Haa - tschi  本家 『週べ』 同様 毎週水曜日 更新

納戸の奥に眠っている箱を久しぶりに出してみると…
買い集めていた45年前の週刊ベースボールを読み返しています

# 794 素顔拝見・梶間健一

2023年05月31日 | 1977 年 



響きのある低音の声に、渋みを感じさせる顔。ルーキーといってもやはり伊達に25歳という年はとっていない。そのミラクル投法で見事「新人王」の金的を射止めることは出来るのか?

聞かれたこと以外は答えないことにしている
聞き手…6勝4敗・防御率 2.94 (7月21日現在)という数字は如何ですか?
梶 間…まぁ防御率は上位にいますけど数字自体は可もなく不可もなくって感じですかね。
聞き手…勝ち星の方は?
梶 間…今のペースでいけば10勝はいけそうですけど、相手も研究してくるでしょうし分かりませんね。
聞き手…新人王は意識していますか?
梶 間…なるべく考えないようにしています。130試合やってチームの勝利に貢献してこそのタイトルだと思います。
    結果として新人王が獲れたらそれでいいと思っています。

聞き手…自分のどういう点が6勝という結果になっていると思いますか?
梶 間…ウ~ンどうですかね。社会人の時と比べても特に変わった点もないし分からないです。
聞き手…オールスター戦に選ばれましたね
梶 間…ちょっと意外でした。他に選ばれてもよい選手もいましたし。
聞き手…アマからプロになって心身両面で何か違いはありますか?
梶 間…ええ、ありますね。試合に関しては社会人の時は相手チームにホームランを打てる選手は1~2人くらい
    でしたがプロでは全員で気が抜けません。私生活では年に数回の大会が終われば身体を休めることが出来
    ましたがプロでは1年を通して試合があり、体調管理が大変です。

聞き手…社会人時代の思い出みたいなものはありますか?
梶 間…昨年の都市対抗野球の優勝ですね。それとコロンビアでの世界選手権に出たことです。日本は3位だったですが
    やっぱり力の差を感じました。特にキューバには圧倒されました。

聞き手…マスコミを意識することはありますか?
梶 間…特にはないです。僕は聞かれたこと以外は答えないようにしています。無口な人間ですから。

好きな模型作りも時間がなくて出来ない
聞き手…ところでサッシー騒ぎの時はどんな気持ちでしたか?
梶 間…ハッキリ言って彼が気の毒でしたね。野球以外のことにも気を遣って大変そうでした。僕は野球だけ
    やっていればよかったので楽でした。僕だったら気が変になっていたかも。

聞き手…結婚について何か考えていますか?
梶 間…そろそろ結婚したいなと思っています。相手はまだいませんけど(笑)。まだプロの世界で通用するか
    分からないですから、今年1年やってみてからですね。

聞き手…趣味は?
梶 間…ドライブや模型を作るのが好きですが最近は時間がなくて、もっぱら本を読むことぐらいです。
聞き手…どんな模型を作るのですか?
梶 間…船です。結構作りましたよ。社会人の時は1ヶ月じっくり時間をかけて作りました。部屋に飾っていましたが
    欲しいと言った人にあげてしまって今は手元に殆どありません。

聞き手…後半戦にかける意気込みを教えて下さい
梶 間…少し前まで疲れがあったんですけど気をつけてシーズンが終わるまで故障なくやれば何とかなりそうです。
    前半戦の調子を維持出来るように頑張ります。

聞き手…本日はありがとうございました。最後に笑顔の写真を撮りますのでお願いします
梶 間…はぁ、そういうのが一番の苦手です(笑)


コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

# 793 ノムさん

2023年05月24日 | 1977 年 



パ・リーグの前・後期どちらかは優勝してもいい実力を持っている南海だが、前期は惜しいところで阪急に勝ちを譲り後期もスタートで大きく躓き短期決戦としてはいささか苦しい。ファンはヤキモキだが野村監督が前期シーズン当初に漏らした発言が妙に気になってくる。その発言とは…

