医科栄養学・栄養医学ブログ

医学部で医科栄養学を学んだ経験と最新の栄養医学をこのブログに反映したいと、考えています。

ガンのビタミン・ミネラル補完療法について 栄養医学ブログ

2011-02-20 21:59:55 | 健康・病気

 ビタミンA,VB6,VB12,VC,VD,VE,VK,それにβーcarotene,selenium,cysteine、などを単独にあるいは化学療法、放射線療法と併用して、用いた、51件の細胞での研究や81件の動物での研究によると、化学療法、放射線療法に干渉せず、正常細胞の保護作用を増大させ、ガンに対する殺作用を強める、等の同じ結果を示しました。また、ある研究では、動物の生存率を高めました。

 組織的治療と放射線療法に併用して、単独もしくは複合した栄養素療法では、8521名のガン患者を含む、50件のヒトでの研究では、これらビタミンなどの栄養素は治療に干渉しないことを示していた。また、併用投与では、より高い応答率と、より高い延命率をもたらすことが、報告されています。

 その他の研究では、副リンパ節にまで広がった乳ガン患者32名は、毎日、VC,VE,Q10,βーカロテン、selenium,オメガ3不飽和脂肪酸、等の栄養サプリメントの摂取とともに、伝統的外科治療・化学療法を受けました。VCの摂取量は2,850mgでした。サプリメント摂取群は、伝統的治療群に比べて、再発率の減少、QOL、延命率、部分的寛解率の改善が認められました。

 しかし、Heaney博士がCancer Research, 2008 Oct に発表した論文は、酸化型ビタミンCをビタミンCとして発表したため、読者に誤解を与えました。ビタミンCは正式には、還元型ビタミンCのことです。酸化型ビタミンCは毒性が有り、腎臓障害やβー細胞障害をもたらす可能性があり、臨床の点滴液には使われていません。したがって、ガン患者の治療には適さないようです。何の目的で論文をCancer Research  に発表したか、疑問が残ります。酸化型ビタミンCの研究は、ヒトのガン治療に使えません。

さらに、 研究によると、VC点滴にその他のビタミン・ミネラルを併用すれば、VCの効果が強まるようです。臨床でもVCに併用しています。

References: Envita`s Natural Issues Blog

なお、当方の、別の栄養医学ブログ記事は、nutr-blog.blogspot.comでも発信しています。