納戸の奥に眠っている箱を久しぶりに出してみると…
買い集めていた45年前の週刊ベースボールを読み返しています
◆ 期待度・・主砲の柏原選手には大きな期待がかかっている。3月3日の米軍・嘉手納基地のクラブチームの嘉手納ファルコンズ戦で満塁本塁打を含む3安打・2本塁打・6打点と大爆発したがオープン戦が始まるとバットは湿ったまま。5試合を消化しても無安打は続き、3月16日の中日戦でようやく22打席目に米村投手から初安打。「嬉し過ぎて一塁ベース上でバンザイしようかと思ったよ」と本音を漏らした。高田監督は「全く心配していない。公式戦の分を取って置いているんだよ」と気にしていない。
◆ 不運度・・若手にとって実戦経験は何よりも大切な事。そんな中、ことごとく登板のチャンスを逃してしまったのが5年目の芝投手。九州遠征出発前の3月8日、高田監督が「良い速球を持っていると下(二軍)から報告があったので是非とも見てみたい」と芝投手を遠征メンバーに加えた。さっそく9日の巨人戦に登板した(2回・3安打・1失点)までは良かったが先発を予定していた近鉄戦と南海戦が共に雨天中止。中継ぎ登板予定だったヤクルト戦も雨。結局、実力を示す前に再び二軍へ。「ツキが無かったです…」と肩を落とす芝投手だった。
◆ 番外編・・野球とは関係ないが遠征の移動中に一番目立っているのが田中幸投手。身体は大柄でただでさえ目立つのに服装がヨーロピアン・カジュアルでビシッと決めて更には腕にはキラキラの時計をはめていて、一見すると " その筋 " の方と間違われそう。聞くところによると田中投手はオシャレに年間100万円近くも使うらしい。「エへへ、まぁ身だしなみは大切にしたいですからね」と田中投手はニヤリ。
【 センバツ随想録:津末英明 】
今も同僚の岡部とタツ(巨人・原)らと甲子園には夏3回、春1回行きました。センバツ出場は2年生の時でタツが三番、僕は四番でした。決勝まで勝ち進み高知商と対戦しましたが延長13回で5対10で負けました。個人的にはセンバツ大会は負けても夏の大会がある、と夏と比べてお祭り感が強かった記憶があります。夏の大会はとにかく暑くて、勝っても負けても苦しかった思い出しかありません。
【 試される男:河野博文 】
巨人とのオープン戦は3試合組まれていたが、そのうち2試合に河野投手は登板した。「マスコミも多く、お客さんも沢山入る巨人戦で活躍できれば本人も自信がつくだろう」と高田監督の指令で河野投手はマウンドへ上がった。3月8日の試合は1回・1安打・1失点。15日の試合は仁村に一発を喰らうなど2回・1安打・2失点。投球回数の割りに4四球と今一つの内容だった。「やっぱり緊張しました。カーブがダメで直球で押しましたがマダマダです。いい勉強になりました(河野)」と強心臓のルーキーもしおらしかった?
【 投手コーチに聞く、今季の投手陣はどうなる? 】
聞き手…オープン戦も終盤ですが成果はいかがですか?
大 石…鴨川、名護と天候に恵まれて多くが順調に仕上がってますが、今一つの投手もいます
聞き手…投手陣の柱となる選手は?
大 石…田中富と津野ですね。田中は右足大腿部痛の為にスローペースですが今のところ順調です。球のキレ、制球ともに
仕上がってます。昨季(8勝)以上を期待しています。津野は昨秋から取り組んでいるフォーム矯正も上手くいき安定
してきました。田中同様に大いに期待しています
聞き手…不安材料は?
大 石…ここへきて田中幸がフォームを崩してしまいました。鴨川キャンプでハイペースで体力をつけ、名護で仕上げる
予定でしたが名護キャンプの途中でフォームを作り直したりで遅れ気味です
聞き手…ベテラン勢はどうですか?
