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熊と共生?中国共産党と共生?

2021-09-16 15:55:24 | おっさんの中国一人旅終了?に伴って、もっと日本を旅します。

コロナ後を見据え?て日々?トレーニングに励んでいます?が、札幌周辺では今年年中?熊の出没!

市の熊情報URL地図には熊目撃、足跡、糞と周辺いたる所に印がついています。

先日7月25日(日)もうそろそろと月一の手稲山に、北尾根登山口から万全の用意のもと入ろうとした時、車道上方から呼子の連呼しながら、チャリダーが下って行きます、続いてパートナーも(こんな所でクマよけでもあるまいに・・・)。

と、戻って来たチャリダー氏、「山に入られるんですか?」「ハイこれから」「二、三日前このすぐ上に熊出たらしいですよ、看板出てます。登られるなら車道か、車でハイランドまで行かれたほうが」

「有難うございます、・・・止めときます。」、帰りにその看板を!、すぐ上の砂防工事用道路入口に、「7月20日熊目撃」と!!

これだけ人の生活圏(最終人家から100mも離れていません)に入ってきている熊に対して、熊情報に気を付けて、単独では入らないで、クマよけ鈴等をもってで、熊に遠慮して安全を確保できるのかな~。そのうち被害者にならないように、万が一の時は登山ナイフで熊の鼻をめがけて・・・(気を失わずに?・・・)。

一度足跡残したクマにとって、そこはもう彼のテリトリー、臭い付けもしているはず、共生が可能とは思えませんが、ここでも被害者が出てから?・・・(今の日本です!)。

出会わないことを祈って8月12日(木)、以後熊動静がないので移動している?、平日ですがお盆に入って人出も・・・、山も呼んでます。。

 

奥の看板8月22日の山岳マラソン大会予告!(これなら大丈夫?)

 

今日も真夏日、森は夏真っ盛り。

 

奥にランナー、来週の試走?、近頃はどこの山でもこの手のランナーに出会います。でも熊との出会いがしら気にならないのかな~。。

 

山は曇って、頂上では今にも雨?雷だけは・・・。  

スキーコースには秋の花?

   

 

8月27日(金)三角山3座縦走、下山した小別沢の直売所で肌がね(1000円)で野菜購入(キュウリ、ズッキーニ、スナップエンドウ、トマト、ホウレンソウ、シシトウ)。7月12日にはまだ店開きしていませんでした。

9月11日(土)真夏日も終わり今日は登山日和!

 

新たな熊情報もなし、 

先着の方が出発しようとしています「露払い願います!」とお願い。

今日はキツネのお出迎え?登山道、木の左に鎮座しています。

 

餌ねだりか、付かず離れずでしばし、やがてトレイルの人が追い越していきますが、また案内。。餌やり厳禁!

ヤヤ!これは熊か?大きくて木の実も?(市に情報提供!でも・・・、テンか狸と専門家の判定!残念?)

 

ハイランドからは駐車場満車状態で多くの家族連れやグループ登山で賑わっています。

一か月前の花は綿毛に。 

昼食したリフト降り場から前田森林公園を。

 

秋の草花に 

オリンピアの駐車場で今日はBMWバイク仲間の集会?講習会?

 

こちらは手作りジャンプ台でエアリアル練習、落下地点に着水!残念、写真に写りこんでない!

 

 

6時間半31,500歩、無事終了! 

 

平時のトレーニングルートでカラスに追い詰められてる鵜がいます。カラスを追い払っても弱って動けません!脱いでいたシャツで目隠しして、水辺まで抱えて離します。写真の真ん中少し白く、やがて葦の中へ。。

 

 

7月22日かみさんの気晴らしで前田森林公園、アイス買って下から眺めながら。一か月以上?雨が降らず芝生も枯れていますが、森は青々。。

 

さて、今回のオリパラ、国のメタル数競争の報道が消え?、中国選手の活躍も・・・、そして終わりましたが、お隣中国の様子、確実になんだかマグマが動き始めたような感じがするのは、私だけ?(永遠に蓋されるマグマ?)。

最後の記事が今の中国そのもの?この国と共生するという事を今一度、私たちは考えることから逃げてはいけないのでは?、一方、中国の人達は中国共産党という指導体制について、世界の中での中国という視点で考え続けてほしいものです。

 

ダイヤモンドオンライン 2021.8.31 4:20 真壁昭夫

中国・習近平の目指す「格差解消」が、最大のチャイナリスクを招く理由

中国では貧富の差が急拡大している。経済が高成長する過程で、富は共産党幹部と民間企業の創業者に集中した。長期支配を目指す習近平は、国民の不満を軽減しようと民間の創業経営者への締め付けを強化。しかしその施策は、中国経済にとって重大なマイナス要因になるはずだ。それは、最大のチャイナリスクになるだろう。(法政大学大学院教授 真壁昭夫)

