自由人の発信 おっさんの中国一人旅から国内旅。

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夏の手稲山と三角山3座制覇、中国ではコロナをもプロバガンダ。

2020-08-20 12:00:00 | おっさんの中国一人旅終了?に伴って、もっと日本を旅します。

7月4日(土)月一のトレーニング?。

我がかみさん、今年に入って膝の不調(本人ショック!)でのコロナ、最初は対岸のことと思っていたのがあれよあれよと緊急事態(友達に会えない?)、連日の"怖いコロナ報道”そのほかも加わって、鬱?。

この病?本人の意思がすべて?周りは気長に見守るだけだとか(目が離せない!?)。。

 

山仲間にはコロナが収まるまで休止宣言しています(太極拳も!)、で今年はこの手稲と三角山で体力維持?。手稲めがけて出発!

 

8:00先行者2台?ここから登れば三密は避けられる?熊対策は万全に!。木漏れ日の中を、と、横を走り抜けて(道の先のランナー見えないな~)。

 

砂防ダムの工事が始まっています。  

展望台を登り切り尾根筋、リフト降り場を過ぎて・・・。

道に!熊の糞!!(両手程、ネットでも似たのあり!)、横には足跡?(このわくわく感?)、周りを・・・。

 

近くのこの足跡!(鹿足跡重なっただけ!?)。

 

ここは遊歩道、市役所に・・・。

11:30山頂到着、密を避けて食事はロープウエイ駅で。薄く霞んでる羊諦山。

 

山頂は電波塔銀座!管理道路もついています。 

女子滑降コースにはシオガマでなくハクサンチドリ?がちらほら。

 

 

14:11登山口近くの砂防工事用道路入口。

工事案内看板。  

 

うっかり、で日曜、遅まきながら市緑の公園課に熊情報を連絡、翌日電話が入り写真を送ってほしいと。

専門家の写真判定で狸かテンではと、なお確認に向かうと。結果すでに痕跡のみ、で一件落着!残念?(不謹慎!)。

 

7月14日(火)三角山3座トレーニング?

リーチさんの山の手高校グランド、人工芝に!

三角山、大倉山、今回奥三角山山頂パス、奥三角山巻き込んだ所に山頂への道標あり。

過っての小別沢峠? 次は三座縦走だ!

小別沢のまともな野菜直売所、おばあちゃん居ます。で肌金(ポッケに千円)でズッキーニ、シソの葉・・・購入。

4時間半?28,000歩のトレーニング。

 

8月1日(土)盛夏の手稲山? 7:41今日の北尾根先行者なし!。 

熊の痕跡無し!しかしラジオを進行方向へ!!

砂防工事は掘削完了?

尾根筋では行き交った人は2人?でもハイランドには沢山の車、山頂は麓の密を避けた人で密?(お友達となら・・)。そう、withコロナ、それなりに注意して楽しみましょう!。

山はアジサイの季節  

この絵は盤溪から見た手稲山背面。

6時間20分?30,500歩でした。

 

8月17日(月)今日は三角山3座完全縦走を!。なかなか3座が収まりません。

 

一月経つとリーチさんが居ました!

 

お盆過ぎ平日ですが登山口にはそれなりの車と人。 でも先日麓で熊が目撃されています。

 

 

 

奥三角から三角山、大倉山、札幌の山は緑が濃いい?熊もどこかに・・・。

 

  前回確認していた遊歩道の方へ下山。

小別沢への途中でエゾリス君、私を怖がらず?・・・。

 

小別沢の直売所、今日はおじいさん(私も?)、で、キャベツ、ピーマン、トマト、シシトウ、ズッキーニ、ザックに収まらずおじさんレジ袋くれます(オッと、持ってたマスク忘れてます、お互いに大丈夫だ~で笑います)。

小別沢からは左股川に沿って、トマトかじりながら。

魚道が格好の遊び場、ライフジャケットしてる子や監視の大人で楽しそう。

あと一息で我が家、振り返って3座を。

 

≒5時間、29,000歩がとこ。

 

さてコロナ第二波真っ盛り?の日本、コロナ克服した?お隣中国ですが・・・。情報が選別され共産党によるプロパガンダで見えない国!色んな意見に耳を立てて。。

方や我が国、公文書を破棄、改ざんして検証さえ出来なくしている現実。。

共産党作文に興味なければ筆者の分析だけでも御一読。

ちなみに今年の札幌雪祭りは2月5日~11日、札幌最初の発生1月28日武漢からの女性、次に2月14日雪まつり関係者そして第一波。

祭りの休憩室では狭い中多くの人が暖をとっていました。

 

Itmediaビジネス 2020年06月18日 16時00分 公開 浦上早苗「中国式ニューエコノミー」

早稲田大学政治経済学部卒。西日本新聞社を経て、中国・大連に国費博士留学および少数民族向けの大学で講師。2016年夏以降東京で、執筆、翻訳、教育などを行う。法政大学MBA兼任講師(コミュニケーション・マネジメント)。帰国して日本語教師と通訳案内士の資格も取得。

最新刊「新型コロナ VS 中国14億人」(小学館新書)。twitter:sanadi37。

米国との密な連絡、習近平主席の指導 ~数字で読み解く中国の新型コロナ白書(前編) (1/3)

中国の首都・北京市で2カ月ぶりに新型コロナウイルスの感染者が確認された。6月11日から15日までの5日間で、確定診断を受けたのは106人に上る。いずれも同じ食品市場の関係者で、4月に経済活動を本格化させた北京市は再び厳戒態勢を取っている。

中国政府は6月7日、武漢での患者発生から封じ込めまでを検証し、取り組みを自賛する「新型コロナウイルスとの戦いにおける中国の行動白書」を公表した。その矢先の首都でのクラスターは何とも間が悪いし、新型コロナウイルスがいかに厄介で、どこから出現するか全く読めないことが改めて浮き彫りとなっている。

