自由人の発信 おっさんの中国一人旅から国内旅。

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冬の三角山、お隣中国 経済人にも共産党の犬を強要する。

2020-12-27 16:45:19 | おっさんの中国一人旅終了?に伴って、もっと日本を旅します。

明けましておめでとうございます。

年末年始にかけてこれを、そしてとうとうコロナ下で新年を迎えてしまいました。

我が家も思わぬ伏兵?かみさんの体調不良(自律神経失調?)で目が離せない状態での去年一年でした。

70歳の通知(敬老パス?)であなたも皆と同じ・・・。運動(ズンバ)し過ぎ?でひざの不調。気がかりな子供(40過ぎ)の行動、体調?。

そこにコロナで仲良しさんたちとの楽しみも断たれてダウン!。

"頑張れ”は禁句らしく、ただ傍で見守ってでは・・・。それにしても薬で治せる?、気がかりのこの頃ですが私の方はそれなり。。

コロナに対する政府や社会の対応を見ているとこれはダラダラの長丁場、ワクチンと処方薬の完成普及まで続くのでしょう。

それが民主主義の宿命?、25:50:25の論理!"私は私”の人の人権も!!、だからこそ50の人達への、対局の25の人の説得力ある働きかけが民主主義の神髄だと、今こそお隣中国専制国家の人達へのメッセージとなるのかも?。

私はコロナ後の行動再開(熊野北奥掛け3回目、恭仁京から紫香楽宮 野宿旅)に備えてトレーニング!、残された時間に限りがあります。

12月26日(土)雪曇り

12月から冬季対応と競歩?は止めていましたがスキーは雪が十分でなく、スケートは屋外リンクの貧弱?いまだオープンせずで体調が・・・。

そこで三角山往復3時間20,000歩を、時間は10時近くですが急遽。登山靴では市街地で滑るので長靴、冬服装?、簡易アイゼン、飴玉、飲料、防寒インナーで。

 正面三角山。

 高架上に電車。

 途中から一瞬ので冬景色!

 登山者?周りの施設来園者?

 ①③④⑥⑦頂上。

 冬はこれから!

 ナナカマドに雪

 帰宅、わが家の風除室に。

さて、コロナを抑え込んだ?習近平の自信?を、誰も手を付けられなくなった?。

最悪を考えないと(その最悪へと向かっています)!あらゆる分野の指導的立場の人達、想定外では国民への責任を果たせないかと。経済より優先して今やる事を、今やれる事ではありません!!

 

その中国で起きていることをコラムで拾いました。

日経ビジネス2018年9月24日号目次 2018年9月19日(水)

中国民営企業受難の映し絵かアリババ集団の馬雲氏が引退表明

中国の電子商取引最大手、アリババ集団の馬雲(ジャック・マー)会長が来年秋に会長職から退くことを決めた。創業から20年を迎える節目の年に思い入れの深い教育界に戻るという。もっとも、馬氏引退を民営企業受難の映し絵と受け止める見方もある。どういうことか。

「私は教育に戻るつもりだ」。中国の電子商取引最大手、アリババ集団の創業者、馬雲(ジャック・マー)会長が従業員に向けた手紙の中でこう述べて、1年後の2019年9月に会長職を退くと表明した。1999年にアリババを創業する前は英語教師をしていたことがある馬氏。64年生まれの54歳とまだ若いが、10年前から引退時期を探っていたという。創業から20年を迎える節目の年に、思い入れの深い教育の世界に戻るというのは馬氏らしい選択かもしれない。

周到に練られたように見える引退計画だが、その一方で、中国共産党との関係悪化を指摘する声もある。

内部から引退を促す意見も「共産党幹部との関係が悪く、内部でも馬氏に退いてもらう意見が出ていた」。アリババの内部事情に詳しい関係者はこう話す。

スピーチの名手である馬氏は国内外で講演する機会も多く、就任前のトランプ米大統領と会談するなど、発言力は強まる一方。香港の英字紙を買収したり、起業家育成の大学を作ったりと、自らの経営理念や哲学を伝える場も持っている。事業面でも、中国人の生活に欠かせないものとなったオンライン決済基盤の「支付宝(アリペイ)」を作り上げ、個人の信用度をスコア化する「芝麻信用(ジーマ信用)」といった仕組みを提供するなど、アリババはもはや「国」の機能を肩代わりする存在だ。

そんな影響力を増す馬氏を党は見過ごせなくなり、引導を渡した、というのだ。英字紙での現政権批判や自らが設立した起業家育成大学の教育内容が党の考えと合致しなかったことが、引退の引き金になったとの見方もある。

党との微妙な関係がささやかれるのはアリババだけではない。折しも中国のデジタル経済をけん引してきた民営ネット企業が苦境に立たされている。

2018年4〜6月期に稼ぎ頭のスマートフォン向けゲームの収入が落ち込み、約13年ぶりの減益となったネット大手の騰訊控股(テンセント)に対しては、政府が追い打ちをかけるかのようにゲームの規制を強化。アリババに次ぐネット通販2位の京東集団の劉強東CEO(最高経営責任者)に至っては滞在先の米国で性的暴行の疑いで現地の警察に拘束された。すぐに釈放されたが中国ではハニートラップに引っかかったとの説も流れる。

もともと中国は民営企業が育ちにくい環境にある。党と一体となった国有企業が経済の主要な地位を占めるからだ。そんな国有企業を出し抜いて、新しい産業や市場を民営企業が作り出してきた面は確かにある。さりとて必要以上に民営企業が力を持つことは許されない。習近平政権になってその風潮は一段と強まっているとされる。民営ネット企業が受難の時を迎えたのも、当然の帰結なのかもしれない。

日本企業も無縁ではいられない。10月にも予定される安倍晋三首相の訪中で、日中企業の協力案件が増えることが予想されるが、ある日系企業幹部は「日本側はできるだけ目立たぬように振る舞った方がいい」と話す。民営企業以上に外資系企業は目の敵にされやすいからだ。企業への統制力を強める習政権。企業を取り巻く環境が変わりつつあることだけは念頭に置いた方がよさそうだ。

(上海支局 小平 和良、北西 厚一)日経ビジネス2018年9月24日号 13ページより

 

ダイヤモンドオンライン 2018.11.28 The Wall Street Journal発

アリババ馬氏は「共産党員」、衝撃的な公表なぜ?

