Haa - tschi  本家 『週べ』 同様 毎週水曜日 更新

納戸の奥に眠っている箱を久しぶりに出してみると…
買い集めていた45年前の週刊ベースボールを読み返しています

#141 回顧・60年つづく日本シリーズ

2010年10月27日 | 1980 年 
今週末に日本シリーズが開幕します。クライマックス・シリーズ制は来年以降も続くのでしょうか?
下手をしたら3位同士の対戦で勝った方が「日本一」って・・今年の日本シリーズの開幕1・2戦は
地上波では全国テレビ中継されずローカル放送のみだそうで。NPB自らがプロ野球の存在価値を
落とすシステムを採用し、自分の首を絞めているという風に思えてならないのですが。かつては
日本中の目を釘付けにした日本シリーズを写真で振り返ります。



第1回は昭和25年 「毎日オリオンズ vs 松竹ロビンス」 4勝2敗で毎日が初代王者に





昭和30年代前半は西鉄ライオンズ黄金期です






昭和30年代中盤以降は南海ホークスが台頭





昭和40年代になると巨人の「V9時代」が始まります




昭和49年は今年と同じロッテvs中日の対戦でした




昔はエースの連投は当たり前




「遂に」か「やっぱり」なのか今年の日本シリーズのテレビ中継が一部ローカル扱いになるそうで
御愁傷様と言う他ありません。かつて隆盛を極めたプロレスを追うかの様な衰退っぷりですなぁ
テレビ中継もゴールデン帯から深夜へ送られた後に消滅したプロレス中継の様に同じ道を辿って
行く気がします。巨人一極集中からの脱却を求める声も有りますが、今さら遅すぎでしょうね


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#140 世紀の大スクープだったのに・・・

2010年10月20日 | 1980 年 



見出しは派手ですが中身は最後の最後で「…しかし、讀賣側が再契約を申し出たらしい…」と
ウラが取れなかったのかトーンが下がりスクープを逃がしてしまいました。

「深く、静かに…」の言葉以外、何と表現したらいいのだろう。それほど親会社の讀賣新聞と関連会社、それと巨人球団との間で
幾度となく「ある話し合い」が行なわれてきたと言うのだ。「ある話」とは長嶋と王の去就である。最初は長嶋の周辺から始まり、
10月に入って本社筋から突然、長嶋を代えろとの声が出たというのだ。東京・大阪・西部 各讀賣新聞の重役会議が行なわれた
直後だった。寝耳に水の球団フロントは慌てて「長嶋の次は誰が…」とお伺いを立てると、特定の名前は出ず長嶋解任ありきの
話で後任は誰でもいい、とにかく長嶋をクビにしろという事だった。次第に長嶋を取り巻く状況にも変化が出始めたのである。

実は長嶋は今年も静岡県伊東市で秋季キャンプをやるつもりで、球団も11月いっぱい伊東スタジアムを押さえていて、受け入れ側の
伊東市も準備万端で待っていた。それが急にキャンセルとなり多摩川グラウンドで行なう事になったのだ。中止の表向きの理由は
多摩川に2千万円もかけてトレーニング施設を作ったので、それを使うと言う事だった。だが、その施設は伊東に行かないベテラン
選手が使う予定だったので伊東キャンプ中止の理由にはならない。「長嶋をクビにするのではないか…」球団内に不穏な空気が
漂い始めたのもこの頃だった。この手の話は必ず漏れ伝わるもので、この頃から長嶋の周辺に微妙な変化が現れ始めた。

長嶋擁護論が日本テレビ・報知新聞など長嶋人気が直接、営業に響いてくる系列会社から出てきたのだ。こうした声を受けて長谷川
球団代表が長嶋体制維持で動き始めた結果、本社筋も長嶋続投を了承したというのだ。ただし、過去2度の「3年契約」ではなく
「1年契約」とのこと。解任寸前まで追い込まれた長嶋に残された時間は少ない。来年は優勝する事が絶対条件で、V逸すれば
再来年は無い。来年が長嶋のユニフォーム姿を見られる最後の年になるかもしれない。