オーナーに絶対の信頼
前期シーズン開幕から南海が快進撃を見せていたころ野村監督はポツリ「とにかく前期が勝負なんや。勝たないと俺なんか吹っ飛ばされるやろうから…」ともらした。その言葉の裏には優勝しないと辞めさせられるとの思いが込められている。仮に前期がダメでも後期シーズンを制覇すればよく、なにも前期に固執する必要はないのだが敢えて野村監督は前期を強調する。それだけ自身のクビが危ないことを感じとっているのかもしれない。現実は最後の最後まで前期優勝を阪急と争ったが敗れた。やむなく後期シーズンに願いをつないだがオールスター戦までに5勝10敗と大不振で最下位に低迷する誤算となった。

短期決戦でスタートから躓いたハンデは大きい。現在の成績から勝率5割にしようとすると3連戦を2勝1敗ペースで18試合を要する。既に16試合を消化しており、計算通りにいっても34試合目つまり後期の折り返し点となる。だが足並みの揃わない投手陣と貧打の攻撃陣では2勝1敗ペースも難しい。「何から手をつけたらいいか分からない」と野村監督は頭を抱えている。野村南海の落城が後期も続けば進退問題が現実味を帯びてくる。比較的新しい担当記者の間でポツリポツリと話題が出つつあるが、古参の記者達は「話は出ても結局はウヤムヤになるよ」とシラケた表情。

「ノムさんが自分から辞めると言ったことはない。常々『辞めさせられても文句は言わない』とノムさんは口にするけど裏を返せば辞めさせられることはない、という強い自信があるからだ」とベテラン担当記者は言う。この言葉は南海の歴史が証明している。優勝を逃した昭和50・51年のシーズン後に野村監督は進退伺いをフロントに預けた。だが川勝オーナーは熱烈なノムさんファンで野村監督が窮地に追い込まれるたびに「南海の監督は野村しかいない」という鶴の一声で残留を決めてきた過去がある。球団内の人事権は森本球団代表が全権を握っているが、野村監督の件については球団代表も立ち入ることは出来ない。


ワシは守備の人になる
今シーズン野村監督の口癖が守備の人になる、である。確かに年々打撃力は低下しホプキンス、ピアーズの両助っ人の加入と若手の成長もあって野村監督のバットが火を吹かずとも影響は少なくなった。代わりに捕手という守りの要としてチームの勝利に貢献しようというのだ。20数年のキャリアもあり余人に真似できない野村監督の投手リードは卓越した心理面の駆け引きの妙を持っている。しかし守りの要というには肩の衰えはマイナスポイントだ。7月16日からの対ロッテ3連戦(大阪球場)でロッテは計8回の盗塁機会で6回成功している。盗塁阻止の為に投手にウエストボールを投げさせても刺すことが出来なかった。

「南海と戦う時はコレ(盗塁)にかぎる。ヒットや四球が二塁打になるから楽や」とカネやんは高笑い。16日の試合では9回表2対2の同点の場面で有藤選手が四球で出塁すると、すかさず二盗に成功。野村監督の送球ミスも重なり有藤選手は労せず三進。次打者の右犠飛で決勝点を許し南海は負けた。決して足が速いわけではない有藤選手相手でもこの有り様だ。他にも走者が本塁突入する際のブロックに迫力が感じられないと指摘する評論家もいて、どうやら野村監督が言う守備の人という言葉はまともに受け取れない面もあるようだ。

「満足なプレーが出来ないことは監督自身が一番わかっている。何とかせねばという必死の気持ちは痛いほど伝わってくる。42歳になって捕手という激務に耐えるのは本当に大変だ。しかし盗塁がこうフリーパスでは庇いようがない」と突き放す記者がいる一方で「今回の守備の人になるというノムさんの発言は得意の相手を油断させるもので打つ方はアカンとアピールしといてイザという時に一発かましてやろうという作戦じゃないかな。確かにパワーが落ちたのは事実だけど、打撃技術はまだまだ若い連中より秀でている。相手に野村は安パイと思わせたらノムさんの思う壺だよ」という意見もあり真相は藪の中だ。