大 石…三沢は張り切って年齢以上のトレーニングを続けたお蔭で良い仕上がりです。12日の阪神戦でも良い結果を
出しましたし、中5日でローテーションの一角を任せても大丈夫かと考えています。間柴もスロー調整ながら順調です
聞き手…新人を含めて若手は?
大 石…河野は外角の球に魅力を感じます。ただ決め球を欠く点で西村、田中学、高橋正らと一軍当確ライン上で
争っているのが現状です。また佐藤誠は充分一軍レベルに成長しました
聞き手…強力投手陣は復活しそうですか?
大 石…何しろ昨季の勝ち頭が田中富の8勝ですから多くは望みません。若手の伸びをきっかけに立ち直ってくれたらと
思っています。極端な話、今季は土台作りの年だと考えています
◆ ズッコケ・・断トツでドカベンこと香川選手。普通にしていてもユーモラスなドカベンだが今はアピールポイントの打撃がダメダメ状態。豪快な打球を飛ばすのが売りのドカベンがオープン戦では凡打を繰り返し、穴吹監督に「なんぼ打っても投手の頭を越えないんやから話にならん」と言われる始末。「バットで打って3㍍のチョロなんてゴルフのパターだよ」と好きなゴルフの腕前はメキメキ上達しているが本職の野球では投ゴロの山を築くドカベンに山本打撃コーチも頭を抱えている。
◆ 大変身・・これ迄のノーコンぶりを返上して首脳陣を驚かせのが竹口投手。3月18日の近鉄戦で12球団一番乗りの完投勝利をあげたのだが、実は竹口投手はこれがオープン戦、公式戦を含めて初めての一軍戦登板だった。と言うのも竹口投手は制球に難が有りとても一軍で通用するレベルではなかった。試合中も竹口投手が打者の打ち気を外す誘い球を投げたらベンチでは「オイ、あいつがボール球を投げたぞ。捕手は正気なのか?」とヒソヒソ話。しかしベンチの心配をよそに終わってみれば猛牛打線を初回の1失点のみに抑えた。
◆ 酔っ払い・・ユニフォームに着替えてグラウンドに現れたとたん、周りの選手達にジロリと顔を覗き込まれた定岡選手。「何だ?俺の顔に何か付いてるか?」と聞くと「定岡さん、昨日は飲み過ぎたでしょ」と周囲はニヤニヤ。「馬鹿な事を言うな(定岡)」遊撃手復帰をかけて必死になっている時期に二日酔いでグラウンドに来るわけない、と言い返したが「でも酒くさいですよ」と信用されない。実は定岡選手は朝晩に酒風呂に入っていたのだ。浴槽に日本酒を入れて怪我をした右足首をじっくりマッサージしているのだ。
【 センバツ随想録:田口竜二 】
もう1年経ったんですね。今、思い出しても甲子園の土を踏んだ時の感動は忘れられません。でも夏の大会もですけどPLの桑田君に負けたのは悔しかったです。確かに実力では相手が一枚も二枚も上だったのかもしれないけど、後輩に負けたのが悔しくて。今年のセンバツは練習で忙しくて見られないけど桑田君には頑張って欲しいですね。母校の都城高が出場しないのは残念です。せっかく大阪の球団に入ったんですから出場したら応援に駆けつけたいと思っていましたから。
【 試される男:山村善則 】
穴吹監督から「今日も良い結果が出なければ下(二軍)だ」と言われて臨んだ3月16日の阪神戦、代打で出場した山村選手は伊藤投手から本塁打を放った。カウント2-1と追い込まれた後、伊藤投手が投じた直球を左翼席に叩き込んだ。「今は三塁を守っているけど僕は立石、池之上さんに次ぐ三番手。打たなきゃ使ってもらえないから必死でした(山村)」と危機感を滲ませる。穴吹監督はそんな山村選手の必死さを認めて18日の試合からは先発に起用している。僅かだが山村選手に一軍残留の希望の光が見えてきた。
【 投手コーチに聞く、今季の投手陣はどうなる? 】
聞き手…オープン戦開始当初の低空飛行から後半は尻上がりでしたね
河 村…2日・3日の西武戦は酷かった。コントロールの良い加藤は四球を連発するし、挙げ句は石毛にぶつけてしまい
本人も相当参ってた。藤本も力みよるし井上は11ヶ月ぶりのマウンドで本調子とは程遠い。お先真っ暗でした
聞き手…ところが後半は竹口投手が1失点完投など明るい話題もありました
河 村…竹口は昨秋のキャンプでサイドスローに変えてからひょっとすると使えるかも、と期待していました
聞き手…左の先発候補に竹口投手。あとは中継ぎの左腕不足の解消ですね
河 村…中条に期待しているんだが最悪の場合は左の中継ぎ無しで開幕しなければならない
聞き手…ベテラン勢は?
