十分間俳句

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寺田寅彦の俳句

2008-02-11 | 雑感

寺田寅彦が俳人だったとは、意外だった。
ひょいと「寺田寅彦全集第十二巻」が目に入った。
「俳諧・俳諧論」とある。
寺田寅彦というのは、物理学者じゃなかったっけ。文学的な評論を書いていたことは知っていたが、まさか俳句もやっていたとは。(不勉強というほかない)
どんなことが書いてあるのか、興味があった。
考えてみれば、彼は夏目漱石の弟子だから、俳句をたしなんだとしても不思議はない。
作句の期間は、明治三十一年から昭和十年までである。最初の数年は、一生懸命作っているが、後は発表句に関してはわずかな数にすぎない。それよりも連句がかなりあるので、驚く。


大学校内の池にて水の温度を測る (と言う前書きのある句)


 椎の影蔽ひ尽して池寒し


科学者らしいこんな句もある。


 客観のコーヒー主観の新酒哉


 しべりあの雪の奥から吹く風か


 哲学も科学も寒きくさめ哉


ちなみに、「雪は天から手紙である」という言葉で有名な中谷宇吉郎博士は、寺田寅彦の弟子である。


「俳句の精神」で、寺田寅彦は、俳句は日本人の特異な自然観の上に成り立っていることを述べている。実に明解である。このことについては、後日述べることにする。



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