Haa - tschi  本家 『週べ』 同様 毎週水曜日 更新

納戸の奥に眠っている箱を久しぶりに出してみると…
買い集めていた45年前の週刊ベースボールを読み返しています

# 476 猛虎復活へ

2017年04月26日 | 1985 年 



「う~ん、これは…」と阪急・上田監督は思わず唸った。目の前で練習する縦縞のユニフォームの群れは今まで上田監督が見てきた阪神の練習風景とは違っていた。3月2日、高知・安芸キャンプで行なわれた阪神のオープン戦初戦は例年通り、同じ高知でキャンプを張る阪急だった。三塁側ベンチに腰を下ろし阪神の練習を見入っていた上田監督。次第にその表情が変わっていった。「阪神は変わったね。グラウンドにいる選手全員が動いている。去年までは一部の選手が練習している間、他の選手はただブラブラしていた。でも今年は違う。監督やコーチが色々と考えているのがよく分かる」と阪神の変貌ぶりに上田監督は驚きを隠さなかった。

土台作りを主要テーマに掲げスタートした吉田阪神。若手育成の大号令をかけたが正直言ってその道のりは険しい。仲田投手の快速球はキャンプを訪れた評論家の目を見張らせたが、その実力は未知数。キャンプ打ち上げに際し「ベテラン勢の方が元気があった事は否めず、若手が今ひとつ良い結果を出せなかったのは残念。でも今の阪神は耐える時期だと考えている。一・二軍合同でキャンプを張った効果はいずれ実を結ぶと信じている」とやや苦悩を滲ませながら吉田監督は総括した。若手の伸び悩みに関してはスポーツ紙上でも取りざたされた。北村が右肩の怪我でキャンプ途中で離脱したり、シュアな打撃が期待の吉竹の不振など。

若手の底上げと共に吉田阪神の課題が野手陣の大コンバート。遊撃には守りに定評がある平田を固定。欠場がちでポジションをたらい回し状態だった岡田を二塁に、昨季は主に二塁を守っていた真弓を右翼に配置替えを敢行した。キーマンは岡田で昨オフの契約更改の席で「たらい回しするなら西武へトレードしてくれ」と直訴し騒動となった。二塁に固定された岡田の表情は生き生きとしていた。自ら望んだ二塁への再転向という後戻り出来ないレールが敷かれ張り切りざるを得ない面もあるがそれだけではない。吉田新体制の指針、テーマにすんなり溶け込んでいったからだ。「特に先頭に立って引っ張っていこう、という意識は無い(岡田)」とその風貌通り飄々としているが首脳陣はニンマリである。

キャンプ中盤から始まった守備特訓で掛布と岡田は常にコンビを組んだ。普通はノッカーと選手が1対1で行なうものでコンビでやるのは珍しい。球団初の試みだそうで吉田監督と一枝コーチの発案だとか。これには " KとOは一対 " という首脳陣の考えが表れている。「あくまでも掛布が前輪で岡田が後輪という形ですけど要は2人でチームを牽引していって欲しいという我々の考え」と吉田監督は言う。こうした考えに岡田は勿論だが掛布もまたミスタータイガースの誇りを保持し、生まれ変わった阪神に同化していっている。キャンプ中に掛布は親しい新聞記者に「今のウチは本当に良い雰囲気なんだ。このまま秋まで続けばいいんだけどね」と心情を吐露している。

個人タイトルは数々手にしてきた掛布だが未だに知らない優勝の美酒。チーム全体、ナイン全員で分かち合える喜びを掛布はここ数年、切実に望んできた。その美酒がすぐ近くにある事を肌で感じ取っている。付け加えるならば岡田に対する目も巷間伝えられているものとは違い、厳しさの中に愛情溢れるものがある。「彼はまだ年俸二千万円前後の選手でしょ。先ずは五~六千万円もらえる選手になる事ですよ。そうすれば自ずとチーム内でそれなりの選手となる。彼にはその力が間違いなく有るんですから」と岡田が自分のライバルと称されている事に対してビシッと言い切っている。一見、突き放した言い方ではあるがその言葉の裏には「早く俺に追いつけ」という激励が込められている。

