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中国一人旅総括 中華人民共和国社会体制について

2017-01-29 09:51:47 | 旅行記

中国社会で私が感じる最大の問題は社会の分断と没信頼。

その一つが戸籍問題です。

2011年内蒙古自治区も遼寧省に近い寧城?のバスセンター中学生女子(週末に実家に帰る?)が私が読んでる本を覗きこんで「・・・?」で「日本語」と言うと、私と共に日本に興味?。

そこで「しっかり勉強すると、君も色んな所に行けるよ!」と、彼女「私は農民だから・・・」、その時の彼女の顔、絶句してしまいました。子供から希望を奪っている社会を見た思いが今でも。。

 

中国戸籍制度

1958年『戸口登記管理条例』、中国国民(公民)は常住地において常住人口として登記しなければならない、中国の人達がいう“hu4kou3”です。管轄は公安機関。

1995年改正され「常住人口登記表」、「戸口登記簿」、内容を記して戸ごとに発給する「居民戸口簿」として日本での戸籍謄本相当が存在。

以前は「農戸」・「非農戸」と記載、現在は「集団戸」・「家庭戸」の区別で記入されるが、一般には旧称で認識されている。

登記内容は戸別、戸主氏名、本人氏名、性別、旧名、民族、出生日、出生地、住所、本市・県のその他の住所、籍貫(祖父の居住地)、宗教信仰、身分証番号(資料1)、学歴、婚姻状況、兵役状況、身長、血液型、職業、勤務先等。

本人特定の為の手続きが、中国では明らかに管理のための手続きとして記録される。そして戸籍間の移動は現在に至るも厳しく制限されている。

 

戸籍制度と一体の土地制度。

一方で社会主義化された中国での土地制度は都市区域は国有地、農地は自力更生(人民公社)からの流れの中で基層単位村の集団所有で現在に至る。共産党政策は絶対・至高から抜けられない。

集団所有の農地や居宅は村共産党委員会によって管理、分配され現在耕作権として30年の期間で運用される。

都市区域の国有地は現在、所有権の保留を前提とした占有権、使用権、収益権で構成され、その規模により上位政府の許可の下、有償譲渡される。

 

農民は耕作権の下、農村に固定され、農村の富(生産物)は都市へ提供される(格安な価格統制)。結果農村や地方政府は余力なく社会保障や教育は取り残された。

都市戸籍を持つ住民は農業以外の生産活動に携わって、計画経済下で職場である単位(dan1wei4)が受け持っていた社会保障や教育等の便宜を現在は都市政府から受けている。

改革開放後30数年、農村から都市へ出稼ぎという労働移動の下で、農村と都市との経済格差、各種社会保障制度の格差や、情報インフラの発達(テレビ、インターネット、スマホ)下で富の偏在等が起きてきた。

流動人口(出稼人・農民工)は都市戸籍を持った人と同等に都市での社会保障や教育を受けられない。彼ら出稼ぎ者の面倒は所属戸籍政府の責任として現在でも処理されている。

都市に住む農村戸籍者の子弟はその居住する都市では都市民と同じように公の学校へ行く権利を持たないし、老人医療機関でのサービスを受けられない。受けるには高額な代金を要求される。結果農村に子供と老人が残される。

 

ここにきて経済を外国に頼る輸出主導から内需に切り替える(新常態と命名)べく、中央は都市化を標榜し一部で戸籍移動の緩和を図っている。

しかしその耕作権配分の権利は農村戸籍を持っている限り維持できるため、現在一部で試験導入されている耕作権の売買(ため込んだ富の分配?)の行方や、都市戸籍受け入れ先の問題もあって、順調には進まない。

すなわち沿海部大都市では人口流入の抑制、地方都市では就業機会の不足等があり政府の内陸部の都市化推進が思惑通りに、はたらかないのが現状です。

土地制度に絡んだ二重戸籍問題は現在に至るも、共産党統治の安定のために改革は進まず、都市農村の格差はさらなる速度で格差を生み出している。

地域間格差、富の偏在の下での急激な人口移動農村崩壊、都市内格差を生み出し(すでに露見)、社会不安・共産党政権の否定(革命)につながる事を共産党は恐れる。

 

2016年NHKドキメンタリー「巨龍中国 一億大移動 流転する農民工」 ユーチューブ視聴可

少し古いのですが、2007年 重慶の担ぎ屋 彼らの隣で食事しました。

2012年西寧の街角  職を求める人々。

2012年嘉峪関の街角 この田舎町でも職を求める人達、フォーカスをぼかして。

2012年天水食堂の小老板と厨師  5月29日(火)朝8時、学校は?