時にはドッキリ発言も
阪急と首位を争っていた時の事、クラウンとの試合で前半4対0とリードしながら後半追い上げられて辛うじて勝利した試合後に、金城投手のピッチングに不満があった野村監督は報道陣が囲んだ輪の中で「金城のヤツ、八百長でもやってるんじゃないか。4対0で勝ったら都合でも悪かったんかね」と発言した。記者たちは野村監督の本心ではなく、いつものボヤキだと分かっていたが翌日のスポーツ紙の紙面に載るとこれが物議をもたらした。金城投手は問題にせず沈黙を守り大人の対応をとったが、南海ナインの中にはそこまで言う必要があるのか、との声が上がった。

「監督の立場にある人間が口に出してはならないことを言ってしまった。八百長なんて言葉はタブーであり禁句であることは誰だって知っている。監督ならそんなことを言う前に金城投手を交代させなかった自分を責めるべきだろう」と苦言を呈する評論家もいた。幸いにも金城投手は次の登板で好投したから問題が大きくならず事なきを得たが、これが気が小さい選手や逆上しやすい選手だったらチームが空中分解していてもおかしくなかった。思慮深い野村監督にしては珍しい放言だったが常日頃「ウチの選手は大人し過ぎる」と選手らに奮起を促す為だったとしたら少々勇み足であったようだ。


もうリーダーが出て来てもいい
さるスポーツ紙に『野村今季限りで現役引退』と報じられると「俺は " 銀球式 " を迎えるまで辞めないよ」と反論した。銀球式とは結婚25年を銀婚式と呼ぶことに掛けた野村監督の造語だが、つまりあと3年は現役を続けるという発言だ。3年前に巨人の長嶋選手が引退した時も「ワシは惜しまれて去ることは出来ん。ファンが1人でもいるならボロボロになっても辞めん」と野村監督は言った。惜しまれながら余力を残して引退するのと対照的なボロボロの引き際はプロフェッショナルとして一つの生き方である。そんな野村監督も最近は「ワシではもうチームを引っ張っていく力はない。門田や藤原がその役目を担ってくれんと」とポロリと弱音を吐くことが増えた。

それだけに前期シーズンで優勝を逃し、後期シーズンもスタートダッシュに失敗し苦しい展開になったことに歯ぎしりしたくなる思いであろう。だがこのまま尻尾を巻くとは思えない。チームを立て直し再スタートをしなければならない。その為にどんな手をうつのか?「鬼コーチが欲しい。ウチの選手は大人しいから負けだすと元気がなくなる。そんな時にハッパをかける鬼コーチがいてくれると助かる。本来ならブレーザーの役割だが、やはり日本人のコーチが言ってくれた方が説得力があるから好ましい」と。新たなチームリーダーと日本人鬼コーチ。それらが揃えばノムさんのボヤキも減るかも?
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

# 792 夢の球宴 ④

2023年05月17日 | 1977 年 



デービス落選でうがった思惑が…
最近は大当たり連発で、さすが大リーガーと言われ始めたデービス選手(中日)はファン投票では球宴不出場となり、監督推薦でも選ばれずガッカリしている中日ファンも多いだろう。だが実は監督推薦されず胸を撫で下ろしている球団関係者がいる。球宴不出場が正式に決まった時、デービス選手は「オールスター戦?ありゃ巨人とパ・リーグの試合なんだぜ。とてもオールスターなんて言えないじゃないか。だからオレは辞退したんだ」と事もなげにうそぶいた。大物というか奇人というか何ともヒトを食った表現でハナからオールスター戦を無視した発言を聞いた人は目をパチクリさせたものだ。

日本にやって来てからのデービス選手は目下ひとり暮らし。6月中旬に1週間ほどエミー夫人がショーニン君(2歳)を連れて来日したが数日でハワイに戻ってしまった。家族が恋しいデービス選手はオールスター戦中の休みを利用してハワイに行くそうだ。どうやら以前から決めていた予定で最初からオールスター戦は眼中になかったようだ。もちろん球団の許可は取っており、もしデービス選手がオールスター戦に選出されたら球団としても対応に苦慮する事態になっていただろう。球団が全セを率いる長嶋監督にデービス選手の代わりに大島選手の出場を強く推薦していたのもそうした裏事情があったのだ。


