難敵パーキンソン病については、原因は解明しつつありますが、予防・治療法については、はっきり有効性のある薬剤はありません。しかし、いろんな研究により、コ―エンザイムQ10(Q10)が、可能性があるのではないかと、期待されています。
Rush大学の研究者らは、初期のパーキンソン病に対し、その病気の進行を遅くする化合物を確定するため、Q10のフェーズ2の臨床試行を計画しています。その試行は、1,200mg/日のQ10を16ケ月にわたって摂取してもらい、患者の毎日の生活活動ができる能力と運動機能の低下を減らすことを明らかにした発見の、初期の研究となることと、思います。研究者らは、米国やカナダの60ケ所の研究センターで、パーキンソン病患者に16ケ月にわたって投与するため、ビタミンEを含む12,00mg/日と2,400mg/日のQ10を水溶性チアブルの形で摂取してもらい、試験する予定です。被験者らは、震顫、手足と体幹の硬直、筋肉運動の協同とバランス、動きの速さ、日々の活動を行う能力、生活の質、それに医療を受ける必要性などを評価されます。
パーキンソン病は、エネルギーを産生する細胞小器官であるミトコンドリアに損傷を受けています。Q10は抗酸化作用に加えて、ミトコンドリアのエネルギー産生に関係しています。それゆえ、体内のQ10を増やすことは、ミトコンドリアの機能の改善に有益です。パーキンソン病の研究では、その患者のQ10値の低いことがわかりました。実験室の研究では、パーキンソン病により、ダメージを受けた脳の部位でのQ10の保護作用を示しました。従って、ヒトのパーキンソン病に対してもQ10は有益な可能性が考えられます。副作用も少ない体内に存在する物質なので、試してみる価値はあります。これからは、これに関していろいろ研究が発表されることと思います。
Reference
Coenzyme Q10 trial planned: LifeExtension. September 23,2009
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