 

(資料1)身份証、管轄は公安部、16歳以上公民の常住戸口所在地を基準として編成される。

 

都市開発という打出の小槌?、残ったのは鬼城と地方債務。

土地制度と統治体制の交点としての都市開発。

都市区域でしか居住できない非農戸住民の為の集合住宅(房子)であるが改革開放後の社会主義市場経済の基、地方共産党・政府のGDP評価が成績査定されるに及んで ヒエラルキー展開される。

地方各級政府は上位者の思惑の下、その地方の需要が考慮される事無く街の改造、建設へと自己増殖を始める。そこに利権・金銭が絡んだ時爆発してしまった。

 

まず集団所有制の農地を下位者の村から国有地(都市区域)への編入では過っては権力で、今でも過去3年間の当該農地の平均生産量の30倍を限度の保障にて執行している。

都市区域(政府管轄土地)となった居住区(社区)は任意又は入札にて開発業者に多くの場合期間70年で有償譲渡され集合住宅(房子)として売買され個人所有となっている。

農民からタダ同然で収用した土地は高額な金額で開発業者にわたり、その収入はその地方政府の別会計として処理される。さらに農村ではできない資産の形成都市では可能となり、投資対象となっている。

 

流入人口の多い沿海部都市や1線級都市では限られた供給住宅の結果、住宅価格の高騰や投機をもたらす。

それを受けた内陸部や地方都市では、組織成績(GDP押し上げの固定資産投資)の為、自ら開発業者になり、歯止めのない開発競争をもたらす。

現在こうして出来た地方開発物件は完成、未完成のまま塩漬け状態。

 

一方、自ら設定した事業収支の基、支出や利益処分(リベート)の終わった今(仲間での分配完了)、高金利で集めた資金の後始末を迫られるが、関係者は転出・移動して、ババ引きできないなか中央政府の対応を待っている(最終的に仲間だから)。

中央政府は問題を先送りするため、内陸地方都市の開発促進を政策としたり、地方政府での債券発行を認めて金利の低減(理財商品から銀行借り入れへ)を図ろうとしている。さらに問題の先送りに留まれず、さらなる開発へ突き進んでいるところも多い。

共産党によるどんな対応も、共産党の政権維持を目的としている限り問題の解決にならず隠ぺいになってマグマ(負債・腐敗)は膨張している。その度に利にさとい人たちの投機対象にされ更なる格差の因子になっている。

 

2012年西海省西寧   

2013年鳳陽  鐘祥 当陽 荊州 

2015年峡西省神木(石炭の町)  

2016年銀川  天水 戸県(西安の隣町) 咸陽   渭南 鄭州市内再開発 

 

仲間社会 社会に信頼関係がない。

中国共産党統治の中国社会(法治でなく人治)では、共産党上位者による恣意で社会の信頼や契約が何度も反古され、その社会正義がない無いため、人々は小さな集団(家族、一族等の地縁、血縁)で自身の地位や財を守ってきたし守って行く現実。これこそ中華の夢の中身。

その集団で情報を共有し、利用し、分配して財や地位を高める。たとえ共産党員と言えどもこの小集団(ある時はその集合としての大集団)に所属し行動する。

集団の中では共有は絶対であり、それに外れることは集団からの退場を意味し、中国社会では生存できない。集団によって得た利益は集団に分配しなければいけない。

仲間しか信用しない。個人の価値観より仲間の利益が優先。

日本の企業が中国に進出するにはこの問題をクリアしないで成功は無い。

 

信頼の無い社会の現象

日常として①信号無視  信号に従っていても赤の次は青になると信用しない気持ち。

②バスが満員でも次のバスが来るとの決まっていないので今のバスに乗ろうとする。

③列車のチケット購入   順番を待っていても、その職員の都合(用足し)で窓口が閉鎖する。順番を信用しない。

④品物の表示価格や品質、 信用しないので触ったりして確認しようとする。牛・豚はともかく鶏や家鴨は生きたままで売られるし、目の前で捌かれるのを確認する。

⑤地方での交通事故;中国で今自家用車の車載カメラの搭載が増えているそうですが理由は事故時特に地方では、地元警察の作為的判断で不当賠償が起こるのに備える為と。

⑥転んだ人や事故にあった人に係らない;助けた人のせいにしたり、助ける行為自体が不自然とする社会の為、加害行為を疑われる。

⑦食事は仲間と一緒にする、支払いは金銭的恩恵を受けた者が仲間への分配として清算する、割勘は成立しない。見返りとして便宜や情報。

 

