今日はケーブルテレビの収録があった。
この一年、四回にわたって、ケーブルテレビが「俳句に夢中」という番組を企画した。
私に先生役で出演してほしいという依頼があった。おそらくただで出演してくれるからだろう。
今日は、その最終回、第4回目の収録があった。
はじめは、波郷記念館。石田波郷を紹介し、学ぶ。そのあと、豊洲に出て俳句を作ろうという企画である。
波郷は昭和を代表する俳人の一人である。波郷の生涯を調べてみると、正に俳句一筋の人生であり、病気との闘いの人生であったことがわかる。
「俳句は文学ではない」「俳句はなまの生活である」俳句にかけた波郷の意気込みがわかる。
桑原武夫の第二文学論ではない。文学のようなきれいごとではなく、俳句は人生そのものだと言っているのだ。
そう思って波郷の俳句を読むとまた違う感慨に打たれる。
私が最も好きな波郷の句は
初蝶やわが三十の袖袂
であるが、今回学び直してみて、この先に波郷の深い世界があることが心に刺さった。
波郷記念館の後、豊洲のぐるり公園に向かう。
風がなく静かな海には春の光が輝いていた。
ここで俳句を作り、撮影は終了。
一緒にお付き合いしていただいたタレントの山崎さん。プロは違うと感じたことがある。俳句などこれまでやったことがないのに、雑談の中からポイントになる言葉を探り出し、撮影の時にわかりやすく提示する。この力に舌を巻いた。
放映は1月末らしいが、4回出演し、いい勉強をさせてもらったと感じた。