ミニキャンプも「NO」
ところで大金を投じて獲得した大リーガーであってみれば球団関係者はデービス選手がオールスター戦に出場すれば小山球団社長も与那嶺監督も外部に対して面目が保てる。それだけに内心では今回の事態を快く思っていないのではないか。まだ問題は残っている。チームは最下位に沈み、オールスター期間中にナゴヤ球場でミニキャンプを張り後半戦での巻き返しを狙っている。だがデービス選手がハワイに行って不在となればいくら与那嶺監督がチームの団結を叫んでも不協和音は避けられない。チーム内には「アイツは特別扱い」「いまさら何を言っても無駄」といった声がありシラケたムードが漂っている。

7月に入り当たりに当たるデービス選手に中日ファンの間では「さすが大リーガー」といった感嘆の声が聞かれる反面、「オールスター戦辞退は残念」「デービス選手のわがままを許す球団は情けない」といった声もある。本人、球団、ファンの思惑がこんがらがっているが「大島選手が監督推薦で出場するのを応援しよう」と一致団結する声が大勢を占めるようになった。オールスター戦にデービス選手の快走ぶりが見られないのは寂しい。デービス選手はこうしたファンの声をどう思うのだろうか。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

# 791 夢の球宴 ③

2023年05月10日 | 1977 年 



オールスター休暇
出場選手は別としてオールスター期間中はチームにとってはサマーバケーション。ホッと一息つけるはずなのに、ちょっぴり浮かぬ顔もチラホラ。ただいま旋風を巻き起こしているクラウンと日ハムである。何故か…せっかくの勢いに水を差すことになるから。特に現在パ・リーグ首位を快走中のクラウンにその懸念が強い。ある評論家は「失礼ながら今のクラウンに優勝を争う力はない。首位にいるのは奇跡に近い。持てるチーム力『10』がたまたま『20』になっているだけで長続きはしないから勢いに乗って突っ走るしかない。それだけにオールスター期間の休みは痛い」と診断する。

「昭和33年の日本シリーズで西鉄は巨人と戦ったが、巨人3連勝後に雨で1日順延してガラリと様相が変わり西鉄が奇跡の逆転劇を起こした。勝負とはそんなもので今度はクラウンが憂き目に遭わなけれよいのだが」と勝負の流れとか勢いの大切さを実感している博多のオールドファンは心配する。鬼頭監督(クラウン)も重々分かっているようで「こうなるとオールスター休みが邪魔だな」と不安が顔をのぞかせている。クラウンの強さが本物かどうか、オールスター明けの戦いに注目が集まるが、周囲の「たまたま」「すぐに元の指定席(最下位)に戻るさ」という声に反発して是非とも秋までクラウン旋風を巻き起こして欲しいものだ。


ウチは実力とオーナー
一方、日ハムにも同様の心配がありそうだが、こちらは少々事情が違う。むしろオールスター休みは歓迎すべき期間と考えている。大沢監督は「そりゃあウチにとってオールスター休みは無い方が良いかもしれないけど…」と語尾を濁すが大社オーナーは「好調と言われて2ヶ月も続いたら勢いではなく実力だよ」と余裕の表情を見せる。しかし前期終盤の快進撃時に比べると投手陣に疲れが顕著だ。3点取ればほぼ勝てていたが7月20日の南海戦では4対0から逆転負けを喫した。その為、ここらで投手陣を再調整したいというのが本音らしい。球宴出場の高橋直、高橋一投手には球団が自前でトレーナーを同行させている。

7月14日には一日天下に終わったとはいえ首位に立った。その後は長期ロードに出て本拠地の後楽園球場に戻るのは40日後の8月23日(対クラウン戦)だ。神宮球場での対近鉄3連戦を皮切りに東京➡大阪➡東京➡札幌➡大阪➡仙台➡小倉➡東京➡大阪とロッテ顔負けのジプシー状態が続く。チームにとって本当の正念場となる。それもあってオールスター期間中の7月22日・23日・24日を異例の3連休としたのだ。既に後期シーズンは始まっているが、オールスター戦明けの阪急戦(札幌)から「さぁ休みも終わり今日から後期が始まる気持ちで頑張ろう!」とハッパをかける腹づもりの大沢監督だ。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