同白書は、米国を中心にした海外からの批判に対し、中国がいかに適切に対応したかをアピールする内容になっている。新型コロナが中国で猛威を振るっていた1月から3月初めにかけては、前面に出てくるのは感染症の専門家と各地方政府の責任者ばかりで、中央政府の動きはほとんど見えなかった。しかし同白書は、「習近平国家主席は」という主語があまりに多いので、筆者も途中でげんなりしたほどだ。

この白書の内容を「事実」と見るか「捏造(ねつぞう)」と見るかは、読者次第だ。しかし、中国企業や国民、専門家と新型コロナの戦いをリアルタイムで追い、新著「新型コロナ VS 中国14億人」にまとめた筆者にとっても、これだけ時系列が細かく記された資料を目にするのは初めてで、一定の資料価値はあると考える。2回に分けて白書の内容を要約する。

白書によると、中国では5月31日時点で、8万3017人が感染し、そのうち5.6%に相当する4634人が死亡した。白書は中国と新型コロナとの戦いを5段階に分けて振り返っている(もしかしたら、現在北京で起きているクラスターは、第6段階になる可能性もある)。今回は、最初の2段階を紹介する。

第1段階:発生と蔓延(まんえん)(2019年12月27日から2020年1月19日)

2019年12月27日 湖北省中西医結合医院が、武漢市江漢区疾病予防控制中心(CDC)に原因不明の肺炎患者の発生を報告。12月30日 武漢市衛生健康委員会が、管轄区域の医療機関に「原因不明の肺炎患者の適切な治療に関する緊急通知」を通達。12月31日 早朝、国家衛生健康委員会は武漢へワーキングチーム、専門家を派遣し、対策を指導するとともに現地調査を実施。武漢市衛生健康委員会は公式サイトで、27人の患者が発生していることを通知し(これが新型コロナウイルスの存在が公表された第1報。筆者注)、「3密」を避けるよう呼びかけた。また、同委員会は法に則って感染症の情報を公表した。2020年1月1日 国家衛生健康委員会は、感染症対策指導チームを設立。2日に中国疾病予防控制中心(CDC)、中国医学科学院が湖北省から患者4人のウイルスのサンプルを受け取る。1月3日 武漢市衛生健康委員会は、公式サイトで原因不明の肺炎患者44人の発生を公表。国家衛生健康委員会と湖北省衛生健康委員会は診察・治療のためのガイドラインを策定。世界保健機関(WHO)やマカオ、香港、台湾に自発的に感染症の情報を伝える。1月4日 中国CDCと米国CDCの責任者が電話を通じ、感染症の状況を説明する。両者は情報交換や技術協力を進めることで合意。国家衛生健康委員会と湖北省衛生健康委員会は「原因不明のウイルス性肺炎の治療に関するハンドブック」を策定。1月5日 武漢市衛生健康委員会は公式サイトで、原因不明の患者が59人に増えたと発表。SARSやMARS、鳥インフルエンザ、インフルエンザでないことを確認する。中国はWHOに感染症の状況を報告。1月6日 国家衛生健康委員会は全国会議で、武漢市の原因不明の肺炎に関する情報を報告し、必要な対策を指示する。1月7日 習近平国家主席が、原因不明の肺炎の感染防止を適切に行うよう指示。中国CDCはウイルス株の分離に成功。1月8日 国家衛生健康委員会の専門家グループが、ウイルスを「新型コロナ」であると確認。米中CDCは電話で情報共有し、今後の協力について議論する。1月9日 国家衛生健康委員会の専門家グループは、武漢市で多発している原因不明のウイルス性肺炎の病原体が「新型コロナウイルス」であることを公表。WHOにも通報する。WHOは公式サイトで武漢で発生した肺炎の集団感染について声明を出し、中国が短期間で「新型コロナウイルス」を検出したことを評価する。1月10日 中国CDC、中国科学院武漢ウイルス研究所などは、初期段階の検査キットを開発。武漢市は患者が収容されている病院で検査を開始する。国家衛生健康委員会、中国CDCの責任者はそれぞれWHOの責任者と感染症対策について情報交換する。1月11日 この日から、中国は毎日WHOに感染症情報の報告を開始。1月12日 武漢市衛生健康委員会は、「原因不明のウイルス性肺炎」という表現を「新型コロナウイルスによる肺炎」に改める。中国CDC、中国医学科学院、中国科学院武漢ウイルス研究所は、国家衛生健康委員会の指定機関としてWHOに新型コロナウイルスのゲノム情報を提供。鳥インフルエンザ情報共有の国際推進機構(GISAID)のデータベースで公表し、世界に共有する。1月13日 李克強首相は、国務院全体会議で感染症対策を適切に行うよう指示する。また、国家衛生健康委員会も会議を開き、湖北省、武漢市の港湾・駅などでの検温、3密回避など監督管理を強化するよう指導。WHOはタイで新型コロナの患者が出たと発表。香港、マカオ、台湾の調査チームが武漢市で現地調査を実施。1月14日 国家衛生健康委員会は全国テレビ電話会議を開き、湖北省、武漢市での感染症防止対策を強化していることを紹介し、他の地方も警戒するよう呼びかける。会議では「新型コロナウイルスが大きな不確実性を持った新たな感染症であり、人から人への感染があるかはまだ調査中」と説明。1月15日 国家衛生健康委員会は「新型コロナウイルスによる肺炎の診療ガイドライン(第1版)」を策定。1月16日 PCR検査キットが完成。武漢市は69カ所の病院で検査を行えるようになる。1月17日 国家衛生健康委員会は感染症対策のため7つの監督指導チームを地方に派遣。1月18日 国家衛生健康委員会は、「新型コロナウイルスによる肺炎の診療ガイドライン(第2版)」を策定。また、ハイレベル専門家グループを組織し、現地調査のため武漢市に派遣する。1月19日 ハイレベル専門家グループは「人から人への感染が起きている」と判断。

