自由人の発信 おっさんの中国一人旅から国内旅。

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手稲山はまだ?、あちらは中国共産党の爆走?

2021-04-16 09:06:42 | おっさんの中国一人旅終了?に伴って、もっと日本を旅します。

相方がコロナ鬱?「今罹ったら私もたないわ!」(1年以上だとこちらも・・・)。

with corona?  クラスター潰し!ここで間違っている!

どこに居るのかも解からないコロナちゃん、私たちの3密、自粛で防げる?、25:50:25の論理、75%の人はご指導の通りもう1年以上にわたって我慢?していますが、政府も行政も思考停止状態で、ただただ漫然と自粛の呼びかけ、やる事があるだろうに。

これが今の日本のリーダーの限界?(私たちが選んできた)では、日本はなくなっちゃうんじゃー・・・。

 

いや私は・・・。

 

先日4月11日(日)あまりにもいい天気、春の陽気!副交感神経?リセットで。

今年最初の手稲北尾根を歩こうと、でもこの時期 熊も目覚め活動開始、まずの食べ物は雪解けの早い山のふもと。

そこでクマよけ対策(鈴、ラジオ、呼子、ナイフ)用意して、登山口へ。

 軽アイゼンは携行して。

8時前に登山口、先着無し!注意看板に"一人入山は止めましょう”、一人降りてくる人?゛熊はどうですか?”゛少し入っただけです”、ウム・・・。

敢えて入ることは止めます!三角山へ!!

 

ひと月前3月11日(木)三角山往復   帰り琴似商店街でヒヨドリの餌で5個100円かで買った訳ありリンゴ。

少しでも利用と4個いい所で砂糖煮で(ネットレシピで出来栄え好!皆は敬遠?)。

3月25日(木)は三角山縦走。前回、前後していた女性が縦走に入っていくのを見て・・・。

縦走路は残り雪 

見通しよく奥三角から大倉、三角の山並み 

 雪解け水の琴似発寒川とどうぞご自由にの梅選定枝(今咲き始めました)。

 

さて自宅に戻って今日の三角山縦走へ!

山の手高校のグラウンド女子ラクビー練習とリーチ君 

クロッカス春の庭 

 

日曜日の三角山は家族ずれも交じって賑わいます。  

山の一番はエンゴサク 

縦走路もグループ登山で賑わっていますが、密を避けて一気に小別沢へ下山。

 手稲が呼んでいます。

 

 

さて昨日の日米首脳会談! 今の習近平、メッセージで気付いてくれる時は過ぎてる。

彼も緩めたが最後 彼、彼の仲間は消される、それが今の中国共産党支配構造。死ぬまで爆走するしかない!

怖いのはその体制の中で誘導されていく14億の中国の人達!。

民主主義国家と言われる国々が団結できるか?希望を信じるしか・・・。

 

現れた中国共産党による監視社会中国と国家資本主義

YahooNews 2020・12/13(日) 7:27配信 JIJI.COM

情報隠す「悪習」指弾 「武漢日記」の方方さん 中国

【北京時事】中国湖北省武漢市在住の女性作家、方方さん(65)が、昨年12月の新型コロナウイルスの患者発生から1年に合わせ、時事通信の書面インタビューに応じた。  都市封鎖下の現状をインターネットで発信し「武漢日記」を出版した方方さんは、不都合な情報を隠す当局の「悪習」が感染拡大をもたらしたと批判した。

 感染拡大初期の1月上旬~中旬は湖北省と武漢市の人民代表大会・政治協商会議(両会)が相次いで開かれ、同25日の春節(旧正月)に向けた帰省ラッシュも重なった。方方さんは「感染まん延の主な責任は、春節前後や両会期間はどんなマイナス面の情報も報道しないという長年形成された習慣にある」と指摘。「習慣的に覆い隠し、(初動の)遅れを招いた」と述べ、武漢市当局や官製メディアを非難した。

 仮に当局の情報提供が円滑だったなら「人々は警戒して春節の集まりがなくなり、死者も減っただろう」と惜しむ。感染拡大初期は、ネット上で警鐘を鳴らした李文亮医師が「デマ」を流したとして警察から訓戒処分を受け、自らも感染して死去。「無実の罪で訓戒を受けた彼の死は人々の悲しみや憤慨を引き起こした」と振り返った。

 ブログで方方さんは「何もしなかった官僚たちは人民にどう謝罪するか考えよ!」などと当局を厳しく指弾。書面インタビューでも「コロナ禍が落ち着いた後、調査チームを設けて責任を追及すべきだ。そうでなければ代償を払った全ての人に申し訳ない」と強調した。

 中国のテレビ局や雑誌出版社に勤務した経験がある方方さんは「言論空間がますます狭まっている」と懸念を表明。「何を書くか書かないかは記者の選択ではなく、幹部の選択だ」と報道統制の現状を憂えた。

 方方さんはブログに、1月23日から2カ月半に及んだ都市封鎖中の記録や当局批判をつづり、1億人以上が読んだとされる。これをまとめた「武漢日記」は日米などで出版されたが、中国では出せずにいる。方方さんは「自国で本を出版できないという懲罰は過酷だ。コロナ禍で閉じ込められた街の人の生活を記録したにすぎないのに」と嘆いた。

 ◇方方(ファンファン)さん 1955年生まれ。本名・汪芳。中国の著名女性作家で、湖北省作家協会主席も務めた。武漢を舞台に社会の底辺で生きる人々を描く小説を多く発表。2010年に小説「琴断口」で権威ある魯迅文学賞受賞。「武漢日記」は日本で今年9月、河出書房新社から出版された。 

 

ダイヤモンドオンライン 2019.10.25 5:20 莫 邦富:作家・ジャーナリスト 莫邦富の中国ビジネスおどろき新発見

中国の仰天「監視社会」事情、人々は行動規範の再構築や規制とどう付き合うか

監視カメラと顔認証システムのネットワークが網の目のように張り巡らされるなか、中国人はどんな日常を送っているのか(写真はイメージです) Photo:123RF 

空港に一歩降り立つとそこは監視カメラの世界

中国は監視カメラの世界になりつつある。いや、都市部はすでに監視カメラの世界そのものだ。監視カメラの存在が、中国人の行動規範を変えつつある。今回のコラムは、その現状に関するレポートをお届けしたい。

私は月に少なくとも1回くらい、中国を訪れる。各地を訪問するためだ。仕事の成り行き上、空港ではたいてい車での出迎えを受ける。帰る際も同じだ。以前は、ターミナルビルの到着階や出発階の前は、いつも大混雑状態だった。それが今や、車の流れがかなりスムーズになった。

それは、監視カメラの威力のお陰だ。3分間以上ターミナルの前に駐車すると、監視カメラに車のプレートナンバーを記録され、その画像がビックデータによって解析されて、駐車違反とされる。車のドライバーは、後日、違反切符を取られ、罰金とポイントの減点に関する通知書が届けられる。弁解の余地はまったくない。監視カメラの記録が完璧だからだ。

