Haa - tschi  本家 『週べ』 同様 毎週水曜日 更新

納戸の奥に眠っている箱を久しぶりに出してみると…
買い集めていた45年前の週刊ベースボールを読み返しています

# 507 鯨番地獄耳

2017年11月29日 | 1985 年 



球界内外の評価では江川投手(巨人)の上を行っている遠藤投手だが、オールスター戦の投手部門のファン投票では1位の江川とは200票差の2位に甘んじている。「気になりますけどファンの皆さんが選ぶものですからジタバタしてもしょうがないですよね。どんな形でも出場できれば嬉しいですけど、やっぱりファン投票で選ばれたいです(遠藤)」と本音をポロリ。その両者が6月20日の巨人戦で投げ合った。江川が4回で降板したのに対し遠藤は延長10回を投げ切り勝利を手にした。今や文句なしにセ界ナンバーワン投手の遠藤に清き1票を!

話題は一転してこちらは " 落選 " の話。スター選手への登竜門でもあるジュニアオールスター戦の出場選手名に竹田投手の名前はなかった。「別にどうと言う事はありませんよ。出場しても給料が上がる訳でもないし(竹田)」と本人は強がってはいるが、昨年のドラフト会議では即戦力ナンバーワン投手と称され、学生時代のライバルでもある広沢選手(ヤクルト)や上田選手(巨人)は出場するだけに心中穏やかではないだろう。この悔しさを一軍昇格への起爆剤にしてもらいたいものだ。

開幕からの無敗神話に終止符が打たれた。6月22日の阪神戦に登板した欠端投手。ここまで負けなしの4連勝だったが阪神打線に捕まり2回途中6失点で降板し遂に負けが付いた。「何が何だか分からないうちに打たれて…。高目に浮いてしまったのは事実ですけど球にキレはあったし調子は良かったんですが投球リズムが悪かったのかなぁ(欠端)」と俯いた。「まぁ打たれる時はそんなもん。いい勉強になっただろう。これを次に生かしてくれれば」と小谷投手コーチ。

今季は不調が続く金沢投手に泣きっ面に蜂の出来事が。ナインから分不相応だ、との野次にもめげず1千6百万円を叩いてベンツを購入したが6月18日の昼頃に横浜市中区本牧の交差点でトラックと接触事故を起こしてしまった。相手方が一時停止を怠った事故で金沢に非は無く幸いにも車体が凹んだ程度だったが、助手席には妊娠9ヶ月目に入った左知子夫人が同乗していただけに「一歩間違えれば俺も女房も危なかった。不幸中の幸いだった」と胸を撫で下ろした。しかし愛車は修理工場へ直行。「直って戻って来るのは2ヶ月先だそうで。ツイてないっスよ」としょんぼり。


投壊現象で斎藤先発復帰、大門一軍昇格の案も
混セの立役者と言える新生・近藤大洋。開幕から40試合ほど消化した時点で近藤監督は「まだまだ満足できる程ではないが予想以上に投手陣が頑張っている」とホッとした表情を浮かべていた。しかし6月21日からの阪神3連戦でその近藤監督は冷や水を浴びせられた。関根、欠端、金沢ら先発した3投手が揃いも揃って枕を並べて2回でKOされた。3試合の総失点は「29」の大惨敗だった。 " 投壊 " …忘れかけていた昨季の悪夢が蘇った。「チームを強くするのは一朝一夕にはいかない事を改めて思い知らされた。先発が、ああ見事にやられては手の施しようがない」と近藤監督の悲痛な声。急遽、テコ入れが必要になった。

先ずは斎藤の先発転向。先行逃げ切りパターンが確立できないなら抑えの斎藤はまさに宝の持ち腐れ。内容が最近とみに悪い金沢か関根のどちらかを中継ぎに配置転換して再調整させる間、斎藤を一時的に先発ローテーション入りさせる案。又は二軍で快進撃を続けている大門を昇格させる案だ。大門は6月26日現在、5勝をあげてうち3勝が完封と抜群の安定力を見せている。だが御目付け役の鈴木二軍監督は「まだまだ一軍で勝てるだけの総合力は備えていない。二軍でみっちり鍛えて昇格する方が本人にもチームの為にもなる」と一軍昇格に難色を示す。「ウチはセ・リーグを面白くする役目がある。ここで選手達が『あぁ、やっぱりダメか』と思い始めるのが一番怖い。とにかく早く態勢を立て直して再チャレンジしますよ」と近藤監督は諦めていない。
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# 506 ツバメ番地獄耳