河 村…藤田は元気。森口は腰を痛めて出遅れてるが開幕には間に合いそう
聞き手…顔ぶれを見ると阪急、西武にも見劣りしません。ズバリ何勝できると思いますか?
河 村…60勝が最低ライン。そこから幾つ上積みが出来るかだな
聞き手…不安材料は?
河 村…やっぱり山内和の不在。中指の血行障害だから無理はさせない。夏場に戻ってくれればと考えている
◆ 喫煙量・・オープン戦で屈辱的な連敗地獄にあえいでいる間、岡本監督のタバコの吸い方は凄かった。普段は試合後のベンチ裏で1本をゆっくりと楽しみながら吸うタイプなのだが連敗中は試合中にもかかわらずベンチ内でスパスパ。火を点けて1~2回吸うと灰皿へポイ。すぐにポケットからもう1本取り出してスパスパ、また灰皿へ。「確かに増えたね。1日に3箱くらいかな。早いとこ本数が減るようチームが上向きになってほしい(岡本監督)」と監督の健康の為にも選手には頑張って欲しい。
◆ イジメられっ子・・学校でのイジメが社会問題化されているが近鉄にもイジメられっ子がいる。二桁勝利が期待されている小山投手だ。昨年来、チーム内に " 蜂窩織炎 " という湿疹が流行している。これに感染すると大きなオデキが出来るのだが小山投手は大小合わせて10個ちかく発症した。オデキというとお世辞にも清潔なイメージとは言えず、口の悪いチームメイトが「小山に近づくと伝染る」とからかった。年が明け3月になっても新たにお尻に大きなオデキが出来てオープン戦登板も回避に追い込まれた。しかし小山本人は「俺が触った球に触るなよ~」と周囲を笑わせ落ち込んでおらず、このイジメられっ子はあんまり悩んでいない?
◆ 悔し泣き・・向こうっ気の強さと度胸の良さでは定評のある小野投手の目から今にも涙がこぼれ落ちそうになった。3月18日の南海戦に先発したが立ち上がり早々に門田選手に2ラン本塁打を浴び、結局打者7人に3安打・3四球を与え1回もたずにKOされたのだった。懲罰として試合中に70球の投げ込みを終えてロッカーに戻る途中に報道陣に囲まれると「今は頭がボーとして何が何だが分からない状態。また一からやり直しです」と監督の健康の為にも選手には頑張って欲しい。
【 センバツ随想録:鈴木啓示 】
ワシと被本塁打の関係はセンバツから始まったような気がする。昭和40年、兵庫・育英高は横綱との下馬評だったが1回戦で同じく優勝候補だった徳島商に負けてしまった。ウチは1点を先行したが直ぐに追いつかれて6回にワシの高校時代の最初で最後の本塁打を打たれて1対3で敗退。実は誰にも言わなかったが大会前から左足首を痛めていた。次の日の新聞に『鈴木、調整不足』と書かれて悔しかったなぁ。思えば被本塁打世界記録のスタートもここにあるんやろうな。
【 試される男:石本貴昭 】
3月18日の南海戦の5回表、石本投手は対左打者にワンポイントで登板し内野ゴロに打ち取った。これでオープン戦は通算3回 2/3 を投げて2失点と本人は満足していないが、岡本監督は「キャンプからずっと好調を維持している。カーブのコントロールが良くなり安心して見ていられる」と高い評価をしている。「一軍枠は10人で競争が激しいですが中継ぎでもワンポイントでも何でもいいのでしがみついていきたい(石本投手)」と生き残りに目の色を変えている。
【 投手コーチに聞く、今季の投手陣はどうなる? 】
聞き手…まさかこれ程の不振が続くとは予想しなかったのでは?