しばらく前、上海に出張していたとき、日本総領事館に近い上海の西側でタクシーをアプリで拾った。目的地は浦東の実家なので、市内を横断しなければならない。目的地をタクシーの運転手さんに告げると、運転手さんがかなり興奮した表情で喜んだ。「距離が遠いから喜んでくれたのでは」と最初は思ったが、どうもその喜び方が少し異様だった。

好奇心に駆られ、「なんだか楽しそうですね。普段、よくこの道を走るのですか」と聞いた。運転手さんは、「いや、これから夕食に行くから、ちょうど目的地と同じ方向に行くお客さんが乗ってくれたので、嬉しいのです」と答えてくれた。

夕食を食べるために、上海市内を横断しなければならないのか。私はびっくりした。運転手さんの話をよく聞いてから、ようやく事情を呑み込めた。

ついしばらく前までは、上海市内の西部エリアをよく走るこの運転手さんは、そのエリアの裏通りにある大衆食堂で夕食を食べていた。しかし、食事の時間になると、大衆食堂周辺には一時駐車するタクシーが急増し、裏通りは他の車が走行できないほどの交通渋滞状況に陥ってしまう。これまでは、交通整理の警官が来ない限り、タクシーの運転手さんたちは、住民の苦情を無視してきた。

しかし、監視カメラが導入されてから、これまでのように勝手に駐車できなくなった。無理に駐車しようとすると、監視カメラがその一部始終を記録しており、交通違反になってしまうからだ。そうなると罰金だけではなく、多くの交通違反切符も切られてしまう。だから、駐車スペースがないことを確認したタクシーの運転手さんは、大人しく他のエリアにある大衆食堂へ向かうしかなくなったというわけだ。

タクシー運転手が大喜びしたワケは…

私と出会った運転手さんも、この日、いつも利用する大衆食堂周辺では、駐車スペースが見つからなかったそうだ。だからいっそのこと、遠く離れた浦東エリア、しかも空港に近い大衆食堂へ行こうとしていた。

彼はこれまでの経験則に従い、タクシーを呼ぶアプリに浦東空港を走行方向として入力し、その方向へ移動しようとする客を拾いやすいように工夫していた。案の定、走り出したら、すぐにその方向へ行こうとしている私がアプリを通してこのタクシーを拾ったのだ。

移動距離が長いと、乗ってくれる客がいなければ、発生したコストは運転手さんの自己負担となり、懐が痛む。しかし、その日はタイミングよく私がそのタクシーに乗ったから、走行コストの負担に対する心配はなくなった。だから運転手さんが、前述のように喜んだのだ。

運転手さんの話を聞きながら、私は監視カメラの功罪を色々と考えさせられた。個としての監視カメラは、それほどの威力を持たない。今では、日々進化する顔認証システムと、ディープ・ラーニング技術に支えられたAIがリンクして、大きな監視ネットワークが形成されている。その威力は、驚くべきものへと進化しているのだ。

その監視カメラと顔認証システムに象徴される監視ネットワークが存在することにより、これまで都市部によく見られた違法駐車現象が大幅に改善された。監視カメラと顔認証システムの威力を、国民はよく理解しているからだ。

中国国民の多くは、昨年、上海に近い浙江省の地方都市・嘉興市で行われた香港俳優ジャッキー・チュンのコンサート会場で、3人の逃亡犯が相次いで逮捕されたニュースを知っているだろう。

容疑者が顔認証カメラを設置したセキュリティ・チェックポイントを通ってから数分後、「逃亡者に似た人物が現れた」という合図が警察当局のシステムに届き、その後警官がスタンドの出入り口で張り込み捜査していたところ、コンサートが終了して出て来た逃亡犯の身柄を難なく確保することができたという。

「我々が彼を見つけたときは、もちろん彼はわけがわからないという様子だった。我々も数万人の中から犯人を探すことができるとは、思いもよらなかった」

逮捕作戦を指揮した嘉興市警察当局の責任者も、顔認証技術の威力に感嘆したほどである。

赤信号を無視して渡るとモニターで個人情報が晒される

一方、深セン市の交通警察は顔認証システムを利用して、信号無視した人を撮影した。名前、写真などの個人情報を、街の通りにあるスクリーンモニターと、「信号無視通行人スクープ」というサイトに公開した。

深センのメディアは、このような監視カメラが撮影した顔情報と社会信用システムなどをドッキングさせれば、「信号無視通行者に対する教育・懲戒を実施することができ、国民の総合的な素質を徐々に養成し、さらには都市のイメージアップになる」と報じている。現在、少なくとも5つの都市で交通規則違反の通行人を認識する技術が使われている。

実際、上海の外灘で赤信号を待っていたとき、その実施現場を私も目撃した。赤信号でも強引に道路を渡った女性がいた。すかさずに道路の向こう側にあるモニターにその女性の顔が映され、氏名、性別、出身地などのプライバシーに関する情報も同時に公開された。

現在の日本では考えられない光景だが、顔認証システムが広範囲で普及している中国では日常的風景になりつつある。コンサートでの逃亡犯逮捕は、それを応用した氷山の一角にすぎない。中国の都市をまわれば、あらゆる場所にカメラを見つけることができる。地下鉄の出入り口、駅、通り、ショッピングセンター、スーパー、体育館、図書館、団地……。公共の場所での一挙手一投足は、すべて記録されると言っても過言ではないほどだ。

プライバシー保護とのせめぎ合い社会問題化する「監視社会」

このことは、個人としてのプライバシーはどこまで侵害されているのか、という国民の不安を呼び、社会問題化している。一方、顔認証システムと社会信用システムの構築は、まさに中国人の行動モラルを再構築している。

中国社会では、自らの都合だけを優先して社会的モラルを無視したり、公共秩序を乱したりする行為が、信じられないほど多発している。個人のモラルの向上に期待を寄せても、なかなかすぐには効果が見られない。最近、こうした無責任な行動をとった人に対して、飛行機や列車への乗車制限を行うといった処罰を設けるようにした。効果は抜群のようだ。

環球時報英語サイトの報道によると、今年4月末までに、飛行機のチケット購入についてはのべ1114.1万人、中国版新幹線である高速鉄道のチケット購入についてはのべ425万人が制限を受けた、という。信号無視、車内喫煙、借金滞納などの行為は、おそらくそう時間がかからないうちに食い止めることができるだろう。

中国では、満16歳の国民は全員必ず政府が発行した写真付きの身分証を持っている。したがって、政府はびっくりするほどの規模を持つビッグデータを管理していることになる。第13次5ヵ年計画(2016年~2020年)によると、2020年までに100の新型スマート都市において、顔認証システムの構築が推し進められている。

社会全体と国民個人に対する政府のガバナンスも、無限に強化されていく。顔認証システムの強化により、陳情、権益の保護、実権を握っている人に対する批判などの行為も監視され、抑制されてしまいかねない問題にもつながっていく。それらは、やがて大きな社会問題へと発展していく恐れがある。バランスをとるための解決案は、まだ見つかっていない。