契約はその時点での約束事、状況が変われば拘束されるものではないのが社会通念。現状のインターネット通販が定着するかはまだ疑問、しかしそれに代わる物もない。

その時点での利得を得ることに敏感、爆買い、住宅バブル、株取引の乱高下等をこの観点で読み解くと解りやすい。

 

共産党員の汚職と腐敗

AFP通信によると、中国共産党中央規律検査委員会は2017年1月10日、中国政府が進めている汚職撲滅キャンペーンで、これまでに官僚や公務員など約120万人が処分されたと発表した。

政府司法機関が発表しないで共産党委員会が発表するのか?ここまで読まないと中国は理解できません。

権力を利用して汚職行為を行い罰せられたものだけでも120万人、但し一年間ではなくこれまでにとあります。なぜこれまでの数字120万を挙げるのか、意図が見られます。

統治体制、法治体制の基、仲間社会では本人の資質でなくシステムの問題、すなわち共産党の存在が原因だと誰もが解っている中撲滅を叫ところに現状を読み取ることができます

仲間社会では自己の権力も仲間への分配対象。水平だけでなく上下関係からも存在するため、自己浄化は不可能。

 

権力闘争

民主制を経験していない中国社会4000年は暴力革命と権力闘争の歴史、輻輳多岐にわたる仲間社会の中でさえ牽制、懐柔、攻撃、阿りでし烈に闘争し続けなければ存続できない、そこには不断革命論(文化大革命)が見え隠れする。

汚職摘発、腐敗撲滅がこの中国共産党内の権力闘争と一体になる。権力闘争に敗れる事を中国では落馬という。

中国10億の人々は冷めた目、劇場感覚で見ている。そして落馬する者に拍手喝采で一時の憂さ晴らしする。自分たちには関係ない!

一方当事者たちは10億の人達の前で演じ続けなければならない。正に悲喜劇。

 

格差と貧困

中国国務院報道弁公室2016年12月1日公告、「発展権:中国の理念、実践と貢献」白書

改革開放以来、中国は、「人類史上過去に例を見ないスピードの大規模な貧困削減」を実現させ、現行の農村貧困基準に照らし合わせると、累計7億以上の貧困人口を削減した(逆読みすると共産党統治下三十数年間7億以上の貧困人口を抱えていた)。

この数値は、米国・ロシア・日本・ドイツ4ヶ国の総人口を上回っており、貧困発生率は5.7%にまで低下した。これにより、中国は、国連ミレニアム開発目標を世界で一番先に達成した国家となった。

しかし13.8億国民の5.7%(7800万人)の貧困層、これを容認、胸張る神経!怖い大国です。

 

2011年11月29日、中央貧困脱却活動会議 「貧困線」を年間純収入1274元から2300元(約2万8200円)

「2020年までに、支援対象である貧困住民が衣食の心配もないことを安定的に実現し、その義務教育、基本医療と住宅を保障する。貧困地域における農村住民の1人あたり純収入の伸び率が全国平均より高く、基本公共サービスの主な指標が全国平均に近づき格差拡大の趨勢を転換させるようにする」。

今回貧困線の改正に伴う貧困人口の急増は「豊かになった中国」「強くなった中国」「世界第二位の経済大国中国」といったイメージや評価を根底から覆す恐れすらある

新基準の適用によりがらりと変わることになった。まず、貧困人口の規模は十数年前に逆戻りして1億人を突破し1億2800万人に達する。これは実に中国の総人口の1割弱に相当する。次に、農村部の総人口に占める貧困者の割合(貧困率)はふたたび2ケタの13.4%へと急上昇する。

 

何千万人になった、何%になったという数値は基準値を変えればどうとでも動く数字。特に中国では統計数字は共産党の創作です。

問題は貧困層問題で解決できるものではなく、その仲間たち(富裕層)に入れない多くの中国の人達が、中華の夢のおこぼれでなく分配として享受できるのかにかかっている。

10億の人達に4億の人達は今後得る財を再配分できるのかにかかっている。しかし彼らは配分どころか今もせっせとその財の移転・増加(海外投資・不動産購入)を図っている。

 

