米国での研究によると、ビタミンC(Vc)の大量点滴療法は必須ミネラルを奪い、必須ミネラル不足を招き、したがって、その補給が必要です。放射線や抗ガン剤によるガン組織の破壊により、体の中に多くの有害物質が造られます。このときVCやVE(天然型ビタミンE)が十分与えられていれば、肝臓はその有害物質の解毒のためによく働いてくれます。ガン患者はVA(ビタミンA)の欠乏が見られ、化学療法を受けたヒトでも同時に大量のVAが与えられた患者は、VAの血中濃度の低い患者に比べて、治療にはるかによい反応を示しました。副作用発現境界量はVA, 膵臓酵素、ミネラルに限って問題になります。少量投与では問題ありません。性ホルモン性ガン以外のガンでは、VEは破壊されたガン腫瘍が死滅した場所に、健康な組織が再生されるのを促進し、組織が酸化されるのを防ぎます。ガン患者はVEを100国際単位、毎食とともに摂取し、一週間続け、次の7日間は400国際単位を一日二回摂取します。そして100~400国際単位/日を最低限摂取するように勧めます。dアルファトコフェロ―ルなど天然型が安全ですし、効力が強いようです。なお、これらの栄養素の併用が効果的と、考えられます。
次に、放射線療法も化学療法も体からビタミン類を奪い、体の生化学的バランスを崩壊させます。ガンへの対応として、免疫機能を効果的に働かせるには、ビタミン類や必須ミネラル類を栄養サプリメントや食事で補うことが大切です。また、野菜ジュ―ス、塩抜き食、果物、雑穀、海草、玄米、全粒小麦粉、トランス脂肪酸を含んでいない食品、ビール酵母、野菜、豆、等の摂取もビタミンC改善療法と並行して、行うことも大切です。放射線療法によって、体内のVA,E,C,D,K,ビタミンB類、オメガ3脂肪酸、等が破壊されます。したがって、サプリメントで補給しなければいけません。これらは伝統的治療法やビタミンC点滴療法の効果を高め、副作用を減らします。VCは悪性黒色腫のネズミに延命効果を発揮し、放射線療法の効果を高めます。vCとVKの併用はガンに対し相乗効果を発揮し、抗ガン剤に対しても、VE,VD,セレ二ウム、等は効果を高めます。他に、Q10,αーリポ酸、亜鉛、Mg,K等も抗酸化作用、免疫作用があり、補完的に用いられいます。それにガン細胞は熱に弱い性質があることが、昔から知られていました。マイルド温熱療法の併用も効果を高めます。家庭用マイルド温熱器も発売されているようです。
References: Qullin.Beating Cancer with Nutrition,1994. Brenda Kidman,A Gentle Way with Cancer, Century Hutchinson 1983
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