成田空港や羽田空港で出入国手続きをするとき、最近、顔認証システムを使って手続きをする人が増えてきた。こうした光景を見ながら、一歩先を行く中国の顔認証システムの効果と課題を照らし合わせ、日中間のこうした分野での交流は可能だろうか、日本から刺激的な解決案を提示できるだろうかと、私は思わず考え込んだりしている。

 

起業家倶楽部 2019/6/10 松本 洋 企業家倶楽部2019年6月号 敏腕コンサルタントが斬る! vol.14

中国でのデジタル監視社会の恐怖

2020年までに、中国の200カ所の駅に監視カメラが順次取り付けられる予定だという。既に、18年10月26日から、当初は4カ所の駅で、安全検査と同時に公安当局は日常行動を監視し始めた。ビッグデータを利用した顔認証システムによる監視は、市民に恐怖感を与えている。

顔認証には事前登録が必要であり、利用者は鉄道のアプリで申請フォームをダウンロードして、政府の発行する身分証番号を記載し、顔写真を撮って送付する。登録が終わると、駅では設置されたカメラに顔を向けるだけで通過することが出来る。このシステムに銀行口座からの自動引き落とし機能を連動させれば、自動的に支払いも済ませることが出来る。極めて便利ではあるが、何時頃、何処から何処に出掛けたかということも全て公安当局に知られることになる。

18年3月に貴州省貴陽市で、10人のスリ集団組織が摘発され逮捕された。市内各所に設置されている2万台以上の監視カメラの効果だという。犯人らしき人物の顔写真とスリの前科のある1000人以上の顔写真を顔認証システムで照合し、犯人を特定して逮捕したとのこと。犯罪者を逮捕する為に監視カメラが使われるのは良いことであるが、人々の日常行動を常に監視出来るようになることが市民達に恐怖感を与えている。

【歯止めなきデジタル監視社会】

民主国家では、プライバシーの権利を保護する為に多くの制約がかかるが、中国は、共産党による一党独裁体制であるので、プライバシーの権利保護は無視して個人情報を全て公安当局が把握し、共産党に批判的な国民を排除する為に使い始めている。人権派弁護士が300人以上も逮捕され、その行方が不明になっているという由々しき事態も生じている。

中国国内で設置された監視カメラは、16年末に約1.6億台、20年には6.3億台になると予想されている。私が深センに出張した際にも、入国審査で10本の指紋を採取され、顔認証のカメラで写真を撮られた。街の至る所に監視カメラが設置されており、常に監視されているという恐怖感を感じた。

中国では、国内の全てのIT企業に対して、ネットでのやり取りをモニターし、その記録を6カ月にわたり保存した上で公安当局に情報を提供することが義務付けられているという。

【一帯一路政策】

この政策は、14年11月10日に中華人民共和国北京市で開催されたアジア太平洋経済協力首脳会議で、習近平総書記が提唱した経済圏構想である。着実に周辺諸国に経済援助と称してインフラ整備の為の資金供与をしてきており、金利を返せなくなった場合には、建設した鉄道、道路、港湾を接収して、港も軍港化を進めている。米中の覇権を巡っての争いは更に激化しており、人民元の暴落の危機が迫っているが、その中で、平和ボケしている日本はどう折り合いをつけていくのか、今こそ長期的な国家戦略、安全保障政策を構築する必要がある。

 

Yahoonews 2021・4/15(木) 18:01配信 Jbpress 福島 香織:ジャーナリスト

はい罰金!中国警察の交通違反「ワナ」に世論騒然

中国のEコマース巨人、アリババに対して独禁法違反で182億元(約3050億円)という巨額の罰金が科せられたことが話題になっている。中国は2015年に米半導体企業クアルコムに60.88億元の巨額罰金を科しているが、アリババへの罰金はこれをはるかに超え過去最高の罰金額だという。  もっともアリババの2019年の年間総売上の4%として算出された罰金額なので、アリババがどれほど儲けていたのか、という話でもある。アリババのような巨大企業にとっては史上最高額の罰金もさほど影響はないかもしれないが、庶民が日々科される様々な罰金は、ときには人を自殺に追い込んでしまうこともあるほど深刻だ。

■ 誰もがトラップにかかる「罰金道路」  先日、CCTV(中国中央電視台)はじめ中国メディアが広東省の「罰金道路」について報じたことから、中国当局が科す罰金の悪辣さに注目が集まった。  報道によると、とあるドライバーが広東省仏山市の広州~台山を結ぶ高速道路(広台高速)にあるY字路の分岐点で車線変更禁止ゾーン走行中に車線変更したとして、罰金200元を徴収された。このとき、罰金切符に記されたこの場所での累計違反人数が62万4149人であった。ドライバーはそれを見て、自分と同様に違反して罰金を科された人間が62万人もいて、1人200元の罰金が徴収されたとしたら累計1億2000万元が罰金が徴収されたことになる、と中国のSNS「微博」に投稿した。

さらに誰かが4月10日、この高速道路のY字分岐点の様子をドローンを使って上空から撮影、その動画をネットに投稿した。その動画では、3分間で27人の交通違反者が出ていた。この動画はCCTVでも紹介された。  CCTVの報道を受けて、広東省仏山市公安局交通警察支隊は昨年(2020年)3月18日から今年4月1日までの間に、「監視カメラのスクリーンショットによって交通違反と判断したケースは18万4383件である」として、62万人の交通違反説を否定した。また罰金も、この1年前後の間に3700万元ほどであるという。  だが、それでも異様に違反と徴収罰金額が多い、と世論は沸き立った。  さらに、異様に交通違反が多いこの高速道路区間の車線変更ルールは、交通警察当局がわざと交通違反を誘発して罰金を徴収するための「トラップ」なのではないか、という噂が立った。  動画をみると、高速道路はY字の少し手前のところから、車線変更禁止の実線が描かれている。そこまでは、車線変更できる4車線である。その4つの車線は、車線変更できる破線によって区切られている。それがY字の手前に来ると、変更禁止の実線で区切られる5車線に切り替わる。  交通違反の例を挙げよう。Y字では、右側に3車線、左側に2車線に分かれる形になっている。Y字で左に行くつもりで、4車線のときに左から2車線目を走っている車があるとする。Y字に近づくと、車線が増えて5車線になる。ドライバーは、自然に真ん中の車線に入る。すると、その車線は右側に吸い込まれていく。ドライバーはあわてて左側車線に移る。しかし、そこはすでに車線変更禁止区域である。車線変更禁止の実線を乗り越えたドライバーはあえなく反則切符を切られるというわけだ。