中国で最も有名な資本主義者は共産党員だった。

中国共産党機関紙の人民日報は26日、中国経済の近代化に貢献したとする表彰者の一覧を掲載。その中で、電子商取引大手アリババ集団の創業者、馬雲(ジャック・マー)氏を共産党員と紹介した。

マー氏が共産党員であるとのニュースは、同氏やアリババに関する書籍の執筆者を含め、多くの人に驚きを持って受け止められている。

ビジネスコンサルタントで、マー氏のアリババ創業に関する著作もあるダンカン・クラーク氏は「これまでにもそういった臆測はあったが、何も公にされていなかった」と話す。「マー氏が共産党員であることに触れたことはなかった。彼の野心や海外向けの顔といった面を踏まえると、それを曖昧にしておくことが最善だという感触があった」

実際、マー氏は当局としばしば距離を置いてきた。2015年のダボス会議(世界経済フォーラム年次総会)の合間に行ったインタビューで、中国政府との対応に関して、社員にこうアドバイスしている。「愛せよ、だが結婚はするな」

アナリストの間では、共産党の信頼を高めることを狙った宣伝活動の一環として、マー氏が党員だと明らかにされたとの見方も出ている。中国当局はアリババのような民間企業よりも、国有企業を優遇するとかねてから考えられているためだ。

マーブリッジ・コンサルティング(北京)のマネジングディレクター、マーク・ナトキン氏は、共産党は影響力拡大を狙った取り組みを強化しており、マー氏が共産党員とのニュースも、こうしたタイミングに重なると指摘する。

ナトキン氏は「共産党は経済界のあらゆるところで、支配と影響力を強めようとしている」とし、「市場での円滑な事業運営を継続するのと引き替えに、政府から共産党バッジを身につけるよう圧力が強まるだろう」と述べる。

マー氏が9月、1年後にアリババの会長職から退くと発表した際には、共産党から引退を強要されたとの臆測が浮上。マー氏はその後、こうした見方を公の場で否定している。

前出のクラーク氏は、共産党は習近平国家主席の下で、その卓越した役割をあらためて確立しようと狙っており、人民日報がマー氏は共産党員と伝えたことは「時代を物語るものだ」と指摘する。

「習氏の下では『共産党が第一』だ」とし、「ジャック(マー氏)はもちろん、必要なときに、求められていることを話す術を心得ている」と述べた。

共和党員は党の利益を最優先することを義務づけられており、マー氏が共産党の命令とアリババ株主の利益との間で選択を余儀なくされるようなケースが生じた場合、どうなるのかといった疑問が生じる。

アリババの広報担当はこれに対し、「政治的な所属が会社の決定プロセスに影響を及ぼすことはない」と答えた。広報担当者は、マー氏がどのくらいの期間、共産党員なのかについては答えることができなかった。アリババが2014年に上場する際の目論見書では、マー氏が共産党員だとは記されていない。

 

日経ビジネスオンライン 2017年12月22日(金)何 徳旭 中国社会科学院リポート

中国でネット金融が急速に成長した理由

中国金融の新たなビジネスモデルを概観する

アリババ創業者のジャック・マー氏は、「中国の金融システム、とりわけ銀行業で、20%の大顧客にサービスを提供し、80%の収益を上げており、80%の人々は良い金融サービスを受けることができていない」と指摘しています。そして、インターネットといった新たな技術によって、80%の人々に良い金融サービスを提供し、結果として中国経済の潜在能力が発揮されるようになると付け加えています。

中国のインターネット金融における問題点

急成長する中国のインターネット金融は、すでに大きな影響力を有する規模に成長しており、経済と社会の隅々にまで浸透している。しかし、中国のインターネット金融には、次のような無視できない問題点が存在する。

①インターネット金融には隠れた大きなリスクがある。多くの非伝統的金融機関がインターネット金融に乗り出し、リスクコントロール能力が欠如した状態で貸借業務を展開している。厳しい規制と監督が講じられていないことから、ビジネスに失敗した経営者が失踪するといった問題が頻発している。特にP2P貸借にはこのようなリスクが多く存在している。またインターネット金融の大手企業の形成とともに、「大きすぎて潰せない」ことがシステミック・リスクを誘発する可能性を高める。また、情報の漏洩と濫用により、ユーザーの資金も大きなリスクに晒されている。さらに科学技術の利用は、大きなオペレーショナルリスクをもたらす。インターネット金融はサイバー攻撃に見舞われやすく、システムの一時運用停止を引き起こしかねない。また、さまざまなウイルスや不正サイトにより、インターネット金融の取引主体も巨額の損失を被ることになりかねない。インターネット金融は、ユーザー数が膨大で、資金規模も大きく取引スピードが速いため、リスクが顕在化すれば被害の拡散スピードも速く、影響も大きくなるだろう。

②インターネット金融に対する規制は、市場の発展に遅れている。インターネット金融のイノベーションは急速に進み、新商品や新ビジネスが続出している。しかし、規制の整備は相対的に遅れており、インターネット金融の発展に追い付いていない。第三者決済、P2P貸借やクラウドファンディングなどに対する効果的な規制手段が欠けている。規制や法令が不十分であることは不正な投機活動の温床となっている。既存の業種別のライセンスでは新しい金融ビジネスの形態を十分にカバーできない。つまるところ規制当局はインターネット金融を厳しく管理できていない。

③データの非共有は、インターネット金融のイノベーション効率とクレジットレーティングシステムの構築を制約する。インターネット金融が従来の金融機関よりも低い取引コストを実現できる要因の一つは、ビッグデータを活用していることにある。顧客データから掘り起こした顧客情報は、金融商品の創出を促し、販売効率を高める。顧客データから抽出したクレジットデータは、担保の必要性を減らし、貸付審査の効率を高める。しかし、現在は、顧客のビッグデータを保有するインターネット企業が、自己保全と自身の利益確保を目的に、関連情報をほかの機関と共有していない。また金融機関や政府部門の持つ付加価値の高いデータは、社会一般に公開されていない。これは、インターネット金融のイノベーションの効率を制約し、個人信用調査の結果にも不備をもたらしている。

 

日経ビジネスオンライン 2018年11月27日(火) 西村友作の「隣人の素顔」~リアル・チャイナ

中国で信用調査機関結ぶ「スーパーハブ」が誕生

アリババの「芝麻信用」に未来はあるか?

「信用」は現代経済の基礎を担っており、市場経済はまさしく信用経済である。中国政府は「社会全体を網羅する信用システムが未熟」と存在する問題を認識し、国家を挙げて社会信用システムの構築に取り組んでいる。

現在、中国政府による社会信用システムの構築は、2014年6月27日に国務院より発表された「社会信用システム建設計画要綱(2014-2020年)」(以下「要綱」)に則って推し進められている。

「要綱」によると、「2020年までに、社会信用に関する基礎的法律法規および基準体系を整備し、信用情報リソースの共有を基礎とする社会全体の信用調査システムの基礎を構築する。監督管理体制、信用サービス市場の健全化をはかり、違約時の懲罰や遵守時の奨励策を全面的に機能させる」ことを目標としており、重点分野として「政務」、「商務」、「社会」、「司法」が挙げられている。

中国における社会信用システムの構築は、中央銀行である中国人民銀行が中心となって進められてきた。03年11月に「信用貸付業の管理、社会信用システムの構築推進」を職責とする「中国人民銀行征信管理局」が発足。その後、企業及び個人の信用情報基礎データベースの運用を開始した。13年3月に「征信業管理条例」が施行され、中国人民銀行が信用調査機関に対する監督管理の職責を負うこととなった。

「要綱」が発表された14年6月、企業の信用調査を業務とする26の機関が、人民銀行から「第三者企業信用調査許可証」を初めて取得した。しかし、個人の信用調査業務の開放に対しては慎重な態度をとっており、まずは試験的に実施することとなった。

15年1月、人民銀行は『個人信用調査業務の準備作業に関する通知』を発表、「芝麻信用管理有限公司」、「騰訊征信有限公司」、「鵬元征信有限公司」、「中誠信征信有限公司」、「中智誠征信有限公司」「北京華道征信有限公司」など8社に対し、個人の信用調査業務の準備を始めるよう求めた。