IT先端企業の経営者への締め付けで中国経済の潜在成長率は低下に向かう

1921年に中国共産党が結成されて以来、毛沢東から習近平まで歴代の指導者は、一貫して共産党による一党独裁体制の維持を目指してきた。共産党政権は経済成長を実現し、成長の分け前として恩恵を与えることで国民の不満を和らげてきた。

ただ、そうした政策の下で、中国では貧富の差が急拡大している。中国経済の高成長は、改革・開放路線による外資系企業の進出とそれに伴う工業化の進展によって支えられた。90年代以降の10%を超えるGDP成長は、インフラ投資の需要による鉄鋼やセメントなどの重厚長大分野での国有・国営企業の事業運営に支えられた。それに加えて、2000年代に入り、情報、通信など民間の新興企業の急成長が加わることによって、中国経済は高成長を維持することができた。

他方、高成長の過程で、富は共産党幹部とアリババやテンセントなど民間企業の創業者に集中した。貧富の差の拡大は国民の不満を増幅する可能性があり、社会全体にとって大きな不安定化要因だ。長期支配を目指す習氏は、国民に対して貧富の差の解消を約束する姿勢を示すことで、国民の不満の軽減を図っているようだ。

そうした背景もあり、IT先端企業の経営者への締め付けを強めている。ただ、締め付けは貧富の差の解消に一定の効果は見込めるものの、中国経済の成長の源泉である「アニマルスピリット」を減殺することになりかねない。それが現実味を帯びてくるようだと、中国経済の潜在成長率は低下に向かうことは避けられない。

共産党幹部と民間企業の創業者「2つの富裕層」が出現した

1978年に中国では鄧小平による指導体制が確立され、経済運営では改革・開放が重視された。具体的には、深センなどに経済特区が設けられて海外資本の誘致が進み、中国は海外から国内企業へ技術の移転などを進めた。その上で、石油化学や鉄鋼などの重厚長大産業では、国有・国営の鉄鋼やセメント企業などが勃興し、インフラ投資が進み経済は成長した。

89年の「天安門事件」によって中国経済は一時的に減速したが、その後も中国共産党政権は、党の指揮に基づいた経済運営を続けた。国有・国営企業が鉄鋼など基礎資材の生産を増やし、インフラ投資を行い、雇用を創出することによって生活水準の向上と所得の増加が実現された。それは、「共産党についていけば豊かになれる」という社会心理の醸成につながった。その過程で、国営企業とつながりの深い共産党の幹部に大きな富が集中することになった。

一方、情報や通信など、大規模な国有・国営企業の取り組みが少ない分野では民間企業が設立された。代表例として、98年には馬化騰(ポニー・マー)がテンセントを、99年には馬雲(ジャック・マー)がアリババグループを創業し、翌2000年にはバイドゥが誕生した。各社に共通するのは、創業の時期が米国のITバブルが膨らんだ1990年代後半から2000年代であることと、創業者が米国に留学したり欧米流の文化に魅力を感じたりして、IT先端技術の実用化による成長を目指したことだ。成長の実現によって民間企業の創業者も富裕層に仲間入りした。

このように、中国経済は、重厚長大分野では国有・国営企業が、情報・通信などの先端分野では企業家による事業運営が進み経済成長を実現する「ツートラック」だ。成長とともに、共産党幹部と民間企業の創業者の「二つの富裕層」が出現した。

このままだと中国はバブル崩壊後の日本のようになる

経済成長によって、インフラ整備需要は飽和する。工業化の初期段階では、高速道路の建設によって物流が効率化され、経済全体で生産性は上がる。しかし、高速道路網の整備が一巡した状況下で追加の道路を建設しても、生産性は高まらない。そのため、社会全体の資本効率性は低下する。

実例が1990年代のわが国経済だ。バブル崩壊後のわが国は、雇用を守るために公共事業を積み増した。しかし、社会インフラ整備が一巡していたため資本の効率性は低下し、投資は波及需要を生まなかった。近年の中国のGDP成長率の鈍化は、インフラ投資による成長が限界を迎えたことを示している。景気対策としてのインフラ投資が増えるにつれて中国の債務問題は深刻化している。中国経済は、不良債権問題が深刻化した97年から2002年頃のわが国経済のような状況に向かいつつある。

中国経済の成長率の鈍化は、貧富の差を拡大させている。The World Inequality Databaseによると、15年時点で中国の所得の41.7%を上位10%が占め、下位50%が受け取る所得は全体の14.4%だった。中国のジニ係数は0.6を超えると指摘する中国経済の専門家もいる。(ジニ係数は0から1までで表され、1に近づくほど貧富の差が激しくなる)

貧富の差の拡大は、為政者の求心力を低下させる。つまり、貧富の差の拡大は共産党政権が体制を維持する脅威となる。所得格差を是正しなければならないが、習近平国家主席にとって、富裕層の一つである共産党幹部に手を付けることはできない。それは共産党内部から同氏への批判が強まる原因になる。

そのため、習政権は、アリババやテンセント、さらには滴滴出行(ディディチューシン)などのIT先端企業への規制強化や資金調達の道を閉ざし、もう一つの富裕層である民間企業の創業経営者をたたかざるを得なくなっている。習氏が宣言した「共同富裕」のコンセプトは、慈善事業による寄付を重視する。それは、多くの富を得てきた民間企業の創業経営者から他の層への「強制的な富の移転」を示唆する。