【写真】ドローンで撮影された中国の高速道路のY字分岐区域。この区域で、62万人が車線変更違反で罰金をとられたという。  

実際、この高速道路を利用するドライバーたちによると、この車線変更禁止の実線は高速道路上に突然現れ、反応が間に合わず、間違った車線に入ってしまうのだという。  ドライバーたちは、交通警察当局が、最初から罰金を科すために、こうしたわかりにくい、反応しにくい車線変更ルールにしたのではないか、罰金を取るための罠、トラップではないか、と不満を訴えている。当局は、中国メディアの批判報道を受けて、「広東省の関連部門はすでに現場に調査チームを派遣している。この区間の車線変更もっとわかりやすく整理する」としている。

■ サービスエリアに入れない?   実は交通違反トラップは、中国の全国各地の高速道路、幹線道路に当たり前のように存在している、という。  たとえば、沈海高速道路の茂名から広州に向かうところにある白電サービスエリアへの入り口手前には、長さが1.5キロにおよぶ車線変更禁止の実線が描かれている。ドライバーがサービスエリアに入ろうと思えば、その1.5キロ前から車線を変更しておかなければならない。だが、その指示が手前にない。サービスエリアが見えてきてからあわてて車線変更すると、交通違反、となる。広東省茂名交通警察当局の2018年の発表によると、2017年にこのサービスエリア付近で12万5000件の交通違反が取り締まられ、罰金総額は2500万元に上ったという。  ほかにも、左折禁止や右折禁止になっている交差点で、手前にそれを知らせる表示がなかったり、見えにくかったり、そういうところにあえて「電子眼」が設置されていたりする例は枚挙にいとまがない。あきらかに、ドライバーをだまして交通違反させ、罰金を徴収しようとするかのように。

■ 多すぎる「電子眼」  中国の交通違反取締は現在、スマート交通違反監視撮影管理システム、通称「電子眼」「電子警察」と呼ばれるシステムによって行われている。監視カメラが交通違反車を撮影し、プレートナンバーを記録、後日、罰金請求をドライバー宅に送りつけ、もれなく徴収するやり方だ。

電子眼がいたるところに設置されていることがドライバーに知れわたったおかげで、ドライバーがスピード違反や危険運転をしないようになったともされている。だが、今年の全人代(全国人民代表大会)では一部代表から、「電子眼の設置が過密すぎて、合理的でない」という指摘が出た。

 重慶市の代表で弁護士の韓徳雲は、2020年の交通違反罰金総額が3000億元前後に達していると指摘した。全国の民用車両の保有台数が2.81億台とすると1台平均1000元以上の罰金が科されていることになる。韓徳雲は、この罰金の多さは、電子眼の設置の仕方に問題があるのではないか、という。つまり、わかりにくい車線変更禁止ゾーンなどのトラップをつくって違反を起きやすくし、そこに電子眼を設置して、罰金をより多く徴収しようとしているのではないか、と。

 陝西省法学会警察法学研究会常務理事で、陝西省人民警察研修学校治安教学研究室主任の李祖華は、中国誌「財経」に対し「電子警察(電子眼)は今のところ財源が許す限り、より多く、ランダムに設置している」と述べている。数多くランダムに設置する目的は、罰をもって管理するためであり、罰せられる、見張られているという意識による教育指導効果を上げ、管理することによって安全意識の向上が促進できるから、とのことだ。決してむやみに罰金を徴収する目的ではない、ということらしい。

 もっとも、交通ルール違反と罰金情報の不透明さに、市民の「電子眼」に対する不信感、疑問は募るばかりだ。電子眼による罰金収入額がどのくらいで、その用途についても説明はされていない。

■ 運転席で自殺したトラックドライバー  中国ではこうした怪しげな罰金徴収は交通違反にかかわるものだけではない。大型貨物トラックやバスなどは、2013年から中国版GPS「北斗システム」の設置を義務付けられ、その走行ルートや走行時間などが監視されている。これはドライバーの長時間労働を防ぎ、疲労による事故を防ぐのを目的としているとの建前だ。

 ドライバーは、運転中は常に北斗システムを稼働させておかなければならない。接続を切ってトラックを運転すると罰金対象になる。今年4月5日、河北省のあるトラックドライバーが、北斗システムの接続が切れたまま走行していたことが検問所で発覚し、2000元の罰金が科された。ドライバーは接続が切れたのは自分のせいではないと主張し罰金の支払いを拒んでいたが、認められず、衝動的に運転席で殺虫剤を飲んで自殺した。

 この自殺報道で世論が騒然としたのは、トラックドライバーは数千元の北斗システム設置費用や、年に数百元のサービス費用を支払わなければ、営業許可証が取得できない、という状況が明らかになったからだ。ドライバーの過剰労働を防ぎ輸送の安全を守るという建前で監視が強化され、さらにはその監視のための高額な装置を買わされ、サービス料が徴収される。その上、装置の不具合で接続が切れたらさらに罰金が徴収される。これは一種の搾取ではないか、ということだ。

 広台高速道路の「トラップ」罰金について論評記事を報じた財経誌は次のようにまとめている。「強調すべきことは、罰金は一種の手段であるが、その目的は車両に交通規則を守らせ、交通秩序を維持するためにある。(同じ場所で)罰金総額が増え続けて、違反行為の減少が見られないとすると、そのような罰金は、実際、罰金を徴収すること自体が目的となっている。そのような交通ルールは警戒され、無くなるべきなのだ。設計に欠陥があることを顧みず、とにかく罰金を科せばいい、という状況は、ドライバーの恨みと不満を買い、執法者の発信力にネガティブな影響しかもたらさない」。まさにその通りであろう。

支配し、富を奪うための「監視」  中国は世界最高レベルにして世界最大の監視国家であり罰金国家だ。ハイテクを駆使した監視システムにより、監視の目から逃れるすべはほとんどなくなった。中国が監視社会化し、罰金をもれなく徴収するようになったおかげで、犯罪が減り、ルール違反が減り、庶民の文化レベルが上がったと評価する声がなくもない。  だが、こうした監視と罰金によるがんじがらめの社会が、ルールを破ろうとするつもりのない人にもルールを破らせ、罰金を徴収することが目的のルールや規則が増える状況を生んでしまう。

 それは、中国において、法やルールが社会の平等や公正さの実現のために作られるものではなく、権力が社会や庶民を完全に支配しコントロールするための道具、手段としてつくられているからだろう。

 アリババの独禁法違反への罰金も、公平公正な市場競争を実現するためではなく、おそらくはアリババを支配し、コントロールし、その富を奪うことが目的なのだろう。  今回の罰金はアリババにとってはさほど打撃はなかったかもしれないが、これから肥え太った家畜のように屠(ほふ)られていくのではないか。つまり、監視社会、罰金社会が最終的に行きつくのは、管理と搾取のディストピアでしかないということだ。

 

ロイター 2019年9月24日 / 12:58 Reuters Staff

中国杭州市、アリババなど民間企業100社に政府職員派遣へ

[上海 23日 ロイター] - 中国のハイテク産業集積地である浙江省杭州市は、電子商取引大手アリババ・グループ・ホールディング(BABA.N)など、同省内の民間企業100社に政府職員を派遣する計画。国営メディアが報じた。