その後、各社とも独自の信用調査業務を展開。中でも、アリババグループ傘下の金融サービス会社アント・フィナンシャルの「芝麻(ゴマ)信用」は、すでに中国人にとって身近なサービスとしてよく使われるようになっている。

信用をスコア化し、急速に発展

ゴマ信用とは、アリペイなど自身が提供する金融サービスの使用状況、信用記録のほかに、学歴や職歴、資産状況や交友関係などの情報をもとに信用スコアを算出。高得点のユーザーは様々な特典を受けることができるというサービスである。

個人情報や信用履歴などのビッグデータを基に算出された信用スコアは、すでに多くのサービスに幅広く使われるようになっている。例えば、信用スコアが一定基準を超えると、借家やホテル、レンタカー、シェア自転車などのデポジットが不要になったり、消費者金融でお金が借りやすくなったりする。

高い信用スコアがあれば海外旅行の際にも恩恵を受けることができる。一般に中国人がビザを取得するにはその国の在中大使館・領事館にいって手続きをする。しかし、ゴマ信用で高スコアを有するユーザーは、一部の国のビザ申請を、専用アプリを使ってネット上で行うことができるようになっている。例えば、シンガポールの場合は信用スコア700点以上であれば、資産証明や在職証明、戸籍証明といった煩雑な書類は必要ない。ルクセンブルグは750点以上で申請可能だ。

特典の効果もあり、信用スコアを高めるためにアリペイや余額宝、ホワベイといったアント・フィナンシャルが提供する様々な金融商品を積極的に利用する若者が増えている(詳細は過去記事「中国モバイル事情 決済を制する者が市場を制す」を参照)。

ゴマ信用は急速に発展しており、「生態系の拡大はしばらく止まりそうにない」(日本経済新聞10月30日付)との楽観的な見方があるが、先行きの不確実性も高まっている。

ゴマ信用を含む8社はこれまで試験的に個人信用調査業務を行ってきた。正式ライセンスの提供がないまま3年が過ぎた2018年2月、新たに「個人信用調査許可証」が人民銀行より正式に公布された。ただし、ライセンス1号となったのはこれら8社の試行企業ではなく、「百行征信有限公司(バイハンクレジット)」という新しい会社だった。

バイハンクレジットの資本金は10億元(約160億円)。筆頭株主は36%の株式を保有する中国インターネット金融協会となっている。この協会は「インターネット金融の健全な発展促進に関する指導意見」に基づき、人民銀行と国家の関連組織によって設立した中国政府系の業界団体である。

バイハンクレジットは別名「信聯」と呼ばれている。銀行カードによる決済ネットワークの「銀聯」、アリペイやウィーチャットペイなど第三者決済サービスと銀行をつなぐネットワークの「網聯」とともに、中国人民銀行が主導する金融ネットワークの一部を担うこととなる。信聯には中国人民銀行征信センターがカバーできていない層の国民の信用情報調査が期待されている。

個人の信用調査業務に関しては民間企業ではなく、中央銀行が主導する信聯という手法を採用した背景にあるのが、この8社の実態と国家の方針に大きな隔たりがあったからだと考えられる。

芝麻信用の画面。筆者の信用スコアは687点で「信用優秀」にランクされている。

 

前述の「要綱」の目標に「信用情報リソースの共有を基礎とする社会全体の信用調査システムを構築する」と明記してある。また、「要綱」の本文中でも「交換」、「共有」という言葉が数多く出てくる。

一方、民間企業は自社のサービスで囲い込んだユーザーから得た様々な情報をベースに独自のビジネスモデルを構築し発展を遂げてきた。このデータエコノミーの時代において、顧客の信用データは自社の発展に欠かせない極めて重要な資産といえ、簡単に第三者に渡すわけにはいかない。つまり、民間企業による信用情報の囲い込みは、中国政府が目指す「共有」と相反する。このような中、信用調査機関間の「スーパーハブ」となる信聯が誕生したのである。

民間のノウハウと情報を集約する可能性

バイハンクレジットは中国インターネット金融協会が36%の株式を保有し筆頭株主となっているが、残りの64%の株式は試行企業8社がそれぞれ8%ずつ保有している。つまり、中国政府系の中国インターネット金融協会を中心に、3年間テストを行ってきた8社が集結した構図となっている。

バイハンクレジットは今年深センで登記を済ませ、10月にシステムの雛形が完成し試運転を開始したばかり。具体的な業務などの全容は依然として不明なままである。実際に、最初のテストケースとして選ばれた企業は、消費者金融、自動車ローン、一部の民営銀行といった小規模の範囲にとどまっている。

しかし、その方向性は監督を担う人民銀行の高官が明らかにしている。

5月26日に開催された「第14回中国信用4.16ハイレベルフォーラム」上において、万存知・中国人民銀行征信管理局長は、「事前に個人調査業務を準備してきた8社は、今後単独で信用調査業務に従事することはなく、それらの信用調査機能の一部は切り離されバイハンクレジットに整理統合される。その他の業務はデータサービス業として存続していくこととなる」と述べた。

つまり、8社の民間企業がこれまで3年かけて積み上げてきた信用調査業務のノウハウや個人情報、今後アリババやテンセントなどのサービスを利用した際に残る個人情報などもすべてバイハンクレジットに集約される可能性が出てきた。信聯の誕生により、個人の信用情報もすべて一部の企業や政府機関で「共有」する時代が到来するかもしれない。

 

YahooNews 2020/11/19(木) 6:01配信 Jbpress 福島 香織:ジャーナリスト

相次ぐ受難、習近平の標的にされる中国の起業家たち

中国で企業家に愛国、報国を求める動きが強まり、中国共産党に批判的な企業家に対しては圧力が強まっている。 

起業家に牙をむく中国政府  河北大午農牧集団を創業した中国の著名な農民企業家、孫大午が11月11日未明、突然警察に連行され逮捕された。この事件より1週間ほど前の11月3日には、カリスマ経営者の馬雲(ジャック・マー)が作り上げたアリババ帝国を揺るがす、金融子会社アント・グループ(旧アントフィナンシャル)上場取り消し事件があった。さらに11月17日には南京のIT企業・福中集団の会長、楊宗義が連行された。  この2年、中国では企業家、実業家たちが次々と逮捕されたり失脚させられたり、あるいは不当な圧力を受けたりしている。民営企業の資産接収も相次いでいる。一体これはどういうわけなのか。 ■ 「違法な資本収集」の疑いで連行された楊宗義  江蘇省揚州市公安当局が11月17日に発表したところによると、民間から「江蘇福信財富資産管理有限公司が違法に資本収集した」という通報を受けて、オーナーの楊宗義を違法公衆資金預金横領の容疑で刑事強制措置として連行した。捜査によると、福信公司は高額のリターンがあると喧伝して大衆から資金を違法に収集していた疑いがあるという。  楊宗義は「南京最初の富豪」とも呼ばれた実業家で、南京市商会の副会長や南京市の政治協商委員も務めていた。幼いころ父親を亡くし、生活苦の中で南京大学化学部を卒業。空港で偶然出会ったシンガポール企業の社長に、流暢な英語能力を気に入られて雇用され、南京市のパソコン市場開拓の仕事を任された。そこで経験を積んだあと、1995年のITバブルの兆しに目をつけ、20平方メートルに満たない事務所を借りて裸一貫でパソコン企業・福中電脳を立ち上げた。それが25年後、保有資産40億元の福中集団(元南京福中情報産業集団)に成長した。楊宗義は慈善事業家としても知られており、財界誌フォーブスの慈善家番付にもしばしば登場していた。