中国政府は6月7日、武漢での患者発生から封じ込めまでの取り組みを「新型コロナウイルスとの戦いにおける中国の行動白書」として公表(写真 ロイター)

国で確認された新型コロナ感染者数の推移(白書より)

第1段階に対する筆者の分析 

白書は原因不明の患者が確認された初期から、事態を放置せず、迅速に対応していたことを主張している。「初動対応が遅れた」との国際的批判への反論だろう。

ただし、感染症が蔓延(まんえん)し始めた年末年始に「医療現場にかん口令を敷いたこと」「市民に知らせなかったこと」については触れられていない。白書には「3密回避を指示」とあるが、武漢市ではSARSが発生したとの噂(うわさ)が広がったものの、警察が「デマ」として関係者を処分し、それ以外の注意が呼びかけられた形跡はない。

白書は「人から人への感染」が1月19日まで確認されなかったことを根拠に、「適切に対処しながらも、一般レベルには周知しなかった」ことを正当化しているようにも読める。ただし、1月18日に武漢市に入ったハイレベル専門家グループは即座に「人から人への感染」が起きていると判断しており、その前段階で何らかの怠慢や判断の誤りがあったのは確実と言える。

第2段階:武漢のパンデミックとロックダウン(1月20日~2月20日)

1月20日 習近平国家主席は、情報の即時公開と国際協力によって新型コロナウイルスを封じ込めるよう「重要指示」を出した。夕方にはハイレベル専門家グループが記者会見を行い、国民向けに「人から人への感染」が起きていることや感染の実態を説明。また、国家衛生健康委員会は新型コロナをSARSと同等の「乙類伝染病」に指定する。1月22日 習近平国家主席が湖北省、武漢市での人の移動や、外部との行き来を遮断するよう指示。国家衛生健康委員会は、「新型コロナウイルスによる肺炎の診療ガイドライン(第3版)」を策定。国務院広報部門が新型コロナに関する最初の記者会見を開く。また、国家衛生健康委員会は、米国から最初の感染者が確認されたとの連絡を受ける。国家生物情報中心は、新型コロナウイルスのデータベースを開設。世界に向けてゲノム情報や変異の分析情報を公開。1月23日 武漢市対策本部は午前2時、午前10時に空港、駅などを順次封鎖すると発表。交通運輸部は武漢市を発着する航空便や船便の運休を通知。中国科学院武漢ウイルス研究所、(初期に患者を集中的に受け入れた)武漢市金銀潭医院、湖北省CDCは、新型コロナウイルスとSARSの塩基配列が79.5%一致すると発見。1月24日 全国から医療支援部隊364チーム、4万2600人の医療従事者、965人の公共衛生スタッフが湖北省と武漢市に入り始める。1月25日 習近平国家主席が、湖北省での感染症封じ込めを最優先とし、一層厳格な対策を取り、国内外での感染拡大阻止を指示する。国家衛生健康委員会は旅行や家庭、公共施設、交通機関など各環境に応じた感染予防ガイドラインを発表。1月26日 李克強首相が指導者グループの全体会議を開き、2020年の春節休暇の延長や学校の新学期の延期を決定。国家薬品監督管理局は4社の新型コロナPCR検査キットを緊急承認し、検査体制の拡大を急ぐ。1月27日 習近平国家主席が中国共産党各組織に、庶民のリーダーとして感染症を戦うよう指示。李克強首相がパンデミック真っただ中の武漢市を視察し、医療従事者をねぎらう。国家衛生健康委員会が「新型コロナウイルスによる肺炎の診療ガイドライン(第4版)」を公表。同委員会の責任者は米国衛生当局の責任者に状況を説明。1月28日 習近平国家主席が北京でWHOのテドロス・アダノム事務局長と会談。中国政府として情報の即時公開・透明性を確保し、責任ある行動を行うと表明する。1月30日 国家衛生健康委員会は米国に対し、米国がWHOの専門家グループに参加することを歓迎すると伝える。米国は当日、感謝の返事をする。1月31日 WHOが新型コロナウイルスに関し「緊急事態宣言」を発表。国家衛生健康委員会は、重症患者向けの集中治療ガイドプランを公表。2月2日 武漢市は「確定患者」「疑いのある患者」「発熱患者」「濃厚接触者」に分類し、それぞれの診療方法を明確にする。国家衛生健康委員会は、米国衛生当局の責任者と書面で意見交換する。2月3日 習近平国家主席は、感染症対策のさらなる強化を指示し、「早期発見、早期報告、早期隔離、早期治療」の「四早」措置を指示する。武漢市で軽症者を収容するコンテナ病院の開設準備が始まる。2月4日 中国CDCの責任者は米国の感染症研究所の責任者と電話し、情報交換。2月5日 習近平国家主席は、国民の生命と健康を最優先に、立法、行政、司法各機関が全力で対策を講じるよう指示。また、湖北省の医療用N95マスクの供給が初めて充足した。「新型コロナウイルスによる肺炎の診療ガイドライン(第5版)」が発表される。2月8日 米中両国の衛生当局の責任者は、米国の専門家に、中国とWHOの専門家グループに参加するよう再び呼びかける。2月10日 習近平国家主席は北京から、金銀潭医院、協和医院、火神山医院とビデオ会議を通じ、治療に全力を尽くすよう激励した。2月11日 湖北省で防護服不足が解消。中国CDCは米国CDCのインフルエンザ部門の専門家と電話会議し、感染症対策情報を共有。2月12日 習近平国家主席は、感染症対策が「最も重要な段階」にあると指摘。特に重症患者の治療水準を上げるよう指示した。2月13日 米国の衛生当局の責任者は、中国国家衛生健康委員会の責任者に書面を送り、両国の感染症対策の協力などを議論。2月14日 習近平主席は会議で、今回の新型コロナで露呈した国の弱点や不足を教訓に、国家の公共衛生緊急管理システムを構築するよう指示。湖北省以外の地域の1日の新規感染者数が10日連続で減少する。2月15日 国務院の広報部門が武漢市で新型コロナ関連の記者会見を初めて開催。検査キット7種類が承認を受け、ワクチンの開発なども進展があると説明される。2月16日 中国、ドイツ、日本、韓国、ナイジェリア、ロシア、シンガポール、米国、WHOの専門家25人が9日かけて北京、成都、広州、深セン、武漢を現地調査。2月17日 政府が地域ごとに感染症拡大状況に応じた復興に取り組むよう求める。2月18日 全国の1日の治癒・退院人数が初めて新規感染者数を上回る。2月19日 習近平国家主席が会議で、感染症対策と経済再開の両立への取り組みなどをヒアリング。国家衛生健康委員会が「新型コロナウイルスによる肺炎の診療ガイドライン(試行第6版)」を公表。武漢の1日の治癒・退院者数が新規感染者数を上回る。