中国政府・共産党は、米中貿易戦争で国内経済が減速する中、民間企業への関与を強めており、国家の役割拡大に対する懸念が強まる可能性が高い。

杭州市は、浙江省の地元企業100社と協力する政府職員を指名する方針をウェブサイトで発表。地元の製造業を活性化するための措置と説明している。

同市は対象企業を明らかにしていないが、国営メディアによると、杭州市を本社とするアリババや自動車大手の浙江吉利控股集団[GEELY.UL]も対象になる。

アリババは、この計画について、同社の業務に干渉するものではないと表明。「今回の計画は、杭州市を拠点とする企業を支援し事業環境の改善を図るための措置だと認識している。政府の代表は民間企業との懸け橋として機能し、当社の業務には干渉しない」と述べた。

浙江吉利のコメントは得られていない。

中国政府は、外国企業を含む民間企業に対し、社内に党委員会を設置するよう以前から法律で義務づけている。

こうした党委員会は象徴的な意味合いが強いとみられてきたが、外国企業の幹部によると、近年は事業に対する党委員会の発言権を強化するよう求める圧力が強まっている。

国内企業も党委員会の役割を拡大。2018年には数十行の国内銀行が定款を変更し、党委員会の権限を強化した。

私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」

 

Jbpress 2019/9/26 オリジナル海外コラム 福島香織

中国でカリスマ経営者が次々に退いていく理由

瀕死の中国経済、“ICU入り”で延命措置

9月10、アリババ創始者で会長だった馬雲(ジャック・マー)が予告どおり引退し、アリババ経営から完全に離れた。ちょうど55歳の誕生日であり、その前後には、中国メディアが彼の功績や評伝を書き立てた。また浙江省杭州から「功勲杭州人」という栄誉ある称号を送られたなど、ポジティブニュースとしてその引退が報じられている。

だが、その10日後、杭州政府が100人の官僚を「政務事務代表」として、アリババやAI監視カメラメーカーのハイクビジョン(海康威視)、民族自動車企業の吉利など100の重点民営企業内に駐在させると発表した。口の悪いネット民たちは「地主を追い出して田畑を接収しようとしている」と噂した。

その後、IT企業、テンセント(騰訊)創始者の馬化騰やレノボ(聯想集団)創始者の柳伝志が、馬雲のあとを追うように次々とビジネスの現場から去ることがあきらかになった。こうした“早期退職”は決して早々とセカンドライフを楽しみたいから、といった理由からではなさそうだ。民営企業からカリスマ創始者たちを追い出し、政府官僚による直接支配が始まりつつある。中国民営企業の大手術が始まっているのだ。

だが、この大手術、失敗するのではないか。「中国経済のICU(集中治療室)入り」と言う人もいる。ICUに入ったまま脳死する可能性もあるかもしれない中国民営経済の危機的状況について、まとめておきたい。

テンセント、レノボの代表も退く

テンセントの創始者で董事会主席、CEOの馬化騰は9月19日、テンセントの子会社で個人信用情報などを扱う騰訊征信の法定代表職から外れることになった。経営上の問題ではなく、社内の事情によるという。もちろん全面的な退職ではないが、馬雲引退の直後だけに、中共政治のサインと受け取られた。芝麻信用で知られるアントフィナンシャルの会長・井賢棟もこのタイミングで引退を表明した。

続いてレノボ会長の柳伝志も聯想ホールディングス(天津)の法定代表、役員の職を辞任した。柳伝志は17企業の法定代表、7企業の株主、8企業の役員を務めていたが、そうした役職も大部分が取り消されたという。聯想側は、子会社については随時業務の進行に合わせて、調整、整理しており、今回の人事などは企業としての正常な業務措置だという。

柳伝志の後任は、深セン市瑞竜和実業有限公司の法人代表である張欣が務める。聯想ホールディングス(天津)は2011年11月に資本金50億人民元で登記され、聯想ホールディングス株式会社と深セン市瑞竜和実業有限公司が50%ずつ出資していた。

ちなみにレノボグループの筆頭株主は聯想ホールディングス株式会社で25.81%の株を保有、この会社がグループのコアとして北京に登記されている。この北京の聯想ホールディングスの5大株主は中国科学院独資会社・中国科学院ホールディングス、北京聯持志遠管理コンサルティングセンター、中国泛海ホールディングス集団、北京聯恒永信投資センター、柳伝志個人で、合わせて76.81%の株を保有している。

中国共産党が民営企業の改造に着手

こういった動きについて、チャイナウォッチャーたちの間では、中国共産党政権がいよいよ民営企業の改造に着手した、という見方が出ている。英国のフィナンシャル・タイムズによれば、アリババ傘下の芝麻信用と騰訊征信は、かつて中国政府に顧客ローンのデータを提供することを拒否しており、馬雲と馬化騰の一線からの撤退と関係あるとみられている。

米国の政府系ラジオ局、ラジオ・フリー・アジア(RFA)は、こうした動きは中国共産党政府がクレジットローンに関するすべての情報を独占して管理するためのもので、同時に当局が民営企業と工商界の企業に対する改造を行い、実質的にコントロールするためのものだ、という見方を紹介している。

昨年(2018年)、中国政府はアリペイ(支付宝)に対して顧客勘定の100%の中銀準備預金を義務付けた。これは顧客保護の観点から必要という建前だが、実際はアリペイ口座の余剰資金運用によるアリババの儲けを政府に差し出せ、という意味でもあった。中国「証券時報」によれば、今年6月、7月に国有資産委員管理委員会書記の郝鵬が馬雲と馬化騰に直接、中央企業と民営企業の融合を命じ、中央企業+ネットの混合改造モデルを強化せよと通達したとか。

ほぼ同じころ、民営企業が多い浙江省杭州市や山西省太原市、北京市などは、政府官僚や党委員会の民営企業に対する干渉を強化する政策を打ち出した。杭州市は、民営100企業内に市政府官僚駐在事務所を開設、太原市では財務管理部門をテスト的に接収するなどの方法で経営にコミットし始めた。北京では党委員会が民営企業内の「党建設工作」展開状況の調査を開始するという通達を出した。

こうした動きは、建前上は、民営企業の腐敗や野放図な経営を共産党が厳しく管理し、指導するというものだが、実質は、政治上は民営企業を絞め殺し、経済上は民営企業の私有財産を接収するということに他ならない。

計画経済に立ち戻る習近平政権

習近平政権が経済政策の目玉として打ち出している国有企業改革は、いわゆる「混合企業改革」と言われるもので、汚職や不正経営、経営破たんを理由に民営企業の経営権を国有企業に接収させることで、国有企業を大規模化して市場独占化を進め、国有企業を通じて共産党が市場に対するコントロールを強化するものだ。

これは改革開放期の「国退民進」(国有企業を民営企業に移行することで市場経済化を進める)とは真逆の方向性だとして「国進民退」政策だと言われた。あるいは50年代の「公私合営」政策への回帰とも言われた。この結果、民営企業家たちが委縮し、今の中国経済の急減速の主要な原因の1つになったというアナリストは少なくない。

目下、米中貿易戦争の行方は中国にとって楽観的な観測を許さない。確実に中国経済にボディーブローのように効いており、経済統計上にもはっきりと予想以上の中国急減速がみてとれる。

首相の李克強は9月16日、ロシア訪問前にロシアの国営通信社、イタルタス通信に対して、今年通年の中国経済成長が、全人代の政府活動報告で目標に掲げた6~6.5%を達成できずに6%を切る見通しであることを語っている。党中央内部ではその責任を習近平に求める声も強い。一方、習近平政権としては、この経済危機を“計画経済”に立ち戻ることで乗り越えようとしている。その表れが、今年に入っての民営企業のカリスマ創始者の現場からの排除や、党官僚の進駐や財務の接収などの動きだと見られている。

中国経済はすでに瀕死の状態?

