医科栄養学・栄養医学ブログ

医学部で医科栄養学を学んだ経験と最新の栄養医学をこのブログに反映したいと、考えています。

神経機能とビタミンCの役割について 日本ビタミンC研究会 藤井毅彦

2013-10-04 19:51:08 | 健康・病気

ビタミンCはガンだけでなく、神経機能や精神機能と深く関係していることが、研究から見えてきました。今回は、新しい研究による眼の神経細胞とビタミンCの関係を中心に考えていきたいと、思います。

結論から言いますと、眼の神経細胞はビタミンCを必要とします。このことは、ビタミンCが他の部位の神経システムに必要とされる可能性があることを、示唆しています。そこで、目の神経細胞は脳と繋がっており、従って、脳の神経細胞にも必要であることが、示唆されます。

オレゴン健康・科学大学のHenrique von Gersdorff博士らの研究によると、金魚の網膜細胞は、ヒトに見られる網膜細胞によく似ています。細胞のGABA-タイプのレセプターが、神経細胞の間の連絡の調整作用を促進し、ビタミンCが欠乏した場合、それは完全に機能を停止します。これらの細胞は脳細胞と同じタイプで、脳の他の部位のGABA受容体は、やはりビタミンCを必要とする可能性が有ります。神経系はビタミンCを多く必要としますが、特に脳神経はより多くのビタミンCを必要とすることが、多くの研究で明らかになっております。

次に、ビタミンCの抗酸化能は、その細胞を守るために、酸化ストレスによる破壊から受容体と細胞を守るのに役立ちます。von Gersdoriff博士らによると、網膜の細胞は、内側でも外側でも適切に機能するため、大量のビタミンCで満たされることが必要です。なぜなら、網膜は、中枢神経システムの一部です。このことから、以前に全然わかっていなかった脳でのビタミンCの重要な役割が、多分存在すると、考えられます。すなわち、網膜と同様、脳も大量のビタミンCで満たされることが必要です。これが満たされない場合、脳はいろいろな機能障害が生ずると、考えられます。脳は、一番ビタミンCが必要な部位です。

この発見から、GABA受容体の機能不全による、網膜と脳の神経細胞の機能悪化によりもたらされる他の疾患との密接な関係を有する可能性が存在します。例えば、ビタミンCの豊富な食事は、特に緑内障になりやすい人々にとって神経保護作用の可能性が有ります。また、白内障のヒトが、ビタミンCの大量摂取でその進行が抑えられたという研究報告もあります。これは、水晶体の酸化をビタミンCが抑えると、考えられます。

References

Nerves need VitaminC:LifeExtension, July15,2011

Irwin Stone: The Healing Factor VitaminC Against Disease,National Health Federation Bulletin

Henrique von Gersdorff: The Journal of Neuroscience, June 29,2011

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