民間の取り組みを支援し基礎技術の向上を目指すべきだ

今後、共産党幹部の資産を大きく縮小させることは考えにくいだろう。中国が貧富の差を完全に解消することは事実上難しい。

また、貧富の差の解消のために民間企業の創業経営者をターゲットにすると、民間部門のエネルギーを減殺することが想定される。2000年代に入ってから11年半ばまで、概ね中国経済が10%台の成長率を達成し、その後も相応の成長力を維持しているのは、インフラ投資が一巡する中で民間企業がネット通販やフィンテックのサービスを提供し、経済の効率性が部分的に高まったからだ。その結果、高成長という果実を経済全体で共有することによって、中国の経済と社会全体がそれなりの安定性を維持することができたといえる。

しかし、今、習政権は、経済成長を支えてきた民間のアニマルスピリットを押しつぶし、より効率的な付加価値の創出を目指す人々の考えを脆弱(ぜいじゃく)化させているようだ。それは結果的に、中国経済の潜在成長率を低下させるだろう。

本来であれば、中国は民間企業の新しい取り組みを支援し、基礎技術の向上を目指さなければならない。例えば、半導体の機能向上に欠かせない微細化技術に関して、中国のファウンドリである中芯国際集成電路製造(SMIC)が、世界トップの技術力を持つ台湾積体電路製造(TSMC)に追いつくには10年は必要と指摘する半導体の専門家は多い。

企業の自由な発想や取り組みが制限されれば、基礎技術面でのキャッチアップは遅れるだろう。世界的に研究が進行段階にある人工知能(AI)や量子技術で中国は米国としのぎを削っているが、その機能発揮に不可欠な素材や製造装置など基礎技術の差は大きい。

長い目で考えると、富裕層である民間の創業経営者への締め付け強化によって、中国から海外に企業や人材が流出する恐れがある。投資資金にも同じことがいえる。貧富の差の解消のために中国経済の成長を支えた民間企業のエネルギーを減殺する習政権の考えは、中国経済にとって重大なマイナス要因になる可能性がある。それは、最大のチャイナリスクになるだろう。

 

ダイヤモンドオンライン 2021.9.7 加藤嘉一:国際コラムニスト 「中国民主化研究」揺れる巨人は何処へ

中国の富裕層・大企業が震撼!日本企業も他人事ではない習近平が提唱する「共同富裕論」とは

共同富裕――。

最近、中国で話題になっている概念である。マルクス主義や社会主義体制を堅持してきた中国共産党、そしてそんな党による領導下で暮らしてきた中国人民にとって、決して新しいものではないが、習近平新時代という文脈の中で議論されると、物議を醸し、さまざまな攻防が繰り広げられる。

各種報道にも見られるように、習近平総書記が党中央の重要政治会議で「共同富裕」を掲げたことで、IT、教育、イノベーション企業など、規制強化の対象となっている業界の大手が続々とこの分野への資金投入を行っているのだ。収益を最大化し、株主へ還元することで経済成長へ貢献する営利企業が、格差是正や貧困撲滅を掲げる政権側の意思や方針に振り回されることで、企業経営が悪影響を受け、市場としての中国の魅力が削がれるリスクをはらんでいる。

本稿では、(1)政権サイドで「共同富裕」がどのような形で掘り起こされたのか、(2)企業側がどのように対応しているのか、(3)それらの動きが何を意味していて、今後の中国の発展にどう影響していくのかを検証していきたい。

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ダイヤモンドオンライン 2021.9.7 3:40 The Wall Street Journal WSJ PickUp

起業家は中国共産党の「消耗品」 告発本出版

人脈に通じた投資家の回想録、共産党と実業家の関係を詳述

【香港】中国が最近、大富豪たちを敵対視していることに驚く人は少ないだろう。ましてや、共産党が権威主義的な支配を強化するための道具とみなしている起業家は驚くまい。

少なくとも、巨額の駆け引きや党エリート層との取引について語る人脈豊かな投資家の結論はそうだ。この投資家は4年前に起こったビジネスパートナーである元妻の不可解な失踪事件を軸に回想をつづった。

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ダイヤモンドオンライン 2021.9.9 4:15 野口悠紀雄:一橋大学名誉教授 新しい経済成長の経路を探る

中国「金ぴか時代」の終わり、“共同富裕”に企業や富裕層が怯える理由

中国共産党は、「共同富裕」を政策目的に据え、企業に寄付を求める方向を打ち出した。格差是正のためには、本来は税制を活用すべきだが、それができないからだ。

民主主義国では寄付が十分か否かを判断するのは市場だが、中国では国(共産党)が判断する。したがって、企業をコントロールする手段として使われる可能性が高い。企業や富裕層がこれに怯えるのは十分理由がある。中国に対する投資は重大な転換点を迎えたといっていい。