2017年11月22日 | 1985 年 



オープン戦でルーキー大賞を受賞して今季の飛躍が期待された池山選手が苦しんでいる。オープン戦の打率3割超え・4本塁打で一躍、新人王候補に祭り上げられたが開幕すると24打数2安打とバットから快音は聞かれず、打率は1割を切ってしまい5月13日にとうとう二軍落ちしてしまった。悪い事は重なるもので7月中旬に戸田での練習中、ノックの打球が顔を直撃して前歯を折ってしまった。傷の痛みと差し歯の治療費の出費で二重の痛み。「これをキッカケにしてイチから出直しです。今季中に必ず一軍に戻ります」と決意を新たにする池山だった。

北海道留萌市出身で昭和56年に道民栄誉賞を受賞した若松選手が故郷へ錦を飾った。6月21日からの北海道遠征(対広島戦)で第1戦こそ無安打に抑えられたが、第2戦にはスタンドに両親(父・竹四郎さん、母・ミサオさん)をはじめ親戚一同が応援に駆けつけた前で今季6度目の猛打賞。試合後には大枚10万円を叩いて一同を食事に招いた。「わざわざ僕を応援しに来てくれたんですからこれくらいの事はして当たり前(若松)」と太っ腹な所を見せた。さすがチームイチの高給取り(推定5千万円)である。

荒木投手が頑張っている。とは言っても二軍での話だが、6月23日のロッテ戦で完投勝利して6勝目をマークしイースタンのハーラーダービーのトップを快走している。「体調がすごくいい。二軍の方がノビノビ投げられる、なんて言ったら怒られるかな(笑)」と口も表情も一軍にいた頃とは雲泥の差で明るい。土橋監督は「このところ尾花、梶間、ビーン以外の先発陣がヨロヨロでローテンションが組めない。早く帰って来て欲しい」と荒木の復帰を心待ちにしている。

僕(青島選手)が乗っているのは東芝に入社した昭和56年に買ったホンダのシティです。当時は最先端のオシャレな車でしたが3万キロぐらい走ったので、そろそろ買い替え時かなと思っています。ジュニアオールスター戦でMVPになって賞金の100万円を取ったら新車にしようと考えてます。次は格好いいスポーツカーがいいですね。なので僕が打席に入ったら盛大な声援をお願いします!


土橋内閣に不協和音。低迷脱出には高野、宮本の奮起以外なし
4月は2勝11敗1分け。5月は7勝12敗1分けと負け越しが続くヤクルトだが6月になっても上昇する気配は見られない。原因は投手陣の崩壊。比較的安定しているのは尾花(5勝4敗)、梶間(4勝8敗)、ビーン(2勝1敗)くらいで先発も中継ぎ・抑えも駒不足状態が続いている。特に高野と宮本の絶不調さは目を覆うばかり。昨季は新人ながら開幕投手を務め10勝(12敗)した高野は2勝8敗、宮本は1勝6敗と大きく負け越している。土橋監督も「2人とも黒星がせめて半分くらいならいいんだけど。高野は2年目のジンクスを気にし過ぎ。宮本は強気なのはいいけど一本調子でホームランを打たれ過ぎ」と愚痴の殆どが高野と宮本に対するものばかり。

そんな弱体投手陣も6月に新戦力ビーンが加入してからは5勝6敗3分けと遅まきながら立ち直りの兆しが見え始めた。首位を走る広島の連勝を二度に渡って阻止するなど沈滞ムードを徐々にではあるが解消しつつある。一時は今季から入閣した神谷作戦コーチ、猿渡コーチ、山本コーチの " 旧東映派 " と " 生え抜き派 " の大矢・安田コーチらの不協和音が表面化し選手間にはシラケムード漂い、チームは空中分解寸前だったが「俺が全責任を持つから選手がプレーに集中できるようにサポートしてやって欲しい」と土橋監督のさながら辞表を懐に忍ばせているかのような説得で両派は和解した。最下位脱出にはチーム一丸となる事が必須条件だ。
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# 505 虎番地獄耳