若手の息吹を大切にしつつ一方で岡田に中心選手としての意識を植え付けようと臨む土台作りの道。岡田だけではなくベテラン勢にもお互いの立場を尊重しようという気風も存在する。今の阪神には新旧勢力が一体となる過程での緊張感が漂っている。そんな中、自由な雰囲気も吉田阪神の指針の一つとなっている。キャンプ後半、朝の体操に掛布と平田が遅刻し更に真弓と吉竹が欠席する事態が起きた。一部スポーツ紙が " 大事件 " と仰々しく報じたが吉田監督は口頭での注意だけで罰金などの制裁は避けた。元々吉田監督は「そういう(罰金)形で律するのは好ましいとは思わない」と罰金制度は否定的な立場で、これから始まる公式戦でも「プレー上のミスやボーンヘッドに対して罰金は取らない」と明言している。

余りに自由過ぎてチームが崩壊した過去がある阪神を思うと少々不安だが吉田監督は選手を大人扱いしようとしている。「縛りつけられている印象はないですね。メリハリが有るというか、ちょうど " オッサン " と同じやり方ですね」と話すのは永尾。永尾が言うオッサンとは元近鉄監督の西本幸雄氏の事。かつて西本氏の下でプレーした永尾は厳しさとリラックスの融合を経験している。敢えて " 西本監督 " を見習おうとしている訳ではなく結果的に同じ手法を取る形となった。自由と厳しさが同居する吉田阪神のキャッチフレーズ " FIGHT・FRESH・FOR THE TEAM " の「3F野球」を標榜する吉田丸は順調に船出した。
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# 475 躍り出た新星

2017年04月19日 | 1985 年 



昨年のロス五輪で日本代表の主将として4割2分9厘と大活躍し金メダル獲得の立役者となった熊野輝光(阪急)。プロ入り時は既に27歳で女房持ちといささかトウが立っているが、その実力が間違いない事を3月3日の対阪神とのオープン戦で証明した。紅白戦6試合で打率4割7分(17打数8安打)と圧倒しスタメン1番に起用された。5回の第3打席で工藤投手の2球目を痛打すると打球は右翼手の真弓の頭上を越え場外へ飛び出す本塁打となった。9回には阪神期待の仲田投手と対戦しセンターへあわやの大飛球。試合後「ホームランはただ思いっきり振っただけ」と本人は涼しい顔だったが上田監督は「並みの新人なら第1打席の三振で萎縮してしまう。ところがアイツは三振以外の打席は全て芯で捉えていた。ええで」と手放しで喜んだ。

3日の試合で放った本塁打には金1万円也の懸賞金が出たが「女房には内緒の小遣いにします」と社会人出身らしくしっかりしている。更に一夜明けた翌4日、今度は2番に起用され結果を残した。阪神のローテーション入りが期待されている " 球道くん " こと中西投手と前田投手を相手に3安打の固め打ち。福本、蓑田に続く外野の残り1枠を巡る競争に名乗りを挙げたが、そんな熊野にも課題はある。守備に不安な面をのぞかせる。「捕球の仕方がまだアマチュアだ(大熊コーチ)」と手厳しいが本人も「守りが課題なのは分かっています」と自覚している。熊野の出現が刺激剤となれば昨季あと一歩で逃した日本一を手にする可能性が高まる。熊野の守備力向上が今季の阪急の命運を握っているのかもしれない。

ルーキー第1号を放ったのが熊野なら初勝利を上げたのは
小川博(ロッテ)。3日の対中日戦後に小川も1万円の懸賞金を手にして「ラッキー。今日は60点の出来だった。大事に取っておきます」と祝儀袋を覗き込む仕草をしておどけてみせた。確かにラッキーだった。1点リードされた4回から登板して3イニングを5安打2失点と今ひとつの内容だったが6回に味方が逆転して初勝利が転がり込んだ。しかし運も実力のうち。またキラリと光る場面もあった。5回無死一・二塁で谷沢を迎えると袴田捕手の内角攻めのサインに首を振り、外角へシンカーを投じて一塁ゴロに仕留めた。この度胸の良さが東都大学リーグで揉まれた所以である。

試合後の稲尾監督は「モッカに打たれたのは外人にはシンカーを投げておけば大丈夫というベンチからの指示が裏目に出た。うん、合格点」と細い目を更に細めた。小川の談話もやさ男の外見に似合わず「中日打線はそれほど怖いというイメージはなかった。勝利投手になったのはまぁ嬉しいですけどオープン戦ですから今ひとつピンと来ないですね。1日でも早く公式戦で勝ちたいですね。先発完投型が理想です」と頼もしい。青山学院大学からドラフト2位で入団した肝っ玉ルーキーはスター選手には不可欠な実力と運を共に兼ね備えた投手だ。