格差と住宅高騰

複利計算では、価格は毎年15%の値上げが5年で倍になります。

中国大都市、沿海一部都市では改革開放、都市化の推進のもと、住宅供給のコントロールにて次のように資産格差が発生拡大してきました。

現に資産を持っているもの、銀行から借り入れできる者(富裕層)は投資目的で次の新規不動産を購入、5年もすればその不動産が二倍の資産価値に、それを処分しての新たな資金や、その不動産を担保に、新たに資金を得、次なる不動産投資。住宅バブル、資産は増殖、格差は拡大するカラクリ。

増殖した資産はバブルの拡大を期待、創造して更なる二線級都市や内陸中心都市へ拡大して、ババの回しっこ状態。

労働なき資産家礼賛!資本家もびっくり。社会主義、共産主義のイデオロギーとは真逆!

環境、税制、宗教問題については(その2)にて。 

 

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中国一人旅総括 中華人民共和国法治体制について

2017-01-25 13:30:34 | 旅行記

中国も司法はあります、しかしその実態は共産党の管理下に置かれた司法です。

即ち中国共産党内の政法委員会司法機関を統括・管理・指示する、その構成は当該共産党書記がトップを務め、法院院長、検察院院長、公安・政府トップが兼務する。

司法機関の名称は付いているが共産党内で司法判断は下される。

 

裁判所は人民法院と呼称され、基層、中級、上級、最高人民法院で構成される。夫々に対応して人民検察院がある。

最高人民法院院長は全人代によって任免され、以下副院長、裁判員(裁判官)は全人代常務委員会に任免される。

地方各級人民法院は同級地方人代、常務委員会で同じく対応される。鎮(郷)には無い。

最高人民法院は下級人民法院を指揮監督する。

 

法院内には裁判委員会があり首長は院長が勤め、重大案件では院長は裁判委員会に付託、討論をし決定する。

裁判官の位置;共産党政法委員会→裁判委員会→判事(裁判官)

 

中国での司法の独立とは、人民法院が独立して裁判を行うことであって、裁判官が独立して裁判を行うことではない。

法院は外部に対しては独立?しても、内部的には少数は多数に、下級は上級に、個人は組織に、地方は中央に服従う範囲においてである。

日本国憲法76条 すべて裁判官は、その良心に従ひ独立してその職権を行ひ、この憲法及び法律にのみ拘束される。

 

人民検察院は人民法院に対応しているが、検察長以下は検察長の申請に基づいて任免されるので検察長の方が法院長より権限が強化される。

検察委員会 検察長は重大な事案に関する多数決意見と異なる場合,同級人民代表大会常務委員会に報告し,裁決を仰ぐこととなる。

 

現在の中国では憲法等の法はその正邪判断の根拠にならない、全ては中国共産党の存続が優先される。私達の法治観念とは全く違う。

「先定後審」 警察は調理する。検察は調理されたものを運ぶ。裁判所はそのまま食べる。

二審制、弁護士制度や陪審員制度もあるが、以上の下ではどんなことも、私たち感覚の機能をしない。

弁護士は政府の監督に服する。故に人権派弁護士の拘束、排除が正当化される。

 

以上の司法制度の下では司法の独立はない、結果中国では法治をだれも信じていない。でも一般の中国の人達は逃れられない!そこが彼らの国だから。したたかに!しなやかに!

 

人々が中国国内で正義を求めようとする残された手段は、共産党ヒエラルキー上位者(党中央)への直訴、共産党管理下のマスコミ・ネットからの関心・注目のみです。

現在も彼ら応対の窓口として「信訪局」という部局が国務院に設置されていますが、地方から出てきた直訴者の数の多さや、政権の信頼性まで公になる事に危機感を抱いて、彼らを拘束、居住地政府への送還で対応せざるを得なくなっている。

 

兩規(liang3gui4)又は双規という言葉があります。

1990年12月共産党幹部の汚職・腐敗に対処する為「行政監察条例」が定められる。

「監察機関は、事件を調査する中で、関係者に規定の時間、場所で調査事項に関わる問題の解釈と説明を命ずる権利を有する。」

中国共産党中央規律検査委員会(監察機関)が指定した日時・司法機関の拘留場所ではないホテルや民家への出頭を求め、取り調べることで実行されている。

規定の時間(決められた時間)と規定の場所(決められた場所)を以て兩規と呼ばれる。

現在では共産党員のみにかかわらず、広く一般の人が対象となっている。

よくマスコミで報道される“市民運動家の誰それが何か月も前から行方が分からない” “日本の大学教授が中国に里帰りしたままもう何か月も連絡が取れない”が現実です。何の取引がなされたのかは封印されます。