第2段階に対する筆者の分析

中国の新型コロナウイルスの感染の実情は1月20日に公表され、23日には武漢市が封鎖された。ウイルスは春節前に武漢市から各地へ飛び散り、全国的に厳しい対策が取られた。対策の効果が見え始めたのは2月中旬で、ウイルスの特性も徐々に明らかになっていった。

白書はこの時期に、中国がWHOだけでなく、米国と情報を共有したことを再三強調している。トランプ大統領が「ウイルスを広めた」として中国を攻撃しているのに対し、白書は「早期から現場では情報共有しており、米国で感染が拡大したのは、対処が遅れた米政府の責任」と暗に批判している。

また、当時、習近平主席は1月20日の重要指示と、3月の武漢視察以外にほとんど公に発信しなかったが、白書はその裏で「国の指導者は国民を最優先し、毎日指示を出していた」と主張している。実際にはハイレベル専門家グループが武漢封鎖など鍵となる決断を進言しており、既に明らかになっている専門家の発言と白書での習近平主席の言動はほぼ一致しているため、中央政府が専門家の進言を受け入れ行動していることも示唆されている。

 

6/25(木) 7:05配信

延々と自画自賛、退屈すぎる中身だからこそ見える中国の「メンツ」 ~数字で読み解く新型コロナ白書(後編)

本稿では前回に続き、中国政府が6月7日に発表した「新型コロナウイルスとの戦いにおける中国の行動白書」から2月下旬以降の動きを紹介する。中国の感染症対策の最前線を担ったのは、SARSで陣頭指揮に当たった専門家やアリババなどのIT企業だが、白書はそれらには一切触れず、習近平国家主席ら政府の行動と成果のみを描写している。 2月21日以降、新たに確認された感染者の推移(白書より)  正直なところ、白書を読むだけでは全体像がほとんど分からないが、一点だけ、極めて明確なことがある。白書の主眼が、「全体像を示す」ことではなく、「政府の正しさを強調する」ことにある点だ。  中国ではハイレベル専門家グループが記者会見をした1月20日以降、情報公開の体制は世界が考えているよりもかなり透明だった。情報を下手に隠せば感染拡大につながるからだろう。国民が皆知っている専門家や企業の貢献をバッサリ切り落としたことで、白々しさが一層鮮明となっているが、それもまた、中国を知るための材料なのかもしれない。以下、退屈すぎる白書の内容を記載する。

本第3段階 感染拡大がピークを過ぎる(2月21日~3月17日)

2月21日 国務院が経済回復と感染症対策を両立させるためのガイドラインを公表。感染リスクの低い地域の移動制限の解除が始まる。2月24日までに、湖北省、北京市以外の主要道路の通行規制が解除される。 2月23日 習近平国家主席がビデオ会議を通じ17万人の党幹部に、新型コロナウイルスが建国以来もっとも感染スピードが速く、感染範囲が広く、対策が難しい公共衛生事件だとし、対策の徹底を指示する。 2月24日 中国と世界保健機関(WHO)の専門家が北京で共同会見。中国の感染症対策が功を奏していると評価する。24日までに1日あたりの新規感染者数は5日連続で1000人を下回った。 2月25日 出入国者に対する健康チェックを強化。 2月26日 習近平国家主席が会議で、全国では感染が収束に向かう一方、湖北省と武漢市の情勢は依然として厳しいと指摘。湖北省・武漢市の感染封じ込めに資源を投入するよう指示。 2月27日 湖北省以外の地域、そして武漢市を除いた湖北省での1日の新たな感染者がそれぞれ初めて2桁に減る。 2月29日 中国とWHOが共同で新型コロナウイルスの現地調査報告書を発表。報告書は中国が未知のウイルスに対し積極的に対応し、迅速にウイルスを抑え込んだと評価する。 3月2日 習近平国家主席が北京で新型コロナの対策状況を視察。 3月3日 国家衛生健康委員会が「新型コロナウイルスによる肺炎の診療ガイドライン(試行第7版)」を公表。感染経路、症状、診断基準などに新たな知見を加え、中国医療と西洋医療の融合を強調する。 3月4日 習近平国家主席が会議で、感染を抑えつつ経済・社会の正常化を目指す体制(日本でいうところの「新しい生活様式」)の確立を急ぐよう指示。 3月6日 習近平国家主席が、農村の貧困層の「全ての貧困からの脱出」に全力を尽くすよう指示。全国の1日の感染者が100人を割る。 3月10日 習近平国家主席が武漢市を視察。武漢市民の貢献を賞賛する。 3月11日 WHOのテドロス事務局長が、新型コロナウイルスが世界で大流行していると発言。 3月11日~17日 全国の1日の新たな感染者が2桁にとどまる。中国での感染のピークは過ぎたと判断。 3月17日 全国から湖北省・武漢市に入っていた医療支援チームの撤収が始まる。