一方の王選手に関する記事は具体的な動きを掴んだものではなく、「雰囲気・匂い」程度の
域を出ていませんでした。

10月12日のヤクルト戦で神部投手から19年連続の30号を放ったものの、1年を通して本来のバッティングが出来なかった
姿を見て「ひょっとしたら王は引退するんじゃないか」との噂が流れたのも当然だ。こうした声に対して球団幹部は「王は球界の
至宝、彼の引退はもはや彼個人の問題で済まない。仮にその時が来たら本人から相談がある筈」と引退の噂を一笑に付した。
ところが別の球団幹部によると王は「今はシーズン中ですからプレーに集中します。今後の事はシーズンが終わったらじっくりと
考えて結論を報告します」 つまり事前の相談は一切しないという王の言葉に、この球団幹部は愕然としたそうだ。

「可能性は40%くらい有ると思いますよ、普段の話の中で微妙な事を最近よく口にするしね (某ベテラン選手)」 王は本心を
明かさない人間だから一体どうゆう結論が出て来るのか分からない。今のところ11月上旬に予定されている人間ドッグの後に
結論が出るのでは、という説が有力だ。「王は来季もバットを握るのか否か」長嶋監督続投が決まった巨人に残された最大の懸念の
結論は未だ出ていない。




翌週号は「長嶋監督辞任」 しかし、この号でも王選手は「来季に…」と
引退記事はボツとなり結局、2大スクープは幻に・・・




前に取り上げた「松沼兄弟・巨人入り」や「スパイ行為」等の記事など、かつての週べは
東スポ並みの勇み足的記事や球界暗部の追求記事も有り楽しく読む事が出来ましたが
徐々にNPBの広報誌であるかの様な無難で当たり障りのない記事が目立つようになるに
つれて買う回数も減っていき、今では立ち読みすらしなくなってしまいました。
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#139 1980年 ドラフト候補選手たち

2010年10月13日 | 1980 年 



    ドラフト会議を控えて週べが1位指名選手12人を予想をしています


石毛 (プリンスホテル):「原以上の逸材」が一時はプロ拒否宣言をしたが、その後「西武なら」と軟化。しかし他球団も
               諦めていない。守備・走塁はプロでも一級品、打撃も粗さは残るが成長の跡がうかがえる。

愛甲 (横浜高):「契約金は4千万円以上」発言で顰蹙を買うも、それもハングリー精神ゆえと評価する声も。投手より
          甲子園の右翼スタンドへ弾丸ライナーで放り込んだ打撃を生かして打者転向が予想される。

山内
(リッカー):浜名高から駒大に進学したが親友の野球部退部につられて?一緒に退部&退学。1年ほどブラブラと
          過ごした後、高校OBの口利きでリッカー入社。 「野球が出来るだけで幸せ」と12球団OKの即戦力。

(東海大):文句無しのドラフトの目玉。一応、巨人・大洋・西武・広島を意中球団としているが本心は巨人一本。
        打撃よりも腰高の守備面を危惧する声もあるが、それも大物ゆえの難クセか。

川村
(松商学園):今夏の甲子園で彗星の如く現れた豪速球投手で風貌や言動から「江川2世」の異名。1試合平均
           10個以上の奪三振を記録する好投手だが「西武以外ならプリンスホテルへ」と宣言。

市川
(東海大):将来性なら中尾(プリンスH)を凌ぐと言われる走・攻・守そろった好捕手ながら2~3年は辛抱か。

広瀬
(峰山高):「高校生左腕No,1投手、内角へ食い込む速球は今すぐにでもプロで通用する(中日・水谷スカウト)」
          PL学園のセレクションを落ちて以来、強者を倒すことに生き甲斐を感じるようになった。

竹本
(新日鉄室蘭):去年のロッテ1位を拒否して希望の在京セを貫く。社会人時代の木田(日ハム)以上と言われ
             「去年ロッテ入りしていれば新人王は木田ではなく竹本だったろう」との声も。

岡村
(河合楽器):今夏の世界アマ大会では3打席連続本塁打を放ち準優勝に貢献。12球団OKの堀り出し物。

高山
(秋田商):150kmを出せる高校生は高山くらいだろう。実家が横浜の為、既に親子揃ってプリンス野球部を
          見学済みで、西武以外ならプリンス入りが決定的。

石本
(滝川):「素材としては愛甲が上だが第一線に登場するのは石本の方が早いだろう」との声があるように
         高校生ながら即戦力に近い大型左腕。

中尾
(プリンスホテル):都市対抗では補強選手として出場し4本塁打で久慈賞を受賞。強肩に加え100㍍を11秒台と
               捕手とは思えぬ俊足も魅力の即戦力。





