医科栄養学・栄養医学ブログ

医学部で医科栄養学を学んだ経験と最新の栄養医学をこのブログに反映したいと、考えています。

LDLコレステロール・中性脂肪対策と緑茶の効果について 栄養医学ブログ 日本ビタミンC研究会 藤井毅彦

2013-10-23 16:29:09 | 健康・病気

心臓血管系疾患対策として、コレステロ―ル値の改善はかかせません。管理栄養士の食事指導でかなり改善してきましたが、日々の食事を食事療法に従って実行することは、時間の面や手間の面で大変なようです。その中で、中性脂肪値は食事の改善で下がりやすいが、LDLコレステロール値は、加工食品や高カロリー飲料を減らさないとなかなか下がりません。ここに、食事療法に加え、緑茶を日々良く飲むことにより、LDLコレステロール値や中性脂肪値が下がった(改善)という、研究を紹介します。なお、更に多くのデータの集積が必要ですが、参考になると、考えます。

the American Journal of Clinical Nutrition(June 29,2011)誌に載った研究報告によると、メタ分析による結果では、緑茶を飲むことによる心臓血管系への利点の、より多くの証拠が有ります。

研究者らは、血清脂質に及ぼす緑茶飲料、もしくはその抽出物の作用を評価した14件の対照群を伴う試験を再調査しました。1,136名の男女の対象者では、緑茶の喫飲は、心臓血管系のリスクが有る無しにかかわらず被験者では、血清中性脂肪値だけでなく、血清LDLコレステロール値(LDL)の低下を伴っていたけれども、HDLコレステロール値(HDL)には影響を及ぼさないようでした。緑茶を日々愛飲している男女は、LDLの2.19mg/dlと中性脂肪の7.2mg/dlの平均した低下を経験しました。

コレステロールの吸収阻害は、コレステロールの合成に及ぼす直接的阻害作用の可能性に加えて、血清コレステロール値の低下での緑茶カテキンの一次的メカニズムです。緑茶の作用は抗コレステロール薬のスタチンの作用によく似ています。その作用はコレステロールの合成を減少させ、LDL受容体を増やし、循環系からLDLコレステロールを除くのに有益です。

これらの結果から、緑茶は心臓血管系の健康を改善するために、人々の健康対策の一つとして食事プログラムに加えられる可能性が有ります。米国人は食事の基本的な部分で、高カロリー飲料もしくは高カロリーアルコール飲料を良く摂取しています。ただし、米国人の20%は緑茶を飲んでいます。日本人も近年、米国の傾向とよく似てきています。従って、LDLコレステロール値と中性脂肪値に問題が有る人が増えています。日本国の古き良き習慣である、緑茶を良く飲む習慣を復活させることが、喫緊の課題となっています。

References

the American Journal of Clinical Nutrition: June 29,2011

Meta-analysis associates green tea consumption with lower choresterol: LifeExtension.July20, 2011