医科栄養学・栄養医学ブログ

医学部で医科栄養学を学んだ経験と最新の栄養医学をこのブログに反映したいと、考えています。

ビタミンCで糖尿病によるダメージ(合併症)をストップさせよう 日本ビタミンC研究会 藤井毅彦

2013-10-18 12:50:46 | 健康・病気

ビタミンCの血中濃度が高いことは野菜と果物の摂取を多くしている結果で、それに伴いビタミンCだけでなく、いろんなポリフェノールやカリウムイオンの摂取が多くなっています。そして、それらの相乗作用や協働作用により、糖尿病によるダメージである合併症を防いでいると、考えられます。したがって、血中ビタミンC濃度から野菜と果物などの摂取状況が推測されます。

ところで、Ihmat博士によると、インスリンと他の多くの抗糖尿病薬は、血糖コントロールのため、長年、使用されてきました。しかし、イタリアとハンガリーの科学者による研究では、血糖がコントロールされている時でさえ、体にダメージを与え続けさせる記憶(メモリー)が残ります。還元型ビタミンCのような抗酸化栄養素を摂取することにより、体にダメージを与え続けさせる細胞での記憶は消え、細胞の機能と酸化ストレスは正常化します。

糖尿病によるダメージは、血管内皮の機能障害に伴って起こります。Ihnat博士は、ビタミンCをテストし、糖尿病によるダメージに対する効果が真実であることを証明しました。このことは、糖尿病患者がグルコースをコントロールするだけでは十分でないことを意味しています。そして、グルコースのコントロールと併用して抗酸化栄養素を摂取する治療法は、更に糖尿病患者に有益で、合併症の発症を防ぎます。また、糖尿病治療食に野菜やマメなどが多いのもこの研究から、納得がいきます。

そして、管理栄養士(clinical nutritionist)の指導のもとに食事療法を実践し、補助的に抗酸化栄養素を摂取するのが賢明ですが、ビタミン・ミネラル栄養学などの幅広い知識やバックグランドを有する専門家に相談するのが、一案です。

ところで、ハーバード大学のQi Sun博士の研究によると、果物の摂取は、ジュースの形でなく、そのまま食べた場合、糖尿病の発症リスクがブルベリーでは最大26%低かったという、報告が有ります。他に、ブド―、リンゴ、プル―ン、梨、バナナ、グレープフルーツでも糖尿病リスク軽減作用が報告されています。その他の果物にも糖尿病発症リスクの軽減作用が有ると考えられますが、早急の研究を期待しています。ビタミンCやいろんなポリフェノール、カリウム、ペクチンなどがこの軽減作用に関係していると、考えられます。そして、ビタミンCの血中濃度はその指標と考えています。なお、ジュースの形で摂取すると、そうでない人に比べて、糖尿病の発症リスクが21%ほど高かったという、研究があります。また、日本国では、管理栄養士が糖尿病患者の果物の摂取を控えるよう栄養指導しているところがありますが、この研究からそのまま食べる分には問題はなく、ジュースの形での摂取を控えるよう栄養指導するのが、賢明と考えます。いろんな発見で栄養指導も、これからは変わっていきます。

References

Qi Sun: British Medical Journal

Stopping Diabetes Damage With VitaminC: ScienceDaily, June 10, 2009

University of Oklahoma, via EurekAlert, a service of AAAS