そして党員の場合、党籍剥奪の上、一般市民の場合はそのまま共産党支配下の司法機関に引き渡され法の下で裁かれます。

 

現在上記兩規を多用しているなかで共産党が露出すぎる事を避ける為に、政府内(国務院内)に監察委員会を設置する事が決められました。軍事委員会と同様に国際社会への目くらましですが。

 

街中の法治スローガン?  漢字をなぞっても内容は解るかと、でも誰も見上げません。

直訴 映画「秋菊の物語」

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中国一人旅総括 中華人民共和国統治体制について

2017-01-23 15:55:47 | 旅行記

98年から大陸を見る機会に恵まれ、07年の杭州浙江大学国際教育学院での語学留学、09年からの年に一度の中国一人旅を通して、中国について知った事、感じた事を、これから何回かに分けて文章として残しておこうと思います。

私達の国日本の隣の国ですが、そこはなかなか想像できない国の現実があります。が、札幌からでも首都北京まで飛行機で4時間、時差1時間ほどです。

相手を知らないで友好も敵対も自己満足、大きな禍根と後悔しか残りません。

ただ自信を持って言えるのは、人種、民族、性別、世代を超えて人である限り共通項はあるように感じます。美しい事は美しい、心地よい事は誰でも気持ちいい、不愉快な事、愉快な事、悲しい事、楽しい事も感じる心は変わりありません。全ては自分の鏡では?

そういった気持ちで書いていきます。

 

中華人民共和国という国の統治体制。

中国と言う国家は私達が理解している国家体制とはまるで違います。

国土国民は中国共産党による政府(国務院・地方)に対する二重統治でもなく、間接統治でもない、超越統治を受けています。

 

中国共産党による超越統治とは?

中国の行政組織は中央・地方(省・市・県・郷・鎮)のヒエラルキー(資料1)で構成され、それぞれ政府(我々の県庁、市役所、役場)相当によって行政が執行されていますが、それそれの首長は区域の直接選挙で選ばれていません。

その首長(総理大臣、県知事、市・町・村長)は建前では其々の人民代表(日本での代議員)によって任命され、人民代表は下層代表の代表で構成される。要は最小行政単位の代表の持ち上がりから選ばれる

最小行政単位(社区(資料2)、村)の代表のみ直接選挙で選出されるが、特別な例外を除き被選挙人は地区共産党の指名(党員)である。結果、唯一の住民意思表示は共産党による誘導選挙になっている。

各政府には対応した中央、地方共産党組織(委員会)が付随している、正確に言えば政府が委員会に付随しています、同じ建物か、隣の建物に。

結果、解りにくくしているのは、行政執行の責任は各政府にあって、共産党には及ばない?。

実際、行政(統治)は共産党ナンバーツウがナンバーワンの指示のもとに執行し、ナンバーワン共々共産党の統制下の下にあり、そのヒエラルキーに組織されている。

なんだかさっぱり解らない!いったい責任者は誰?です。こここそ中国で問題になっている事かと思います。

中国の人達は皆知っています、全ては共産党が取り仕切っていると。

ただ中国国家元首(中国呼称国家主席)と共産党総書記は例外(過っては別々の時もある)、グローバルスタンダートでは理解されにくい為(共産党員によって選ばれた人が国を動かす実態)。

地方政府では地方共産党委員会書記(トップ)は政府トップ(省長他)ではありません。

 

中華人民共和国憲法前文のなかには中国共産党の指導の原則と言う項目が明記されています。指導(指示)する権限、そこに超越が発生しています。その起源、今に至るも続いている理由は中国共産党の歴史を辿れば見えてきます。

極端に言えば地方共産党委員会書記(ナンバーワン)のやりたい放題、気を付けるのは共産党内上位者だけと言う現実、そこに忖度(資料3)とおもねり(資料4)諂いが入り込みます。

特色ある社会主義市場経済国家、人民民主独裁と民主集中制の実態とは、超越・忖度・おもねり・諂いです。全ての腐敗の根元です。

 