だが今年(2020年)1月に、福中集団四川有限公司は、同社のビジネストラブルを仲裁した地元の成都市成華区人民法院から指導を受ける。そして5月になっても法院が指導した改善が見られないことから、「消費制限」裁決を受けることになり、その成功物語に陰りがさしていた。消費制限令を受けると、生活や仕事に必要ない高額の消費、例えばラグジュアリーホテルの使用や飛行機のファーストクラス利用などが制限される。そもそも裁判所からこの処分を受けること自体が、いわゆる「信用スコア」の大きな減点になり、さまざまなリスクを負うことになる。  福中集団は「狼文化企業」(いわゆるブラック企業)と呼ばれており、社員の間に不満があったともいわれている。楊宗義自身が「春節休みの4日以外、1年中毎日、決まった時間に出勤する」というモーレツ社長で、誰も社長に逆らえない状況だったとされ。その意味では敵の多い人物であったともいえる。  だが、今回、楊宗義が連行された理由が、本当に経済犯罪のみといえるかどうかは微妙だ。というのも、ほんの数日前に別の民営企業家も逮捕されているからだ。 ■ 習近平体制に批判的だった孫大午  前述したように11月11日、河北大午農牧集団の創業者である孫大午が家族や企業幹部らとともに突然連行され、企業資産が当局に接収された。孫大午は地元では人望があったので、ネット上で現代版「地主狩り」「土豪狩り」などとささやかれた。  孫大午は退役後の1984年に、兵役時代の農牧経験をもとに鶏1000羽、豚50頭の農場からスタートして1995年には中国500強民営企業にまで事業を拡大したカリスマ経営者だ。今や大午集団の従業員は9000人以上、固定資産は20億元、年平均生産額は20億元超えという超優良企業である。  そうした実績をもとに、孫大午は、国家の庇護のもとに胡坐をかいた国営農場や国有企業の在り方や共産党の経済政策について、しばしば厳しい意見を発表していた。  例えば2003年4月31日、同社のサイトで「小康社会の建設と課題」「李慎之を悼む」「2人の民間商人の中国の時局と歴史に関する対話」といった3つの文章を発表した。ところが、地元公安局から「国家機関のイメージを著しく損なった」として、サイトの閉鎖を命じられ、6カ月の営業停止と罰金15000元が課されてしまう。

さらにその年の5月29日に、孫大午は3000人の農民から1億8000万元の資金を違法に集めたとして逮捕され、同時に違法に弾薬を所持していたなどとされた。結局、孫大午は懲役3年、執行猶予4年、罰金10万元の刑を受け、また大午集団としても30万元の罰金を支払わされた。  この時、孫大午を弁護した法律家の中には、新公民権運動の旗手として知られ、のちに国家政権転覆煽動罪で逮捕され実刑判決を受けた法学者、許志永もいた。ちなみに4年の刑期を終えて出所していた許志永は今年2月、習近平退陣論を発表したため、再度身柄を拘束されている。  今年5月、孫大午はSNSで、許志永ら失踪中の(実は当局に拘束されている)人権派弁護士や法律家らについて、関心を持ち続けるように訴えていた。10月には米国の政府系メディア、ラジオ・フリーアジアに、「公有制度は共産党が発明したものであり、社会主義経済の基礎は本来私有経済であるべきだ」といった発言を掲載し、公有経済回帰の政策を打ち出す習近平体制に批判的な態度を示していた。  逮捕の直接的な原因については深く説明されていないが、8月に大午集団の建物を近くの国有農場が強制収用しようとして、従業員と警察がもみ合いとなり、20人以上が負傷する事件があった。大午集団側は、当局の対応への抗議を発表していた。こうした一連の行為が「挑発罪」などに当たる、と見られたのかもしれない。 ■ 馬雲の発言が習近平の癇に障ったか?   孫大午が逮捕される前の11月3日には、5日に予定されていた中国最大手Eコマース企業アリババ傘下のフィンテック企業アント・グループの上海・香港同時上場が急遽取りやめになるという事件が起きた。アントの上場は中国証券市場最大級IPOと注目されていた。  この上場急遽取りやめも、孫大午の逮捕と全く無関係ではない、という見方がある。  11月1日にアリババ創始者の馬雲(ジャック・マー)と企業幹部が中国金融当局に呼び出されて、「面談」した結果、3日に上場取りやめが発表された。この上場取りやめは習近平自らの命令によるものだったと一部で報じられている。

上場取りやめの理由については、アントの目玉商品である「花唄」「借唄」といった個人・個人経営者向けクレジットローンや消費者金融が、本質は銀行の発行するクレジットカードやローンと同じなのに、民営フィンテックであるがゆえに規制の網をくぐり抜けていたこと、こうした民営企業も対象にした少額ローンに関する法規が間もなく出されることなどが背景にあったと思われる。だが、それ以上にささやかれているのが、馬雲が10月24日に上海で行われた外灘金融サミットで、中国内外の規制がイノベーションを阻害し発展や若者の機会を大切にしていないことを批判した発言が習近平の癇(かん)に障ったのではないか、という理由だ。  7月には、明天系の金融・保険企業9社の資産が「経営リスクがある」として当局に接収された。明天系と呼ばれるトゥモロー・ホールディングス創業者は、香港の高級ホテルから北京当局に拉致されていまだに行方不明扱いの大富豪、蕭建華が創業者だ。彼の失踪(実は北京で拘束されている)が経営リスクを招いたという意味では、大企業の富が、体制の罠によって奪われたという言い方もできなくはない。  また9月には、民営企業ではないが上海光明乳業が「国家の尊厳と利益を損なった」として30万元の罰金が科された。同社の広告に、中国の南シナ海領有を示す九段線が描かれていなかったことが原因だった。 ■ 企業に「愛国・救国」を求める習近平  こういう企業、実業家たちの受難の真の理由は、習近平が最近、実業界、経済界に対して打ち出したイデオロギーが大きく関与していると私はみている。  習近平は11月12日に江蘇省を視察に訪れた際、南通博物苑を訪れ、清末の実業家・張謇の展示を参観。張謇を中国民営企業家の先賢と模範にするように、との談話を発表している。張謇が創設した中国初の民間博物館、南通博物苑を愛国主義教育基地とし、多くの青少年が張謇に学び、習近平が掲げる4つの自信(社会主義への道、制度、理論、文化に対する自信)を固めるようにと訴えた。  習近平が張謇に言及するのは今年で2度目だ。1回目は7月21日に行われた企業座談会である。習近平は5人の愛国企業家模範に言及し、その中の1人が張謇だった。  張謇は1894年、42歳で科挙の状元(最終試験で1位の成績を修めた者)となり、清朝最後の皇帝・宣統帝の退位詔書を起草、民国臨時政府樹立後は実業総長となった。実業家として、最初期の民族軽工業を起こし、日本の博物館制度や教育制度に影響を受けて博物館や学校をつくるなど、国近代化の先駆者と呼ばれている。同時に「実業救国」を掲げた愛国主義者であり、袁世凱が壬午事変にどう対処すべきかを張謇に訊ねると、「朝鮮前後六策」を出して、李氏朝鮮を併合して中国領土とし、日本を攻撃して琉球(沖縄)を奪取すべし、と助言した。