板 東…そうですね。サイパンから日向と順調で一人の怪我人も出ず、実戦になってこれほど崩れるとは…甘かったです
聞き手…サイパンでの肩作りが早過ぎたのでは?国内で調整していた鈴木啓投手がひとり元気です
板 東…それは関係ないと思います。例年なら必ず出る故障者が今年はない。原因は他の事でしょう
聞き手…具体的には?
板 東…余りに際どいコースを狙い過ぎて本来の力強い球を投げるという事を忘れている。小手先の制球力ばかり気にして
投手の基本を疎かにしていると思う
聞き手…連鎖反応もあるのでは?
板 東…ウチの投手陣は両鈴木と柳田以外はあらゆる面で未熟なヤツが多い。周りから弱投と言われ続けて萎縮してしまった
かもしれない
聞き手…立ち直りの目途は?
板 東…ベテラン陣は心配していないから、谷・住友・村田・久保らが奮起してもらわないと困る
聞き手…ドラ1の佐々木投手はどうですか?
板 東…いいモノを持っていますよ。特にシンカーは抜群。真っ直ぐにもう少しキレが出てくれば左打者相手でも大丈夫
聞き手…開幕からローテーション入り出来そうですか?
板 東…監督とも相談しているが抑えで使うのも面白いかと。オープン戦の出来次第ですが
聞き手…昨季は防御率(4.36)がリーグ4位。今季の手応えは?
板 東…今季は3点台が目標。決して易しい数字ですが若手の頑張り次第では不可能ではないと考えています
◆ 期待裏切り・・カリメロことプロ4年目の工藤投手。田尾とのトレードで杉本投手を放出できたのは工藤投手の成長があればこそ。若手の自主トレが始まって早々の1月初旬、いきなり左肩を痛めてリタイア。全選手による合同自主トレには参加できず長野県の諏訪長生会館で治療に専念した。キャンプインには間に合ったが紅白戦、オープン戦には一度も登板しなかった。「キャンプ中のウエートトレーニングで右肩も痛めるなんて話にならない(広岡監督)」と工藤投手に対する期待が大きかっただけに失望感も大きい。
◆ 期待度・・5年目の石毛選手。自主トレで左膝を痛めてヒヤリとさせたがキャンプ終盤からピッチを上げオープン戦では三冠王を狙う勢いだ。南海戦で加藤に左わき腹に死球を受けて途中退場したが3月22日現在、打率.385 ・5本塁打・14打点と好調をキープしている。本人曰く「一番打ちづらい内角高目にポイントを置いて身体とバットのブレを少なくする為、ステップ幅を小さくしたのが良いみたい。史上4人目の3並び(3割・30本塁打・30盗塁)を狙ってます」と言い切るくらい絶好調だ。
◆ チョンボ・・巨人から移籍して来た鈴木康選手。行沢選手と二塁手の定位置争いを繰り広げているが中日戦で大チョンボを演じてしまった。2対0で迎えた5回裏無死一塁の場面でモッカ選手の放った一二塁間の当たりをダイビングキャッチで捕球したまでは良かったが間に合わない二塁へ送球してしまいピンチを広げてしまった。お蔭で若手の渡辺投手はリズムを崩し、この回5失点で負け投手に。「素直に一塁へ投げてれば済む話。あれは世紀の大チョンボ」と広岡監督も呆れ顔。
【 センバツ随想録:仲田秀司 】
