人一人は考えていかないと!時は止まる事はありません。ただし冷静に、何せ何でも日本の十倍です。腕力も十倍!、内部崩壊を辛抱強く・・・。

 

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