2017年11月15日 | 1985 年 



怪我で戦列を離脱した真弓選手の代役として一躍存在感を示したのが北村選手。当初は周囲からは単なる補欠要員としてしか考えられていなかったが今では首脳陣も「真弓の穴を完全に埋めてくれた」と評価している。6月21日の大洋戦では3本の二塁打を放ち3連戦3連勝の立役者の一員となった。「真弓さんが欠場して『北村じゃやっぱりダメか』と言われたら癪ですからね。気迫で打席に入りましたよ」と話していたが、実はもう一つ北村を奮起させたのが2人目の二世誕生である。「ありきたりですが子供が生まれるとやる気が出ます(北村)」とパパは頑張っている。

㊙ 作戦?が功を奏しているのだろうか、ゲイル投手が小気味の良い投球を続けている。6月22日の大洋戦で完投勝利して早くも7勝目をあげた。ゲイルの好調さの裏には秘密の練習があるらしい。今季から甲子園球場内にトレーニングルームが完備された。マスコミは一切シャットアウトなのだが、ある選手からの情報ではゲイルは足首をロープで縛り頭を下にした宙吊りの状態で全身の筋肉を伸ばす運動をしているとの事。「最初に見た時はビックリしましたが全身の血の巡りが良くなっていいらしい」とある若手選手が証言した。

人の口には戸が立てられない、とでも言うか最近チーム内外で「来春のキャンプは海外で行われるらしい」という話が出回っている。しかし吉田監督は昨秋の就任会見で海外キャンプの是非について「良い面、悪い面あって一概にどうであるとは言えない」と積極的ではなかった。確かに阪神は過去4回海外キャンプを行なっているが、成果があったとは言いにくい。「海外キャンプの話は優勝してから(吉田監督)」とも言っており、やはり噂話の域を出ておらず実現するのかどうかは不透明だ。

車と言えば掛布、掛布と言えば車。「カーキチの上に " 超 " が付きます」と自分で言うほどのカーマニアだ。そもそもプロ野球選手を目指したのも子供の頃に大きな外車を見て「プロ野球の選手になれたらあんな外車に乗れるかも」と考えたから。プロ2年目にポルシェを購入して以来、1年に1台のペースで買い替えてきた。10年経ってようやくベンツに落ち着いたと思いきや最近またBMWに替えた。昨今の暴力団抗争の影響で「ベンツはあの世界の人たちが乗っているイメージがあるから(掛布)」だそうだ。 


『こればっかりはお手上げですわ』・・・無いモノねだり " トラの足 "
打線が派手に打ちまくり、懸念された投手陣も予想に反して頑張っている阪神。横浜大洋の近藤監督曰く「阪神が弱投?とんでもないよ。先発、中継ぎ、抑えと今やリーグトップレベルだよ。それに比べてウチは…」と自軍の弱投ぶりを嘆く。開幕前の各評論家諸氏はおしなべて阪神はBクラス、中には最下位に予想する者もいた。ところが蓋を開けてみれば近藤監督が言うように健闘している。チーム防御率は広島や巨人の3点台には及ばないものの小松・郭・鈴木らを擁する中日より上である。打線は好調でさぞや吉田監督も「余裕のヨッちゃん」然としているかと思いきや常にベストを求める性格ゆえか、欲の深い所をチラリと垣間見せる。

それは機動力の無さである。6月27日現在、横浜大洋のチーム盗塁数は77個。対する阪神は25個と実に大洋の1/3以下である。吉田監督が理想とする " 投手力を中心とする守りと機動力を駆使した野球 " は完成していない。レギュラーで走れるのは北村と真弓くらい。掛布やバースは論外で若い平田や木戸も意欲的ではない。今季まだ盗塁がゼロのバースが試合の大勢が決し失敗しても影響がない場面で二盗を試みた事があった。その時は打者がファールを打ったので成功・失敗どちらでもなかった。吉田監督に解決策を問うと「足の遅いヤツに速くなれと言うのは無理な話。お手上げですわ」と諦めの境地。どうやら往年の牛若丸にも妙案は無いようだ。