第3段階で政府はそれまでの対策に自信

白書の「第3段階」は、中国の感染症対策の「答え合わせ」のステージと筆者は分析している。白書には記されていないが、ハイレベル専門家グループのトップを務めた鍾南山氏が2月初旬の感染ピーク時に「狙い通り収束させられるかは2月20日ごろ判断できる」と発言しており、第3段階の記述も同日から始まっている。  2月下旬からの1カ月は、ウイルスの封じ込めに自信を得た政府が、経済再開を模索した時期でもある。日本は同時期に感染拡大局面を迎えており、「感染のピークをずらす」戦術をとって時間稼ぎをしたものの、結局諸々の対策が間に合わず、4月に緊急事態宣言が発令されることとなった。

第4段階 第2のクライマックス、武漢市の封鎖解除(3月18日~4月28日)

3月18日 習近平国家主席が、海外からの感染流入を阻止するよう指示。全国の新たな感染者が初めてゼロとなる。 3月25日 習近平国家主席が、感染症対策と経済情勢についてヒアリング。武漢市を除く湖北省で、市をまたぐ移動制限が解除される。健康コードが「緑色」の人(行動履歴などから感染リスクが低いと判断された人。詳細は過去記事を参照。編集部注)は湖北省を出られるようになる。23省で海外からの感染者の流入が報告される。 3月27日 習近平国家主席が「新しい生活様式」の下、経済・社会活動を回復させ、損失を最小限にとどめるよう指示。 3月28日~4月1日 習近平国家主席が浙江省を視察。海外からの感染逆流対策を強化するよう指示。 4月1日 空港、港湾、陸路の国境で働くスタッフ全員に対しPCR検査を実施。 4月4日 清明節(日本のお盆にあたる3連休)に追悼式典を実施。 4月8日 習近平国家主席が、無症状感染者の把握と対策を指示。海外からの感染逆流に対する警戒も引き続き呼びかけ。 4月8日 1月23日から続いてきた武漢市の封鎖が解除される。 4月10日 湖北省の重症・重篤患者が初めて2桁に減る。 4月14日 李克強首相がASEAN+日中韓の新型コロナ対策リーダー特別会議で発表。 4月15日 習近平国家主席が感染症対策と経済情勢をヒアリング。 4月17日 武漢市が感染者数と死者数を修正。感染者数は325人増えて5万333人、死者数は1290人増えて3869人に修正される。 4月20~23日 習近平国家主席が陝西省を視察。 4月23日 李克強首相が一部の地域と経済情勢をテーマにオンライン座談会。 4月26日 武漢市の新型コロナの入院患者がゼロになる。 4月27日 習近平国家主席が、共産党の指導力と中国の社会主義制度が感染症対策や経済再開を有利に進めたと強調。

第4段階で経済正常化の試運転が始まる

第4段階のハイライトは3点あると、筆者は考えている。まず、海外からの感染逆流との戦いだ。中国は欧州で感染が広がった3月中旬から検疫を強化したが、同月28日には外国人の入国拒否に踏み切った。2点目は4月4~6日の清明節の3連休だ。この期間に行われた追悼式典を区切りに、政策の軸は経済回復にシフトし、経済正常化に向けた「試運転」に入った。  そして3点目は、武漢の封鎖解除である。中国の新型コロナ対策において最初のクライマックスが武漢の封鎖であり、政府や専門家も解除の時期を慎重に探ってきただろう。封鎖から解除までは約2カ月半。日本を見ても市民としては、このくらいが我慢の限界なのかもしれない。

第5段階 With コロナ時代、ニューノーマルに移行(4月29日~)

4月30日 北京、天津、河北省の感染リスクを1段階引き下げ。 5月2日 湖北省が感染リスクを1段階引き下げ。 5月6日 習近平国家主席が、湖北省と武漢市で治癒患者のケアや心理ケアの継続を指示。 5月8日 中国共産党が外部識者を招いた座談会を開き、習近平国家主席は、1カ月余りで感染拡大を抑え、2カ月で1日の感染者数を2桁に減らし、3カ月で武漢市、湖北省の感染収束に成功したと自賛。 5月11日~12日 習近平国家主席が山西省を視察。 5月14日 習近平国家主席は、クラスターが発生している地域で対策強化を指示。海外からの感染逆流阻止の対策については、柔軟な運用をとるよう強調。 5月22~28日 全国人民代表大会(全人代)が北京で開催。

第5段階では経済再開が本格化

第5段階では、白書には書かれていないが、第5段階は各地でクラスターが発生しつつも、経済再開が本格化した。5月1日からの5連休にはレジャー・旅行が推奨され、中旬には上海ディズニーランドが再開した。  日本の感染症対策は「クラスター」からスタートしたが、武漢でパンデミックが起きた中国は、感染が収束してから「クラスター」「無症状感染者」がクローズアップされるという正反対の様相となっている。  中国も日本と同様にWith コロナ時代に入っているのだが、日本のように「共存」しようとは考えていない。「無症状感染者や海外からの入国者がいる以上、ゼロにできないのは仕方がない」という前提の下、1人感染者が見つかったら周辺の人々を徹底検査・隔離し、見つけられる限りは排除しようとしている。 (浦上早苗)

 