肝っ玉と言えば2年目の飛躍が期待されている
小野和義(近鉄)もそう。昨季は高卒新人ながら2勝して「二桁勝利も(岡本監督)」とローテーション入りの期待をかけられている。しかし早くも " 2年目のジンクス " なのか紅白戦では打ち込まれ精彩を欠いていた。ただ本人は「紅白戦だからぶつけちゃいけないし、外角ばかり投げてたら打たれて当たり前です」と気にする様子はない。その言葉を実証するように3日の対大洋とのオープン戦では打者11人から7三振を奪う快投を見せた。

投手に関しては一家言を持つ横浜大洋・近藤監督も「うん、あれはいい投手だね。コントロール、球のキレ、球威も一級品。何より度胸がいいのが一番」と小野を褒めた。確かに小野の球威は増している。新人だった昨季は体重が70kg だったが今キャンプイン時には76kg になっていた。球威が増したのもその影響があるだろう。また精神面では昨オフに寮から出て自活を始めた事で逞しくなった。「僕はまだ開幕一軍が保証されている選手ではない。先ずは信頼を得る事が目標(小野)」と気持ちは浮ついてはいない。投手陣再建が急務の近鉄にとって欠かせない戦力になりそうだ。

目下オープン戦4連勝中で連覇に向けて快調に飛ばす広島を率いる古葉監督。傍目には順調そのものの古葉監督の頭を悩ませているのが5人目の先発投手。北別府、山根、大野、川口に次ぐ予定だった津田投手が血行障害と右足首捻挫で出遅れているのだ。その悩みの種を一気に解決してくれそうな投手が出現した。左腕の
高木宣宏だ。24日の中日戦に先発した高木は3回までパーフェクト、4・5回に1安打ずつ許したものの5回を無失点・5奪三振に抑えた。「今日は高木に尽きる。スタミナ、コントロールも問題なし」と古葉監督の声も上ずる。昨秋から取り組んできたフォークボールもモノになりつつある。通算2勝の男が広島の連覇へのキーマンに躍り出た。

「開幕から一軍入り。そして最低でも5勝」と高木は語る。中日戦の余勢をかって3月3日の巨人戦に6回から三番手で登板したが力みが目立つ内容だった。先頭の松本に安打、そして盗塁を決められ原を四球で歩かせた後、中畑に2点タイムリーを許した。この結果に古葉監督は高木の開幕ローテーション入りをお預けとした。しかし「球は行くんですが微妙なコントロールが駄目でした。でも開幕までには何とかします」と高木の視線は俯く事なく前を向いている。4年前にドラフト3位で北陽高からプロ入りした時の童顔は変わらないが中身は間違いなく成長している。
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# 474 キャンプ総評 ④

2017年04月12日 | 1985 年 



二番に栗橋を起用の新打線はウチの目玉!楽しみや(近鉄・岡本監督)
聞き手…大過なくキャンプを終えた印象ですが?
岡 本…せやね。金村を除けば後に尾を引くような故障もなかったしサイパンでの成果を充分に果たせたね
聞き手…いよいよオープン戦ですが新打線の手応えは?
岡 本…二番・栗橋が目玉、楽しみやで。従来の二番打者のイメージを覆す事になる。栗橋を二番に据えると
      ウチは二番から六番までのダブルリーンアップとなり相手チームには脅威だよ

聞き手…紅白戦ではショート・村上をレギュラー組で起用していましたが
岡 本…彼は2年目だけど打つ方は一軍レベル。後はしっかり守る事が課題。勿論、谷や吹石などと競わせるが
      レギュラーの有力候補である事に間違いない

聞き手…デービスの一塁転向の成果は?
岡 本…まだまだ。でも肩は昨年までの加藤英や小川より良いから慣れれば問題なし。新外人のバンボの守りも
      まずまず。とにかくリーグ最多の失策数という汚名は返上しないと

聞き手…そのバンボの打撃は?
岡 本…今年のウチは彼のバットにかかっている。小柄だがパワーは凄い。バックスクリーンを越えた一発には
      驚いた。150㍍は優に超えていたね

聞き手…やはり心配は投手陣?20日の紅白戦で両軍合わせて19四死球は酷過ぎました
岡 本…せやね。紅白戦では疲れがピークで全般に悪かった。小山、小野、藤原、山村といった若手がブルペンでの
      勢いを実戦で出せるかどうかが課題。1人でも出て来てくれると楽になる

聞き手…ドラフト1位の佐々木投手の評判が良さそうですが
岡 本…シンカーのキレは凄いよ。見た目以上に球威もあって期待できる。オープン戦では先ずは中継ぎで試して
      良ければ先発でも起用しようと思っている

