医科栄養学・栄養医学ブログ

医学部で医科栄養学を学んだ経験と最新の栄養医学をこのブログに反映したいと、考えています。

肺ガンのビタミンC点滴療法の臨床症例について 日本ビタミンC研究会 藤井毅彦

2013-10-30 21:26:30 | 健康・病気

ポーリング博士が活躍されてた時代にも、ガンのビタミンC点滴療法を実施していたクリ二ックは、米国にはありました。現在と違って投与量は少ないですが、効果を認めています。今回は、リオルダン医師と並んで有名なニュ―ボルド医師の症例について考えていきたいと、思います。

肺ガンの症例B
56歳の女性で25年間、毎日タバコを2箱吸い、20年間、咳をしていました。1977年5月胸の痛みを感じました。それである病院でX線写真を撮り、胸壁に長い針を差し込んで生検を行い、胸壁のオート細胞ガンと診断されました。6週間、化学療法とコバルト照射療法を実施しましたが、副作用が強く、体の毛が抜け、目が落ちくぼみ、顔色が青白くなりました。副作用の酷さのため、その年の12月にニューヨークにあるニューボルドクリ二ックへ来て、どうかしてほしいと頼みました。ビタミンCを5g/日、点滴しましたが、悪寒と吐き気がしたので、2.5g/日に減らしました。
保存剤のせいだと考えられたので、次の日、保存剤の入っていないビタミンC末1gを1日4回、水に溶かして飲みました。さらに、総合ビタミンと、1日3回、炭酸マグネシウムと炭酸カルシウムを
をMgとCaの供給源として摂取しました。キべマン食事療法(マックス・ゲルソン食事療法によく似た、野菜や果物を主とした療法)を実施し、甲状腺末も30mg/日摂取しました。ビタミンCの5g/日の点滴には耐え、その点滴4日目には吐き気がなくなり、十分な水も飲めるようになり、生気がよみがえりました。そして、同時に1日あたり4回、経口投与でビタミンCを2gづつに増やしました。9日目には改善が著しく、1日あたり4回、3gづつに増やしました。他のビタミン・必須ミネラルも加えられ、毎日36gまで点滴できるようになりました。ビタミンPも加えられ、1ケ月ビタミンC療法を行い、生き返ったようになりました。1978年4月の時点で健康状態は良好です。

この症例は、ニューボルド医師が"VitaminC against Cancer"という本を書くきっかけになった症例です。点滴と経口摂取をうまく組み合わせ、常に体が、ビタミンCで満たされるよう工夫されたことが、この症例からうかがえます。

Reference

H.L. Newbold: VitaminC against Cancer. Stein and Day /Publishers. September, 1979