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# 504 G番地獄耳

2017年11月08日 | 1985 年 



肝っ玉と大きなカーブが売りのルーキー左腕・宮本和知投手。6月14日に晴れて一軍昇格を果たした後は抑え・中継ぎとフル回転。相手強打者を " へ" とも思わない強心臓の持ち主だが実は大きな悩みを抱えている。「ウチの母ちゃんは大洋漁業にお世話になっている」・・故郷の下関は言わずと知れた漁業の街で大洋漁業は大洋の親会社。「自分が大洋を抑えちゃったら母ちゃんの立場が悪くなるんじゃないか」と真剣に悩んでいるのだ。実際には未だ大洋戦には登板しておらず周りは心配し過ぎと呆れ顔。トボけたキャラクターで今やチームのムードメーカーになりつつある。

スランプに陥っているクロマティ選手に強力な助っ人が現れた。6月24日、よみうりランドの室内練習場で打撃練習に汗を流していたクロマティ。今一つ納得出来ず塞ぎ込んでいると、そこに息子のクリストファー君(8歳)が登場した。クリストファー君は小さな体でノックバットを手にしてテニスボールを器用に打ち大喜びしていた。ランニングをしながらクリストファー君をチラチラ見ていたクロマティだったが息子の好打ぶりに「さすが俺の息子。いいスイングをしている」とそれまでの浮かない顔から一転して笑顔に。息子の笑顔がクロマティに元気を取り戻させた。8月半ばにはアメリカに帰国するクリストファー君。パパの猛打復活が息子への一番のお土産だ。

監督とは実に因果な商売で夜も眠れず胃がキリキリ痛むなんて日常茶飯事。王監督にとって今季一番つらい日となったのは間違いなく6月20日だろう。横浜での大洋戦は2対2の同点で迎えた延長10回裏に槙原投手がホワイトにサヨナラ本塁打を浴び敗戦。実はこの日の試合前に義母の葬儀に参列し決意も新たに横浜に乗り込んだのだが痛恨のサヨナラ負けで悔しさ2倍。勝てば官軍…の厳しい世界に身を置く指揮官の目は赤く充血していた。監督業は本当に厳しいものだと世間に知らしめた一日となった。

球界の御多分に漏れず巨人の選手も多くがベンツなど高級外車に乗っている。今年の3月にベンツ500SELからフェラーリに乗り換えたのが原選手。ところが最近になって再び買い換えた。今度は黄色のベンツ。「スポーツタイプのベンツが欲しくて。今の車はそれが届くまでの代用車。実はフェラーリも代用車だったんだ(原)」と何とも庶民には夢のような話。原が欲しがるスポーツタイプのベンツに乗っているのが先輩の篠塚選手。夏にはオープンカーに変身する車体を見て「あれが欲しい(原)」となった訳。しかし納車まで何か月も待たなければならないとか。フェラーリやベンツが代用車とはさすがブルジョア。


縦の変化球と速球を武器にする本格派に弱点をさらけ出す打線
長いペナントレースを制するには苦手とするチームや投手を作らない事が鉄則だが、今季の巨人はオールスター戦を前にした時点で3人も苦手投手を作ってしまった。阪神・ゲイル、横浜大洋・遠藤、中日・小松である。先ずは阪神のゲイル。これまで対戦した3試合のうち2試合が完封負け。2試合とも自軍の江川や斎藤は阪神打線を2点に抑えたが、2㍍近い長身から投げ下ろす直球に手を焼き得点できなかった。大洋の遠藤は今季に限らず数年来の天敵だ。5月11日には3安打完封負け。6月1日、20日ともに完投を許した。王監督をして「遠藤には三度目。勝負する前から呑まれている感じで打てる気がしない。何とか対策を考えないといかんのだが…」と怒りを通り越し半ば諦めの境地に。

小松も以前からの天敵の一人。4月24日に完投勝利を許したのに続き6月7日には今季最少安打となる2安打で完封負け。前日の6日には前述のゲイルに完封負けしているので6年ぶりとなる2試合連続完封負けの屈辱を味わった。7日の中日戦も加藤が2失点と好投したが報われなかった。末次打撃コーチは「3人とも本格派で速球を軸に縦の変化を上手く使っている。ゲイルの角度のある直球、遠藤はフォーク、小松は快速球と打てないのはウチだけじゃないけどね」と。後半戦を乗り切るには同じ轍を踏まないよう相手を徹底的に研究する事が必須。それには「各自が狙い球を絞って打席に立つ以外ない…(末次コーチ)」といささか心もとない。
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# 503 ドラ番地獄耳