この年は人材豊富で1位候補は多かったのですが、市川(東海大)・岡村(河合楽器)以外は
週べの予想は的中しました。中田(日産→阪神)、川口(デュプロ→広島)が1位指名でした。












慶応大出身の野手はプロで通用しませんねぇ・・・青島、堀場、上田、大森





この時代は六大学以外の大学リーグの方がレベルが高くプロ入りする選手も多かったです







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#138 巨人はFAを30年前から画策していた

2010年10月06日 | 1980 年 




巨人がFA制度を本気で考えたのはドラフトでPL学園・清原を逃し、その清原が西武入り後も
巨人への思いがむしろ強まっているとの情報を掴んだからとの話を耳にした事がありましたが
実際は30年前には既にFA制度導入を画策していたようです。



日本でもかつて10年&14年選手制度というものがあった。昭和39年暮れ、当時の国鉄球団の
金田正一投手が巨人へ移籍したのを最後に、この制度は廃止され翌40年にドラフト制が開始。
今回 報じられた巨人の提案は「10年」を「6年」に短縮したものだ。長嶋が引退し王にも衰えが
顕著になった今、巨人が戦力をアップさせる方法はコレしかない。実現すれば高橋慶彦(広島)
山口高志(阪急)・工藤一彦(阪神)などが「自由宣言」をし、オフに指名会議を開催し交渉権を
獲得していこうとする日本版リエントリー制度を巨人は目指している。




       ・・・この報道が明るみに出た夜、巨人・長谷川代表は後楽園球場内で会見し、記事を全面否定した。
 
   「そうでなくても仮に、仮にですよ、私達が球界全体の為に…と考えて正しい提案をしたとしても、今はまだ "あの巨人が…"
   球界に弓を引く、というふうに取られてしまう。そんな状況下で私どもがそんな大胆な提案をすると思いますか?たちどころに
   世間の猛反発を喰らうだけですよ」  長谷川代表は今回の件については巨人は「被害者」だと言う。「誰かがウチを悪者に
   する為にアドバルーンを揚げたのではないか」 今や巨人は被害者意識に取り憑かれているかの様な弱気な発言が代表の
   口から次々と出た。 ・・・長谷川代表はセ・リーグ理事会で他球団に泣きを入れたそうだ。「現行のドラフトがある以上、ウチに
   再生の道は無いと。トレードをしようにも "あの選手は出すな" など意見する球団外のOBもいて思うようにいかない。なのに
   "巨人は勝たねばならぬ" とか言われても、どうすればいいのか…と嘆いていたよ」 また別の球団の関係者は「あれは決して
   愚痴や泣き言じゃないよ、一種の自慢じゃないかな。 "皆さんだって巨人がいつまでも弱いと困るんじゃないですか?" という
   ニュアンスが感じ取れるもんね」 その意味はこうだ、なんだかんだ言っても巨人戦は客が入る、テレビの放映権収入も大きい。
   でも敵役の巨人が弱すぎたら客も減り活気も無くなってくる。つまり入って来る金も減りますよ、それでもいいのですか? と
   巨人は迫っているんです。



有力選手を巡って高額の条件が乱れ飛ぶ事態になれば人気&財力のある巨人に有利になる。
リエントリー制度を使って「V9の再来」を・・記事ではFA制度が実現したら各球団の主力選手が
巨人入りし、戦力バランスが崩れ巨人ばかりが優勝するようになると書かれています。実際は
13年後にFA制度は実現します、そして記事のように何人もの主力選手が巨人に移籍しました。
・・が、巨人が優勝し続ける事は有りませんでした。'80年代以前は、巨人から移籍した選手が
活躍すると「こんなに良い選手を飼い殺ししている」と言われ、逆に入って来た選手が思った程
活躍しないと「外様に冷たい雰囲気が萎縮させてる」と批判されていました。それは多分 選手の
力量と言うよりも対戦相手の違いが原因だったのではないでしょうか。

当時の巨人戦は毎試合全国放送されていた為、他球団はいわゆる「表ローテ投手」を起用して
いました。巨人相手に活躍すれば「巨人キラー」とモテはやされ人気も給料も上がります。一方
「裏ローテ投手」相手に好成績をあげていた選手が巨人にやって来ると毎試合エース級と対戦
する事になり思うような結果は残せず、出て行った選手は逆に好成績を残した、みたいな感じ?
現在では巨人戦は他球団にとって「One of them」に過ぎず、どの相手に勝っても1勝は同じ と
なり特別視される事は少なくなったようです。






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