習近平が張謇を取り上げて民営企業家に伝えたかったのは、「実業」と「愛国・救国」はセットでなければならない、ということだろう。つまり実業家たちに求めることは経営手腕のみならず、富国強兵のために国と党への献身だ。  企業運営チェーンには国境がないが、企業に祖国はある。祖国に対する崇高な使命感と強烈な責任感があるかどうかが企業家に最も求められることであり、言外に「民営企業が儲けた金は国家と党のために使え」「党と国家に批判的な企業はいつ取り潰されるとも限らない」ということを示しているのではないか。  習近平のこうした企業家に対するイデオロギーチェックは、2年前の民営企業座談会で「企業家精神を掲揚し、愛国敬業をなし、法を守って経営し、創業イノベーションを行い、社会に報いる模範たれ」と演説をぶって以来、顕著となった。 ■ 民営企業は「改革開放牧場」の牛や羊なのか  愛国・愛党を理由に民営資本を弾圧するやり方は、かつて毛沢東が地主やブルジョアや知識層を弾圧した歴史に通ずるものがある。  地主や土豪、知識人たちを階級の敵として、「土地や富を奪い弾圧してもよい」というシグナルを共産党トップが出すことで、政治や社会に不満を抱える庶民の攻撃の矛先が「ブルジョア・金持ち」たちに向かい、社会主義体制への批判がそがれるということを、習近平は毛沢東に学んだのかもしれない。  また、民営企業家の多くは裸一貫から大企業家になったカリスマが多く、馬雲のように国際社会からも支持されていたりする。習近平と比較しても指導者としての資質が高い。自分の長期独裁政権確立の障害となりそうな有能な政治家を、反腐敗キャンペーンの名目で排除してきた習近平にとって、カリスマ経営者は自分の無能さを際立たせる脅威の存在に思えるかもしれない。  10月の第五回中央委員会総会(五中全会)で習近平政権は、国際環境の変化に対応して、経済政策の柱として「大内循環、双循環」を打ち出した。この考え方の根幹は、“共産党がコントロールできる経済”である。今後も中国市場が西側自由主義市場からデカップリング(切り離し)される流れは止まらず、中国は自力更生、計画経済のスローガンに象徴される毛沢東路線回帰に寄っていきそうだ。  中国のカリスマ民営企業家たちは、鄧小平の改革開放路線の一種の産物だ。中国経済のグローバル化の中で資金とチャンスを得て、共産党とも利益供与関係を結ぶことで、限定的な自由市場を手に入れて成長してきた。だがこの自由市場は、所詮、共産党が作ったが企業家の放牧場のようなものだ。共産党にしてみれば、牛や羊を肥え太らせ、ミルクや羊毛を収穫するように、企業家を育てていたに過ぎない。そこから利益を得て中国を世界第2の経済体にのし上げた。  だが、習近平政権は、この大きくなりすぎた「改革開放牧場」をより厳密にコントロールするために、牛や羊を間引く作業に出始めた。大きく、従順でない企業から屠(ほふ)れば、その他の企業は大人しく党に従順になろう。だが、そのような党に従順で大人しい企業、あるいは企業家に中国経済を牽引していくパワーがあるのかどうか。その答えは、たぶんこの数年で現れてこよう。

 

Jbpress 2020.11.19 国際 The Economist 英エコノミスト誌 2020年11月14日号

起業家に牙をむく中国政府

アント上場延期はほんの序章、民間企業が新たな障害に直面

 

突然IPOが延期されたアントグループの本社(10月29日撮影、写真:ロイター/アフロ)

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中国の民間企業の行く手に、恐ろしいほどの障害が立ちはだかっている。

2018年の後半に開かれた中国で最も裕福な起業家たちとの会合で、習近平国家主席は、国家が自国の民間セクターに宣戦布告したのではないかとの懸念を和らげようとした。

それまでの1年間に、北京の官僚たちが扱いにくい企業経営者を次々に屈服させていたにもかかわらず、国家主席は、民間セクターで党の影響力を無理やり拡大しているとの噂は間違いだと断言。

「定心丸を飲みなさい(安心しなさいの意)」と熱心に説いた。

この薬をそのまま飲み込むのは難しい。この会合以降、中国共産党は企業の人材採用や経営判断に、より積極的に関与しようとしている。

そして国家は、事業を拡張しすぎた金融コングロマリット(複合企業)の強情な経営者たちを制圧した後、その矛先を国内のハイテク企業の億万長者たちに向け、あからさまに党を批判するなら容赦しないという姿勢を明確にしている。

習氏はかねて、中国の社会・金融の安定を維持することを最大の関心事としている。

大企業にタガをはめておくこともその計画の一環だ。国が今、急拡大を成し遂げるハイテク企業に全神経を集中しているとしても、特段不思議なことではない。

中国の市場時価総額上位20社のうちハイテク企業は6社を占めているうえ、そのサービスの利用者は数十億人に達しており、ほとんどの市民の生活と財布に関係しているからだ。

土壇場で延期された大型IPO

そうしたハイテク業界の報いは、中国最大のフィンテック事業グループへの警告のようなものから始まった。

11月5日に予定されていた370億ドル規模のアント・フィナンシャルのIPO(新規株式公開)が、実行まであと48時間足らずというタイミングで規制当局により延期されたのだ。

当初は、中国の国有銀行を以前批判した創業者の馬雲(ジャック・マー)氏への警告だとしか解釈されなかった。

ところが11月10日、ハイテク企業を対象とする大部の新ルールの草案が発表され、中国政府がアントだけでなく中国のハイテク業界を丸ごと屈服させようと企んでいることが明らかになった。

習氏と国内の大物経営者との関係は、ずっと前から荒れ模様だった。

習氏が2013年に国家主席に就任した時、引き継いだ企業システムはつぎはぎだらけの規制や積み上がる一方の債務、そして不正行為にまみれていた。

習氏はもっぱら政府幹部を標的にした反汚職キャンペーンに成功すると、外国での高リスクな投資案件に巨額の資金を投じていたビジネスマンのグループに矛先を向けた。

そうした投資には、米国のアミューズメント・パーク運営会社シーワールドや、ニューヨークの高級ホテル「ウォルドーフ・アストリア」が含まれていた。

政府当局者らは、こうした事業買収の多くは資金を中国国外に持ち出す手段である、魂胆が見え見えだ、と述べていた。

憂き目に遭う実業家

我こそは中国のウォーレン・バフェットなりとうぬぼれていたビジネスマンたちのなかには、刑務所に送られたり、もっとひどい目に遭ったりした人が大勢いる。

ウォルドーフ・アストリアをはじめ、様々な資産を購入した安邦保険集団の呉小暉会長は2018年、金融犯罪に手を染めたとして18年間の懲役刑を言い渡された。

ロシアの石油会社ロスネフチの株式を90億ドル相当分購入しようと試みた葉簡明氏は、2018年の前半に身柄を拘束された。消息はいまだに不明だ。

かつて包商銀行を支配し、中国の政治エリートを相手に証券業を営んでいた肖建華氏は2017年、香港のフォー・シーズンズ・ホテルにある住まいで中国公安当局に拉致された。

現在は、自分が築いた金融コングロマリットの解体作業で当局に協力していると考えられている。

中国企業によるグローバル投資ブームは、当局の取り締まりによって突然打ち切られた。

2016年には外国でのM&A(企業の合併・買収)が2000億ドルも行われていたが、2019年の実績はこの5分の1にも満たなかった。

また、民間企業は政府の圧力の下、これまでに何百億ドルもの資産を手放してきた。

かつてドイツ銀行やホテル大手ヒルトン・ワールドワイドの株式を大量取得した航空運送会社の海航集団(HNAグループ)は、ここ数年間で200億ドル超の資産を売却している。

安邦保険集団は国有化され、ウォルドーフ・アストリアは中国財務省の所有物になった。包商銀行は国に接収され、今年8月に破産申請を許可された。中国の企業グループによる欧州サッカーのクラブチームの買収もほぼ途絶えている。

アナリストらは、安邦保険やHNAグループのような企業によるシステミック・リスクが習近平氏の監督下で引き下げられたように見えることを称賛している。

中国国内には、習氏の失敗を敢然と批判する人はほとんどいない。

批判した人々は厳しい仕打ちを受けている。中国共産党の古参党員で、国有不動産会社の経営者だったこともある任志強氏は今年の初め、複数の友人に送った書簡のなかで習近平氏を「裸の道化師」と呼んだ。

すると今年9月、汚職と横領を働いたとして懲役18年の判決を言い渡された。

中国共産党は民間企業への影響力を高めるために、もっと手の込んだやり方も駆使している。

「党建工作」と呼ばれる戦略の下、企業の経営判断が政府の方針に沿っているか否かについて意見できる党委員会を社内に設置するよう求めているのだ。

民間が支配している上場企業では、この党委員会の設置数はまだ少ない。

コンサルティング会社プレナムが中国の上場企業1378社を対象に実施した調査によれば、このうちの61%が民間支配の企業で、定款に党建工作の条項がある企業はその11.5%に過ぎない。

これに対し、国有企業の間では同条項が90%の企業にあるという。

「パーティー」への誘い

しかし、このような委員会はこれから増えていくように見える。

習氏は9月、民間セクターに「党の周りで団結」するよう求めた。その翌日には、共産党に支配されている強力な組織、中華全国工商業連合会の葉青副主席がより詳細な要求のリストを提示した。

このなかで葉氏は民間企業グループに対し、党主導の人事部門と、管理職の聴取を党に認める監視部門を設置することを求めている。

すべての企業がこの影響を等しく受けるわけではないかもしれない。

「大企業の場合は、話し合いも何もない。党から持ちかけられたら、ハイとうなずくだけだ」。中国の民間企業と国営企業の両方で取締役を務めた経験を持つ経営コンサルタント、ジョー・チャン氏はこう語る。

ただ、大企業ほど目立たず経済的にも重要でないほとんどの中小企業では、意思決定に対する国家の影響力よりも利益の方が重要になることから、党の支部はほとんど機械的に承認する組織になるだけだと同氏は話している。

また、党の影響力は必ずしも歓迎されないわけでもない。

党委員会を設置しているある企業の幹部は、党指導部の思考に近づいていくことで、「それに従った企業経営が可能になる」と述べている。

国家と衝突する可能性を排除できるのだ。

シンクタンクのピーターソン国際経済研究所(PIIE)のホアン・ティアンリー氏は、今のところ、党委員会が企業の利益を損なっていると示唆する証拠はほとんどないと指摘する。

しかし、党の影響力が強まれば、それによって妨げられる企業活動が出てくる恐れもある。

「イノベーションが抑制されるかもしれない。官僚的形式主義がさらに顕在化することもありうる。利益志向の企業が目標達成志向になり、利益を犠牲にすることもありうるだろう」(ホアン氏)。

大量の新規制がもたらす脅威

党委員会が近く、ハイテク企業において、これまでよりも大きな役割を果たすようになる可能性はある。大量の新規制はそれ以上に直接的な脅威をもたらす。

アントは決済・貸付プラットフォームを介して何億もの人々とつながっている。何千億ドルもの資金が貸し付けられたり使われたりするパイプラインをコントロールしているうえに、中国のほかの巨大ハイテク企業と同様に、顧客についての貴重なデータを保有している。

そのような力が民間の手中にあることが、中国共産党と起業家たちとの間に緊張関係をもたらしている。

「これらの資源は厳しく管理しなければならないし、現在の体制のみならず政治指導者個人に対する企業・起業家の政治的忠誠心もしっかり維持する必要がある」

キングス・カレッジ・ロンドンで教壇に立つスン・シン氏はこう指摘する。「アントの一件は、この暗黙のロジックが表に出ただけだ」。

アントのIPO延期の引き金になったのは、少額のオンライン貸付を対象とする新規制の草案だった。

アントにとっては、最大の収入源となっている同社の貸付プラットフォームを狙ったとしか解釈できない内容だ。

馬氏は、10月に行ったスピーチで中国の銀行を「質屋」にたとえたことを後悔するかもしれない。この発言は上級幹部らを激怒させ、アントのIPOの唐突な延期にも寄与したからだ。

しかし、政府が11月10日に独占禁止ルールの強化案を公表したことは馬氏のせいではない。もっとも、馬氏のおかげで公表時期が繰り上がった可能性はある。

影響力を求めて

新しいルールはこれからしばらく検討されるが、導入されればインターネット企業や電子商取引企業に、明示的な独占禁止規定が初めて適用されることになるだろう。

これらの企業群は、中国の独占禁止法の適用を長年免除されているわけではないが、同法によって訴えられたこともない。少数の企業がデジタル経済の大部分を支配できているのはそのためだ。

また今回の新しいルールは、中国のハイテク企業による外国での資本調達を可能にしてきた構造にも狙いを定めている。

外国人投資家から直接出資を受けることが禁じられていたため、資金に飢えたハイテク企業はほぼすべて、外国の資金と中国市場をつなげる変動持分事業体(VIE)という手法を用いてこの規制を20年も前から回避してきた。

具体的には、まず外国人投資家がオフショアで持株会社を設立し、そこに資金を投じる。そしてその持株会社が中国国内の企業と契約を結び、原資産から生じる経済的利益を受け取るようにする仕組みだ。

中国当局はこのVIEの仕組みを長い間黙認してきたが、法的に完全に認めているわけでもない。

そのため外国人投資家は、自分が投資した資産への請求権を中国で主張することが事実上できない。

外国のファンドはこの枠組みに以前から慎重な見方をしてきたが、中国のハイテク企業の大半はいまだに、外国での株式上場に際してこの仕組みを利用している。

新しい独占禁止法が導入されれば、ハイテク企業はVIEの利用に際して認可申請を行うよう求められるかもしれない。

そうなれば、VIEは今後も承認されるのか、外国資本を中国のハイテク企業が受け取ること自体認められるのか、という疑問も浮上する。

国家がVIEに対する暗黙の承認の撤回をちらつかせて企業やその株主を脅すこともあるだろう。

歯に衣着せぬ物言いをする馬氏も、新しいルールが導入されたらおとなしくなるかもしれない。馬氏はこの問題について公の場では何も語っていないが、アントは低姿勢になり、新しい規制を受け入れることに同意している。

習氏は今回、どんなに大きな企業であっても、どんなに大規模なIPOであっても、国家に盾突くことは許されないということを明確にした。

 

ダイヤモンドオンライン 2020.12.24 2:30 山本康正 スタートアップとテクノロジーの世界地図

日本人が知らない、中国における共産党と企業の関係

 photo: Adobe Stock

米国、中国、インド、欧州、東南アジア、そして日本――世界を代表する50社超の新興企業と、その革新を支える「技術」「ビジネスモデル」を網羅した決定版、『スタートアップとテクノロジーの世界地図』。

前回は、ジャック・マーと中国政府との関係悪化により、アント・グループの20兆円とも言われる巨額IPOが中止に追い込まれたことにふれましたが、そもそも中国での共産党と企業の関係はどのようなものなのでしょうか?

共産党が企業を支配するしくみ

2018年、Alibabaのジャック・マー会長が共産党員であるという報道があった。彼の「政府と恋愛するのは良いが結婚はするな」という発言とのギャップの大きさが、中国国内でも話題になった出来事だ。

中国共産党の党員は、2019年末時点で9191万人。総人口の6.5%ほどのエリート集団といえる。しかし、彼らが共産党の思想に賛同して入党したのかというと、必ずしもそうではない。そこに入ることができる者は、成功者というラベルが貼られたようなものだ。そのインセンティブ目当てに、中国共産党の党員になる人は少なくない。

また日本ならば、ある程度の規模の企業であれば経団連に加入すべきとされているのと同様、国を代表する企業人になったのであれば、社会貢献として共産党に入るべきという風潮が中国にはある。

企業トップが共産党員になる理由としては「党委」による企業統治をスムーズに進めるためという側面も大きい。中国では、学校や企業、住民委員会など、あらゆる組織で共産党委員会との二重体制をとることになっている。共産党員が3名以上いる組織は、「党委」と呼ばれる共産党委員会を設置しなければならない。その組織率は国有企業の9割超、民営企業でも5割超ほど。そして「党委」は人事も含めて企業の意思決定を左右する存在になっているため、書記を経営陣が兼ねることが多いのだ。これは当然、巨大化したスタートアップも例外ではない。

このような理由から、中国企業の経営陣が共産党員であることに、過剰反応を示す必要はないと考えられる。

しかしながら、中国において共産党の命令は絶対的なものだ。党がスタートアップ企業に対して持っているデータや情報を国や軍に提出せよと命令されれば、彼らは断ることはできないだろう。中国企業の製品を利用すると、自社のデータが中国で勝手に利用されるのではないか警戒心を抱く企業は少なくない。

お弁当を詰めるロボットアームのようなものであれば、重要なデータが流出することもないだろうから、中国のスタートアップと組むのもよいだろう。しかし、5Gや医療、軍事などセンシティブな領域に関しては、中国企業との付き合い方を慎重に考えていく、というのは、日米安全保障の連携の観点からも当然の判断になるだろう。

 

著者からのメッセージ

「Amazon、金融に進出か?」─Amazonが創業された2000年前後にこのような状況を予想していた人は少ないだろう。その創業20年ほどの企業の時価総額は今や1兆ドル(日本円で100兆円)を超え、創業80年余りのトヨタの25兆円を大きく凌ぐ規模となった。しかも、その影響力は増すばかりだ。

かつて、Googleの会長だったエリック・シュミットはこう語った。「今ガレージで創業を考えているスタートアップが一番怖い」と。次の覇者となる企業はどこから生まれるのだろうか。どの企業も業界の壁を簡単に越えてくる時代だ。世界を大変革させる可能性のあるスタートアップ企業について情報を得ることは、経営層、政策立案者、ビジネスマン、誰にとっても重要性を増している。

筆者は投資家として世界中を飛び回り、さまざまなスタートアップに投資を続けてきたが、日々英語でグローバルなビジネス情報に触れている人にとっては当たり前の大型スタートアップに関する情報が、日本語ではほとんど取り扱われていない、少なくともまとまった形になっていないという状況に大きな懸念を抱いていた。そしてそのギャップは新型コロナによってさらに拡大したように思える。こうした状況を改善するために生まれたのが、『スタートアップとテクノロジーの世界地図』のコンセプトだ。

世界の最先端のビジネスは、優れたビジネスモデルとテクノロジーを掛け合わせたところに生まれる。ビジネスモデル、テクノロジーのどちらか一方だけの理解ではその全体像を把握することはできない。スタートアップを技術的な側面と経営戦略的な側面から分析し、さらに地政学的な情報も付け加えたら、ビジネスの「今」が立ち上がってくるのではないか? 本書ではそんな狙いで、世界各国の注目すべきスタートアップをピックアップした。全てのスタートアップを網羅するのは不可能だが、これから注視しておくべき会社やトレンドを最低限おさえたつもりである。

日本は第2次世界大戦後、焼け野原から復興を果たし、そのころ創業されたベンチャー(今で言うスタートアップ)が高度経済成長の波に乗って大きな発展を遂げた。そしてアメリカに追いつき追い越せと必死で働いて、自動車や、ゲーム、ウォークマン、テレビ、半導体など、さまざまな分野で世界一の座を占めることもできた。今の若い人にとっては信じられないことかもしれないが、「シリコンバレー」の基幹産業だった半導体製造において、日本がアメリカをしのぎ、世界一だった時期があったのだ。

日本の後塵を拝したアメリカは、その際に日本から「カイゼン」をはじめとする経営改革の手法を学んだ。2001年、Googleが最初に設立した海外法人は日本だったことをご存じだろうか? 当時は日本の携帯電話が世界の最先端を走っていた。アメリカの貪欲に学ぶ姿勢が今の勢いにつながっている。

海外で起きていることが必ずしも正解というわけではない。しかし、明らかに日本はいま一度外から学ぶ姿勢を持たなければならない時期にきている。インターネットが発達したことによって、日本にいながらにして日本語で断片的な海外の情報が入手できるようにはなったが、「わかってるふう」な人は多くても、全体を捉えたうえで、その情報を日々更新している人はそう多くはない。

本書が新規事業や、スタートアップでの成功を望む方の一助になれば、筆者にとって望外の喜びである

 

ダイヤモンドオンライン 2020.12.25 4:45 姫田小夏:ジャーナリスト China Report 中国は今

中国政府批判のジャック・マー氏に浮上した、大学設立計画中止の舞台裏

ジャック・マー氏が学長を務める大学分校の設立計画が中止されたという報道が海外であった。中国のメディアは一斉に「デマ」だとしているが、その確証もない。今回の騒動には、中国政府の重要なシグナルが隠されているという。(ジャーナリスト 姫田小夏)

デマか、中国当局によって消された真実なのか

シンガポールの主要日刊紙「聯合早報」は2020年12月16日、「ジャック・マー氏を学長とする湖畔大学の雲南分校の設立プロジェクトが、当局により中止に追い込まれた」と伝えた。プロジェクトの中止を伝えたのはいくつかの海外メディアだけだったが、直後、中国の電子メディアは一斉に、これは「デマ」だとして報道を打ち消した。

しかし、火のない所に煙は立たない。ましてや、一斉に報道をもみ消すこの行為も不自然だ。「プロジェクト停止はデマだ」と掲げる中文記事をクリックしたが、事実を取材する記事は見つからず、記者たちも沈黙を決め込んでいることがうかがえる。中国では「当局によって消された情報こそが真実だ」というケースは多く、今回もこの事例に当てはまる可能性がある。

上海で民営企業を経営するSさんも同じ見方をしていた。アリババ集団傘下の金融会社であるアント・グループの上場延期以来、Sさんはマー氏の身辺の変化を追っていた。そのマー氏が学長を務めるという大学分校の設立計画の中止は、仮にデマだったとしても彼を驚かせるに十分なニュースだった。Sさんはこう語る。

「私はこの中止報道も、中国政府による“重要なシグナル”だと受け止めています」

ちなみに湖畔大学は、2015年にマー氏により浙江省杭州市に設立された、国家教育部の管轄外の大学である。3年以上の起業歴と3000万元(約4.8億円)以上の年収などの条件を満たした者だけが入学できる企業家養成スクールであり、「人材を発掘し、トレーニングを与えること」を使命としているという。

流れを変えたジャック・マー発言

さかのぼること11月5日、電子決済サービスの「アリペイ(支付宝)」を運営するアント・グループは香港・上海に同時上場を予定していた。ところが、その2日前の11月3日、突如として上場延期決定が発表されたことは私たちの記憶にも新しい。

既報の通り、アント・グループ上場延期の背景には、10月24日に行われた「第2回外灘金融サミット」でのマー氏の“問題発言”がある。そこで行われたのは、中国の銀行業をはじめとする金融業界と中国政府に対する痛烈な批判であり、全中国を驚愕させるにも等しいものだった。この金融サミットの一部始終を視聴した前出のSさんも、「これまで多くの要人の演説を視聴してきたが、彼の演説は想像を超えて過激なものだった」と恐れおののく。その“ジャック・マー発言”の一部を以下に紹介しよう。

「国際社会では金融システムの老化が問題になっているが、中国にはそもそも金融システムと呼べるものはない」

「『監督』と『管理』は異なる。政策と公文書も異なる。今日行われているのは、これは不許可、あれも不許可という公文書(の発行)であり(政策とは)異なる。政策とはメカニズムの構築であり、開発を促進するものである」

「現在の銀行は依然、質屋である。差し押さえと担保がそれだ。だが、これでもって今後30年間の財政的ニーズをサポートすることはできない。ビッグデータに基づく信用システムを利用する必要がある」

至極真っ当な発言にも聞こえるが、中国の公の場での発言としては極めて型破りだ。金融業界が、このマー氏が手掛けるデジタル決済の急成長に恐れをなし、また習近平国家主席に至っては、この大胆不敵な“経済界の革命児”を政敵として警戒したとしても不思議ではない。

大胆な発言に拍手喝采も

とはいえ、マー氏の功績を軽視することはできない。不断のイノベーションとともに顧客データを掌握し、これを元に消費社会に大きな変革をもたらした。国民の買い物環境を劇的に変化させ、事業者を「高い」といわれた不動産賃料から解放し、また中国の金融業界が解決できなかった零細事業者の資金調達に道筋をつけたのだ。

たとえば、アント・グループが2015年に創業したネット銀行の「網商銀行」は、これまで国有銀行が目の届かなかった領域で急成長している。主要顧客は農民や零細店舗の経営者で、同行が発表した「2019年度報告」によれば、同行からの資金の借り手は2087万件と前年比70%の増加となった。

彼自身、中国における民営企業の発展史を切り開いた人物でもある。あるべき民営企業の姿を追求し、走り続けてきた。“第2のジャック・マー”を目指す経営者が後に続き、講演会では押し寄せるファンを相手に、「政策に依存しない企業家精神」をたたきこんだ。

同時に、「中国に正確な数字はあるのか」「十八大(中国共産党第18回全国代表大会、2012年11月に開催)以後、国はどんな政策を打ったのか」など、中国政府や習近平政権に対する挑発的な発言も挟み込まれた。

興味深いのは、こうした大胆な発言に、聴衆が間髪入れずして拍手喝采を送っていることだ。講演会の内容によっては、著名人やタレントも聴衆として姿を見せ、マー氏の一言一句に大きくうなずく。歯に衣着せぬ発言力と聴衆の気持ちを誘導する表現力は、確かに人を圧倒するものがある。

米国の「ラジオ・フリー・アジア(RFA)」のネットニュースは、“計画中止”の対象になった湖畔大学について次のように伝えていた。

「国家が批准する大学とは異なり、この大学は商人クラブのようなもの。商人たちが団結する危険性もあるため、大学は閉鎖されることになるかもしれない」

この報道はデマとして打ち消されているが、そもそも絶大な影響力を持つマー氏が開校する大学となれば、“志を共にするビジネスマン”が集まる温床にもなり、当局はそこに予期せぬ事態を懸念している可能性がある。

実際、習近平氏は資本力と影響力が増大するマー氏はもとより、果てしなく巨大化する民営企業を容認できなくなっている。これらの民営企業は少なくとも、政権の安定的な支配体制に影響を与えると考えられているためだ。

湖畔大学の分校設立プロジェクトの中止の報道は、「デマ」の烙印を押され葬り去られたが、前出のSさんのように、デマであろうとなかろうと、これを“重要なシグナル”と受け止める中国人もいる。マー氏とともに民営企業の今後が案じられる。

 

NewsPicks Bloomberg 2020/12/29

アントが持ち株会社検討、金融事業は銀行同様の規制対象に-関係者

(ブルームバーグ): 中国のフィンテック企業、アントグループは複数の金融関連事業を持ち株会社の下に置くことを計画している。事情に詳しい関係者が明らかにした。この持ち株会社は銀行同様の規制を受ける可能性があり、最も収益性の高い部門の成長が抑制される恐れがある。

非公開情報だとして関係者が匿名を条件に述べたところによると、アントは金融ライセンスを必要とする部門を全て、持ち株会社に移すことを考えている。計画はまだ協議中で変更される可能性はあるという。アントはコメントを控えた。

関係者によれば、アントが持ち株会社の下にまとめることを検討している事業には資産運用サービス、消費者向け融資、保険、決済、アントが筆頭株主であるオンライン銀行の網商銀行(マイバンク)が含まれる。金融持ち株会社という構造の下でアントの事業はより厳格な資本規制を受け、ここ数年に見られたペースでの融資や事業拡大は制限される可能性がある。

中国当局は27日、アントに事業再編計画をまとめるよう指示した。アリババグループを頂点とする馬雲(ジャック・マー)氏のオンライン金融帝国の勢力を抑えようとする措置の一環。当局は事業分割を直接求めはしなかったものの、アントには「事業再編の必要性を理解」することが必要だと中国人民銀行は主張し、可及的速やかに再編の予定表を示すよう求めた。

ブルームバーグ・インテリジェンスのアナリスト、フランシス・チャン氏(香港在勤)は、「成長は大きく減速するだろう」とし、資産運用と消費者金融を含む決済以外の事業のバリュエーションが最大75%下がる可能性を指摘した。

原題:Ant Said to Mull Holding Company With Regulation Similar to Bank(抜粋)

 

 

 

 

 

 

 

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