医科栄養学・栄養医学ブログ

医学部で医科栄養学を学んだ経験と最新の栄養医学をこのブログに反映したいと、考えています。

腎臓ガンのビタミンC点滴療法の臨床症例について 日本ビタミンC研究会 藤井毅彦 

2013-10-07 22:59:55 | 健康・病気

ガンの還元型ビタミンC点滴療法については、最近では、米国国立癌研究所、ジョンズ ホプキンス大学、それにオタゴ大学などは、症状の改善、quality of lifeの改善、抗ガン薬の副作用の軽減、それに延命効果などを報告していますが、メイヨ―クリニックのモーテル博士、スローン ケッタリング病院のへ―ネ博士らは、ビタミンCは有効でない、と報告しています。モーテル博士の場合は、臨床研究のデザインの不適格性、へ―ネ博士は、酸化型ビタミンCを用いた研究であることが判明しています。このことが世界中に大混乱を起こしました。しかし、ここでは、研究デザインで信頼できる臨床例を紹介したい、と考えています。

かわいそうな予後だが、まれに有望な結果がガン患者では認められることは、今までは考えられませんでした。しかし、Padayatty博士らは、米国国立癌研究所のガンに対するビタミンC点滴療法での最良の症例経過になった分析結果は、代替療法での明らかな好反応であると分析し、報告しています。三症例の内、まず最初に、腎臓がんの婦人の症例について考えていきます。

症例A
51歳の女性で、左側の腎臓がんでした。腎臓切除後真正の細胞ガンであることが確認されました。胸部と腹部のCTスキャンは、ガンの転移の兆候を示していませんでした。しかし、6ケ月後、
胸部CTスキャンでは、転移性ガンと判定され、小さい、丸い、はっきりした、柔らかい組織の塊であることが証明されました。その後7ケ月目に、多くの部分からなるキャノンボール大の病変が認められました。その患者は、放射線や抗がん剤を用いた伝統的治療法を拒否し、代わりに、胸腺蛋白質抽出物、N-アセチルシステイン、ナイアシンアミド(ビタミンB3)、それに
全甲状腺抽出物を含む代替療法と共に、10ケ月間、一週あたり2回、毎回65gのビタミンCの点滴を選びました。7ケ月後、キャノンボール大の病変が認められ、胸部X線撮影では、左の肺の肺性瘢痕がある可能性以外は正常でした。キャノンボール大の病変が、実際に悪性であるという組織学的証明があって、ビタミンCの点滴が有効であったとの結論は、強固なものになるはずです。しかしながら、肺性病変の臨症上の特徴と展開は、他のいかなる診断をも有りそうでないはずです。不幸にも、この婦人は長年、重喫煙者でした。また、重喫煙者は、ガンの予後は極めて悪いと、いろんな研究では証明されています。この婦人はそれから4年後、小細胞性肺癌と診断されました。転移によるものでした。一時ビタミンCの点滴を中止していましたが、再び開始しました。しかし、ステージ4だったのでビタミンC点滴療法に反応しませんでした。転移性ガンのステージ2~3の時に、ビタミンC点滴を実施し、禁煙、獣肉を止め、野菜や果物のジュースを中心としたマックスゲルソン療法改を実施していたら、もう少し展開が違ったものになった、と考えられます。

References

Sebastian J.Padayatty, et al: Intravenously administered vitaminC as cancer therapy;
three cases, CMAJ 2006,174(7). 937-42

Cancer case reports of benefit from vitaminC: CureZone. com,

藤井毅彦:ガンの予防し。治すビタミンC療法、日本ビタミンC研究会、1982年