ラジオ・フリー・アジアのコラムニスト、梁京が書いた「中国経済がICU(集中治療室)に入った」というタイトルのコラムを読み、なるほど、と思った。ちょっと引用して紹介したい。

中国共産党70周年前夜、当局は大型民営企業の直接支配を急ぎ始めた。しかし、中央宣伝部はこういう重大事態の展開について、なんら発表していない。これは中国共産党が50年代に鳴り物入りで行った『公私合営』とはっきりした対比をなしている。つまり当局もわかっているのだ。国家が民営企業に進駐して干渉することが決してよいことではないということを」

「・・・中国の民営企業の経営者たちは党に搾取されっぱなしでいることに甘んじてはいなかった。(元北京の政商であった)郭文貴は造反して米国タカ派の支持を得るようになったが、以降、大型民営企業の経営者の政治的不忠義は中国共産党の悩みの種となっていた」

「現在、共産党が民営企業のコントロール強化を急いでいる背景には、米中貿易戦争が89年の天安門事件以来最悪の危機を中国経済にもたらしていることが大きい。豚肉価格が高騰し、食糧生産規模も年々縮小している。中国は悪性インフレに陥る可能性が高い。・・・中国経済はすでに瀕死に直面している」

「では、かつてゴードン・チャン(2001年に「やがて中国の崩壊が始まる」を書いたエコノミスト)が予測したように、いよいよ中国経済は崩壊するのか?・・・中国経済が崩壊する可能性は実際に増大しているが、さらに大きな可能性は、中国経済がかつて前例のない実験を行う可能性だ。・・・私はそれを“ICU経済”と呼ぼう。つまり共産党による経済管制による延命だ」

以前、中国の体制側アナリストと雑談をしたとき「バブル崩壊もミンスキー・モーメントも自由主義市場経済の体制で起こるもので、統制経済では起こりえない。だから習近平政権の党による市場コントロール強化政策は正しい」という見方を説明された。梁京の言う“ICU経済”はまさにこのアナリストの説明と同じで、経済を絶対安静にして、呼吸も心拍も中国共産党によって管理して延命しようということだろう。

梁京は、この共産党による完全なる経済コントロール、“ICU経済”実験を継続するためには2つの条件が必要だという。ハイテク技術、デジタル貨幣などの技術。そして外部世界の中国経済が崩壊しないでほしいという強い願いである。つまりICUで、たとえ多臓器不全でも延命させるためには、それだけの先端医療技術とそれを強く願う周囲の意志が重要だ、ということである。

だが、延命と回復は全く違う。国際社会の大勢が「中国経済が破たんすれば大変だ、破綻させてはならない」と思っており、中国はハイテク技術と極権体制を持っている。確かに延命は可能かもしれない。だが回復しない経済をただ維持するためだけに、いったい中国はどれだけの犠牲を払うことになるのか。

今、中国は、老衰で死期間近い、中国の特色ある社会主義市場経済体に、西側グローバル市場で生き抜いてきた民営企業の臓器を移植して延命を図る大手術を行おうとしている、と例えることができる。本当に救わねばならないのは民営企業の方ではないか?

「もし中国人が、中共が自然死を迎える方策を探せないのなら、中国経済はある種の“ICU病室”で奇跡の“長寿”をかなえるかもしれないが、その“奇跡”はすべての人にとって巨大な厄災を意味する」(梁京)

この厄災を防ぐためにどうするか。それが今考えるべきことではないか、と思う。

 

YahooNews 2020・11/16(月) 5:01配信 東洋経済オンライン

中国アリババ驀進に国家の「待った」がかかる訳

中国で毎年11月11日に行われる世界最大のネットショッピング商戦「双11(ダブルイレブン)」。同商戦を主催する中国のアリババグループは、今年の販売期間を11月1日~3日と同11日の2回に分散。予約販売期間も含めた11日間での取扱高(流通総額)は前年比26%増の4982億元(7兆7200億円)という史上最高の記録を達成した。  ピーク時には1秒当たり58.3万件の注文を処理したというからすさまじい。楽天の国内EC年間流通総額は3兆8595億円(2019年1~12月期)だから、わずか10日間余りでアリババは楽天の2年分の規模を売り上げたことになる。

■アリババはじめ中国ネット企業の株価が下落  しかし、数々の記録を打ち立てたにもかかわらず、アリババの11日株価は前日比9.5%安(終値、香港市場)と急落し、香港版ナスダック指数とも呼ばれるハンセンテック指数の中で下落率トップとなった。ほかにもテンセント、京東(JDドットコム)、美団(メイトゥアン)など、中国のネット企業大手の株価はこの日、軒並み下落。一体、何が起きたのか。  ダブルイレブン商戦が最も盛り上がる最終日直前の11月10日。中国の規制・監督当局である国家市場監督管理総局が、ネット企業の独占行為を監督強化する新たな指針(「プラットフォーム企業の経済領域での独占禁止ガイドライン」)を公開したのだ。アリババをはじめ市場シェアを急速に高めているネット企業による取引先への不当な圧力や消費者データの乱用などを防ぐ枠組みを設けるもので、11月末まで意見を公募する。

アリババグループやテンセントが展開するスマートフォンアプリはともに年間10億人以上が利用。1つのアプリからミニアプリと呼ばれる無数のサービスを提供しているのが特長で、モバイル決済やチャット機能だけでなく、フードデリバリーから行政手続き、オンライン医療まで日常生活で必要なサービスの大半を利用できる。『週刊東洋経済』11月16日発売号は、「デジタル大国 中国」を特集。「秒速」で進化する中国のデジタルサービスの全貌や現地で展開する日本企業のDX戦略を明らかにしている。

こうしたデジタル企業のサービスは今や中国の生活の隅々まで根を張る一方、熾烈な競争環境下で取引先にサービスの二者択一を迫ったり、国民のビッグデータを企業が占有したりするなどその弊害も見え始めている。これまで政府がグレーゾーンとして見逃していたデジタル企業の支配力を弱めようという動きだ。  政府による規制強化には、さらに伏線があった。11月に予定していたアントグループによる「史上最大のIPO(新規株式公開)」延期だ。アントはアリババが33%を出資する関連会社として、10億人超が利用するモバイル決済の「支付宝(アリペイ)」や金融事業を展開する。11月5日に香港、上海の証券取引所にIPOを予定し、345億ドル(約3.6兆円)と史上最大の資金調達を見込んでいた。ところが、前々日の同3日に突然延期が公表されたのだ。