その中国共産党では

党員、組織は中国国民(中国では人民、公民と呼称)に対してでなく、中国共産党に対して義務と責任を負うのは当然です。

党員への指示・指導は通知・通達で事足りる、結果党員として党から評価(地位)、懲罰(党籍剥奪・左遷)を受ける。

その党員は人事档案(資料5)の基、中国共産党組織により選抜される。

党員数は2014年末現在8779万3000人、前年一年間で205万7000人増加、党組織部発表。

その上その下部組織として共産主義青年団は14歳から28歳の団員によって構成され、2015年末での団員数は8746万人になります。中華人民共和国2016年公称人口は1.382.323.000人です。

14億人という数字も多いが、権力集団が1億7千万人、十人に一人以上、その家族、仲間を考慮すると2倍3億5千万、これが中国富裕層の現実。しかしこの埒外の人が10億人いる現実を理解すれば中国は解りやすくなります。

 

ここで問題はこれだけの党員・団員が社会のどこに配置されているかです。

中国では組織と言う組織に共産党委員会が対応しています。それが工場や宗教団体であろうとです。でも農民工が出稼ぎ先で組織化されてるとは思えません。

共産党員は社会の中に入って社会の構成員として配置され報酬を得て生活しています。

結果、社会の中で共産党による組織的な収奪、不正、腐敗が絶えることはない。

 

1917年1月10日、習近平総書記は中央政治局会議にて、全人代常務委員会、国務院、全国政治協商会議、最高人民法院、中央書記処などの機関

「党中央の権威を断固として守り、その思想・政治・行動を、習近平同志を核心とする党中央と終始、高度に一致させなければならない」と要求。

「規制の強化」と「闘争の激化」 2つの現象が全国的に蔓延。加藤嘉一ダイヤモンドオンラインから抜粋。

ある意味不気味な感じがするのは私だけなのか?当事者である中国10億の人は?

 

寧夏回族自治区呉忠市塩池県恵安堡鎮(鎮内人口21259人・13ケ村)政府。共産党委員会建物

山西省霊丘県政府・共産党委員会建物(2004年県内人口23万人)

寧夏回族自治区政府(2015年自治区人口668万人) 

閻連科 エイズ村始末記?  町おこしでスターリンの遺体を買ってきて・・・。

 

(資料1)ピラミッド形に上下に序列化された位階制の秩序や組織。本来は、ローマ-カトリック教会における天使群の序列のこと。

(資料2)中国都市部で一定の地域に住む人々によって構成された共産党居民委員会の管轄区。

(資料3)他人の気持ちをおしはかること、推察。上位者の気持ちを推し量るあまり、利益供与や便宜供与、おもねりが発生し、公正、正義、平等がゆがめられる。上位者を辿って行けば最終上位者へ。最終上位者に独裁者ヒットラーが出現するとアウシュビッツが生まれた。中国共産党の核心が生まれた中国で今進行中。

(資料4)他人のきげんを取って、気にいられようとすること。追従すること。へつらうこと。おべっかをつかうこと。

(資料5)中国では『中華人民共和国檔案法』及び『中華人民共和国檔案法実施弁法』により人事檔案は管理され、作成から30年間は非公開と定められている。その内容は出身階級に依拠した「本人成分」を初め、家族構成・学校成績・党歴・職歴・結婚・言動・旅行歴・交友関係・犯罪歴など、出生時より現在に至る全ての個人情報が含まれ、所属機関の共産党人事部、もしくは地方共産党支部の人事局や労働局が厳重に管理され、本人と親族を除く共産党員或いはその他業務委託を受けた人間のみが閲覧できることと規定されている。共産党の前ではあらゆる人は裸同然。

その性質から、文化大革命時期などには個人攻撃や名誉剥奪などの政治的迫害に利用された経緯もある。

 

もう一つの権力機能「力」、軍事・警察機能について。

中華人民共和国国軍は存在しません。現在の中国人民解放軍は中国共産党が指導する中国唯一の軍隊ですが、中華人民共和国憲法では国軍として明記していない。

解りにくくしているのは中国共産党中央軍事委員会国家中央軍事委員会二つの軍隊統括機関です。

ただその構成員は同一人物、軍隊も共産党の物としたんでは国際的に説明がしにくいので、ここもダブルスタンダードで繕っているだけ。

現在でも中国軍は厳密な意味で中国共産党軍事力の儘です。天安門事件もこの延長線上にあります。

 

中国人民解放軍2012年現在推定228万5000人

中国人民武装警察隊(武警)が準軍事組織として国内治安維持にあたる。構成員は推定66万人。駅等で見かける自動小銃を下げた警備員。

行政上は国務院公安部が管轄しているが中央軍事委員会指導(指揮)下にある。

隊員は軍人としての資格・権利を持つ。

 