「小康社会」実現を名目に「共同富裕」が現実の政策目的に

習近平国家主席は、8月17日、経済問題を協議する重要会議、中央財経委員会で、「共同富裕は社会主義の本質的な要求」と表明した。「共同富裕」とは、貧富の差をなくして、すべての人が豊かになることだ。

この考えは、今初めて出てきたものではない。

改革開放政策を進めた鄧小平氏は「豊かになれる者から先に豊かになる」という「先富論」を唱えたが、1992年、南部諸都市を回り外資の積極導入などを説いた南巡講話では「先に発展した地域が遅れた地域を引き上げ、最終的に共同富裕に到達する」とも述べた。習近平体制でも2017年10月の第19回党大会で、今世紀中頃に「人民の共同富裕を基本的に実現する」という目標を掲げた。

昨年(20年)秋の五中全会(中国共産党中央委員会第5回全体会議)では浙江省を先行モデル区に指定して35年までに共同富裕を実現することが提起された。21年7月1日、中国共産党創立100周年の祝賀で、党の長年の目標だった「小康社会(人々がややゆとりのある生活を送れる社会)」の全面的な実現が宣言された。

そこで、次の目標として共同富裕が取り上げられたと言われる。

IT企業の規制強化最大の理由は格差是正だった

このところ、中国ではIT企業に対して規制強化や多額の罰金措置などが続いていた。こうした強硬政策が取られる理由として、いくつかのことが考えられたのだが、分配問題が決定的に大きいことが分かった。目覚ましい発展をするIT企業がある一方で、その成長の恩恵が国民に及ばない。もはや貧富の格差が大きい現状を放置できないのだ。

中国の調査会社が発表する世界長者番付「胡潤百富」によると、2020年に10億ドル以上の資産を持つ中国人は1058人に達し、アメリカの696人を上回った。一方で中国には月収1000元(約1万7000円)程度で暮らす人が約6億人にも上る(日本経済新聞、21年8月27日付)。17年の中国のジニ係数は0.467だ(日本経済新聞、18年2月13日付)。

貧困層の不満などから騒乱が多発する警戒ラインは0.4といわれているが、これを大きく超えている。格差は、厳格な「ゼロ・コロナ政策」によって、人々の外出や消費が抑えられ、また零細商店の打撃が大きいなどでさらに拡大する傾向にある。

今回の政策目的化は「小康社会が実現できたから、より高次の目的として共同富裕に向かう」というよりは、「国民の不満が強まっているので、強力な所得再分配政策を行なわざるを得ない」ということではないだろうか?

企業や富裕層に寄付を求める「三次分配」で所得再分配

共同富裕は、抽象的に考えればもちろん望ましい目標だ。問題はそれを実現する手段だ。

8月17日の会議では、共同富裕を実施する手段として「一次分配(市場メカニズムによる分配)、再分配(税制、社会保障など政府権力による分配)、三次分配(個人や団体が寄付や慈善事業などで富を第三者に分け与える)を協調させて、基礎的な制度を準備する」という考えが示された。

注目すべきは、三次分配という手段が前面に押し出されていることだ。

これに応えて、騰訊(テンセント)は500億元(約8500億円)を農村振興や低所得者向けの医療・教育支援事業などに充てる計画を直ちに公表した。注目されたのは、政策公表からわずか26時間でこれが発表されたという反応の速さだ。異常な速さだと言える。

また、食品宅配大手、美団(メイトゥアン)の創業者の王興氏は、教育や科学の振興を支援する慈善基金に23億ドルを寄付した。他社も追随するだろう。

税制を通じる再分配では限界富裕層の所得捕捉は困難

本来であれば、所得の再分配は税制で行なわれるべきだ。共同富裕でも形式的には税が使われることになっている。しかし、十分に機能するかどうか疑わしい

その理由としてまず、中国の個人所得税は規模が小さいことがある。財政収入のうち所得税収入の比率は極めて低い。こうなるのは、第一に国民の大多数の所得水準が低いことだが、高所得者層の所得の捕捉率が低いことも理由だ。その上、2019年からは大幅な減税が行なわれている。

では法人税はどうか?中国には、日本の法人税に相当するものとして「企業所得税」がある。事業活動によって取得する所得が課税対象で、基本税率は25%だ。

ただし、ハイテク企業には優遇措置があるので負担率は25%より低い。この優遇措置を廃止して負担率を25%に近づける可能性はあるが、それだけでは十分でない。また、固定資産税や相続税を導入するとの観測もある。

しかし、総じて税を活用する余地は少ないと考えられる。

寄付が十分かの判断は共産党政府がコントロールする手段に

寄付制度は日本も含めて民主主義国にも広く存在する。ただし、それは寄付行為を市場が肯定的に評価するという条件下で機能している。法人が寄付をすれば株主に対する配当は減るから、本来、寄付行為は株主の利益に反する行為だ。しかし、それにもかかわらず企業が寄付するのはなぜか。これに関して最も説得的な理由づけは、「企業が寄付をすれば社会的なイメージが高まり、長期的な利益最大化のためにはそれが役立つ」というものだと思う。