予兆はあった。アントが手掛ける消費者金融事業の融資残高は1.7兆元(26兆円)もあるのに、大半は提携銀行を介した融資でアントのバランスシートにはその2%しか計上されていない。資本規制の制約なしに膨張を続けていることへの伝統的金融事業会社からの批判が強まっていたほか、金融リスクの火種になる懸念が指摘され、規制当局と長年つばぜり合いしてきた。  今年6月に、社名から「金服(フィナンシャルサービス)」を取りアントグループに改称、投資家らに対して「フィンテックではなく、テック企業だ」と強調していたのも、規制当局からの管理・監督や批判をかわすためだったと見られる。

■命取りになったジャック・マー氏のスピーチ  命取りになったのが、10月24日に上海で開催された金融サミットでの、アリババ創業者・馬雲(ジャック・マー)氏のスピーチだ。ジャック・マー氏は2019年9月にアリババの会長職を退き自らを退休人士(引退者)と名乗っていたが、複雑な間接所有でアント発行済み株式の50.5%を保有。グループの中で最も革新的で金のなる木であったアントを実質支配している。  この日、ジャック・マー氏は与えられた15分の時間を超過し、「バーゼル合意は老人クラブ」「中国の問題は金融のシステミック・リスクではなく、金融エコシステムの欠如というリスクだ」と21分間にわたり踏み込んだ発言を繰り返した。

この金融サミットには、国家副主席の王岐山氏や前中国人民銀行総裁の周小川氏など大物が出席。特に、王岐山氏は開幕スピーチで「近年、新しい金融技術が普及し効率性や利便性が高まった一方で、金融リスクも拡大している」と警鐘を鳴らしていた。ジャック・マー氏のスピーチは王岐山氏の発言を否定したとも取れる内容になったのだ。  中国メディア「財新」によれば、ジャック・マー氏はスピーチ原稿を自らまとめ、金融事情に精通したアント関係者には事前に見せなかった。関係者は「ジャック・マーひとりの増長だ」と明かしているという。中国のネット上では、以前の社名「螞蟻金服」(マーイージンフー)と同音の「馬已経服(馬雲はすでに屈服した)」との揶揄がある。未曽有のIPOを直前に控え、ジャック・マー氏は虎の尾を踏んでしまったわけだ。

「ミスター人民元」と呼ばれた前中国人民銀行総裁の周小川氏は、11月10日に開かれたボアオアジアフォーラムの開会式で、「科学技術のイノベーションは巨大な運動エネルギーを生み出すと同時に、社会の安定管理に巨大な挑戦をしている」と警告。デジタル企業の独占禁止について改めて強調した。  政府による強い統制の下で民営企業のイノベーションも享受しようとする中国の「良いとこ取り」政策はうまくいくのか。中国のデジタル企業は岐路に立たされている。

『週刊東洋経済』11月21日号(11月16日発売)の特集は「デジタル大国 中国」です。

 

YahooNews 2020・11/30(月) 20:35配信 COURRIARjapan

中国政府がジャック・マーのIPOを突然延期した「真意」と周囲に発した「警告」

11月5日は上海と香港でアリババの金融子会社アント・グループが上場し、史上最大のIPOとして歴史に刻まれる日になるはずだった。しかし、その直前の11月3日に急遽、上場の延期が発表された。 【画像】中国政府がIPOを延期した「真意」と周囲に発した「警告」 個人投資家が殺到し、上海では応募倍率が872倍に達するほど注目されていた上場はなぜ延期されたのか。そして、この当局の決定はどんなメッセージを発しているのかを英経済紙が読み解く。

米国に中国の力を見せつける狙いがあったが…

アリババグループ創業者のジャック・マーは、大きな夢を抱く人物だ。モバイル決済サービス「アリペイ」の開始準備にあたっていた2004年、まだサービスが拙(つたな)いうちから、同僚に「近いうちに中国最大の金融会社になる」と公言していたと『アリババ 中国eコマース覇者の世界戦略』の著者ポーター・エリスマンは語る。 その夢は叶うはずだった。だが、北京当局は別の決定を下した。アリペイを運営する金融会社「アントグループ」の上場直前に横槍を入れ、待ったをかけたのだ。新規株式公開(IPO)停止前まで、投資家はアントの企業価値を3160億ドルと見積もっていた。これは、中国の銀行最大手はおろか、米国の銀行最大手をも凌駕する金額だ。

北京当局がそのような思い切った措置にでたのはなぜなのだろうか。 史上最大規模の370億ドルのIPOを延期したことは、中国がみずからの首を絞める結果になるかもしれない。アントの上場は、自国のフィンテック推進派にとって誇らしい出来事になったはずだ。 中国政府が香港に課した新しい国家安全法を正当化するとの期待もあった。上海と香港の株式市場への上場は、米国の資本市場を頼らずとも世界最大級の企業の資金調達がまかなえることを見せつける狙いもあった。 また、地政学的にも重要だった。同社のIPOによって、中国は米国の主導権を奪い、科学技術大国としての地位を不動にできたはずだ──それはドナルド・トランプ政権による圧力への北京政府のレジリエンス(打たれ強さ)の象徴だった。 金額が大きいだけに、政府の差し留めは高くつく。11月3日、マーら幹部は中国人民銀行ほか3つの金融監督当局に呼ばれ、厳しい指導を受けた。

だが、当局が上場を延期したのは、政治情勢が原因だと中国のアナリストや銀行員は口をそろえる。 ジャック・マーは中国一の大富豪で著名な起業家かもしれないが、IPOの直前に公の場で監督当局を批判したことが差し留めという結果を招いたのではないかと、彼らは言い添えた。 アリババに関する書籍の著者であるダンカン・クラークは「共産党は圧力をかけている」と言う。 「嫌悪をあらわにし、起業家を排斥しています。金融は商業とは明らかに違うんです。マーはインターネットの力を借りて民営企業を急成長させましたが、それを金融に応用するのは次元の違う話だったようです」

マーは金融監督機関を「質屋なみのメンタリティ」と批判

マーの違反が言い渡された背景には、ますます権威主義化する中国の体制と、米国との対立のなかで金融システムを強化したいという中国の決意が見てとれる。当局によれば、アント叱責の背後には、財政の安定がある──それは習近平政権が2017年から国家安全の問題として、目標に掲げてきたものだ。