平時民間人としての民兵推定800万人が存在。

 

公安部管轄人民警察、中国で警察業務を担い一般的に公安と呼ばれる。

他に城管と言う組織、城市管理行政執法局職員が都市管理のための法的取締りを行う、一般的に城管と呼ばれ、食堂の営業許可や屋台の路上販売を規制している嫌われ者。

膨大な経費と人員をかけて国内の治安維持に腐心している。中国共産党は中国国民に対して緊張感を解けない。

 

以上が中国国土国民の統治実態です。

ここで敢て問います。中国共産党は中国国民の為に変われるか!

私の近くの中国の人は言います“共産党は変われない、変わらない”

中国のバスで隣の人曰く“中国は広いんです、人が多いんです”

 

西海省格尓木市で示威巡回する武警

北京駅前の武警車両と監視台

北京王府井の公安(左黒服集団)と城管(右赤い腕章二人)

映画「アンナ・アーレント」ユダヤ虐殺を指揮したアイヒマン裁判考察。

 

中国国民(人民・公民)の管理

二重戸籍制度(社会制度で記述)の下、居住の把握で統治を執行していたが、改革開放の下農村戸籍者の都市移動農民工では対応しきれず、都市部での統治不安要因となっている。

 

中国の人々は常住地(戸口登録地)以外で居住する場合は居住地政府発行の臨時居住証、居住証(住民票相当)の交付を受けなければならない。しかし審査が厳しいため、事業所就業者以外の農民工(出稼人)は大多数不法滞在者となっている。

不法滞在故、不当な低賃金に甘んじていたり、劣悪な労働環境の下で働いている。

治安確保時(オリンピック開催)には不法滞在者の常住地送還が行われます。

もちろん中国に居住または宿泊施設以外に滞在する外国人は滞在開始から24時間以内に滞在住所地を管轄する派出所にて住宿登記手続きが必要。全ての居住区には共産党委員会の監視網が張られているので不法滞在は不可能だと思います。

 

人々の移動は現在拘束されていませんが、飛行機は勿論、列車のチケットは近年身分証の提示とチケットへの記名がなされます。

さらに現在北京では長距離バスでも適用されていますが、地方バスでは管理のしようがないのでセンターでチケット購入時身分証提示のみです。

列車に乗る前、北京駅や西海省西寧の駅では駅構内に入るのにチケットと身名証(外人はパスポート)の照合を受けました。すなわち移動まで管理しようとするのか?。

 

2012年列車チケット 中国国内航空券  

2013年列車チケットへパスポート番号記入 長距離バスはなし 

2015年幹線チケットには名前も記入される 北京発長距離バスに名前とパスポート番号記入 地方列車のチケットは未記入 地方バスも未記入

2016年地方列車チケットにも名前、パスポート番号記入 地方長距離バス未記入 

 

外国人は外国人宿泊許可を取った所でないと宿泊できない?、またホテルによっては後の面倒を考えて公安へ連絡するようです。例外のない規則はない!上に政策あれば、下に対策あり

事例1;2009年大連駅近くの賓館、10日後再宿泊での出来事 先の宿泊で当局から罰金を取られたので今回は泊められないと、罰金とありますが当局を気にして、関わりたくないのが本音でしょうが。

事例2;2009年瀋陽YH、ネット予約が通っていなくて、しかし泊まるのに地区の公安に行って身元調べられます。

事例3;2010年広府鎮で泊まってると通報を受けた?公安がきて身元確認。  

事例4;2011年遼寧省北鎮の商務酒店チェックインするもその後街の5つホテルへ移動させられ、身元確認受ける。

事例5;2012年青海省西寧のYHでピザ受けていない(2週間の観光はノウビザ)ために、ソオリーを受ける。

その他多数宿泊を断られるも、登記なしで泊まれるところも多数。

 

中国共産党は何を恐れているのか!その兆候を感じ、掴んでいるのか?将来想定せざるを得ない対応か?