つまり寄付は、イメージ向上を通じて利益を最大化するための手段なのだ。

1950年代に、IBM初代社長のトーマス・J・ワトソンは、「enlightened self-interest」という概念を提唱した。これは、「啓発された利己主義」と訳せるだろう。この概念は、IBM社のその後の発展に重要な寄与をしたと考えられる。企業が社会に奉仕するのは、それ自体が目的だからではない。それによって企業のイメージが向上すれば、長期的には企業の収益に貢献するからだ。寄付もその意味で役立つのだ。

ここで重要なのは、この判断はマーケットが行なっているということだ。消費者は寄付をする企業の製品を購入するし、投資家は寄付をする企業に投資する。

しかし、中国の場合、その判断をしているのは政府・共産党だ。

形式的な目的は貧しい人々の所得を増やすことだが、実際には、企業や富裕層をコントロールするための手段として用いることになるだろう。

寄付が不十分と判断すれば、何らかの制裁措置を加える。しかも、十分か不十分かの判断は恣意的に行なわれる。

「金ぴか時代」の終わり対中投資は重大な転換点

アメリカでは、1870年代から1900年代にかけて工業化が急速に進展した。石油の鉱脈が開発され、大陸横断鉄道で東海岸と西海岸が結ばれた。鉄鋼業などの重工業が発展し、大企業が次々と生まれた。

19世紀末から20世紀の初めにかけてのアメリカ社会を、マーク・トウェインは「金ぴかの時代(Gilded Age)」と呼んだ。「Gilded」とは、無垢の金ではなく、表面だけに金が塗られている「金メッキ」のことだ。新しく誕生した大企業経営者が空前の富を蓄積したことを、皮肉交じりにこう呼んだのだ。この時代に活躍したのは、次のような人々だ。「鉄道王」のコーネリアス・ヴァンダービルト、「鉄鋼王」のアンドリュー・カーネギー、「石油王」のジョン・D・ロックフェラー、そして「自動車王」のヘンリー・フォード。

他方で、貧しい移民がアメリカにやってきて、格差が拡大した。それに対処するため、独禁法・連邦所得税の導入、連邦遺産税・贈与税の導入など、さまざまな改革が進んだ。そして、金ぴか時代が終了した。

中国も今、金ぴか時代が終了しようとしている。

しかし、アメリカと中国では重大な違いがある。アメリカでは、所得再分配のルールは分かっている。寄付が十分か否かを判断するのは市場だ。怯えることはない。

だが中国では、本来は自発的行為であるはずの寄付が事実上、強制される。ルールは不明であり、寄付が十分か否かは、権力者の恣意的判断に委ねられる。負担を迫られる富裕層や大企業の間で、いま警戒感が高まり動揺が生じている。また、投資家は狼狽している。こうした恐怖は、十分根拠があるものだ。

アリババの創始者ジャック・マー氏は、昨年10月下旬に上海市で開催されたカンファレンスの講演で「未来を規制するために昨日の方法を使うことはできない」といった。誠に正論だと思う。しかし、いまや毛沢東の亡霊がよみがえろうとしているのだ。それがアリババを叩き潰したとしても、少しも不思議でない状況になっている。

中国に対する投資は重大な転換点を迎えた。

(一橋大学名誉教授 野口悠紀雄)

 

98年に仕事?で上海から福州、泉州、アモイと周りました。

関係の合弁?工場が途中ありましたが、工場長は地元の共産党幹部。年末の事、ボーナスをと秘書から現ナマうん百万を出させ、工場長に!、もちろん分配は一任(みんなに渡ったのかな~、いや彼の懐だ!)。

その時の話題で、今度村?の学校近くの道路の整備に会社から幾ら幾らを出さないといけない、と。そう、共産党の指導(恣意)?(協力ではありません!彼の面子!)、でないと当時から中国ではやっていけなかった!!。

でもパイが日々大きくなっている時、何もない時、周りで何が起こってるか解らない時ならともかく、一人一人がスマホで世界、いや中国では国内何処でもつながっている今、このようなルール無し、皇帝?の一存で決めつける時代ではないのに、変わらない、変えられない中国共産党。

上海のインスタントラーメン工場(合弁?)では、やたら従業員がいました。半分は余剰?、でもみんなで分け合う?、視察?にきた私達をじっと見ていました。共産主義から市場経済に移行して間もないこの時期、資本家、経営者、管理者の意味が解ってないような様子の目線を感じた覚えが、そして20年以上たった今も中国共産党は何も変えられなかった、ただ肥え太っているだけかも。

一方、今この時も一生懸命よりよい生活、子供の将来の為頑張っている大多数の中国の人がいる、彼らはフレンドリーで知らない人でも面倒見よく、私は好きです。訪れれば訪れるほど、多くの人が報われてるとはとても思えない現状に訪ねるむなしさを感じ、行きそびれています(こんなコメント書いてる者は破壊扇動者で・・・かも)。

 