マーの批判的な言葉は10月24日、政府高官が出席した会合のスピーチで発せられた。彼は中国の金融監督機関の大半が国有で、返済期間を延長するのに担保や保証を要求する「質屋なみのメンタリティ」しかないと非難した。世界第2位の経済大国には、与信が行える大胆さのある新しいプレイヤーが必要だと。 さらには、革新的な企業や個人は中国の金融グループから距離を置かれることが多いと主張したのだ。 それは型にはまった意見ではない。内情に詳しい関係者たちによれば、成長著しい中国のフィンテック業界を取り締まろうと新たな規制の草案を練っていた監視官らとマーが内々で話をしていたことに気づいた人はほとんどいなかったという。 だが、アントグループはそんな話は一切なかったと否定する。 「申し立ては事実無根で、でっち上げだ。弊社はビジネスにおける重要なリスクをすべて目論見書に開示している」 規制の対象となった争点のひとつに、フィンテック企業がローン返済の保証のバランスシートに計上しなければならない資本金額がある。

中欧国際工商学院の財政学教授であるオリヴァー・ルイは、アントは以前まで30億元(4億4900万ドル)を担保に3000億元のレバレッジをかけられたと言う。だが、新しいガイドラインでは、オンライン金融業者が少なくとも貸し出し資金の30%を自社負担せざるをえなくなり(現在の負担は2%ほど)、外部委託できなくなった。 「そうなれば、アントはいまのローンポートフォリオを推進するために200億ドルほど余計に資本金を調達しなくてはならない」と、ある中国の財政学教授は言う。 「IPOによる調達額が推定370億ドルであることを考えれば、じつに莫大な金額だ。マーが動揺するのも無理はない」

「支配できないものは芽を摘む」が当局の論理

それはアントのビジネスモデルの存続に関わる問題だが、アントのビジネスモデルが先に政府主導型の金融システムに軋轢(あつれき)を生じさせたのだ。 アントはオンライン決済サービス会社として誕生したが、最近は、その民営のフィンテックグループが「中国工商銀行(ICBC)」「中国建設銀行」など国有金融グループが支配してきた領域を侵食していた。莫大な収益は、5億人のユーザーへの1兆8000億元に膨れ上がった小口融資の貸金業から得ている。 だが、規制の草案がIPO延期の理由ではない。北京当局は通常、業界のキープレイヤーに相談し、合意にいたってから新しい規制を発表する、と中国の銀行家は言う。マーケットへの影響を最小限にとどめるためだ。

それが今回は、マーの発言によって事態が一変した。 「ジャック・マーが上海でおこなったスピーチは、規制当局に公然と異議を申し立てたようなものだ。受け入れられるはずがない」と国営銀行の頭取は言う。 「彼の発言に、当局は背中を押されて規制を発令したんだ。北京の論理は『理解できず、支配できないなら、芽を摘んでやろう』だからね」 香港大学の財政学教授であるチェン・ジヴーは、当時の出来事をこう解釈する。 「規制当局は中国人向けのA株と香港市場でのIPOを承認していた。ジャック・マーがスピーチをするまではね。当局はフィンテックを締めつけようと考えてはいなかった。だが、スピーチがすべてを変えた……新華社通信はマーを非難した」 「上場延期とその後の動きは、マーのスピーチがもたらした結果だ」と彼は加えた。

規制当局は、アントの顧客データ管理についても懸念していた。「中国銀行保険監督管理委員会」の高官であるグオ・ウーピンは、今週、「フィンテック企業が支配的な地位を悪用している」と国営メディアで批判した。個人データを企業利益のためではなく、顧客利益のために使うべきだと言うのだ。 11月5日、中国の国営メディアは、上場延期が必要な措置だと報じた。中国外務省のスポークスマンであるワン・ウェンビンは、「市場の安定維持と投資家利益を守るためだ」と述べた。

ジャック・マーの過ちは多くの人の「教訓」となった

上場延期による目下の課題は、テクノロジー・スタートアップの雄だったアントグループの次の一手にある。 アナリストのなかには、アントの優位性と新株発行が生む国際的な期待を考えれば、IPOが永遠に停止になるはずがないと言う者もいる。ありがちなのは、マーと同社の幹部が服従し、公式に謝罪するというシナリオだ。 だが、フィンテックの最終規制案は公式に発表されていないし、アントが規制順守のビジネスモデルを変更するのに数ヵ月かかるかもしれない。資金を割り当て、自己資本を引き上げたときには、アントの利益幅は減少しているかもしれない。そのときにはIPOも、評価額も、いまとは違ってくるはずだ。 「アントの規制リスクが強調されている」と投資ファンド「カイヨアンキャピタル」の最高投資責任者、ブロック・シルヴァースは言う。 「金融当局はアントの消費者金融業としての成長軌跡に影響を及ぼすかもしれないが、将来性にすぐに重大な影響を与えるとは思えない」 アントのIPOにまつわる騒動は、中国市場にチャンスを見いだす投資家や、超大国の変遷を理解しようとする者にとって、教訓になった。 「いまは中国でビジネスをし、大金を稼いでも、頭(ず)を低くしておとなしくしていれば、問題はない」とチェン教授は言う。 「だが、意見するのはよろしくない。ジャック・マーは少しばかり頭が高かった。それが、この結果を招いた」

民間企業の台頭のシンボルを政府は打ちのめした

そんな解釈が、いまの中国の時代精神と合致する。ここ数年の米中対立の激化で、習国家主席は共産党の権力強化と国有企業の重要性を説き、しばしば民営企業への圧力になっている。 11月になると、国営の新華社通信が、国有企業の「強化、優先、大型化」を呼び掛けるようになった。同通信社によれば、この調整は国家戦略の目標を果たし、質の高い成長に適応するためだ。 その一方で、民営企業は“独特の退去命令”を受けるようになった。9月、共産党は民営企業で働く労働者向けのイデオロギー教育、民営企業内の党組織結成の強化、国家戦略への多大な貢献を要請した。

「真意は明らかだ」と、ベルリンを拠点とするシンクタンク「メルカトル中国研究センター」のアナリスト、アンナ・ホルツマンとキャロライン・マインハルトは言う。 「習近平の中国は、共産党がすべての実権を握っている」 文化の衝突は、率直に発言するマーのような起業家やアントのような民営企業にとって、見通しがよいとは言えない。創業以来、国家が支配する経済秩序を再編成することで、マーは大金と名声を得てきたからだ。 “弱者”に仕える会社になりたいと2014年につけられたアントという社名ですら、支持を失う証拠になりかねない。従来型の銀行が官僚的になりがちな国で、アントは銀行にいかなくても、携帯電話ひとつで手軽に支払い、投資ができるようにした。 アントのモバイル決済は、アリペイのアプリを通じて中国に浸透し、毎月7億人のアクティブユーザーと8000万店の業者を抱え、昨年の決済額は17兆ドルに上った。これは、米国のモバイル決済最大手「ペイパル」の約24倍にあたる額だ。 「アントのIPOは、あらゆるシンボルになりえました」と北京大学光華管理学院の教授、ジェフリー・トーソンは言う。 「世界最大のIPO。中国全土に知れ渡った存在。西欧でも比類のない、高い革新性。それが上場直前に停止されたのですよ」

James Kynge, Henny Sender and Sun Yu

 

 
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