聞き手…最後にキャンプを採点して下さい
岡 本…90点はつけられるんじゃないかな


問題の内野は三塁・立石、遊撃・定岡で。成長株の岡本に期待(南海・穴吹監督)
聞き手…畠山が水疱瘡、佐々木が右脇腹痛でリタイアしてしましたが
穴 吹…畠山は実家へ帰しました。佐々木は「右側腰部挫傷」と診断されました。ランニングは出来ますが打つ方は少し時間が
      かかりそうです

聞き手…キャンプ全体の印象は?
穴 吹…病気はともかく怪我は仕方ない部分もあります。思い切ったプレーと紙一重ですから
聞き手…投手陣はどうですか?
穴 吹…加藤、藤本修が二桁勝利を挙げそうなくらい力を付けてきた。ここ数年不調だった井上も今年はやりそう
聞き手…ただ山内投手の血行障害(右手中指)は痛手では?
穴 吹…25日に大阪で受けた診断では手術をしなくても回復の見込みはあるそうです。開幕は無理でも5~6月頃には復帰
      出来そうで安心しました

聞き手…久保寺選手の亡き後、課題だった内野陣の編成はどうですか?
穴 吹…サードは立石、ショートは定岡でいく予定。立石は怪我が多いのが常時出場を妨げてきたが力量はレギュラークラス。
      むしろ心配はアキレス腱を切った定岡の方。開幕に間に合わないなら池之上を使う

聞き手…もし定岡が間に合わないとなると攻撃力が落ちますね
穴 吹…外野の山村を内野にコンバートしたし、オープン戦で五番で使う予定の岡本にも期待している
聞き手…ドカベン(香川)の話題が聞こえて来ませんが
穴 吹…守備だけなら吉田の方が上。ウカウカしていると香川も出番がなくなる。今年のウチは名より実を取りまっせ!


全て投手陣の踏ん張り次第。色んな起用を試みます(日ハム・高田監督)
聞き手…いよいよオープン戦が始まりますが試したい事は何ですか?
高 田…やはり投手陣の起用法ですかね。ウチは投手の踏ん張りが全てと言って過言ではないですから。色んな場面で
      色んな投手を試したいと思っています

聞き手…例えば?
高 田…柴田を抑えで使ってみたい。チーム No,1 の速球の持ち主ですが人差し指の血行障害の影響で長いイニングは
      厳しいのでリリーフでの起用を考えています。ただ24日のアメリカンノックの練習中に右肩を打撲したせいで実戦
      登板は少し遅れそうです

聞き手…いつ頃復帰予定ですか?
高 田…幸い軽傷だったので1週間ほどで復帰できそうです
聞き手…他に試したい選手は?
高 田…河野、西村の2人の左腕ルーキーです。河野のキレと西村の投球術は即戦力かもしれません。ワンポイント、
      上手くいけば2人とも先発で使える可能性もあります

聞き手…野手の方はどうですか?
高 田…ウチはまだ捕手、二塁、左翼のレギュラーが決まっていません。捕手は大宮と田村、二塁は白井・岩井・五十嵐、
      左翼は二村・嶋田信・木村孝・早川で争っています。決め手は打撃より守備力だと考えています

聞き手…最後にキャンプを採点して下さい
高 田…天気に恵まれて順調にメニューを消化できた。柴田の戦線離脱は痛いが、そのマイナス点を引いても
      90点はあげていいと思っています
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# 473 キャンプ総評 ③

2017年04月05日 | 1985 年 



痛かった山田、藤田の故障。だが若手投手の台頭に光明(阪急・上田監督)
聞き手…オープン戦で試したい選手は誰ですか?
上 田…投手では野中だね。今年は自主トレ初日から身体をしっかり作ってきて、やる気を感じた。野中が台頭すれば
      投手陣にも活気が出てくる。3月8日の阪神戦に投げさせる予定です

聞き手…野手では?
上 田…新人の熊野ですかね。打撃も良く守りも肩が強くて充分一軍で使えそう
聞き手…期待していた古溝の故障が気になります
上 田…膝を痛めましたが幸いにも軽症で1週間ほどで復帰できそうです。彼には中継ぎだけでなく、山沖と共に
      先発ローテーションの柱にと期待しています

聞き手…キャンプ中に飯塚を外野にコンバートしましたが、意図は?
上 田…彼は腰に持病があり守りの負担を減らす為に外野へコンバートする話は以前からありました。ウチの外野陣は
      線の細い選手が多いから飯塚みたいな大型外野手が出てくれば面白いと思ってね