🇨🇳怒涛の異常事態 出典調査漏れ

中国の締め付けリスト

 

中国で異常事態が起きています。昨年11月、決済アプリ「アリペイ」を運営するアント・グループが前日になって突然のIPO延期が決まり、EC大手アリババグループへ3000億円の行政制裁金が科されました。

そうかと思うと、配車アプリのディディに対するサイバーセキュリティ審査、エドテック業界を潰滅させる学習塾規制…。それぞれに正当な理由があってのアクションだと中国当局は表明を繰り返しています。

しかし、短期間にこれほどの動きが繰り返され、企業や特定の業界が成り立たなくなるほどの苛烈な規制が加えられるのは異常事態でしょう。マーケットも敏感に反応し、中国株のパフォーマンスは振るわない状況が続きます。

 

YahooNews 9/15(水) 7:00配信

中国「共同富裕」政策で示された「10の行動」 中国ハイテク株への影響は?

規制強化で下落が続いていた中国ハイテク銘柄だが、再び投資妙味が高まってきているようだ。たとえば、アリババ集団(09988、香港市場)の株価は厳しい下げ相場が続いていたが、ここにきて、値固めが進んでいる。

上場来安値を記録したのは8月23日。場中で151.2香港ドルを付けたが、その後は切り返している。9月13日は当局が関連会社であるアントフィナンシャルに対して融資業務の分離独立を指示したとマスコミが伝えたことから4.23%下落したものの、それでも終値は160.8香港ドルに留まっている。上場来安値から6.3%高い水準にある。

8月中旬から最安値を付けた23日までの下落は、ハイテク企業への当局による統制強化懸念が要因だ。昨年11月にはアントフィナンシャルが直前で上場延期となっている。1-3月期には独占禁止法違反により182億元(3094億円、1元=17円で計算)の制裁金を支払わされている。当局との関係が悪化している上に、8月17日に開かれた中央財経委員会第10回会議で「共同富裕」の促進が中心議題となったことで、事業に対する統制がさらに強まるのではないか、何らかの負担金が課せられるのではないかといった思惑が働いた。

市場の懸念はある程度当たったといえる。アリババ集団は9月2日夜、中国指導部が掲げた「共同富裕」を支援するために2025年までに1000億元(1兆7000億円)を投じ、「5つの方面から10の行動を起こす」と発表した。ただ、3日の株価は下落したものの、その後は大きく売り込まれることなく推移している。一部の投資家は悪材料ではなく、好材料と捉えている。

内容をまとめるとまず、5つの方面として、科学技術イノベーション、経済発展、質の高い就業、弱者に対して愛情を以て関心を示す、共同富裕基金といった項目を挙げている。10の行動とは以下の通り。

【1】科学技術に関する投入を増やし、発展の遅れた地域のデジタル化建設を支援する

【2】中小零細企業の成長を支援する

【3】農業の産業化建設推進を助ける

【4】中小企業の海外進出を支持する

【5】質の高い就業機会創出に助力する

【6】荷物配達員、運転手など柔軟に仕事を行う人々の福利厚生を支援する

【7】都市部のデジタルライフの均質化を促進する

【8】情報格差を縮小し、弱者に対するサービスや保障を強化する

【9】基本的な医療水準の引き上げを支持する

【10】200億元(3400億円)の共同富裕発展ファンドを立ち上げる

つまり、1000億元(1兆7000億円)を支出するといっても、政府に1000億元(1兆7000億円)を寄付するわけではない。ましてや、制裁金のように半ば強制的にカネを支払わされるわけでもない。

ビジネスとして、“国家が需要を拡大したいところに十分供給を増やします”ということで、これは国家の支援を受けてビジネスを行うということだ。

共産党が共同富裕を推進する目的は、共産党が理想とする社会を創り出すためであり、経済成長の話ではない。それを上手くビジネスに転換しようとしているところにアリババ集団の高いビジネスセンスが感じられる。

テンセントも、美団も、主要なハイテク企業は同様な戦略を採るだろう。大雑把に言ってしまえば、農村部での需要拡大がテーマであり、それは決して収益率の高いビジネスではないだろう。当面は先行投資がかさみ、企業業績では売上は伸びても利益の伸びは鈍化するかもしれない。しかし、当局と同じ方向を向いて事業を行うことの安心感は大きい。今後、困難に直面すれば、当局からの支援が得られるだろう。事業リスクの低さは株価の評価に繋がる。

中国の経済体制は、市場経済重視から国家資本主義重視に変わっていきそうだが、民営企業は思いのほか柔軟に対応できそうだ。株価が一時的に下落した水準にある現在、アリババ集団、テンセントに限らず、中国ハイテク銘柄は再び上昇基調に入っていくのではないだろうか。

文■田代尚機(たしろ・なおき):1958年生まれ。大和総研で北京駐在アナリストとして活躍後、内藤証券中国部長に。現在は中国株ビジネスのコンサルティングなどを行うフリーランスとして活動。ブログ「中国株なら俺に聞け!!」(https://www.trade-trade.jp/blog/tashiro/)も発信中。