# 790 夢の球宴 ②

2023年05月03日 | 1977 年 



次世代の金の卵
オールスター戦はスター選手のオンパレードでその顔ぶれを見るだけでも夢の球宴なのだろうが、視点を変えて将来のスター選手を探すのもひとつの「夢」ではないか。その意味でもジュニアオールスター戦も楽しいフェスティバルである。二軍の選手たちはカクテル光線の下ではなく炎天下でプレーする。摂氏35度近い直射日光が選手の顔や腕へ容赦なく降り注ぐ。グラウンド内は蒸し風呂のような猛烈な暑さだ。だからどの顔も日焼けして真っ黒。中には一軍ベンチ入りしている選手も数人いて色白な顔が目立つが、彼らの願いは1日も早く一軍でプレーすることだ。投手なら先発ローテーション入りを目指すし、野手ならスタメン出場を願う。

日頃はイースタン、ウエスタンに分かれてそれぞれのリーグで頑張っている二軍の選手たちの1年に一度の晴れ舞台がジュニアオールスター戦だ。本家のオールスター戦と違って派手さは欠けるが一軍入りへの切符を手にする登竜門であることには違いない。どの選手も出場できたことをステップに一発やってやると思っている。だから余計に本気の試合が展開される。1㍍68㌢しかない小柄な島田選手(日ハム)は全イ軍の二番打者で出場して最高殊勲選手と打撃賞を獲得したが試合後、「1日も早く一軍に上がってゼニを稼ぎたい。二軍で打っても生活できません」と受賞した喜びより一軍昇格の願いの方が強かった。

島田選手以外にも近い将来、本物のオールスター戦に選出されそうな将来性のある選手がゾロゾロいる。投手では斉藤投手(大洋)、藤城投手(巨人)、酒井投手(ヤクルト)、久保投手・谷投手(近鉄)、佐藤投手(阪急)、益山投手(阪神)など鋭気さっそうの男たちが顔を揃えている。全ウ軍の広島の野崎二軍監督は「イースタンで目についたのは大洋の斉藤投手(3回1失点)とヤクルトの酒井投手(2回無失点)だ。2人とも粗削りだが球に力がある。ウエスタンでは近鉄の久保投手や谷投手も良い。特に久保投手は高卒1年目ながら落ちついて投げていた。敢えて苦言を呈するならみんな変化球が甘い。今の段階ではスピード重視で構わないがいずれ変化球の精度を上げる必要がある」と注文をつけた。


山本功一軍の力発揮
既に一軍でプレーしている選手はやはり一味ちがう。全イ軍では笠間選手(巨人)が目立つ。相変わらずの強肩に加え久保投手から右前打を放つなどバットの方もキラリと光った。内野では攻守で群を抜いていたのが山本功選手(巨人)。一軍で打率3割以上をマークしている選手だけに別格だ。全ウ軍では2回裏に一軍でも活躍している大洋の斉藤投手から左翼スタンドに一発を放った吉沢選手(阪急)が目立った。巨人の松本選手と早大の同期で六大学野球のスター選手だったが、プロ入りしてからは一軍では3打数無安打と精彩を欠いていた。だがこの一発で自信をつけたのではないだろうか。

他にも中畑・篠塚・二宮選手の巨人勢。背番号「76」を背負う藤瀬選手(近鉄)、クラウンの徳山・立花選手、高月選手(広島)、宇野選手(中日)といった選手の動きが目立った。ところで注目の酒井投手の一軍昇格は今年はもう無さそうだ。小森二軍監督は今後の酒井投手について「とにかく一軍から酒井を上げるように言ってきても応じないつもりです。今日の酒井は確かに球も速かったし、キレもあった。だが球が高目へ集まり過ぎる。まだ足腰が出来ていない証拠。だから二軍でしばらくは徹底して走り込みをさせたい」と言う。2イニングで降板した酒井本人はもう少し投げたい素振りだったが、このジュニアオールスター戦で何かを掴んだはずだ。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする