医科栄養学・栄養医学ブログ

医学部で医科栄養学を学んだ経験と最新の栄養医学をこのブログに反映したいと、考えています。

ガンの正体とビタミンC改善療法について その四 栄養医学ブログ

2011-02-01 22:49:29 | 健康・病気

英国王室科学・技術・医学大学のMaxwell博士の研究では、prolyl-4-hydroxylase遺伝子、すなわちPHD遺伝子は、低酸素症の組織間の発現といろんな刺激となる反応において、著しい変化を示します。このことは、違った環境でのHIFの反応を調節する手段としての可能性を提供します。そして、フィ―ドバック阻害の要素を提供するものです。hydroxylase酵素の濃度のみならず、細胞での第一鉄の効力のような、その他のパラメータが反応率に影響する可能性があります。ガン細胞群と一部のガン細胞群において、HIFprolyl-hydroxylase活性が規定の培養条件下で制限され、HIFの部分的活性を生じ、それがビタミンCの補給により調整できることが、重要であるようです。VHLガン抑制因子での生殖細胞の変異は、遺伝性ガン症候群を生じ、その発現は明らかな腎細胞癌腫の高い危険性をもたらします。CCRC腫瘍の増殖を抑制するVHLにとって、HIF-2αの不活性化は、必要であることは明らかで、HIF活性に拮抗することが、特に、これら腎細胞癌腫に対する魅力ある戦略に思えます。ビタミンCはガン戦略に特に有望で、抗酸化栄養素も有望です。

低酸素状態下では、hypoxia protein(低酸素症蛋白質)が遺伝的に、いろんなタイプのHIF-1を含むガン細胞をつくります。ガン細胞ではフリーラジカルが大変多く、HIF-1が癌細胞を増殖させています。HIF-1はフリーラジカルが安定化すると生存できなくなり、したがって癌細胞は死滅します。フリーラジカルの安定化には、ビタミンCなどの抗酸化栄養素が役割を果たしています。また、抗酸化栄養素は、併用投与することにより、抗がん作用か強くなり、単独投与の弊害も除かれ、抗ガン作用が強化されると、考えられます。

Reference

Proc Amer Assoc Cancer Res: Maxwell et al, Vol 45,2004

なお、当方の栄養医学ブログ記事は、nutr-blog.blogspot.comでも発信しています。

 

 

 


ガンの正体とビタミンC改善療法について  栄養医学ブログ

2011-02-01 14:42:26 | 健康・病気

 Johns Hopkins大学のDang博士らによる研究では、ヒトリンパ腺細胞と前立腺ガン細胞それに活性化したMycをマウスに移植しました。するとマウスは活性酸素を産生しました。そして、次に抗酸化栄養物質のビタミンCを加えた水をマウスに投与しました。それは、フリーラジカルを消去し、DNAの損傷を防ぐためでした。

数週間後、ビタミンCを投与したマウスの移植ガンは増殖していませんでした。抗酸化栄養物質が明らかに、有効に働いたのでした。でも、予期しなかったことですが、抗酸化栄養物質を与えなかった対照群のマウスはガンが増殖し、たくさんのフリーラジカルが認められました。しかし、DNAの損傷はありませんでした。

フリーラジカルが存在し、DNAの損傷が認められないにもかかわらず、ガンが増殖するのなら、ガンの増殖を抑えたのはフリーラジカルの消去ではなかったことになります。抗酸化栄養物質はほかの方法で作用しました。

悪性腫瘍は周辺の酸素を多く使い果たします。そのことは、もしもHIF-1がなかったならば、糖をエネルギーに転換する能力が阻害される可能性があります。ちなみに、HIF-1は酸素なしに、エネルギーへの転換を可能にする蛋白質の一種です。

ビタミンCを投与していない対照群の活発なガン細胞は、HIF-1が大量に存在しました。しかし、ビタミンC投与マウスはそうでありませんでした。HIF-1値はフリーラジカルの存在に依存します。抗酸化栄養物質を用いてフリーラジカルが消去されることは、すなわち、HIF-1値の低下を、抗酸化栄養物質がもたらし、ガンのエネルギーのバックアップ供給源を断つことになります。

さらに、ビタミンCとビタミンCパルミチン酸エステルを併用して摂取すると、細胞内組織のコラーゲン産生を促進して、細胞内組織を補強し、ガンが身動きできないようにし、転移や増殖を防ぐと、Pauling博士らは述べています。

また、カリフォルニア大学の調査では、12,000の成人が平均10年にわたって、大量のビタミンCを摂取し、すべてのガンによる死亡率が最低であることが判明しました。また、日本ビタミンC研究会の調査でも、少数ですが同じ結果でした。

References

Vitamin C and Cancer Therapy :www.Real-Foods. net

Ascobyl Palmitate :Michael Lam. www.Dr Lam.com

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