 

ダイヤモンドオンライン 2021.9.17 3:45 The Wall Street Journal WSJ PickUp

ネットから消えた中国人気女優、理由は謎のまま、中国当局の標的となった馬雲氏とのつながり指摘する声も

 Photo:VCG/gettyimages

【香港】趙薇(ヴィッキー・チャオ)氏(45)は過去20年に人気女優から実業家へと転身を遂げ、中国版リース・ウィザースプーンのような存在だった。

趙氏は複数の受賞映画作品を監督し、ポップ歌手として数百万枚のレコードを売り上げた。中国版ツイッターの「微博(ウェイボー)」で8600万人のファンをフォロワーに抱えるなど、ソーシャルメディア上でも大きな存在感を発揮していた。また、中国のテクノロジー・娯楽企業への投資で富を築いた。

その趙氏が中国のインターネット上から消された。主要動画配信サイトで同氏の名前を検索しても何も出てこない。大人気テレビ番組「還珠格格」といった同氏の作品も削除された。中国版ウィキペディアで趙氏の作品「致我們終将逝去的青春」を調べても、同氏が監督を務めたことは分からない。監督名は「-- --」と表示されている。

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私見;彼女「双規」に懸かっていますね!

 

LivedoorNews 2021年9月18日 6時0分 JBpress 中国の話題 川島 博之:ベトナム・ビングループ、Martial Research & Management 主席経済顧問

中国富裕層の「愛人のいる生活」、次々にバレる意外な理由

政府を批判する言動を厳しく規制している中国では、人々が大声で政治を語ることはないが、それでも政治の話は大好きであり、仲間内ではネットに公表できないような噂話が勢いよく拡散している。

習近平が「共同富裕」なる言葉を言い出したことに関連して、ある中国人から面白い話を聞いた。

大都市の中に生まれた深刻な格差

「共同富裕」という言葉は日本でも広く報道されているが、当の中国ではそれは歴史の転換点を示す言葉として捉えられている。

習近平が「共同富裕」なる言葉を言い出した背景には、中国の格差が許容できないぐらいにまで拡大したことがある。中国がものすごい格差社会であることは日本でもよく知られているが、その格差はこの10年ほどの間に大きく変質した。

中国の格差と言えば農村問題。都市に住む人々は経済成長の恩恵を被ったが、農村は貧しいままに据え置かれている。農村が貧しいことは、胡錦濤政権時代に三農問題(農村、農業、農民)がクローズアップされていたことからも分かる。

しかし、そのような都市と農村という図式は大きく変化した。若者が職を求めて農村から都市に移動したことにより農村の人口が減少し、その一方で農民工の子として都市で生まれた人々が増えたためだ。中国には戸籍制度があり、農民戸籍であると就学などにおいて不利益を被る。ただ現在、北京、上海、広州、深圳の4つの都市を除けば、農民が都市戸籍を取得するハードルは低くなっており、多くの農民が都市戸籍を手に入れている。都市戸籍を持つ人は全人口の半分程度になった。その結果、農村は老人が住む場所になっている。

農村が貧しい地域であることに変わりはないが、現在は貧しいと言っても食料の入手に困ることはなく、テレビ、冷蔵庫、洗濯機なども普及し、自動車を持つ人も出始めている。もはや中国に絶対貧困と呼ばれる地域はない。

そんな中国でなぜ格差が問題になるのであろうか。昨今問題なっているのは、都市における格差である。中国人の約半数は都市に住んでいる。北京や上海はそれぞれ2000万人都市となり、それに広州や深圳、南京、成都、杭州といった大都市の人口を加えると、その合計は約2億人になる。

都市と農村の格差の激しい中国では、大都市に住んでいるだけで幸せと思われてきたが、その大都市の中に深刻な格差が生まれた。住宅価格が高騰したからだ。中国の不動産バブルは2000年頃から顕在化したが、これまでバブルが崩壊することはなかった。その結果、中国の不動産価格は天文学的と言ってよいほどにまで高騰してしまった。北京や上海ではごく普通のマンションが日本円で2億円以上もする。中心部に行くのに交通機関を乗り継いで1.5時間から2時間程度かかる郊外のマンションでも、1億円程度である。大都市に住む中国人の平均収入は日本人の約半分だから、庶民にとってマイホームは高嶺の花になってしまった。

 密集するように建てられた北京のマンション群(資料写真、2018年9月27日、写真:ロイター/アフロ)

私見;私の見てきた建設中のマンションはコンクリートは壁床だけ、壁や間仕切りはレンガやブロックでした、進歩したのかな~。その頃の建物は耐震性や経年劣化は大丈夫?