甲子園には幸司(現阪神・仲田投手)とバッテリーを組んで2年生の夏、3年生の春を含めて3回行きました。2年生の夏はベスト16まで行けたので3年生のセンバツは周囲の期待も大きかったのですが大阪・上宮高に負けてしまいました。1対1のまま延長戦に突入し10回に遊ゴロの併殺崩れの間に決勝点を取られてしまいジ・エンド。その遊ゴロを打ったのが、いま近鉄にいる光山選手。試合終了後にベンチ裏で「絶対に夏も来るぞ」と幸司と誓い合ったのがセンバツの思い出ですね。
【 試される男:渡辺久信 】
期待の2年目右腕・渡辺投手。3月19日の中日戦にオープン戦三度目の登板をした。過去2試合(2日の南海戦、10日の広島戦)で勝ち投手になっているだけに「今回もビシッと投げて欲しい(宮田投手コーチ)」の期待に応え4回までは1安打と安定した投球を見せたが5回に二塁打2本を含む5安打を浴びて5失点。過去2試合も勝ち投手にこそなっているが中盤に失点するなどスタミナが課題。「スタミナには自信があるんですけど…ペース配分を考えないと」と反省しきりの渡辺投手だった。
【 投手コーチに聞く、今季の投手陣はどうなる? 】
聞き手…今季の投手陣はいかがですか?
宮 田…昨秋のキャンプ、1月6日からの自主トレでみっちり身体を動かしてきたから、ほぼ出来上がってますね
聞き手…特にベテラン勢の調子が良いようですね
宮 田…東尾、高橋直、松沼兄弟。特に兄ちゃんが元気だね。台湾から来た郭が刺激剤となってるね
聞き手…課題だった中継ぎは?
宮 田…日ハムを自由契約になって打撃投手をしていた川本が現役に復帰する。右打者への速く落ちる球は使える
聞き手…抑えは森投手一人ですか?
宮 田…連投は避けたいから中継ぎ候補の2~3人を併用したいと考えている
聞き手…中日に移籍した杉本投手の後釜は?
宮 田…アテにしていた工藤が肩痛で出遅れ。永射はベテランで無理は利かないので正直、悩みの種です
聞き手…話題の郭投手は?
宮 田…素晴らしい素材。2~3年後には20勝投手になれる可能性を秘めている
聞き手…今季の抱負を
宮 田…投手王国の名を汚さないよう頑張ります
◆ ドジ男・・先ずは袴田選手。3月16日のヤクルト戦、2安打・1打点と打つ方で活躍したが4回に出塁した際に何と広沢選手の隠し球でアウトになってしまった。新人に見事だまされ「う~ん、悔しい。隠し球?もちろん生まれて初めて。しかも新人にやられるなんて恥ずかしい」と頭を掻きながらベンチへ戻るとナインは大爆笑。落合などはチェンジとなり守備位置に就いても笑いを堪えきれなかった。
お次は水上選手。昨年、同じ神宮球場のヤクルト戦で二盗した際に右足の甲を骨折してしまい不甲斐ないシーズンを送るきっかけを作ってしまった。それだけに試合前に春日広報に身体中に清めの塩を大量にかけてもらって「もうこれで大丈夫(水上)」とグラウンドに飛び出した。ところが5回に本塁憤死。7回には盗塁死と散々で「幸運まで塩で無くなっちゃったかな」と複雑な表情だった。
◆ 怪力・・何といっても落合選手。3月15日の対中日戦の6回に2ラン本塁打を放ったが、その時使ったのは1200g のマスコットバットだった。落合選手がシーズン中に使うバットは940g 。実はアドバイサリー契約をしていた用具メーカーの美津和タイガーが倒産してしまった為に新品バットの入手が困難になり、手元に残っているバットをシーズン用に使わず取って置いているのだ。「残り少ないから折ったら大変(落合)」とオープン戦では練習用のマスコットバットを使っているわけ。「お蔭でパワーがつくよ」はやせ我慢?