YahooNews 8/19(水) 6:01配信 Jbpress 山田敏弘:国際ジャーナリスト

香港・コロナ・新疆問題で「悪者扱い」の中国が反論

世界が中国を見る目は最悪の状態にある――そう言われても意外ではないかもしれない。  実際、米国での世論調査の結果がそれを裏付けている。2020年2月にギャラップが行なった調査では、米国人の67%が中国を好意的に見ていないと回答。それが7月30日にピュー研究所が行なった調査では、その数は73%まで増加しているのだ。2018年には48%だったこの数字、トランプ大統領が中国と貿易戦争を本格化させた2018年以降、特に否定的な見方が強まっている。  欧州も然りだ。中国に対する好感度の変化について欧州外交評議会が行なった最新調査結果によれば、中国のイメージが新型コロナ前よりも悪化したと答えた人たちの割合は、デンマークでは62%、フランス62%、スウェーデン52%、ドイツ48%、スペイン46%、ポルトガル46%、ポーランド43%、イタリア37%だ。また今後の調査では、欧州各国から批判が出ている香港での国家安全維持法の制定も加わり、イメージはさらに悪化する可能性がある。  そして何より、当の中国も新型コロナ以降、中国のイメージが極めて悪化しているのを自覚しているようだ。中国の“スパイ機関”である国家安全部(MSS)とつながりのある政府系シンクタンク「中国現代国際関係研究院」のリポートによれば、今回の新型コロナによって国外からの中国に対する敵意は1989年の天安門事件以降で最悪の状態にあると指摘している。このリポートは習近平国家主席に報告するためにまとめられたという。

■ 対外プロパガンダに巨費  中国は、これまで対外イメージ改善のために、莫大な予算をかけてPR活動やプロパガンダ工作に尽力してきたが、それも無意味に思えるほどの状況だ。  それでも中国はもちろんじっとしているわけではない。例えば、最近顕著なのは、各国にある大使館や領事館を使ったPR工作だ。世界中の100を超える大使館や領事館のアカウントを駆使している。日本の中国大使館も、ツイッターの公式アカウントで、「COVID-19ウイルスについて米国による24のうそとその真相」という動画を5月15にから5回にわたって掲載した。その動画では、米国やメディアなどが「中国に責任をなすりつけようと、常軌を逸したさまざまなうそを言い続けている」と主張している。  そして最近、また中国が新たな動きに出ている。この7月、やはり各国の大使館などのホームページを通じて『中国関連の人権問題に関するさまざまな謬論と事実・真相』を発表。またこれを小冊子にしたものを、国連に対しても提出し、国際世論への工作を試みている。  在日中国大使館のホームページで公表されている『中国関連の人権問題に関するさまざまな謬論と事実・真相』は35項目からなっているが、英語でまとめられているオリジナルの小冊子は37項目ある(国外の大使館で公開されているものは多くが37項目)。もちろん目的は、世界の人々が中国に対して持っている誤った見方を正そうというものだ。世界中で流布されている「謬論」を一つひとつ示し、それに対する説明・反論を掲載している。

その前文の中にこんな説明がある。「わずかな違いが大きな誤りをもたらすと言うが、底意地の悪いうそはさらに大きな誤導と誤解を招く」。  日本では、尖閣問題などもあって近隣のライバル国として中国に対しては厳しい意見が少なくない。そこで一度きちんと中国の言い分に耳を傾けてみたい。ただし突っ込みどころも満載で、到底すべてが納得できるものでないということは先に言っておきたい。

■ 香港で民主化運動を弾圧していない?    <誤り1> 国家安全立法は香港住民の人権と基本的自由を破壊し、「市民的及び政治的権利に関する国際規約」にも違反している。  <誤り2> 香港の国家安全立法は定義のあいまいな犯罪行為が列挙され、中国の国家安全機関によって民衆抑圧に乱用される可能性がある。  <誤り3> 国家安全立法は、香港にある外国企業が(国連人権理事会で承認された)「ビジネスと人権に関する指導原則」で定められた人権尊重の責任を履行するのを難しくする。  <誤り4> 香港警察が過剰な実力行使(デモ隊に対する化学物質の使用や、女性デモ参加者に対する警察署でのセクハラや性的暴行、医療従事者へのハラスメント)をしているのに処罰を受けない。  <誤り5> 中国政府は香港でデモ行為や民主化の宣伝を弾圧している。  <誤り6> 香港関連の国家安全立法が、中国の「中英共同声明」に定める約束と義務に違反している。  <誤り7> 国家安全立法は中国の中央政府によって一方的に香港に押しつけるものである。  <誤り8> 香港の国家安全立法について香港の民衆との有意義な協議がなされていない。それゆえに、この法律には市民の支持が欠如している。  <誤り9> 国家安全立法は「一国二制度」の終焉を意味しており、香港から高度な自治を奪った。  <誤り10> 国家安全立法は、香港の繁栄と安定を危うくする。  <誤り11> 中国はCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)を隠蔽しようとしたため、拡散・蔓延を招いて、世界で1000万人以上がウイルスに感染した。  <誤り12> 武漢での「都市封鎖」措置は、市民の身体的自由権を侵害した。  <誤り13> COVID-19が広がる間、中国政府はネット上で言論の自由という権利を行使したジャーナリストや医療従事者を厳しく取り締まり、情報の不透明性を増す結果を招いた。  <誤り14> 中国は李文亮医師ら「告発者」を拘束した。  <誤り15> 中国はCOVID-19にかこつけてビッグデータ技術を利用して大規模な監視を実施し、市民のプライバシーを侵害している。

