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納戸の奥に眠っている箱を久しぶりに出してみると…
買い集めていた45年前の週刊ベースボールを読み返しています

# 791 夢の球宴 ③

2023年05月10日 | 1977 年 



オールスター休暇
出場選手は別としてオールスター期間中はチームにとってはサマーバケーション。ホッと一息つけるはずなのに、ちょっぴり浮かぬ顔もチラホラ。ただいま旋風を巻き起こしているクラウンと日ハムである。何故か…せっかくの勢いに水を差すことになるから。特に現在パ・リーグ首位を快走中のクラウンにその懸念が強い。ある評論家は「失礼ながら今のクラウンに優勝を争う力はない。首位にいるのは奇跡に近い。持てるチーム力『10』がたまたま『20』になっているだけで長続きはしないから勢いに乗って突っ走るしかない。それだけにオールスター期間の休みは痛い」と診断する。

「昭和33年の日本シリーズで西鉄は巨人と戦ったが、巨人3連勝後に雨で1日順延してガラリと様相が変わり西鉄が奇跡の逆転劇を起こした。勝負とはそんなもので今度はクラウンが憂き目に遭わなけれよいのだが」と勝負の流れとか勢いの大切さを実感している博多のオールドファンは心配する。鬼頭監督(クラウン)も重々分かっているようで「こうなるとオールスター休みが邪魔だな」と不安が顔をのぞかせている。クラウンの強さが本物かどうか、オールスター明けの戦いに注目が集まるが、周囲の「たまたま」「すぐに元の指定席(最下位)に戻るさ」という声に反発して是非とも秋までクラウン旋風を巻き起こして欲しいものだ。


ウチは実力とオーナー
一方、日ハムにも同様の心配がありそうだが、こちらは少々事情が違う。むしろオールスター休みは歓迎すべき期間と考えている。大沢監督は「そりゃあウチにとってオールスター休みは無い方が良いかもしれないけど…」と語尾を濁すが大社オーナーは「好調と言われて2ヶ月も続いたら勢いではなく実力だよ」と余裕の表情を見せる。しかし前期終盤の快進撃時に比べると投手陣に疲れが顕著だ。3点取ればほぼ勝てていたが7月20日の南海戦では4対0から逆転負けを喫した。その為、ここらで投手陣を再調整したいというのが本音らしい。球宴出場の高橋直、高橋一投手には球団が自前でトレーナーを同行させている。

7月14日には一日天下に終わったとはいえ首位に立った。その後は長期ロードに出て本拠地の後楽園球場に戻るのは40日後の8月23日(対クラウン戦)だ。神宮球場での対近鉄3連戦を皮切りに東京➡大阪➡東京➡札幌➡大阪➡仙台➡小倉➡東京➡大阪とロッテ顔負けのジプシー状態が続く。チームにとって本当の正念場となる。それもあってオールスター期間中の7月22日・23日・24日を異例の3連休としたのだ。既に後期シーズンは始まっているが、オールスター戦明けの阪急戦(札幌)から「さぁ休みも終わり今日から後期が始まる気持ちで頑張ろう!」とハッパをかける腹づもりの大沢監督だ。

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