◆ 口の悪さ・・石川投手とルーキーの小川投手。ヤクルトとのオープン戦で神宮球場を訪れた時、「久しぶりだなぁ」と青学大出身の小川投手が口にすると石川投手が「お前はアッチだろ」と神宮第二球場を指差した。小川投手がいた青学大は主に東都大学リーグの二部に所属していたので神宮球場は殆ど使用していなかったからだ。すると小川投手は「石川さんの時代も日大は第二が長かったじゃないですか」と強烈なカウンターパンチを見舞ったのだった。
【 センバツ随想録:小川 博 】
僕は甲子園には夏も含めると3回行きました。2年生のセンバツは悔しい思い出しかありません。1回戦の田辺商戦は勝ちましたが2回戦の川之江高戦は0対1で負けました。序盤の3回に犠牲フライで1点を取られたところで降板させられてしまいました。たった1点で降ろされたのが悔しくて悔しくて。1回戦では右翼フェンス直撃の長打を打ちましたから、この試合でもバットで勝利に貢献しようと頑張りましたがダメでした。甲子園では日本一なんて遠い存在でしたけどプロでは日本一になりますよ。
【 試される男:斎藤 巧 】
代打の切り札から捕手に転向した斎藤にとって毎日がテスト。オープン戦では袴田捕手の後を受けて5~6回くらいから登場する。「まだサインを出すタイミングがバラバラ。あれこれ配球を考えてしまい遅れてしまう(斎藤)」と。試合では二塁悪送球もあったが醍醐コーチは「やっと捕手らしくなってきた。1年で袴田のようになれというのは無理な話。捕手転向1年目にしては上出来」と及第点を与えた。
【 投手コーチに聞く、今季の投手陣はどうなる? 】
聞き手…一昨年の12球団最悪防御率だった投手陣を昨季は見事に立て直しました。今季の手応えは?
佐 藤…まぁ順調かな。鹿児島キャンプは雨に祟られたけど台湾キャンプのお蔭かな
聞き手…村田の復活、新外人の荘、新人の小川と楽しみな投手が多いですね
佐 藤…予想以上に村田が元気で右田や石川ら若手を引っ張ってくれた。荘は実戦派の即戦力。小川は打者がタイミングを
取りづらい投球をする
聞き手…他に気になる投手は?
佐 藤…中居かな。右ヒジ痛も完治して怪我をする前の状態に戻りつつある。今年はやってくれそう
聞き手…先発陣に比べて中継ぎ・抑えが不充分な気がしますが
佐 藤…確かに先発陣より層が薄い。一応、抑えには梅沢と西井を考えているけどオープン戦の出来次第では小川の起用も
あり得る。中継ぎは水谷や佐藤政などベテランが多いので若手にはチャンスだと思う
聞き手…昨年より一軍入りのラインが厳しくなった?
佐 藤…なります。どうやって一軍メンバーを決めるか嬉しい悲鳴だよ
聞き手…投手陣に期待している事は?
佐 藤…投球にメリハリをつける事。いくら速い球を投げる事が出来ても一本調子では抑えられない。打者のタイミングを
いかに外すか、クイックで投げたり間合いを長くしたり、方法は色々ある
聞き手…稲尾監督に要望は?
佐 藤…スクイズでも何でもやって1点でも多く得点してもらいたい。稲尾監督が現役時代は「2点あれば勝てる」と
豪語していたけど俺みたいな小心者は得点は多いに越した事はない
聞き手…昨季は投手陣の頑張りで予想を覆して2位に躍進。今季はそれ以上ですね?
佐 藤…とにかく昨季が出来過ぎと言われないよう頑張ります