■ 新疆の「収容所」の実態は  <誤り16> 新疆の教育訓練センターは「収容所」であり、100万人以上のウイグル人が拘禁されている。  <誤り17> 新疆教育訓練センターは、ウイグル族などの少数民族に対し「政治的な洗脳や恫喝」を実施している。  <誤り18> 新疆教育訓練センターは、劣悪な環境で、医療施設も不足している。訓練生は強制的に政治的な洗脳と虐待の対象になっており、宗教的習俗や言語の自由などの権利が奪われている。  <誤り19> 新疆の大規模な収容キャンプにいる収容者たちには、アメリカやオーストラリアを含む外国の永住者も含まれている。  <誤り20> 新疆での暴力的なテロ活動を取り締まる特別行動は、テロとの戦いを口実に少数民族を弾圧するものだ。  <誤り21> 中国は、テロ対策や非先鋭化を理由にして、ウイグル族の人々の通信や行動の自由を制限している。  <誤り22> 新疆では地元の少数民族に大規模な監視活動が行われている。  <誤り23> 新疆では少数民族に対する大規模な強制労働が行われている。  <誤り24> 新疆ではモスクが大規模に取り壊されている。  <誤り25> 新疆では場所によっては少数民族の墓地が破壊されている。  <誤り26> 新疆で諸民族が団結する「家族のように親しい(Pair Up and Become Family)」活動が展開されているのは少数民族を監視するためだ。  <誤り27> 新疆の地元政府はウイグル族の子どもたちを強制的に全寮制の学校に送り込んで、親と引き離している。  <誤り28> 中国政府は、新疆のウイグル族やその他の少数民族に対して、強制的な避妊・中絶手術、産児制限を行っている。  <誤り29> 中国政府による残酷なイスラム教徒弾圧は、第二次大戦以降には見られなかったレベルの人権侵害である。  <誤り30> 中国政府はイスラム教徒を「消滅」させるために新型コロナウイルスを使っている。  <誤り31> 域外のメディアやSNSの「尋ね人欄」で、国外在住のウイグル人が、新疆にいる「家族」や「友人」が「音信不通」や「行方不明」になっていると言っている。<誤り32> 中国は、国外にいるウイグル人にパスポートの更新を拒否することで強制的に中国に戻し、裁判もなしに拘束する。 <誤り33> 「カラカシュ・リスト/新疆で中国政府が行う強制収容の詳細調査」と呼ばれる研究論文(筆者注:この論文はカラカシュ県出身で拘禁された大量の人々についての詳細リストである)。 <誤り34> ラビア・カーディル(筆者注:世界ウイグル会議の代表)の親族30人が裁判もなく拘束されている。  <誤り35> フェルカト・ジャウダトとアラパット・アラキン、ズムラット・ダウート、そのほかのいわゆる「活動家たち」の家族は、「嫌がらせを受け、投獄され、一方的に拘束」されている。  <誤り36> 強制収容所から釈放されてから9日後にムタリフ・ヌルママットは死亡した。著名なウイグル人作家ヌルママット・トフティは強制収容所で死亡した。サイラグル・サウトベイは中国を逃れる前に、強制収容所で人々が拷問を受けるのを見た。ウイグル人音楽家で詩人のアブドゥレヒム・ヘイットは8年の禁固刑を言い渡され、獄中で2年後に死亡した。  <誤り37> 漫画『私の身に起きたこと――とあるウイグル人女性の証言』は教育訓練センターから逃げ出したウイグル族の女性ミリグル・ツルスンの体験が語られている。収容期間中に、彼女は9人の女性の死を目撃し、弟も許育訓練センターで虐待され死亡したという。

■ ネット世論の誘導を専門とする集団も  以上である。繰り返すが、ここまで見てきた文章は、すべて中国が世界に広がっている言説を中国が否定してみせているものだ。もちろんこうした主張も中国らしいプロパガンダ作戦だと言える。  内容は香港の国家安全維持法、新型コロナウイルス、ウイグル問題という3つの問題に分けられている。逆に言うと、これらが今、中国がもっとも意識しているトピックであるということだ。  中国は、こうしたプロパガンダ工作だけでなく、ネット上で特にこれらの話題が議論されているところには、欧米人の顔写真をAIで作成してプロフィール写真にしたアカウントなどを駆使して、トロール(荒らし行為)なども行なっている。また五毛党と呼ばれるネット上の世論誘導を目的とする工作専門の組織も活動している。  インターネットなどで情報が飛び交う今、プロパガンダを含めた情報戦は、表も裏もこれまで以上に熾烈を極めているのである。

 

Jbpress 2020.8.18(火)川島 博之 オリジナル海外コラム 川島 博之:ベトナム・ビングループ、Martial Research & Management 主席経済顧問

どんな政権になっても中国は変わらない理由

政権が変わっても中国は中国、西側とぶつかり続ける

香港の民主化運動の象徴ともされる周庭(アグネス・チョウ)さんが国家安全維持法違反で逮捕された。23歳の若い女性逮捕のニュースは全世界を駆け巡り、世界中で抗議の声が上がった。民主化運動への弾圧に沈黙を守ることが多い日本の官邸でさえ、菅官房長官が重大な懸念を表明した。

このような世界の反応に中国政府が驚いたのか、周庭さんは1日で釈放された。今回の周庭さんの逮捕劇は中国外交のセンスの悪さを露呈したものと言ってよい。それは周庭さんが香港の民主化運動の中心人物とは思えないからだ。もちろん彼女が活動家であることは事実だが、民主化運動の中心人物とは思えない。彼女は若く、かつ海外メディアのインタビューに積極的に応じたことから、いつのまにか民主化運動の象徴になってしまった。いわばメデイアが作り出した偶像である。

そんな人物を逮捕すれば、中国共産党が独裁的で強権的な存在であることを世界の人々に知らしめることになるだけであろう。逮捕によって香港の学生がデモを行うことを躊躇するようになるかもしれないが、若者を怯えさせるのならもっと他の方法がある。若い女性を逮捕しても、若者が反抗心を失うことはない。