2017年11月01日 | 1985 年 



投手が本塁打を放つとロクな事がない?6月21日の大洋戦で小松投手が遠藤投手から今季第1号を放った。1点差に詰め寄り「ヨシッと思った次の回にレオンにダメ押し3ランを打たれた。理屈じゃなくて投手が打つと本当にロクな事がない(小松)」と意気消沈。実は同じような目に遭ったのは小松投手だけではない。6月22日の巨人戦の5回に曽田投手が左翼ポール直撃のプロ初本塁打を放ったのだが試合は中日が追い上げムードが漂う7回に降雨コールドゲームで曽田投手は負け投手に。その日はアガリで自宅でテレビ観戦していた小松投手は嫌な予感が的中し、自分の説を改めて痛感したとの事。

先日の夕刊紙を賑わせたカルガモ親子の皇居へのお引越し。そのニュースにいたく感銘を受けていたのが堂上投手。結婚4年目にして待望の長男が今年の5月に誕生。「なんか見れば見るほどお猿さんみたいだけど自分の血を分けた子供だと思うと可愛いくてね(堂上)」とデレデレで名古屋で試合がある時は試合後は何処にも寄り道せず自宅へ一直線。「だからあのカルガモ親子のニュースは他人事とは思えないんです(堂上)」と。でもね堂上投手!マウンドに上がる時は父親である事を忘れて下さい。最近はピッチングまで激甘になってきてますよ!!

目下、三番・右翼手で売り出し中の川又選手。ところが本人曰く「もしこれが試験だったら落第しているかも」だそう。何故かというと守りに自信のない川又選手は1球毎に隣の平野選手を見て守備位置を動かしているそうで「試験で言えばカンニングをしているようなもんです(川又)」と。言われてみて改めて試合中の川又選手に注目すると確かに中堅手の平野選手をチラ見して守備位置を前後左右に変えていた。「平野さんは凄いです!平野さんに言われて移動したら本当に打球が飛んで来ましたから」と悪びれる事なく告白した。もっとも平野選手によれば「後方の打球に自信が無いのか『もっと前に出ろ』と言っても行かないんだ」と苦言を呈している。

車の色はシックなブラック・紺系以外にシルバー、イエロー、レッドなど華やかだが、球界広しと雖も宇野選手のパールピンクを選ぶ選手は他にはいない。トヨタ製の最高級クラウン。最初はホワイトを選んだそうだが、まだ離婚する前に夫人の「白色じゃ面白くないから別の色にしよう」の一言でピンク色に変更したそうだ。「サンプルの色が綺麗だったので決めたんですけど実際には少しケバケバしくて(宇野)」と本人も納得していないが、それでも「まぁいいか」と気にしない所はいかにも宇野選手らしい。


相次ぐ怪我と二軍落ち。大砲不在で恐竜打線の面影なしのピストル症候群
昨季は打てばホームランだった。レギュラー4人が30本を超える本塁打を放ち、チーム本塁打数は191本。まさか僅か1年でこうまで変わるとは。今季は52試合時点で56本だが昨季の同消化時点では84本。しかも田尾・谷沢・モッカ・大島・宇野の5人が満遍なく10本以上放つなど打線として機能していた。本塁打が減った最大の原因は主軸の怪我と不振。大島と中尾は二軍落ち、谷沢は左ふくらはぎ痛、頼りにしていたモッカは長期のスランプに陥って本塁打は現時点で半減(13本 → 7本)している。チーム本塁打数は激減し21年ぶりの優勝に向けてひた走る阪神の98本には遠く及ばず最下位に低迷するヤクルトよりも少ないのである。

今季は走者を溜めてドカンと一発が期待できるのは今の所、モッカと宇野くらいだ。「2人にさえ神経を使って抑えれば大量失点はしない、と相手投手に思われている。だから2人は徹底的にマークされ今やウチはピストル打線だよ」と山内監督は力なく話す。ただし原因がハッキリしているだけに解消法も明らか。怪我人が戻って来て相手投手の集中力が分散すれば元の恐竜打線に戻れると山内監督は考えている。だが大島や中尾の現状は全治までには時間がかかりそうであり、谷沢にも衰えが見え始めている。一発に頼る野球から脱皮してきめ細かな野球へと転換するのが理想だが、まさか今からキャンプをやり直す訳にもいかず山内監督としては当分、頭の休まるヒマがなさそうだ。

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