日本から見れば異常なのですが、今の中国の現実。

 

ダイヤモンドオンラインでの吉田陽介氏記事の抜粋です、原文訳ないので参考まで。

2016年10月第18期六中全会採択「新情勢下での党内政治生活に関する若干の準則」

「中国のことをしっかり行うカギは党にある」というフレーズから始まる要旨。

・共産党の理論であるマルクス主義を学ぶこと

・党の規律と規則を遵守すること

・政策や理論面などで党と一致を保つこと

・民主集中制の原則を守ること

・大衆と密接な関係を持つこと

・個人的利益を追求せず公の利益に奉仕すること

・党内に派閥をつくったり、親分・子分の関係などをつくらないこと

・コネなどでの人材登用をしないこと

などである。以上。

 

共産党中央委員全体会議でこのような原理原則が取り上げられなければならないほど共産党は自己崩壊の過程にあるのか。そしてこの下で権力闘争が図られる、まるで明清時代。

 

この後、法治体制、社会体制、経済体制に付き順次まとめてみたいと思いますが、夫々は密接に結び付いているので、重複することも多々ある事かと思います。

実際に経験したこと以外はそれなりにネット等で確認して記しているつもりですが、その限界を了解の上判断願います。

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おっさんの中国一人旅 写真総括7。

2017-01-09 11:22:24 | 旅行記

2016年銀川西夏陵を訪ねる(10月9日~10月23日) 北京→銀川→懐県→乾県→宝鶏・天水→陽平関→勉県→漢中経由戸県→咸陽→巩義県→鄭州経由北京

千歳空港 

北京    インターナショナルATMのある中国銀行  王府井 東長安街 北京西駅 

銀川へ    

銀川   西夏王陵   承天寺   

塩池へ   オルドス長城 

塩池 万里長城 新装塩池城 

恵安堡へ    偉州へ 

偉州城    

懐県へ  

懐県   

乾県へ   

乾県唐乾陵  

宝鶏  

天水 李広墓    

秦嶺越え陽平関へ    

陽平関     

勉県 諸葛孔明墓  定軍山 

漢中  

秦嶺越え戸県へ  

高速戸県バス停?  バスセンター  秦嶺山脈 

咸陽 霍去病墓  衛青墓  武帝茂陵  漢劉邦墓  呂后墓 咸陽点描      

咸陽から巩義へ 華山   堰師(夏都)途中下車? 

巩義  杜甫祠 杜甫生地南窯湾村   宋太宗永熙陵    永昌陵へ  宋太祖永昌陵    

巩義博物館          

巩義から鄭州へ 

鄭州 鄭州駅前  鄭州東駅  

北京古観象台  天橋 先農壇体育館 月壇   北京点描   

これで写真総括は完了、次回少し時間をかけて私なりに20年間近い中国観察の纏めをしたいと思います。

 

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おっさんの中国一人旅 写真総括6。

2017-01-04 11:59:26 | 旅行記

2013年華中を訪ねる(10月12日~10月27日) 千歳→関空→上海→南京→蚌埠経由鳳陽→淮南経由寿県→渦陽経由臨換→商丘→許昌→襄陽→鐘祥→当陽→荊州→上海

上海虹橋駅  

南京南駅 夫子廟  中華門  南京城壁   明孝陵  孫権墓  李文忠墓 徐達墓 南唐二陵   呉石頭城  

蚌埠湯和墓  

鳳陽明皇陵  明中都遺跡  天安門前 長安街   

寿県(寿春)  

渦陽経由臨換   

商丘 八関斎  

許昌毓秀台 

襄陽 漢水  米芾祠  

鐘祥 明顕陵   

当陽玉泉寺  長坂堡趙雲 

荊州    楚郢城  

上海   

2015年秦扶蘇と蒙恬将軍を訪ねる(5月19日~6月2日) 千歳→北京→易県→紫荊関→淶源・霊丘経由五台山→忻州経由保徳→楡林→綏徳→呂梁経由平遥→長治経由安陽→磁県経由大名府→邯鄲経由北京→関空→千歳

北京 麗峰バスセンター 

易県南水北調 荊苛塔  清西陵   

紫荊関    

淶源・霊丘   五台山へ   

五台山東台 台懐   竹林寺遠望 竹林寺 佛光寺   南禅寺   

忻州バスセンター  黄河渡河 長城をアンダーパスで オルドス景観 

楡林鎮北台   星明楼 

綏徳(秦上郡)扶蘇墓へ   楡林方向  蒙恬将軍墓   

呂梁経由 離石(呂梁)バスセンター 

平遥     

長治バスセンター  

安陽 殷墟     

磁州窯博物館  

水滸伝大名府    

邯鄲東駅  

北京日壇   天寧寺  紹興会館 湖南会館 正陽門箭楼 東四十条・東直門南小街

 

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