中国共産党は宣伝が上手いと言われることがあるが、そのような見方は皮層的である。共産党は自国民を力で押さえつけることは得意だが、世界を相手に宣伝戦を繰り広げることは苦手である。あまりに露骨に行うために、すぐにその意図がばれてしまう。米国は孔子学院を危険な存在と認識し始めたようだが、文化を広めるべき組織にスパイ活動のようなことをさせれば、どの国だって警戒心を抱く。中国は、ソフトパワーを使用して世界の世論を操作する術には長けていない。

政権が変わっても中国は中国

中国が国際ルールを破ってまで米国の覇権に挑戦してくる原因を、米国は中国共産党にあると考え始めた。米国が共産党政権の転覆を決意したとも報じられている。だが、中国の歴史を見る時、それは間違いである。中国共産党政権を打倒したところで、米国は中国とうまくやっていくことはできない。歴史の中で常に東洋の大国であった中国は、西欧とは違ったメカニズムで動いており、その発想を変えることができないからだ。政権を変えたところで中国は中国であり、その行動は西欧とぶつかり続ける。

戦後の日本人は米国を偉大な存在だと思うために、なにかにつけて米国の政府やシンクタンクの分析を尊重するきらいがあるが、米国の中国分析は往々にして間違っている。

そもそも中国を米国のライバルに育て上げてしまったのは、稀代の戦略家とされたキッシンジャーだ。彼は中国が西欧とは異なり、独自の歴史と文化を持つことを軽視した。彼は中国を、ベトナム戦争を終わらせるためのパワーゲームの駒と考えたが、それから50年ほどの時を経ると、巨大な人口を有する中国は米国を以てしても制御することができない怪物に育ってしまった。

一方、日本人は中国を分析することが得意と言ってよい。朝鮮半島に住む人々の方が中国文明について詳しいかもしれないが、半島に住む人々は中国の脅威を直接感じ続けてきたために冷静な分析ができない。その点、海によって隔てられているために直接の脅威を感じなかった日本人は、中国を冷静に分析することができる。また日本人は史記や三国志、唐詩などに親しんできた。中国の歴史や古典に精通し、深く浸透していることは、米国との大きな違いだ。

日本からそうした目で今回の周庭さんの逮捕劇を見ると、中国の伝統的な王朝の発想から行われたものと言うことができる。中国の王朝は反対意見を容認しない。中国には民主主義がないので少数意見が尊重されないとも言われるが、長い王朝の歴史を誇る中国では権力に逆らうこと自体が罪である。

欧米の政治思想は、中世ヨーロッパ以降に形作られた。特に外交の基礎にはドイツ30年戦争の結果生まれたウェストファリア条約がある。互恵平等、少数意見の尊重などは、中小の国が乱立する状況でどのようにしたら平和を維持することができるかを考えた末に作り出された概念である。

中小の国が乱立する状況で周辺の国と付き合っていくには、不用意で拙速な行動は禁物だ。たとえば海外に名前が売れている人物を政治的な理由で捕まえることは、周辺国から非難されかねないので、よほど慎重に行う必要がある。著名だがさして力のない女子学生を見せしめのために捕まえるなどもっての他である。

しかし、東洋で唯一の大国だった中国にはそのような発想がない。“権力に逆らう小娘”が癇に触ったので、少々手荒なことを行っただけであろう。

もう1つの要因もある。1000年も前の宋の時代に中央集権的な国家を完成させてしまった中国では、村落共同体の力が弱くなり、一地方で起こった反乱が全国に波及しやすい状況が作り出された。村落共同体が強かったために百姓一揆が周辺に広がらなかった日本とは真逆の世界が広がっている。

中国は人口が多いこともあって、反乱が広がると政府はその鎮圧に苦労する。そんな歴史を有してきただけに、政府は反乱に敏感であり、小さな反乱でも有無を言わせず抑えにかかる。逆らう人間は問答無用で逮捕して重罰を科す。これが中国の伝統である。

序章が始まったに過ぎない中国と西欧の衝突

今回の香港に対する国家安全維持法の制定や周庭さんの逮捕劇は、中国人の自然な発想から出たものである。

中国と米国を中心とした西欧との衝突は序章が始まったに過ぎない。今後も中国人には当然と思われる発想や行為が西欧と衝突することになろう。だが経済発展によって自信を深めた中国は、いくら西欧が非難してもその伝統的な発想や行為を改めることはない。

国家安全維持法の制定と周庭さんの逮捕は小さな事件だが、未来の教科書は、中国というシステムが西欧と本格的に衝突し始めた最初の事件として記すことになろう。

 

ダイヤモンドオンライン 2020.8.24 3:20 The Wall Street Journal WSJ PickUp 

中国による科学者引き抜き、巧みな活動実態が判明

【ワシントン】中国は、科学やテクノロジー分野におけるトップクラスの科学者を先進国から引き抜くため、世界600カ所に拠点を広げていることが、オーストラリアのシンクタンクによる調査で明らかになった。この調査には、米国務省が資金の一部を拠出している。

米政府はこれまでも、中国が先進技術を不正に入手するため人材獲得プログラムを構築していると警鐘を鳴らしてきた。今回の調査では、これまでほとんど知られていなかった複雑な枠組みを通じて中国共産党が科学者を引き抜いている実態が浮き彫りにされた。米電気自動車(EV)メーカーのテスラやハーバード大学の人材も標的となっている。

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私見;一般の中国の人達は、何ら私達と変わるものではありません、ただ彼らは中国共産党という支配から逃れられないのです。そして中国共産党は彼らの心まで支配しようとしています。将来中国の人達のように私たちは心まで支配されることを受け入れますか、逃げてはいけません、逃げられません。

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