富裕層の愛人が社会問題に、なぜバレたのか

ここまでのことは、日本でもよく知られた話だ。今回、知人が語った話はその続きである。

不動産バブルは不動産や金融に関わるごく一部の人々に巨万の富を与えた。日本でも1980年台後半に金融や不動産に関連した会社の経営者が短時間で巨万の富を得て「バブル紳士」などと呼ばれた時代があったが、現在の中国の状況はそれを遥かに上回っている。

巨万の富を得た経営者が聖人君子であれば習近平の口から「共同富裕」などといった言葉が発せられることはなかったであろう。だが、バブルで巨万の富を得たほとんどの人物は聖人君子ではなかった。

昨今、中国の富裕層の間で最も注目を集めているキーワードは「愛人」だそうだ。まあ中国だけではないと思うが、短時間で巨万の富を得た人物は、得てして愛人をつくる。中国文明には愛人をたくさん持つことが成功の証であるとの伝統があるようで、考えられないような数の愛人をつくるケースが後を絶たない。

この1月、金融関連国営企業のトップであった頼小民に対して死刑が言い渡された。罪状は巨額の汚職である。中国では死刑判決が出ても執行が猶予され実質的には無期懲役となるケースが多いが、頼小民は、判決後にそれほど時間をおくことなく刑が執行された。頼小民は愛人が100人もいたと噂されていた。この話に象徴されるような社会状況は中国社会に暗い影を落としており、習近平が「共同富裕」を言い出さざるを得ないような状況を作り出してしまった。

知人は、富裕層の抱える愛人が社会問題にまでなった理由は、宅配ビジネスが急速に普及したためだと言う。中国は古来より格差社会である。格差は今に始まったことではない。しかし、宅配ビジネスが流行するまで格差は隠蔽されていた。庶民は富裕層が住む地域にめったに足を踏み入れない。また訪れたとしても遠くから豪邸を眺めるだけだった。そのような状況では庶民が格差を実感することは難しい。

しかし宅配サービスが普及したために、配達人が富裕層の住むマンションのドアの前まで行くことになった。ドア越しに内部を覗き見ることもある。すると、愛人。ネット社会になって富裕層の愛人が配達人の目に触れる社会が出現した。

知人によると、中国で愛人になるような人物は美人ではあるが倫理観に欠け、かつ勤勉ではないことが多い。そんな人物は料理も苦手だ。多数の愛人を抱える主人はめったにマンションに顔を出さない。そこに新型コロナとネット社会がやってきた。ネットで注文すれば、いつでも豪華な料理を食べることができる。彼女らは豪華な宅配料理の常連になった。そして料理を届ける人々に接して、傲慢な態度をとっている。それが良い評判につながるわけはない。

「あの豪華マンションに住む女はいつも豪勢な料理を注文する。受け取りの態度も横柄だ。服装もだらしない」──そんな噂が配達人たちの間に急速に広がっていった。ネット宅配サービスによって、庶民が富裕層の生活を直接垣間見る時代が訪れた。少し前にはやった日本のテレビドラマではないが、中国版の「家政婦は見た」である。

共産党が恐れる都市での暴動

ここで配送に関わる人々の出身が問題になる。現在、中国において配送に関わる人々は農民工だけではない。労働はきついが、目一杯働けば月収は1万元(約16万円)から1.2万元程度になるとされる。大都市で働く一般サラリーマンの平均月収は6000元程度とされるから、宅配サービスで一生懸命に働くと、サラリーマンの2倍程度を稼ぐことができる。そのために、大学を卒業した都市戸籍を有する人々も宅配サービス部門で働いている。

もはや中国の大都市では、都市戸籍を持つ人々と農民工の間の格差は問題ではない。深刻なのはバブルに踊った一部の富裕層とそれ以外の人々の間の格差である。バブルに乗り遅れた多くの都市住民は、農民工と共にバブルに踊った一部の人々に対して強い反感を持つようになってしまった。

ここに述べたことは、現在の中国の政治や経済を理解する上で重要である。都市と農村の格差が問題になっていた胡錦濤時代は、農民が暴動を起こしても武装警察を使って鎮圧すればよかった。しかし、大都市で都市戸籍を持つ人々が農民工と一緒になって富裕層に恨みを抱く社会は恐ろしい。なにかの際に、都市で規模の大きい暴動が起こるかも知れない。それは共産党の統治の根本を揺るがす。現在、中国共産党はその対策に追われている。

不動産大手の「恒大産業」の経営危機が問題になっているが、共産党政府はその救済に及び腰である。これまでなら、金融危機を引き起こしそうな「Too big to fail(大きくてつぶせない)」案件は裏から手を回してそっと救済してきた。しかし、今回、なかなか腰をあげようとしない。それは、恒大の破綻が周辺に波及して金融危機に発展することは怖いが、陰で救済するような措置を続けていると今以上にバブルが膨らんで、それによって都市で暴動が起こるかもしれないと考えているからだ。これが恒大の経営危機に対して共産党が小田原評定を続けている真の原因である。

今後の展開を予測することは難しい。しかし、ネットビジネスが急速に発展した中国がこれまでと大きく異なってしまったことだけは確かなようだ。知人が言うように、愛人とネット宅配の組み合わせがパンドラの箱を開ける契機になってしまったのかもしれない。笑い話のようだが、歴史は些細なことから、その流れを大きく変えてしまうことがある。

筆者:川島 博之

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