聞き手…最大の懸念材料がエース・山田の故障ですが、山田は開幕に間に合うのでしょうか?
上 田…本人には焦らずゆっくり調整するように言っています。勿論、開幕に間に合ってくれれば嬉しいですが
      無理はさせません。目先の1勝より完全に治してから戻って来てくれた方がチームにとってもプラスです

聞き手…オープン戦の抱負を聞かせて下さい
上 田…勝敗よりも連携プレー、サインプレーの確認。より緻密な野球を目指してキャンプを過ごしてきたのだから
      実戦で完璧にこなせるようにしないといけない

聞き手…全体としてキャンプの出来は?
上 田…山田の出遅れは想定内でしたが藤田の右ヒジ痛が最大の誤算。ただ小島に完全復活の目途が立ち、小林敦
      野中ら若手投手の成長は楽しみですね



村田が帰って来ればチームも当然いい方向へ向くさ(ロッテ・稲尾監督)
聞き手…キャンプを振りかえって如何ですか?いやにスローペースという印象があるのですが
稲 尾…今年は意図的にスローペースにしたんです。昨年は監督就任1年目でチームの内情が分からなかったので
      投打ともに早めに仕上げて各選手の力量の把握を試みたんですが、今年はその必要もないですから。ウチは
      有藤やリーといったベテランが多いので敢えてスローペースにしました

聞き手…オープン戦からペースアップ?
稲 尾…徐々にペースを上げてそのまま開幕戦に挑もうと考えています
聞き手…では、そのオープン戦で何を課題に戦っていくつもりですか?
稲 尾…前半戦は若手中心、ラスト10試合は本番と同じメンバーで挑むつもりです。今年も各試合にテーマを
      決めて戦います。試合毎に " 盗塁デー " , " エンドランデー " , " バントデー " と定めて勝敗を度外視して
      徹底的にやります。勿論、有藤や落合だって例外ではないですよ

聞き手…期待する選手は誰ですか?
稲 尾…投手ではドラフト2位の小川。紅白戦で好投しましたが打者にとって実に打ちにくいタイプですね。オープン戦では
      先発、リリーフとあらゆる場面で使って試したい

聞き手…野手では?
稲 尾…ドラフト4位の横田。シュアな打撃と守りも合格点。高沢が出遅れ気味なので横田にはチャンスです
聞き手…主力組の調整具合は?
稲 尾…チョージ(村田)の仕上がりが順調でオープン戦が楽しみ。この2年間のブランクからどう立ち直るか注目です。
      彼が復帰できればチームのモチベーションも上がるでしょう。仁科や深沢も順調で期待できます

聞き手…昨季は2位。当然今季の目標は優勝かと思いますがズバリ勝算は?
稲 尾…優勝? " チャレンジ精神で上を向いて歩こう " のキャッチフレーズ通りにやるだけです


V奪回への不安材料はキャンプで消えた!さあ前進だ(西武・広岡監督)
聞き手…キャンプを振り返るといかがですか?
広 岡…投打ともに順調じゃないですか。故障者が4~5人ほど出ましたが、いずれも軽症ですから一安心です
聞き手…使えそうな新戦力はいますか?
広 岡…田尾は間違いなく戦力になります。クリーンアップを任せても大丈夫。台湾から来た郭は二桁勝てる能力を
      持っています。上手く環境に適応できれば充分活躍するでしょう

聞き手…その郭が加わった投手陣はどうですか?
広 岡…2年目の渡辺、5年目の小野が目立ちました。ベテラン勢が元気な内に西本、川村、高山、成田、串原、
      石井、黒原らの若手の中から何人かは出て来て欲しいですね

聞き手…杉本投手の抜けた穴が気になりますが
広 岡…皆さんおっしゃいます(苦笑)。左腕は工藤、野口、小田、鈴木、それに永射もいますから心配してません
聞き手…野手では誰が伸びましたか?
広 岡…目についたのは金森。外野の一角に食い込むかもしれません。それから2年目の青山は長池打撃コーチの
      指導で良くなりました。清家も伸びています

聞き手…新人の大久保の評判が良いようですが
広 岡…打撃に関しては非凡な所を見せています守りはまだまだ。今は捕手をやらせていますがポジション的に
      経験が必要とされますので試合に出るには時間がかかるでしょう

聞き手…西武の一時代を支えた田淵や山崎が引退しチーム構成が変わりますね
広 岡…チームが若返り機動力野球が出来るようになる。守りでも投手を含めたチームプレーをみっちり練習したので
      昨年までとは違った野球を見せる事が出来そうです
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